#PHEV
TEXT:高橋 優
BYDの脅威はBEVだけにあらず! PHEVミニバン「Xia」の豪華すぎる装備も燃費も驚きのレベルだった

BYD XiaはPHEVのみの設定 BYDがミニバンPHEVのXiaの正式発売をスタートしました。ますます需要の高まるミニバンセグメントの大本命として、トヨタ、ホンダ、GMなどという既存メーカーのシェアをさらに奪うポテンシャルを解説します。 ミニバンセグメントについては、BYDはすでに高級ブランドのDenzaから、2022年末にD9というミニバンEVを発売済みです。
D9は瞬く間に販売台数を伸ばして、2023年シーズン、ミニバンセグメントでトップの販売台数を達成しました。 DenzaはD9の大規模なモデルチェンジを2024年末に実施。とくに高級車セグメントにおいて重要性が高まっているハイエンドADASを搭載しながら、売れ筋のPHEVモデルに対しては第5世代のPHEVシステムを導入することで燃費性能を向上。その上で、装備内容などを充実させることによって12月単体の販売台数は、半年ぶりに月間1万台の大台に復活させています。 そして、BYDブランドから投入されたのがXiaと名付けられたミニバンの存在です。XiaはDenza D9とは異なり、BEVをラインアップせずにPHEVのみで一本化しています。Denza D9の販売内訳を見ると、約95%程度の販売がPHEVで成り立っており、現時点で中国人はBEVミニバンをチョイスすることはないと判断してきたものと思われます。 Xiaは全長5145mm、全幅1970 mm、全高1805 mm、ホイールベースが3045mmという中大型セグメントのミニバンです。兄弟車であるDenza D9はひとまわり大きく、さらに中国市場でDenza D9を上まわる高級ミニバンEVとしてスマッシュヒットを記録しているVoyah Dreamer EVは、全長5315 mm、全幅1985 mm、ホイールベースが3200 mmという大型ミニバンセグメントであり、中国市場でのミニバンはかなりの大きさが求められています。 今回のXiaの性能で注目するべきは、何といっても熱効率45.3%を実現する第5世代のPHEVシステムを搭載してきたことで、WLTCモードにおける燃費性能が6.4L/100kmと、ミニバンPHEVとして非常に優れた燃費性能を実現している点です。また、36.6kWhという大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離もWLTCモードで145kmを確保しています。 たとえばトヨタ・アルファードのHEVモデルはWLTCモードで6.3L/100kmと、大容量バッテリーを搭載するPHEVであるという点、およびアルファードよりもひとまわり大きいというという点を考慮に入れると、トヨタのハイブリッドと同等以上の燃費性能を実現している様子が見て取れるでしょう。 また、Xiaは急速充電にも対応しており、PHEVとしては高性能な2C充電に対応。よって、SOC30%から80%まで18分間で充電を完了させることが可能です。さらに最大6kWのV2L機能にも対応しています。 また、全長5145 mmの中大型ミニバンであるにもかかわらず、最小回転半径は5.7mと取りまわしで優れており、これはアルファードの5.9mすらも凌駕しています。

TAG: #PHEV #Xia #ミニバン
TEXT:小鮒康一
「ガソリンでも走れるくせに急速充電器使うなよ」は暴論? 正論? PHEVの急速充電器問題を考えてみた

外部充電のみで賄っているPHEVユーザーも存在 EVユーザーにとってバッテリー残量というのは命綱でもあり、ギリギリの状態でたどり着いた急速充電器に先客がいたときの絶望感は計り知れないものがある。 このとき充電しているのがBEVであるならまだしも、PHEV車であったときは、「ガソリンでも走れるんだから、急速充電器占領しないでよ~」という気もちになる人も少なからずいるのではないだろうか。 筆者もBEVに乗っていたときは何度かそういったシチュエーションに遭遇し、そういった気もちを抱いたことがあるというのが正直なところだ。 しかし、冷静に考えてみれば、急速充電器を使用しているPHEVユーザーも年会費やビジター充電費を支払って使用しているれっきとしたユーザーであり、急速充電器を使用する権利はBEVユーザーと同等にあるということなる。 PHEVモデルはバッテリー容量がそこまで大きくないため、自宅で充電すれば十分だろうという声もあるかもしれないが、なかには自宅に充電設備をもたずに外部充電のみで賄っているユーザーも少なからず存在するハズ。 そもそもPHEVのユーザーは急速充電器を占領するな、といい始めてしまうと、次はBEVのユーザーでも緊急性の低いユーザーは急速充電器を占領するな、というような意見にも繋がりかねないだろう。 もちろん、急速充電器を使う側にもマナーは必要であるため、充電が終わっているのに一向にクルマに戻ってこないとか、そもそも純内燃機関車なのに急速充電器前に駐車するというような行為は言語道断だが、自車のバッテリー残量や待機ユーザーの有無などで譲り合って使うというのがマナーであるのはBEVでもPHEVでも変わりないといえるのではないだろうか。 今後、さらにBEVが普及して急速充電器がより多く設置されるようになったり、充電速度が飛躍的に向上したりすれば、こういったいがみ合う意見も減ってくるかもしれないが、現状はやむを得ないところがあるというのが実際のところ。いつの日か、そんなこともあったと当時を知る人の間で話せる日が来ることを期待したい。

