#BMW
TEXT:小川 フミオ
さすがはBMW!5シリーズの電気自動車「i5」もまごうかたなきスポーティセダン!

前回までは、BMW5シリーズに加わった電気自動車「i5」のデザインについて小川フミオ氏に語ってもらった。いよいよリスボンの街を走り出す。走りでも5シリーズの良さを失っていないのだろうか。 エンジン車と電気自動車のいいとこどり BMWの新型5シリーズのラインナップに加わった「i5」はBEV(バッテリー電気自動車)のセダンだ。5,060mmの全長に2,995mmのロングホイールベース。余裕あるサイズだが、操縦性は、スポーティセダンで鳴らしたBMWならでは!と言いたくなる。 リスボンで乗った1台は、i5 eDrive 40 Mスポーツ。81.2kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、最高出力は250kW、最大トルクは430Nmだ。 ひとことで言って、BMWならではの味がある。同社のスポーティセダンの延長線上に違和感なく位置づけられる。 電気モーターだからという特別性はほとんどなく、ナチュラルな運動性能と感じられるのだ。 現代のBEVとしても違和感なく、かつ、ステアリングフィールなどに、やはりBMWっぽい味つけがちゃんと感じられる。よく出来ていると思った。 高速道路では、どこまで速度が上がっていくの?というリミットが感じられない加速感に驚かされた。でも、アクセルペダルの味つけなのか、すこし抵抗感があって、そこで右足にすこし力をこめると、ぐんっと前に出る。そんなエンジン車のような印象も受けた。 BMWっぽいのは、ハンドルを切ったときの車体の反応だ。内側のノーズがすーっと内側に入っていく(車体のロールは少ないのだけれど)。 バッテリーを床下に積んでいるので、重心高が低いのも、気持ちよく車体が動くハンドリングという、いいバランスになっている。 車重は2.1トンあるのだけれど、モーターの大きなトルクによって、重さはほとんど感じない。 足まわりの設定は、とくにリアがやや硬め。そもそも4つのドライブトレイン前提で開発されたシャシーなので、サスペンションのアーム長とか、理想的な設計はちょっとむずかしかったのだろうか。 後席の床には小さめとはいえ、BEVとしては意外なセンタートンネルがある。ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド各モデルでは、排気管やドライブシャフトが通るはず。これもしようがない部分だ。 もちろん、ドライバーは、かなり楽しい思いが出来る。太めのグリップのステアリングホイールを通して、路面からの情報が手のひらにしっかり伝わってくるし、クルマの動きは繊細。 運転している自分との一体感がしっかりあるのが、i5の魅力だ。車内はかなり静かで、エンジン音はもちろん聞こえない。そこがBMWのセダンとして、妙な気分だ。

TAG: #BMW #i5 #セダン
TEXT:小川 フミオ
BMW「5シリーズ」の電気自動車は、新時代に入った「セダンデザイン」を体現している

ポルトガルで5シリーズの初のBEV(バッテリー電気自動車)に乗った小川フミオ氏は、その内外装デザインを歴代5シリーズと重ね合わせる。共通点や時代とともに進化したポイントはあるのだろうか。Vol.1の記事はこちら。 「スポーティ・エレガンス」なプロポーション 2023年に登場した新型BMW5シリーズは、1972年の初代から数えて8世代目になる。 ドイツをはじめ、欧州で5シリーズのセールスはずっと好調に推移してきた。ひとつの理由は、カンパニーカーといって、要職にある社員に貸与される一種の社有車としてのニーズが高いこと。 もうひとつは、バランスのよさだろう。初代いらい、私はずっと5シリーズのファンだった。 これは私の個人的な感想だけれど、初代から4代目まではとくに、プロポーションがよく、絵に描いたような4ドアセダンというかんじだった。 同時に、4灯式ヘッドランプと、キドニーグリルが、個性になっていた。控えめといえば控えめだけれど、じつはドライブが好き、というドライバーのキャラクターをうまく表現していたと思う。 今回の5シリーズは、全長が5メートルを超え、5,060mmに。先代より97mm延びた。初代7シリーズですら軽く超えている。どうして、こんなにサイズアップしたんだろう。 「その理由は……」と、語ってくれたのは、8代目5シリーズのプロダクトマネージャーを務めたオリバー・ムンダー氏。 「ひとつは、クラッシュセイフティの要件で、フロント部分を伸ばす必要があったためです。そして、もうひとつ、理由があります」 ムンダー氏は付け加える。 「i5は床下にリチウムイオンのバッテリーパックを収めるため、車高が高めになりました。そこで、バランスをとるため、全長を伸ばして、美しいプロポーションを保つことを選びました」 全高は1,515mmで、先代より36mm高い。しかし、たしかにシルエットを見ても、ぼてっとしたかんじはいっさいない。 新型5シリーズのデザインをして「クリア」「削ぎ落とされた」「運動性能を感じさせるプロポーション」「スポーティ・エレガンス」「存在感」と、BMWでは言葉にしている。

