ヒョンデ 記事一覧

TEXT:烏山 大輔
ヒョンデ、新型BEV「KONA(コナ)」を年内に日本で発売

Hyundai Motor Company(ヒョンデ)は3月7日、ソウルでデジタルワールドプレミアを開催。クラストップレベルの航続距離性能のEVやICE、HEV版もあわせ持つB-SUVセグメントの新型「コナ」を発表した。 2台目となるヒョンデ製のBEV 昨年5月にBEVのアイオニック5を日本で発売したヒョンデが、コナを年内にラインナップに追加する。アイオニック5の3サイズは 全長:4,635mm、全幅:1,890mm、全高:1,645mmで、日産アリアなどがライバルになる。それに対してコナは 全長:4,355mm(-280mm)、全幅:1,825mm(-65mm)、全高:1,575mm(-70mm)とサイズが大幅に小さい(括弧内の数値はアイオニック5との差)。 日産リーフ(全長:4,480mm、全幅:1,790mm、全高:1560mm)との比較では、全長は125mmリーフの方が大きいが、幅と高さはほぼ同じなので、リーフの強敵になるだろう。コナの全高が1,575mmと、もう25mm低ければ多くの機械式駐車場に停められるので、BMW i3がそうだったようにヒョンデがそこに対応してくるかに注目だ。 今回は日本での価格の発表はなかったが、兄貴分のアイオニック5が479万円から、お隣の中国のライバルであるBYD ATTO 3が440万円、リーフが408万円からなので、400万円台前半で来るのは間違いないだろう。 充電口がフロントの右側にあり「顔」が左右対称ではないこと、ヘッドライトやリアランプがDRL(デイタイム・ランニング・ライト)やテールランプと別体でタイヤの高さくらいに位置していること、アイオニック5と同じようなサイドのZ形状のラインなど、デザインもとても特徴的だ(タイヤとホイールアーチの隙間から25mmの「車高短」化は難しそうにも見える)。 ヒョンデがコナをいつ導入するのか、価格はどこまで攻めて来るのか。正式発表を楽しみに待ちたい。 車両詳細については以下の通り。 ※仕様情報はグローバルなものとなっており、現時点での日本仕様は未発表。 ヒョンデの電動化ビジョンの加速 コナは、B-SUVセグメントにおいて、最も幅広いパワートレインと最も充実した商品パッケージを提供する車種のひとつである。EV(スタンダード または ロングレンジ)、ハイブリッドエレクトリック(HEV)、内燃機関(ICE)の各バリエーションに加え、スポーティなNラインの選択肢を用意している。 ヒョンデは2022年3月に発表した、2030年までに新型のEVを11車種発表するという電動化加速戦略に合わせ、コナはHEVを含むICE搭載車よりEVを先に開発するという従来とは違う手法をとった。 「コナ(BEV)は、IONIQ(アイオニック)モデルとともに、ヒョンデのEVにおけるリーダーシップを強化する上で大きな役割を果たすと期待しています。この新しいモデルは、初代コナ(BEV)に対する素晴らしい評価を基に、数多くの優れた機能で競合をリードするように設計されています」と、Hyundai Motor Companyの社長兼最高経営責任者である張在勲(チャン・ジェフン)は述べている。 さらに、「ヒョンデはEV革命を単なる最新のトレンドとみなしていません。EV革命は、業界だけでなく、社会にとっても重要な役割を果たすと信じています。私たちのEVのような環境に優しいモビリティソリューションの実現を通じて、クリーンモビリティへの移行を加速し、人類のための進歩をもたらすことができればと思います」と加えた。 充実した商品パッケージ コナは、頑丈でダイナミックなデザインとアップスケールされたディメンションを持ちながらも、個性的なキャラクターを維持しつつ、あらゆる世代の顧客のアクティブなライフスタイルをサポートする。同時に、コネクテッド技術を備え、安全で快適な体験を提供する新しいテクノロジーや便利な機能を備えている。12.3インチのデュアルパノラミックディスプレイスクリーン、Digital Key 2 Touchを装備し、OTA(Over-the-Air)、Connected Car Navigation Cockpit(ccNC)などをアップデートした。 コナ(BEV)は、B-SUVセグメントにおいてクラストップレベルの航続距離(WLTP推定490km ※1)を実現する。また、EV特有のデザイン要素として、フランク(ボンネット内の荷室)、アクティブエアフラップ、室外・室内V2Lアウトレット、ヘッドアップディスプレイ(HUD)※2、i-PEDALドライビングモード、スマート回生システム、e-ASD(e-Active Sound Design)、エコパッケージが装備されている。 ※1 EU仕様基準 ※2 北米マーケットでは提供せず コナは、先進運転支援システム(ADAS)のHyundai SmartSenseと、レベル2の自律走行、前方衝突回避アシスト(FCA)、ブラインドスポットビューモニター(BVM)、遠隔スマートパーキングアシスト(RSPA)、ドライバーステータスモニター(DSM)などの安全装備を新たに搭載している。 新型コナは、先代コナと比較して、ディメンションを拡大した独特のプロポーションである。EVモデルをベースに、全長は2017年の先代より175mm長い4,355mmとなり、ホイールベースは60mm長い2,660mmとなる。全幅は25mm広い1,825mm、全高は20mm高い1,575mmとなる。