TAG: #EV #PHEV #急速充電
TEXT:TET 編集部
定額サブスクは法人ユーザーにもメリット大! KINTOがトヨタのPHEV4車種の取り扱いを開始

クラウンスポーツ、プリウス、ハリアー、NXの4車種を設定 自動車のサブスクリプションサービスを展開するKINTOは、多様化する顧客ニーズへさらにきめ細かく対応するため、2024年8月上旬からトヨタが販売しているプラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いを開始する。 KINTOのサブスクリプションサービスは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月額利用料を支払い、車両を利用する仕組みだ。自動車販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きを行うことができ、契約満了の際に車両の状態が基準を満たせば、原状回復費用を支払うことなく車両の返却のみで済む「手軽さ」が特徴のサービスになっている。 契約にあたってはふたつのプランが設けられており、「初期費用フリープラン」の場合、まとまった資金の用意が不要で、3・5・7年のなかから契約期間を選ぶことができる。一方、「解約金フリープラン」の場合は所定の申込金を支払うことで、3年の契約期間中の中途解約にかかる費用の支払いが不要となるプランだ。借主が個人なのか法人なのか、直近の3年でクルマの使用環境が変化する可能性が多いのか少ないのかによって、プランを検討すればいい。 これまでKINTOではガソリン車のほか、ハイブリッド車(HEV)およびバッテリーEV(BEV)を取扱ってきた。しかし多様化する顧客ニーズに対し、さらにきめ細かく対応するためにはラインアップを一段と強化する必要があると考え、この一環としてプラグインハイブリッド車(PHEV)を新しく加えることを決めたという。 対象はトヨタブランドのクラウンスポーツ、プリウス、ハリアーの3車種と、レクサスブランドのNXの計4車種となるが、今後トヨタが新たに発売するPHEVも順次追加していく予定だとしている。4車種の取り扱いは2024年8月上旬より開始し、月額などの情報は取り扱い開始日からKINTOのWEBサイトで公開される予定だ。 CEV補助金を申請するならプラン選びは要注意 なお、PHEVの4車種をKINTOで契約し、クリーンエネルギー自動車を購入した際に交付される「CEV補助金」を使う場合には、当該車両を4年保有することが国で義務付けているため、トヨタブランドについては、「初期費用フリープラン」の5年または7年のいずれかを選択のうえで、顧客自身で補助金の申請をする必要がある。一方で、レクサスブランドについては、KINTO側で契約期間が3年と定められていることから、CEV補助金の交付条件から外れ、補助金を申請することができないので注意が必要だ。 余談ではあるが、KINTOで扱われるトヨタのEV専用モデル「bZ4X」は、2024年8月以降はそれまで契約期間が10年しか選べなかったものが、PHEVと同様に3・5・7年から選択できるように改善がなされる。むろんCEV補助金を申請する場合は、5・7年の契約が必須となるのも、PHEVと同様だ。 法人顧客がKINTOで得られるメリットとは? KINTOのサービスは、個人ユーザーだけでなく、PHEVのカーリースを検討中の法人や個人事業主の顧客のニーズにも対応しているという。主に経理面でメリットがあり、諸費用を一括した月額を支払う仕組みだから支出管理がシンプルになると同時に、カーリースと同様、月額を経費計上して損金扱いすることで、スムーズな会計処理につながるのだ。ただし、顧客の財務状況や車両の使用方法によって、メリット・デメリットが異なるため、契約にあたっては会計士や税理士に事前確認するようKINTOは呼びかけている。 さらに、法人ユーザーについては、社用車として利用する際の保険の補償対象を、役員や直接雇用関係にある職員とその家族まで広範囲に設定しているほか、人員に増減が発生しても契約内容をそのまま継続できるなど、メリットが豊富だという。顧客ごとに専任の担当者が付き、申込みの相談から利用中のサポートまでを担う「KINTOカスタマーセンター 法人サポートデスク」も設けられているなど、きめ細かなサービスが展開されている。 KINTOというと、サービス開始当初の宣伝イメージから、まとまったお金を用意しにくい若者が定額サブスクによって新車を無理なく乗れる新サービス、というイメージを抱きがちだが、実際には、今回触れている通り法人・個人事業主が経理上のメリットを享受できるサービスでもある。 PHEVの追加で既存のトヨタ、レクサス、スバル各ブランドのラインアップにも厚みが増す。この機会にKINTOを再考してみてはいかがだろうか。