TAG: #BMW #i5 #セダン
TEXT:小川 フミオ
“EVセダン”の決定版か!? 新型BMW「5シリーズ」セダンの電気自動車「i5」に試乗した

同じドイツのライバルであるメルセデスは、電気自動車の開発と生産において、専用ブランドとプラットフォームも用意している。それに対して、BMWはエンジンモデルと一緒のプラットフォームでEVを開発し、「i5」をデビューさせた。そんなi5はどんなクルマに仕上がっているのだろうか。ポルトガルでいち早く試乗した小川フミオ氏のレポートをお届けする。 BEVセダンのひとつの究極 BMWが2023年7月13日に発売した、新型5シリーズ。8代目には、最初から、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド、そしてBEV(バッテリー電気自動車)の「i5」がラインナップされている。 日本には、まずi5が導入され、追って、ガソリンとディーゼルが入ってくる予定。プラグインハイブリッドの設定がないのは、「電動車はi5がメインになるため」(BMWジャパン広報部)と説明される。 そのi5に、23年9月下旬に、ポルトガル・リスボンで試乗することができた。期待いじょうによく走り、ナチュラルで、BEVセダンのひとつの究極と感心した。 i5には、大きくいって、後輪駆動の「i5 eDrive 40」と、全輪駆動の「i5 M60 xDrive」が用意されている。 前者には、「i5 eDrive 40 エクセレンス」と「i5 eDrive 40 Mスポーツ」の設定がある。乗ったのは後者。サブネームのとおり、スポーティな仕上げを特徴とする仕様だ。 まずリスボンを抜けて郊外へと足を延ばしたときドライブしたのは「i5 eDrive40 Mスポーツ」。後輪を駆動するモーターは、250kWの最高出力と430Nmの最大トルクを発生。 リチウムイオン電池の総エネルギー量は 81.2kWhだそうで、一充電での走行可能距離は装備によって、477キロから582キロの幅と発表されている。 i5 eDrive 40の”電費”は100キロ走るのに18.9kWhから15.9kWh(数字が少ないほうが長い距離走る)。充電速度は最大で205kW。10分で156km充電可能という。 もうひとつの装備は、「マックス・レンジ」と呼ぶもので、電費重視のセッティングが可能になる。これを使うと、パワーを25パーセント抑制し、より長距離の走行が目指せる。

TAG: #BMW #i5 #セダン
TEXT:烏山 大輔
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

TAG: #BMW #iX #電費計測
TEXT:岩尾 信哉
BMW 「ヴィジョン・ノイエクラッセ」は次期3シリーズの姿を占うデザイン・スタディだ!

ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2023」のプレイベントにおいて、BMWはかねてから発表を予告していた「ヴィジョン・ノイエクラッセ(ドイツ語で新たなクラスの意)」を公表。それが示すBMWの将来像について想いを巡らせてみた。 内外装に漂う近未来のBMWデザイン BMWのコンセプトカー「ヴィジョン・ノイエクラッセ」は、2025年以降に発売予定とはいえ、次期3シリーズのベースとなることが想定されるだけあって、注目を浴びて登場した。デザイン・スタディの段階であっても「ノイエクラッセ」の名が与えられて姿を現せば、いよいよ正式な量産化に向けた詳細が少しでも明らかになるのではと期待された。だが、残念ながら今回はスペックや販売される価格帯などは紹介されずじまいだった。 それでも今回、コンパクトセダンであること以上の追加情報はなくとも、「ヴィジョン・ノイエクラッセ」のスタイリングなどには、将来に繋がる部分もあったので、いくつかのポイントを追ってみたい。 BEVとして設計された「ヴィジョン・ノイエクラッセ」 主たるコンセプトとして「ヴィジョン・ノイエクラッセ」(以下、ノイエクラッセ)でBMWが掲げたのは、将来に向けたデジタル化、電動化、循環性などの将来に向けた開発テーマだ。あくまでデザイン・スタディゆえに詳細なスペックは明らかにされていないノイエクラッセでは、目標として「30%の航続距離増加、30%の充電時間短縮、25%の車両全体の高効率化」と示されても具体的なイメージが湧きにくい。 BMWが新たな取り組みとして明確に掲げているのはBEV(バッテリー式電気自動車)としての進化だ。BEVであるノイエクラッセでは第6世代の電動パワートレインが採用される。高効率の電気モーターと新開発の円形バッテリーセルは、従来の角形仕様よりもエネルギー密度が20%以上高められているという。 セダンのスタイリングとして先を行く斬新さ BMWグループのデザインを統括する、エイドリアン・ファン・ホーイドンクは、「ノイエクラッセのデザインはBMWらしさを備えつつ、モデルの世代の推移を超越するような斬新さを備えています」とコメントする。そのスタイリングはBMWの将来のコンパクトセダン像を映し出していることがわかる。 前傾したシャークノーズのフロント先端部や「ホフマイスター・キンク」として知られるCピラー付け根にある跳ね上げられたラインなどは、従来から見られるBMW独自の手法。キドニーグリル内にダブルヘッドライトやセンサー類を収めたカバー部には、デジタルアニメーションが照明効果によって表示され、周囲の人々や交通に向けて車両情報を提供する。リサイクル性に配慮したブラックのバンパーとサイドスカートもエクステリアのアクセントとなっている。 ボディサイドから見ると、セダンのデザインとしてエッジの効いたプロファイルが見て取れる。キャラクターラインを境に上下で明確に分割された面で構成されたドアパネルや、前後オーバーハングを切り詰めた引き締まったボディラインは、シャープなイメージを際立たせている。

TAG: #3シリーズ #BMW #ノイエクラッセ
TEXT:小川フミオ
ナタリー・ポートマンがBMW“ビジョン・ノイエクラッセ”に乗り込んだ「IAA」のワンシーンを目撃!

「ノイエクラッセ」を発表したBMW、電動化の「ミニ・クーパー」で若い層へアピールするMINI、ファミリー層のルノーと、それぞれでEVあるライフスタイルを見せるなかで、環境問題に積極的なナタリー・ポートマン氏がサステイナビリティを強力発信! 「環境問題について私の意見を聞いてもらいたかったから」とポートマン氏 2023年9月にドイツ・ミュンヘンで開催された自動車ショー「IAAモビリティ」では、自動車に反対する環境団体がメッセ会場に押しかけるなど、緑の党をもつ国ならではの光景も見られた。 主催者も、環境に焦点を充てたカンファレンスを積極的に開くなど、2023年のショーがお気楽な自動車の展示会でないことをアピールしていたのが印象的だ。 そのうちのひとつが、俳優のナタリー・ポートマン氏を招いて、環境問題に取り組むことの重要性を考えるトークショー。 環境問題に積極的に発言をしているポートマン氏は「ここ(ショー)に足を運んだのは、サステナビリティについて(業界の)取り組みをみたかったし、環境問題について私の意見を聞いてもらいたかったから」と話していた。 「ノイエクラッセ」―電動化へ新解釈するBMW 映画「レオン」や「スターウォーズ」シリーズで知られるポートマン氏は、トークショーのあと、ドイツ・メーカーのブースに足を運んだ。そのうちのひとつがBMW。 オリバー・ツィプセ取締役会会長の案内で、会場におかれた「ビジョン・ノイエクラッセ」に細身のからだで乗りこんでいたのを、フォトグラファーが取り囲んでいたのがおもしろかった。 「興味ぶかかったのは、自動車産業がどこへ向かっているかと、世界のさまざまな場所で(環境問題解決のための)イノベーションが生まれているという事実です」 言葉を続けてポートマン氏は言う。 「私は(環境問題における)アクティビストと言われています。なんでそうかというと、ユダヤ人だからです。ユダヤ人の家庭では、不正義を見て、自分が出来ることがあれば、すぐに行動に移すべし、と教えられるのです」 近い将来に量産化に移るというノイエクラッセ(かつてのBMW1500シリーズなどの総称を再び使用)は、「これは新しい章でなく、まるごと新しい本を書き始めるようなもの」と、BMWの意気込みを感じさせるモデルだ。 第6世代のBMW eDriveを搭載し、バッテリーは乾電池型。従来の20%増しの密度だそうだ。充電速度も30%向上する。総合すると、効率は25%ちかく上がるという。