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TEXT:栁 蒼太
10代の大学自動車部員がエニカ(Anyca)でネッソ(NEXO)に乗ってみた! ─水素を追い求める一日─

EVに関して、ひときわ注目を浴びているヒョンデ。日本に導入されるのはFCEVの「NEXO(ネッソ)」とBEVの「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」の2機種だ。ネット広告や展示会などではBEVのアイオニック5に注目が集まっているが、ネッソはどうなのだろうか。これは簡単にいうと燃料電池車だ。おそらく燃料電池車といえばトヨタの「ミライ」(MIRAI)を思い浮かべる人がほとんどだろう。ヒョンデが生み出した燃料電池車は、いかほどの実力なのか。自動車部所属の現役大学生が実際に使ってみた模様を報告したい。 いきなり、冷や汗。WLTCモードで820kmのはずが… 「水素タンクは3本で計156.6Lの容量を持ち、WLTCモードでの航続距離は820km」 乗車前にこの情報をみた時には、どこまででも行けそうな気がした。そして、竹芝の引き取り場所から文京区にいる友人を拾い、千葉は銚子を目指す片道140kmのドライブ計画を練っていた。 しかし、思ってもいないスタートとなった。いざ借り始めると、水素残量が半分を切るか切らないかのところで使用開始となった(ちなみにエニカのルールでは、水素残量が半分以上で返却することが決められている)。この時点で航続距離は222km。残量表示では50%弱だった。実用状態により近いといわれるEPA値ではおよそ600km弱であることを踏まえると納得だが、それにしても残量が少ないことへの不安がよぎった。 水素を求めるドライブに急遽変更 水素を補給しないと銚子までもたない!と思った筆者。さすがに、日本の首都である東京なのだから水素ステーションなんて山のようにあるだろうと思って、検索をする。近くに「イワタニ水素ステーション芝公園」があるのを見つけ、ナビの経由地点に設定した。 しかし、そのステーションは工事をしており、ナビが案内してくれた道順で行くと、入ることができなかった(正確には「出来た」が、筆者がその入り口を見つけることが出来なかった。なお、同施設は、帰路の際に充填で利用した)。 そのステーションは諦め、文京区で待ち合わせをしている友人に、銚子までの道のりで水素を補給できる場所を探しておいてほしい!とお願いして、ひとまず文京区まで向かう。 そして友人を拾って、彼が探しておいてくれた「千住水素ステーション」に向かう。今度こそ安心して、水素をゲットすることができると胸を撫で下ろしていた。 ところが、またも予期していないことが発生。「予約制」だったのだ。担当の方が現地にいたので、予約なしでも入れることができないかとダメもとで聞いてみると、予約がいっぱいで利用できないと言われてしまった。 この時点で航続距離は170km。銚子までの道のりのどこかに、水素ステーションはあるだろう、とは思ったものの、未知の乗り物「燃料電池車」で旅路を進めるのには不安が募った。次こそは、「予約なし」の飛び込み来店でも受け入れてくれる場所を探さなければならないと、友人と筆者は必死に探した。念入りに電話をして、確認もした。 そして、見つけたのは約40km先の「ENEOS Dr.Driveセルフ武石インター店」だった。 無事到着し、藁をもすがる思いで水素充填をスタッフにお願いする。店名に「セルフ」が入っているが、水素充填はセルフではなく、スタッフが行ってくれる。水素が漏れ出していないかを計測器で確認しながら、充填をしていた。 これで安心。充填には、充填準備を含めて5分ほどかかった。その間にスタッフと話をした。スタッフ曰く、ステーションには毎日3、4台の燃料電池車が充填に来店し、ほとんどがトヨタ・ミライであり、ネッソは月に1度来るか来ないかだそうだ。 記念すべき、月に1台になれたのかと思うと嬉しくなったが、ネッソがまだあまり普及していないのだということも痛感した。 気になる充填料金は? 取材当時(2023年2月16日)における水素料金は1210円/kgであった。今回の充填では4kgの充填のため、4840円がかかった。なお、支払いは、車載されているカードにて行うため、ドライバーの負担はしなくて良い(エニカのオフィシャルカーを利用すると、距離料金として1km当たりの金額を支払う必要がある)。なお、水素タンクの総容量は156.6Lで、ここに70MPaの圧縮水素を蓄えることができる。0から満タンにするには、1万円ほどはかかるだろう。