TAG: #KINTO #PHEV #サブスク
TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツCクラスにプラグインハイブリッドの「C 350 e スポーツ」を追加

CHAdeMOにも対応したプラグインハイブリッド メルセデス・ベンツがDセグメントに投入しているCクラスは、全車を電動化を果たし、またフラッグシップモデルであるSクラス譲りの新技術を多数採用していることも話題だ。 そんなCクラスに、プラグインハイブリッドの「C 350 e スポーツ」が設定された。 今回追加されることになったC 350 e スポーツは、204馬力(150kW)を発する2リッター直4ターボエンジンに、95kWの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルとなっている。 C 350 e スポーツは、EV走行航続距離110kmを実現。日常生活ではほとんど電気自動車の感覚で使用することが可能だ。また、遠方へのドライブでは、ガソリンエンジンで充電しながら走行すれば、航続可能距離や充電時間を機にすることなく安心してドライブすることができる。 充電は普通充電と急速充電の両方に対応。とりわけ急速充電は、CHAdeMOに対応したことが大きい。また、車外へ電力を供給できる給電機能(V2H、V2L)も備えている。 メルセデス・ベンツC 350 eスポーツの価格は995万円。

TAG: #PHEV #輸入車
TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツがPHEV「GLC 350e 4MATIC Sports Edition Star」を発売

EVの利便性と内燃機関の安心感を兼ね備えたモデル 2023年11 月29日、メルセデス・ベンツ日本は、「新型 GLC」にプラグインハイブリッドモデル「GLC 350e 4MATIC Sports Edition Star」を追加し、販売を開始した。 GLCは2015年にデビューし、全世界での累計販売台数260万台を記録するメルセデスのプレミアムミドルサイズSUV。 新型GLCは、伸びやかで美しいシルエットのなかにスポーティかつ洗練された要素を取り入れたエクステリアと、リアルウッドトリムを採用した質感の高いインテリアを併せ持つSUVとなった。ダイナミックなドライビング特性、サポートの精度を高めた安全運転支援システム、縦型の大型メディアディスプレイなども採用している。 今回追加されたGLC 350eは、最高出力204馬力(150kW)、最大トルク320 N・mを発生する2リッター直列4気筒ターボエンジンに、容量が31.2kWhのリチウムイオンバッテリーと出力136馬力(100kW)、トルク440N・mの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデル。 システム総合の最高出力は313馬力(230kW)、最大トルクが550N・mのパワーユニットを備え、電気モーターのみで140km/hまで走行することができる。走行可能な航続距離は118km。 急速充電器(CHAdeMO)、6.0kW(30A)の交流普通充電の双方に対応している。 「インテリジェントアクセルペダル」の「プレッシャポイント機能」では、EV走行モードの際、これ以上アクセルを踏むとエンジンも使用しなければならないというモーター走行の限界点でアクセルペダルの抵抗を増してドライバーに知らせ、無駄なエネルギーの消費を抑制。 「GLC 350e 4MATIC Sports Edition Star」の価格は税込み998万円。

TAG: #GLC #PHEV #プラグインハイブリッド
TEXT:佐橋健太郎
人気の「4xe」グレードをベースにしたジープ・グランドチェロキーの限定車「30thアニバーサリーエディション」が登場

