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「もうガソリン車には戻れない」テスラ・モデル3オーナー、石井さんに聞くEVライフの実際のところ


TEXT:曽宮 岳大 PHOTO:曽宮 岳大
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これまでクルマ好きとして様々なクルマを乗り継いで来た、「EVごはん」主宰の石井啓介さん。「テスラ モデル3」を選んだ理由は、「BMW M3」並みという圧倒的な動力性能と、これまでと何もかも違うテスラというブランドに漂う未来感に魅力を感じたから。航続距離は? 充電の不便さは? EVの懸念事項に挙げられることが多いこれらの質問を石井さんに聞いてみた。EVはぶっちゃけどうなんですか?

EVに乗り換えると走行距離が伸びる

EVで航続距離を心配する人が多いと思うのですが、ガソリン車に乗られていた時と比べて、クルマの使い方に変化はありましたか?

「走行距離については、意外と思われるかもしれませんが、EVに乗り換えると走行距離が伸びる方が多いようです。僕もガソリン車の時に比べて1.5倍ほどに伸びました。理由は、ひとつにはガソリン車の燃料代に比べ、ランニングコストが圧倒的に安いためです。あとは、走行中のドライバーの負荷やストレスが少ないことが挙げられると思います。テスラの場合はオートパイロットと呼ばれる運転支援機能が充実していますので、長距離を楽に走れてしまうんですよ。東京から名古屋や大阪程度の距離であれば、EVに乗る皆さんは普通に移動しています。だから走行距離が伸びる傾向にあるのだと思います」

長距離移動の際、速度を抑え気味にして航続距離を伸ばすとか、何か工夫されていることはありますか?

「走行速度は人それぞれだと思いますが、傾向としてはEVで飛ばすというか、スピードを出して走る人は少ないと思います。おそらくオートパイロットのような機能を使い、ダラーッと楽に長く走る。そんな方が多いのではないかと想像しますね。東京から浜松ぐらいの距離(約230km)でしたらノンストップで行けてしまいますので」

 

EVに乗り換えて、クルマで移動することが多くなったのですね。高速道路だけでなく街中の移動でも乗る機会は増えましたか?

「そうですね。街中でもクルマに乗る機会は増えていると思います。EVだとランニングコストが安く済むうえに、暖機運転をしなくていいとか、早朝に出掛けてもご近所さんに騒音面での気遣いがいらないとか、気楽に使える側面があります。僕もクルマが好きで古いクルマにも乗っていますので、クルマをいたわろうとすると暖機運転をして水温を上げてから動かそうとするじゃないですか。でもEVだと乗った瞬間に走り出せますので。おまけにエアコンもクルマに乗る前にスマホでONにできるので、出かける前に冬は車内を暖かく、夏は涼しくしておくことができますしね」

航続距離についてですが、EVは勾配がある路面で電費が結構低下するといったことがあると思うのですが、何かそういう不得手感みたいなものは感じていますか。

「確かに山道では電気の消費率が増す感覚はありますね。でも帰り道の下り坂では逆に蓄電量が増えますからね。『行ってこい』ですかね。箱根だと帰りに5%ぐらいおつりを返してくれるような感覚です。登れば次は下るので、あんまり気にならないですね。あとはテスラの場合では今の『モデル3』や『モデルY』ではヒートポンプ式エアコンが採用されていますので、エアコンによる電力消費の影響も少なくなりました」

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