TAG: #BMW #MINI #ルノー
TEXT:生方 聡
「iX」は走りも上質 プレミアムSUVと呼ぶにふさわしい出来映え [BMW iX試乗記]

CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を組み込んだ軽量構造ボディや4輪アダプティブエアサスペンションを標準装着する「iX」の走りをチェック。プレミアムSUVとしての実力は? 軽量化と低重心が生み出す極上の走り BMWが新しい「テクノロジー・フラッグシップ」と謳うiXには、最新のテクノロジーが惜しみなく投入されている。たとえば、高張力鋼板とアルミニウム、CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を組み合わせた軽量構造ボディもそのひとつで、軽量化と高いボディ剛性を両立しているという。とはいえ、111.5kWhの大容量バッテリーを搭載するiX xDrive50の車両重量は2,560kgに及び、BMW自慢の“駆けぬける歓び”とはほど遠い走りを予想していたのだが……。 実際にクルマを走らせてみると、iXは動き出しが軽く、重量級であることをすぐに意識しなくなった。しかも、コーナーでは低重心のデザインと4輪アダプティブエアサスペンションにより、SUVに付きもののロールやピッチングはきっちりと抑え込まれ、安定しきった姿勢のまま、思いどおりに向きを変えるスポーティさはまさに駆けぬける歓びである。 一方、乗り心地はプレミアムSUVにふさわしい快適なもの。高速走行時により引き締まった乗り心地を望むならスポーティな設定を選ぶこともできるが、それでも乗り心地が損なわれることはなく、しなやかにボディの動きをコントロールする巧みさには感心するばかりだ。 テクノロジー・フラッグシップのiXだけに、運転支援システムの充実もうれしいところ。高速道路の渋滞時、速度が60km/hを下回ったところで、ステアリングホイールから手が放せる「ハンズオフ・アシスト」は完成度も高く、渋滞のストレスが格段に低減。利用できる速度の上限がさらに上がると文句なしである。

TAG: #BMW #iX #SUV
TEXT:生方 聡
速いだけじゃない! BMW iXの知的な回生ブレーキにも注目だ! [BMW iX試乗記]

システム最高出力523psを誇る「BMW iX xDrive50」。その加速は想像以上だった! アクセルひとつで高級車にもスポーツカーにも スタートボタンを押す儀式が省かれたEVが増えるなか、このiXはキラキラと輝くクリスタル製のスイッチを操作してはじめて走行可能な状態になる。やはりクリスタルのシフトレバーでDレンジを選んでブレーキペダルを緩めると、iXはゆっくりとクリープを始めた。 まずは様子見でアクセルペダルを軽く踏んでみると、iX xDrive50は余裕ある加速を見せ、2,560kgの車両重量が嘘のように思えるほどである。しかも動きは滑らかで、走り出した瞬間からiXの高級車としての資質を思い知らされた。 一般道でも高速道路でも、アクセルペダルを深く踏み踏み込む必要はなく、たいていのシーンではパワーメーターの表示上せいぜい25%程度で、加速は事足りてしまう。しかも、アクセルペダル操作に対してモーターは瞬時に反応し、即座にスピードを上げるiXは、ストレスとは無縁である。 アプローチが短い高速の合流などの場面で、アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、圧倒的な加速に襲われる。その際、キャビンに響くブーンという効果音がなんとも未来的だ。iX xDrive50のパフォーマンスはスポーツカー顔負けといえるが、その実力を解き放つ機会がなかなかないというのが悩ましいところである。