日本未導入グレードのスタイリングを踏襲した魅力的な限定車 ステランティス ジャパンは、ジープ・ブランドのハイエンドモデルであるラグジュアリーSUV、グランドチェロキーの誕生30周年を記念した限定車「グランドチェロキー 30thアニバーサリー エディション」を設定。 グランドチェロキー 30thアニバーサリー エディションは、グランドチェロキーのプラグインハイブリッドモデルとして人気の高い、「Limited 4xe 2.0L」がベースとなっている。 フロントおよびリヤのデザインは、オフロード性能をさらに意識した日本未発売のグレード「Overland」を踏襲しており、フロントグリル、ルーフレールおよびホイールにブラックをあしらった、独創的で力強いイメージを主張している。 また、グランドチェロキー 30thアニバーサリー エディションでは、上級グレードである「サミットリザーブ」のみに装備されているデジタルリアビュールームミラーや、ワイヤレスチャージングパッド、さらにウインドウシェードを標準装備とすることで、利便性を高めた。 リヤゲートには、1993年に誕生した初代グランドチェロキーと現行モデルのシルエットが向かい合わせになった、限定車ならではの専用エンブレムが装着される。 ボディカラーは、グランドチェロキーの力強さを象徴するダイヤモンドブラッククリスタルを採用することで精悍なイメージを引き立てている。 パワートレインは、V6エンジン並みのパワーを発揮しながら低燃費を実現する2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを組み合わせた4xeプラグインハイブリッドシステムを搭載。また、14.87kWhリチウムイオンバッテリーがパワフルなドライビングを生み出し、「e-SAVEモード」など、3つのドライブモードが選択可能となっている。 さらに、8速オートマチックトランスミッションと組み合わせることで、力強い出足や滑らかなハイウェイクルージングを実現した。 グランドチェロキー 30thアニバーサリー エディションには、伝統の走破性を生み出すクォドラトラックII 4×4システム、エレクトロニックスタビリティコントロールなど、先進のセーフティおよびセキュリティシステムが搭載されている。 そのほか、ParkSenseフロント・リアパークアシスト、サラウンドビューカメラに加え、アダプティブクルーズコントロール、アクティブレーンマネージメントなど、安全運転をサポートする様々な運転支援機能を装備する。 限定車「グランドチェロキー 30thアニバーサリー エディション」は、2023年12月2日(土)より、全国のジープ正規ディーラーにて発売する。90台限定で、メーカー希望小売価格は、1049万円となる。

TAG: #PHEV #SUV #アメ車 #輸入車
TEXT:西川昇吾
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由