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TEXT:栁 蒼太
10代の大学自動車部員がエニカ(Anyca)でアイオニック5(IONIQ5)に乗ってみた!

EV(電気自動車)界隈で、ひときわ注目を浴びている、ヒョンデのIONIQ5(以下、アイオニック5)。今回は、現役の大学自動車部員の目線で、約120kmの走行を通して感じたことを書き綴る。 著者は日々競技車両に接しているとはいうものの、まだ免許取り立ての19歳。それゆえ、報道向けの広報車では保険がカバーされないケースがある。それでもどうしてもEVに接して、運転したいという意欲から、若年者でも簡単に車両を借りることができるカーシェアサービスのAnyca(以下、エニカ)を利用して試乗した。本記事の最後にエニカの使用方法を簡単にまとめたので、アイオニック5が少しでも気になったら試してみて欲しい。 世界が認めるEV まずは、アイオニック5の基本的な「おさらい」をしたい。2022年2月に日本市場へ導入されたヒョンデのアイオニック5は、革新的なデザインをまとったSUVタイプのBEV。WLTCモードで498~618kmという実用的な航続距離とすぐれた動力性能を備える。充実した快適装備や安全装備を備え、同クラスの車種と比べてもコストパフォーマンスに優れた一台だ。日本の「2022−2023インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を初め、数多くの賞を世界中で獲得している。 乗り込んだ瞬間の満足感 キーを持って車に近づくだけで、ドアノブがポップアップして、出迎えをしてくれる。車内に乗り込むと、流行のメーターパネル用とインフォテイメント用の大型スクリーンが目に飛び込む。 室内を見渡せば、広々とした空間が広がっている。フラットフロア、スライドコンソール、パノラマサンルーフなど、広く感じる仕掛けが目白押しだ。それらの工夫もいいが、そもそも3.000mmのロングホイールベース、SUV並の車高であるため、どの座席に座っていても広い。

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TEXT:TET 編集部
2023ワールド・EV・カー・オブ・ザ・イヤーの第2次選考車決まる……デイリーEVヘッドライン[2023.02.15]

