クラウンスポーツ、プリウス、ハリアー、NXの4車種を設定 自動車のサブスクリプションサービスを展開するKINTOは、多様化する顧客ニーズへさらにきめ細かく対応するため、2024年8月上旬からトヨタが販売しているプラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いを開始する。 KINTOのサブスクリプションサービスは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月額利用料を支払い、車両を利用する仕組みだ。自動車販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きを行うことができ、契約満了の際に車両の状態が基準を満たせば、原状回復費用を支払うことなく車両の返却のみで済む「手軽さ」が特徴のサービスになっている。 契約にあたってはふたつのプランが設けられており、「初期費用フリープラン」の場合、まとまった資金の用意が不要で、3・5・7年のなかから契約期間を選ぶことができる。一方、「解約金フリープラン」の場合は所定の申込金を支払うことで、3年の契約期間中の中途解約にかかる費用の支払いが不要となるプランだ。借主が個人なのか法人なのか、直近の3年でクルマの使用環境が変化する可能性が多いのか少ないのかによって、プランを検討すればいい。 これまでKINTOではガソリン車のほか、ハイブリッド車(HEV)およびバッテリーEV(BEV)を取扱ってきた。しかし多様化する顧客ニーズに対し、さらにきめ細かく対応するためにはラインアップを一段と強化する必要があると考え、この一環としてプラグインハイブリッド車(PHEV)を新しく加えることを決めたという。 対象はトヨタブランドのクラウンスポーツ、プリウス、ハリアーの3車種と、レクサスブランドのNXの計4車種となるが、今後トヨタが新たに発売するPHEVも順次追加していく予定だとしている。4車種の取り扱いは2024年8月上旬より開始し、月額などの情報は取り扱い開始日からKINTOのWEBサイトで公開される予定だ。 CEV補助金を申請するならプラン選びは要注意 なお、PHEVの4車種をKINTOで契約し、クリーンエネルギー自動車を購入した際に交付される「CEV補助金」を使う場合には、当該車両を4年保有することが国で義務付けているため、トヨタブランドについては、「初期費用フリープラン」の5年または7年のいずれかを選択のうえで、顧客自身で補助金の申請をする必要がある。一方で、レクサスブランドについては、KINTO側で契約期間が3年と定められていることから、CEV補助金の交付条件から外れ、補助金を申請することができないので注意が必要だ。 余談ではあるが、KINTOで扱われるトヨタのEV専用モデル「bZ4X」は、2024年8月以降はそれまで契約期間が10年しか選べなかったものが、PHEVと同様に3・5・7年から選択できるように改善がなされる。むろんCEV補助金を申請する場合は、5・7年の契約が必須となるのも、PHEVと同様だ。 法人顧客がKINTOで得られるメリットとは? KINTOのサービスは、個人ユーザーだけでなく、PHEVのカーリースを検討中の法人や個人事業主の顧客のニーズにも対応しているという。主に経理面でメリットがあり、諸費用を一括した月額を支払う仕組みだから支出管理がシンプルになると同時に、カーリースと同様、月額を経費計上して損金扱いすることで、スムーズな会計処理につながるのだ。ただし、顧客の財務状況や車両の使用方法によって、メリット・デメリットが異なるため、契約にあたっては会計士や税理士に事前確認するようKINTOは呼びかけている。 さらに、法人ユーザーについては、社用車として利用する際の保険の補償対象を、役員や直接雇用関係にある職員とその家族まで広範囲に設定しているほか、人員に増減が発生しても契約内容をそのまま継続できるなど、メリットが豊富だという。顧客ごとに専任の担当者が付き、申込みの相談から利用中のサポートまでを担う「KINTOカスタマーセンター 法人サポートデスク」も設けられているなど、きめ細かなサービスが展開されている。 KINTOというと、サービス開始当初の宣伝イメージから、まとまったお金を用意しにくい若者が定額サブスクによって新車を無理なく乗れる新サービス、というイメージを抱きがちだが、実際には、今回触れている通り法人・個人事業主が経理上のメリットを享受できるサービスでもある。 PHEVの追加で既存のトヨタ、レクサス、スバル各ブランドのラインアップにも厚みが増す。この機会にKINTOを再考してみてはいかがだろうか。
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