ジャパンモビリティショーにNERVのアウトランダーPHEVが登場 ジャパンモビリティショーの三菱ブースにはさまざまな電動車が並べられていた。そこには現行のプラグインハイブリッドモデル、アウトランダーPHEVの姿もあった。そのうちの1台が特務機関NERV災害対策車両だ。代表の石森氏曰く、災害対策車両としてプラグインハイブリッドは最適な選択だと語る。 特務機関NERVとは? そもそも、特務機関NERVと災害対策車両の役割とは何なのか? もともとX(旧Twitter)アカウントで地震情報などを発信していた特務機関NERVだが、現在の活動はXでの情報発信に留まっていない。一般向けにリリースされている自社開発の防災アプリの運用や法人企業向けの災害情報の二次配信など、防災、災害に関する情報発信を行っている。さらにキキクル通知サービス協力事業者として認められていたり、政府の災害対策委員会などにも参入していたりする。その必要性は、一般人はもちろん行政も認めている存在なのだ。彼らは災害時に必要なライフラインと言える存在であろう。 そんな彼らがあらゆる状況下でも、多くの人にとってのライフラインである情報発信を確実に行うために用意された車両がこの災害対策車両なのだ。この災害対策車両は「防災情報配信サービスの継続」と「近隣自治体への支援」を目的とした車両。彼らは東京に本拠地を置くが、もしも関東大震災のような大きな災害が東京で起きた場合でも、安全な場所に移動して情報発信という彼らの社会的任務に務め続ける。そんな動く災害情報発信局がこの災害対策車両なのだ。 災害対策車両に適した三菱のプラグインハイブリッド なぜ災害対策車両に導入したのがアウトランダーPHEVだったのだろうか? その最大の理由はプラグインハイブリッドにあったと石森氏は語る。 「当初は防災対策を施した建物に移転することなども考えたのですが、それだと予算的にもかなりハードルが高かったんです。そこで、移動しながら電源を確保できるプラグインハイブリッドに目を付けました。電気とガソリン、両方のエネルギーでライフラインが復旧する一定時間までの電源をプラグインハイブリッドならば確保できる。この点が大きかったですね。そして三菱自動車の四輪駆動車ということ、これは災害時に移動ルートが不安定な状況でも、高い悪路走破性を有しているのは心強いポイントです」。 アウトランダーPHEVには総電力20kWというバッテリーが備わっている。このバッテリーを活用すればガソリン満タンで一般家庭の最大約10日分(V2H機器を介さない場合)の電力の供給が可能だ。そこに高い悪路走破性が備わっている。災害時に電源と機動性を確保できる車両としてこれ以上の選択肢はないだろう。 2019年に先代アウトランダーPHEVを災害対策車両の初号機、弐号機として導入した。現在は車両が入れ替えられており参号機のエクリプスクロスPHEVと四号機の現行アウトランダーPHEVという2台体制になっている。 災害対策車両は動く災害情報発信局 ジャパンモビリティショーには四号機となるアウトランダーPHEVが展示されていた。参号機のエクリプスクロスPHEVが展示されてないのは会期中のもしもの災害に備えるためだ。大幅な改造は施していないが、ラゲッジスペースに搭載されている装備は災害時を考えたものばかりだ。 ラゲッジスペースには内閣府準天頂衛星システム戦略室から貸与された衛星安否確認サービス「Q-ANPI」や、スターリンク衛星を利用したインターネットシステムなどが搭載されている。これにより、地上で電源が失われ携帯電話の通信ができなくなるなどのオンライン環境が途絶えた状態などでも通信環境を確保することが可能となっていて、情報の受信と送信が出来るような備えがされているのだ。 また、情報発信業務を行う職員たちの食料なども用意されている。この災害対策車両は、あらゆる状況でも情報発信をし続けるような対策がハード面、ソフト面、両方で施されているのだ。 災害対策車両を参考にする団体も現在ではこの災害対策車両を参考にして、災害時にライフラインや機動力の確保する車両を導入する動きが道路公団や各地方自治体で始まっているという。 実際に自治体での防災訓練などにもこの災害対策車両は参加しているとのこと。アウトランダーPHEVは約600万円と決して安くはない価格だが、「特務機関NERVが導入しているならアウトランダーPHEVという選択は予算の無駄遣いではない」そんな理由で市民や組織の理解が得やすいといった例もあるようだ。それは特務機関NERVが世間的に認められている証拠の一つと言えるだろう。 高い悪路走破性、ライフラインが断絶しても長期間電源を確保できるプラグインハイブリッドシステム、災害に備える上で、これ以上に最適なクルマはない。自然災害は年々脅威となりつつあるが、万が一の場合に備えて、この災害対策車両を参考にするのは今後の防災のトレンドとなり得るかもしれない。

TAG: #PHEV
世界初公開された新モデル「センチュリー」。筆者撮影
TEXT:桃田 健史
トヨタ「センチュリー」のBEV化はありか?PHEVで登場も技術的にはFCV化も可能。

トヨタは2023年9月6日、都内で新型「センチュリー」を世界初公開した。従来のショーファーカーのイメージを刷新した。パワートレインはPHEV(プラグインハイブリッド)を採用。その意図と、今後のBEV(バッテリーEV)化・FCEV化の可能性は? 新モデルを追加という形 日本のショーファーカーの真骨頂であるトヨタ「センチュリー」に新モデルが追加された。 2018年に登場した三代目「センチュリー」は今後も、「センチュリー(セダン)」として継続して製造・販売される。 つまり、センチュリーがフルモデルチェンジしたのではなく、これまでとは別の顧客層に向けてセンチュリーの新たなる方向性を示した形だ。 パワートレーンは、シリーズパラレルプラグインハイブリッド(2GR-FXS 3.5リッター V型6気筒エンジン)を搭載し、エンジンまたはモーター動力で前輪を駆動、後輪を独立したモーターで駆動するE-Four Advanced(四輪駆動)とした。 車体構造はTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のKプラットフォームを採用した。

TAG: #PHEV #センチュリー #トヨタ
フェラーリ SF90 XX スパイダーのフロントビュー
TEXT:小川フミオ
SF90 XXが示すフェラーリ流の「電気の使い方」。跳ね馬の最新PHEVを徹底解説