第2次選考5台中3台が韓国車、デザイン性が高評価か 【THE 視点】「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」の主催団体は、「2023ワールド・エレクトリック・ビークル・オブ・ザ・イヤー」(2023 WEVOTY)の第2次選考モデル5車種を発表した。 「2023 WEVOTY」の対象となる車両は、年間5,000台以上生産されている必要があり、今回対象となるのは、2022年1月1日から2023年3月30日の期間内に販売されているEVとなる。 「2023 WEVOTY」の第2次選考に選ばれたのは「BMW i7」「Genesis(ジェネシス) GV60」「Hyundai Ioniq 6(ヒョンデ・アイオニック6)」「Kia Niro EV(キア・ニロEV)」「Lucid Air(ルシード・エア)」の5車種。 「i7」はBMWのフラッグシップEV。2モーター四輪駆動で、航続距離650kmの圧倒的な性能と、これまでの7シリーズから一変した格調のあるスタイリングが評価されたのではと推測する。 「GV60」は、ヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」のSUV型EV。ハイパフォーマンスモデルが存在し、前後それぞれに160kW(218ps)のモーターを搭載、システム総合出力は320kW(436ps)を実現。0–100km/h加速はわずか4.0秒。航続距離は368kmとなるが、プレミアムSUVらしいスタイリングが評価されたと思われる。 ヒョンデ「アイオニック6」は、昨年ヨーロッパで予約受注が開始されてから、24時間以内に限定2,500台を完売した今話題の4ドアクーペEV。「アイオニック5」の上位モデルとなり、四輪駆動システム全体の最高出力は239kW(325ps)、最大トルクは605Nm(61.7kgm)に達し航続距離は610km以上。複数の円弧を重ねたかのような独特なスタイリングが評価されたと推測する。 「ニロEV」は、ヒョンデ・グループのEV。これもSUVタイプのEVだが、一目でわかるエッジの効いたスタイリングに加えて約4万ドル(約520万円)とリーズナブルな価格が評価されたと想像する。 「ルシード・エア」は米国のメーカーで、テスラ・モデルSよりも高級感を狙った4ドアEV。3モーター駆動で最高出力1,217ps。0–100km/h加速はわずか2秒のモンスター仕様ながら、外観は4ドアセダンとされ、内外装とも上品に仕上げられている。価格は3,500万円程度と高額だが、「羊の皮をかぶった狼」のようなパッケージングが評価されたのではと推測する。 エントリーリストには日本車も含まれていたが、2次選考に残されたEVは3台が韓国車だった。ただ、デザインはどのEVも「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞できるほど魅力的なもの。このデザインもEVの普及に寄与しているように思う。 昨年行われた第1回の「2022 WEVOTY」を受賞しているのは「ヒョンデ・アイオニック5」。同時に「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞し3冠を達成した。 「2023 WEVOTY」は、2023年4月ニューヨーク・モーターショーで発表される予定。 選考された5車種のうち「BMW i7」しか日本で売られていないのは、日本市場がいまだEVに対して未成熟な市場だと言われているような気がして寂しく感じた。是非、今回選考されたモデルは日本での販売を考えてほしい。ちなみに今回の選考車の画像は下部のギャラリーで確認してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★コスモエネルギーHDと岩谷産業、水素ステーション事業のための合弁会社を設立……「京浜トラックターミナル平和島SS」(東京都大田区)内に施設を建設予定、燃料電池車を中心に供給予定[詳細はこちら<click>] ★コスモ石油、神奈川県逗子市・横須賀市に日産「サクラ」「リーフ」を納入……休日はカーシェア、平日は公用車に使用 ★東京ガス、埼玉県ふじみ野市市役所に太陽光発電およびEV充電システム導入の共同検証について合意契約を締結 ★三輪小型車「トゥクトゥク」のEVを活用したモビリティサービスのeMoBi(エモビ)、4,000万円資金を調達……交換式バッテリー採用に向けての車両開発資金などに ★TI企業のe-Grid、タイ・バンコクのEVバイク効率向上に協力……NEDOの国際実証事業に採択され、EVバイクの消費エネルギーおよび運転者の行動を解析 ★リロバケーションズ、温泉旅館「箱根風雅」および会員制リゾート「ポイントバケーション加賀山中」にEV用充電器を設置……「エネチェンジ」の機器 ★業務でクルマを使用するユーザーの9割が「走行距離課税」に不安……カーリース「定額カルモくん」展開のナイル調べ。全体の約75%の回答者が導入に対し「困る」

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TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023では「EVゾーン」に注目!

2023年2月10(金)〜12(日)にかけてインテックス大阪(大阪府)で実施される「大阪オートメッセ2023」には、昨今のトレンドであるEVの展示を集めた「EVゾーン」が設置される。開幕直後の風景をさっそくお届けしよう。 日系メーカー、海外メーカー、チューニングパーツメーカー、超小型EVメーカーと幅広いバラエティ 日系自動車メーカーでは三菱、マツダ、ニッサン。海外自動車メーカーではVW、BMW、BYD、ヒョンデがそれぞれ市販モデルを展示。BYDはEVゾーンに隣接して東京オートサロンに続き独自ブースを出展、新しいブランドの価値観を来場者に伝えるよう努めている。 総合チューニングパーツメーカーであるブリッツは「アリア」、車高調整式サスペンションを主に手がける自動車パーツブランドであるクスコおよび、テスラ車のメンテナンスに注力しオリジナル・パーツも提供するA PIT東雲は「テスラ・モデル3」を持ち込んだ。 独自の超小型EVを持ち込んだのは「KGモータース」と「EVランド」の2社。KGモータースの「ミニマムモビリティコンセプト」は東京オートサロンとは異なるイエローで、丸目仕様のヘッドライトが採用されていた。EVランドの「ジンマ」「ジンマプロ」は、中国生産ながらオリジナルの製品を開発。250cc以下の軽二輪という規格ながら3輪ということで、前者では3人、輸送用のトランクを備える後者では1人乗車となる。 開催概要はhttps://ev-times.com/2023/02/09/2752に詳しいが、日曜18時まで絶賛開催中なので関西地区のカーファン、とくにEVに注目する方々はぜひチェックしてほしい。 最新情報は公式ウェブサイト、SNS公式アカウントから 公式ウェブサイト https://www.automesse.jp/ [Facebook] https://www.facebook.com/OsakaAutomesse/ [Twitter] https://twitter.com/osakaautomesse [YouTube] https://www.youtube.com/user/AutomesseAssociation [Instagram]  https://www.instagram.com/osaka_automesse/