TAG: #BMW #iX #SUV
TEXT:生方 聡
戸惑うくらいに新鮮! 次世代電気自動車のiXはデザインも斬新 [BMW iX試乗記]

“次世代電気自動車”を謳う「BMW iX」だけに、エクステリアもインテリアも戸惑うくらいに新鮮さが溢れている。 グリルは大きく、ライトは細く BMWのエクステリアを特徴づけているものといえば、“キドニーグリル”と呼ばれるラジエターグリル。最近はその大型化が著しく、このiXも例に漏れない。写真で見るかぎりは、「ちょっとやりすぎでは?」というのが正直な感想だった。しかし、実車を目の当たりにすると、「これはありかも!」と思えてくるから不思議である。 EVのiXでは、エンジン車のように大量の空気を取り込む必要はない。実際、大型のギドニーグリルにはラジエターに空気を取り込む開口部がなく、透明のカバーで覆われているから、その印象はさらに強烈だ。しかし、ギドニーグリルの大型化は単にデザイン上のメリットだけでなく、機能性の向上にも貢献している。その背後には運転支援システム用のカメラやレーダーが収まり、さらに降雪時には雪を融かすヒーターがパネルに一体化されているのだ。これに、細長いLEDヘッドライトが組み合わされたことで、iXのフロントマスクはこれまでのモデルとは大きく異なる表情を見せているのである。 押しの強いフロントマスクとは対照的に、塊感が強いiXのエクステリアからはシンプルでクリーンな印象を受ける。BMWのSUVとして初めてサッシュレスドアを採用したり、ドアハンドルをドアパネルに一体化したり、リアピラーの黒い部分に「iX」のロゴを刻んだりするのも、サイドビューの新しさを際だたせている。右リアのフェンダーには、フラップの奥に普通充電と急速充電のコネクターが収まっている。 ドアを開けるとCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)のサイドシルが目に入る。テールゲートを開けたときにもCFRPのボディに視線を奪われ、そのたびにiXが特別なクルマであることを強く印象づけられる。

TAG: #BMW #iX #SUV
TEXT:生方 聡
100%電気自動車「iX」がBMWの未来を切り拓く [BMW iX試乗記]

BMWが新しい「テクノロジー・フラッグシップ」と位置づける電気自動車専用モデル「iX」に試乗。まずはその特徴を探ってみよう。 「iNEXT」から「iX」へ 同じドイツのメルセデス・ベンツとともに、いま急激にEVのラインアップを拡大しているBMW。同社のEVはモデル名が「i」で始まり、現在、iXに加えて、「i7」「i5」「i4」「iX3」「iX1」の6モデルを日本で販売しているが、iXは「テクノロジー・フラッグシップ」としてこれらを代表する存在である。 その誕生は2018年のロサンゼルスショーに登場した「ヴィジョン iNEXT」に遡り、その後、「iNEXT」を経て、2021年に市販版の「iX」が登場。日本でも2021年11月に発売となった。BMWの他のモデルが電気自動車とともにエンジン車を用意しているのに対して、iXは電気自動車専用モデルであり、さまざまな新技術を搭載することで、テクノロジー・フラッグシップであることを特徴づけている。 たとえば、高張力鋼板とアルミニウム、CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を組み合わせた軽量構造ボディをはじめ、最新技術を投入したパワートレインである第5世代のBWM eDrive、他のモデルに先駆けて搭載するBMWカーブド・ディスプレイや6角形のステアリングホイールなど、挙げればきりがない。 さらに、大型化したキドニー・グリルや、クリアで力強さが漲るエクステリアがその存在を強烈に印象づけ、いやがうえにも新しい時代の幕開けを予感させるのが、このiXなのだ。

TAG: #BMW #iX #SUV

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