フェラーリの最新プラグインハイブリッド車「SF90 XX(エックスエックス)」は、サーキットも公道でも使える最新のスペチアーレだ。V8ツインターボエンジンにトリプルモーターを備えたSF90 XXは、2025年にも登場すると噂されている同社初のピュアEVモデルへの架け橋となるのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオが発表会の現場から詳報をお届けする。 ランボルギーニもほぼ同時期にPHEVを発表 フェラーリが2023年6月29日に、「公道を走れるレーシングカー(フェラーリ的にいうと「XX」モデル)」であるプラグインハイブリッド「SF90 XX(エックスエックス)」を発表。 このとき、ほぼ同じタイミングで、ランボルギーニがやはりプラグインハイブリッドの「レヴェルト」を東京で公開した(本国での発表は2023年3月)。 おもしろいのは、ランボルギーニもこのクルマの特徴として「ハイブリッド化は、パフォーマンスとドライビングエモーションを、前代未聞のレベルにまで引き上げます」としていること。 電動化をもって、フェラーリSF90 XXが「パフォーマンスとドライビングエモーションとデザイン(フェラーリは「デザイン」もつけ加えた)を従来の枠を超えてはるか先まで推し進めました」(マーケティング担当重役のガリエラ氏)としているのと、よく似ているではないか。 電動化は、従来カーボンフットプリントのため、つまり温暖化をまねく二酸化炭素の排出量を下げるための技術であることを、メーカーにとっての金科玉条(きんかぎょくじょう)のごとく前面に押しだしてきた。 実際、フェラーリにおけるプラグインハイブリッドのオリジンともいえる「ラ・フェラーリ」(2013年)を発表した際は、排出ガス低減も謳われていた。 当時、ラ・フェラーリのCO2排出量は220g/km。いっぽう、今回のSF90 XXをみると、ベースになったSF90ストラダーレのそれは154g/km。 12気筒のラ・フェラーリとは、エンジンを含めたすべてのシステムが違う。なので正確な比較はできないながら、年を追って、エミッションコントロールも、ちゃんと“進化”しているといえる。 SF90 XXの場合、エミッションの数値は未発表(申請中)だが、160g程度に落ち着くのではないだろうか。

TAG: #PHEV #SF90 XX #フェラーリ
フェラーリ SF90 XX ストラダーレの俯瞰目ビュー
TEXT:小川フミオ
フェラーリ SF90 XXは公道もサーキットも走れるスペチアーレ。跳ね馬の最新PHEVを徹底解説

フェラーリの最新モデル「SF90 XX(エックスエックス)」は、公道もサーキットも走れる先進のプラグインハイブリッド車。頼もしいモーターのパワーをフェラーリらしいパフォーマンスの実現のために活用している一方で、電気だけで走れるモードも備えるエコな一面をもちあわせている。フィオラノが送り出す新しいPHEVはどんなクルマなのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオが解説する。 SF90以上のパワーとダウンフォース フェラーリが2023年6月29日に発表したプラグインハイブリッド「SF90 XX(エックスエックス)」。 特徴をひとことでいうと「公道も走れる初のXX」(フェラーリのスポークスパースン的役割も務めるマーケティング統括のエンリコ・ガリエラ氏)。 SF90 ストラダーレをベースに(4L V8に3つのモーターというドライブトレインや基本シャシーは共通)、パワーをアップしつつ、ダウンフォースを中心に空力を徹底的に見直している。 「XX」とは、フェラーリのサーキット専用車プログラム。XXの名をもった限定モデルを販売し、コルセ・クリエンティと呼ばれる専任部門が、サーキット走行のノウハウを伝授する。 これまでに「FXX」(2005年)、「FXX エボルツィオーネ」(2008年)、「599XX」(2009年)および「599XXエボ」(2011年)、「FXX K」(2014年)、それに「FXX K エボ」(2017年)と、高性能モデルがごく少数作られてきた。 SF90 XXの場合は、パワーをSF90 ストラダーレの735kWから797kWに引き上げると同時に、車体の空力を徹底的に見直し、「1ミリも空力的に無駄なデザインはない」(エンジニアリング担当のジャンマリア・フルジェンツィ氏)というほど。 空力の主目的はダウンフォースの増大。ノーズ、側面、そしてリアのウィングとシャットオフ・ガーニーにいたるまで徹底的に磨きあげ、結果、「SF90 ストラダーレに対して最大値で2倍」(フェラーリのプレスリリース)にまで増大させている。 高速において車体と車輪を路面に強く押しつけるダウンフォース増大によって、「車輪のグリップを強めるとともに、ラップタイムでより速くなっている」(プレスリリース)とする。

TAG: #PHEV #SF90 XX #フェラーリ

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