資金2億円を調達、消防用電気自動車(EV)の開発を推進
【THE 視点】モリタは2月22日、株式会社 EVモーターズ・ジャパン(以下、EVM-J)と資本業務提携すると発表した。出資額は2億円と発表されており、EVM-Jは消防車両のEVシャシーの共同開発費用にあてるという。
モリタは、消防車両のEV化は最重要課題のひとつと捉えている。消防車両に適した独自のEVシャシーを、高い技術力と柔軟な開発体制を持つEVM-Jと共同開発することが最良であると判断し、同社へ資本参加をするとともに業務提携契約をしたという。
欧米では、EVの消防車は既に活躍している。日本では、東京消防庁に「三菱ミニキャブ MiEV(ミーブ)」ベースの車両(即応対処部隊に使われる)や、モーターで消防ポンプのみ駆動する車両(いすゞ車体が開発)があるのは知っているが、純粋なEVの消防車は導入がない。
今回モリタは、最大手の消防車両メーカーとして、さらに踏み込んで純粋なEVの消防車両を開発する模様である。単純に考えれば、三菱ふそうの「E-キャンター」をベースにすれば良いと思うが、航続距離の問題か改造に適さないのかで採用を見送ったのではないかと推測される。そこで、EVM-Jに白羽の矢を立てたのではないだろうか。
これは筆者の想像だが、EVM-Jの現行の車型で消防車両を製作するなら、可搬ポンプなどを搭載する「積載車」と呼ばれる車両が良さそうだ。
筆者は以前、エンジン車ではあるが消防用「積載車」の開発を経験したことがある。「積載車」であれば、EVM-Jが得意とする低床・低重心ボディを活用するのに最適。EVM-Jのトラックやバスの車体をベースに、さまざまな機材を積み込める使い勝手の良い「積載車」ができると思うし現実的である。
ともあれ完成が楽しみである。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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