TAG: #BYD #ブリッツ #大阪オートメッセ2023
TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023に「EVゾーン」開設 「BYD ATTO3(アット3)試乗体験」ほか各国の主要EVが勢揃い

「クルマのワクワク」をEVにも 2023年2月10日(金)から12日(日)までの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪において「第26回 大阪オートメッセ2023」が開催される。クルマとカスタマイズの楽しさを題材にした「エンターテインメント・モーターショー」だ。1997年から毎年、開催されているこのショーは、500台以上の車両が展示され約25万人が集まる巨大イベントに成長した。 今年の注目は「EVゾーン」の設置と、つい先日発売されたばかりの「BYD ATTO3(アット3)」の試乗体験イベントだ。「EVゾーン」には国内外の主要EVメーカーの市販モデルに加えて、ブリッツやクスコといった著名ブランドによりカスタマイズされたEVや、新しいモビリティとして注目されるコンパクトEVが展示される。 関西地域で初めてBYDアット3の日本仕様に試乗できる 「BYD アット3」の試乗イベントは会場内の特設コースで実施される。関西地域では初めて試乗が可能になるイベントで、用意される車両も日本仕様であるところが注目点だ。 試乗イベントの参加には大阪オートメッセ2023の入場券が必要。下記URLから事前予約できるが、当日の受付も可能なので会場にて状況をチェックしたい。 https://byd.co.jp/e-life/event/ EVゾーン展示車両 ・三菱自動車  ekクロス EV ・マツダ    MX-30 EV ・日産自動車  サクラ、アリア ・フォルクスワーゲン ID.4 ・BMW     i7、i4 ・BYD      アット3 ・ヒョンデ    アイオニック5 ・ブリッツ    ブリッツ アリア ・クスコ     テスラ ・KGモータース ミニマムモビリティコンセプト ・A PIT     A PIT東雲オリジナルテスラモデル3 ・EVランド   ジンマ、ジンマプロ   CARトップ&EV TIMESブース ・ブレイズ   ネクストクルーザーEV、スマートEV、EVスクーター ・マセラティ  ギブリ ・マクラーレン アルトゥーラ ・マツダ    CX60 XD-HYBRID Premium Modern、CX60 BIO FUEL ・三菱自動車  エクリプスクロスPHEV ・ヒョンデ   i20 N WRC  Rally 1 大阪オートメッセは関西地域の自動車文化のパワーを集め、「クルマのワクワク」を満喫できるイベントとなっている。「水曜日のカンパネラ」「ナオト・インティライミ」ほか著名アーティストが集うライブイベントや、SUPER GTドライバーによるトークイベントなど催しも充実し、フードパークには全国の味覚が一同に会するなど、家族で楽しめる構成が組まれている。中学生以下入場無料、U-22特別優待チケットも若いカーファンにとって嬉しい設定だ。 前売チケットの販売は本日2月9日までだが、会期中も当日券を入手できる。詳細は下記を参照されたい。 開催概要 展示会名称 […]

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TEXT:TET 編集部
EVを含む次世代自動車の試乗会を横浜市が開催……デイリーEVヘッドライン[2023.02.08]

