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フォード、電気自動車SUV「エクスプローラー」を発表。フォルクスワーゲンとプラットフォームを共用


TEXT:岩尾 信哉
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内外装ともにシンプルなデザイン

フォードは新型エクスプローラーを「アメリカにルーツをもち、ヨーロッパで設計された」モデルと表現している。北米市場で培われた伝統のSUVらしい前後端を切り落としたスクエアなフォルムを基本に、空力に意を払ったクロスオーバー・デザインが施された。このように新型エクスプローラーは、エアロダイナミクスを意識したうえで、個性的なスタイリングに仕上がっている。

まず目が行くフォードが“シールド”と表現するフロント部は、いかにもBEVであることを想起させるものだ。いっぽうで、4.5m以下に抑えられたとされる全長が示すように、ヨーロッパの都市部などでの使い勝手に配慮したとされている。

機能面について詳細は不明だが、駆動方式は後輪もしくは四輪駆動とされ、一連のフォルクスワーゲンID.シリーズに準じた設定となる。充電性能についてもおおまかな説明でしかないが、バッテリー容量の10~80%を25分で満たす急速充電が可能としている。

2列5名乗車のシートアレンジが施されたインテリアは、シンプルな仕立てとなった。なかでも、ダッシュパネル中央に設えられた15インチの大型タッチスクリーンが目立つ。上下方向のスライドによって傾きを調節する機能をもつ。

17Lの容量を備えたセンターコンソール・ボックスは15インチのラップトップ・パソコンを収められるなど、すっきりと仕上げられたデザインとともに、利便性にも配慮されている。

快適性の点でEVの弱点といわれる室内の暖房機能についても、明らかにされている。前席シートやステアリングホイールにヒーター機構を備える。

ラゲッジコンパートメントについては、利便性の向上を狙って、センサーによるバンパー下に足を通すキック式テールゲートオープナーを与えられた(荷室容量は470L:5座時)。

ADAS機能では、停車時にドアを開けた際に周囲の自転車などを検知するセンサーシステムや、欧州フォード初の表示部のボタンで操作できる、自動走行機能「アシステッド・レーン・チェンジ」などを備える。

競争激しい欧州BEV市場に挑む

現状の欧州市場では、ステランティス・グループの欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した「ジープ・アベンジャー」など、手強いコンパクトなクロスオーバーBEVがすでに存在する。BEVとして新規参入を図る新型エクスプローラーは、標準モデルとプレミアムの2タイプ種が用意され、2023年後半に受注を開始する。4万5,000ユーロ(約630万円)以下に抑える価格設定を予定しており、早々とウェブサイトでの予約を受け付けている。航続距離を含めた詳細や販売スケジュールなどは近く発表予定だ。なお、フォードは初のEVであるエクスプローラーに始まり、2030年までに全乗用モデルEV化の指針を提示するとしている。

これも明確にされていないが、初のBEV仕様SUVとなった新型エクスプローラーが欧州で発表されたことで、北米市場でのエクスプローラーがモデルチェンジやEV化を含め、どのように扱われるのか注目したい。

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