メーカーの垣根を超えた次世代自動車の試乗会を横浜市が企画 【THE 視点】横浜市は、EVをはじめとした次世代自動車の試乗イベント「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催する。  同市は「横浜市地球温暖化対策実行計画」に基づき、温室効果ガス排出削減を進めるため次世代自動車の普及を促進している。その一環として各自動車メーカー・販売店と連携協定を締結。その第2弾のイベントとして開催する。  試乗車は「トヨタbZ4X」「トヨタ・ミライ」「日産サクラ」「ホンダe:」「マツダMX-30 EV MODEL」「CX-60 PHEV」「三菱eKクロスEV」「アウトランダーPHEV」「ヒョンデ・アイオニック5」の9車種。  これだけの車両が一度に展示・試乗できるのはなかなかないだけに、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。「EVなどの次世代自動車が欲しいがどれにしようか悩んでいる」という購入検討者には大変良い機会であるはず。昨日の「THE視点」でも触れたが、やはり実車を見て乗って、スタッフから話を聞きたいと思う人も多いのではないだろうか。  例えば試乗会で販売店のスタッフと話ができれば、その流れでディーラーにも行きやすいはず。こういった試乗会はぜひ全国規模で開催してほしいものである。  ちなみに横浜市は次世代自動車の普及促進に力を入れていて、燃料電池車購入やEV用充電設備導入の補助金などを用意している。  このようなイベントは、開催する横浜市をはじめ展示車を提供する地元ディーラー、ユーザーそれぞれにメリットがあると感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★BMW、メキシコに8億ユーロを投資……現地で高電圧バッテリーアセンブリーを生産 ・BMW、ライプツィヒ工場でバッテリーセルのコーティングラインを稼働……高電圧バッテリーの生産を強化[詳細はこちら<click>] ・マツダ、自動車用モーター可変界磁技術の開発で「NEDO省エネルギー技術開発賞」を受賞……モーターの実用域の効率改善と回生量を増加、今後EVにも技術を適用 ・ルノー・グループと日産、欧州で両社販売店における充電インフラの共同整備を検討……使用済みバッテリーと生産廃棄物のリサイクルについても共通パートナーを選定 ・東レ、韓国でPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナ™」の生産能力を年産5,000トンに増設……EVの電装部品に使用する素材 ・アウディ、IT系人材400人を新規雇用……eモビリティのソフトウェア開発を強化

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TEXT:TET 編集部
ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用……デイリーEVヘッドライン[2023.02.07]

ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用 【THE 視点】ヒョンデは、三菱商事エネルギー株式会社(MCE)と業務提携し、東光グループ(MCE特約店)が運営するカフェ&ダイニング「STAND(スタンド)」で、ヒョンデのカーシェアリングサービスを含めたモビリティサービスのテスト運用を2月6日から開始すると発表した。  両社は「スタンド」を拠点に約3ヵ月間のテスト運用を経て、日本国内の地方部におけるヒョンデのZEV体験スペースの拡大を図るという。  このテスト運用拠点では、ヒョンデのEV「アイオニック5」をカーシェアリングサービス「MOCEAN」を通じて体験ができ、充電等のサービスも提供する。その後、MCEの関連会社のサービスステーション約5,000店のネットワークを活用したEVの展示、試乗、カーシェアリングサービス、購入相談、納車、洗車・コーティング、充電等、幅広いモビリティサービスを提供する予定。  ヒョンデは、横浜から主要都市へのショールーム展開を進めているが、よりスピード感を高めて顧客への試乗やサービスに対応するには、既存のサービスステーションを通じて行うのが早いと判断したのだと思う。やはり「実車を一度は見てみたい」「試乗してみたい」というユーザーは多いはず。ライバルであるBYDの展開スピードの速さも、今回のサービス開始に少なからず影響しているのではないだろうか。  「日産リーフ」が発売された頃の話だが、1台売るための営業マンの労力はエンジン車の数倍かかると聞いた。購入希望者の自宅に実車を持ち込み、コンセントの位置や充電ケーブルの長さなど、設備面でのサポートをしなければ売れなかったようだ。  現在はそこまで手厚くフォローする必要はないとは思うが、充電器設置の話などはネット販売だけではわからない部分が多く不安は拭えない。  やはり専門のスタッフと対面で相談できるのは心強いはず。今後は、ネット販売が主流となると言われているが、こういった駆け込み寺的な存在は必要だと感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★ルノー・日産・三菱のアライアンスがEVの新戦略を発表……ルノー・グループと日産がラテンアメリカにAセグメントのEV2車種を投入、インドも検討[詳細はこちら<click>] ★横浜市でゼロエミッション車の試乗会「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催(2月23日、10時〜16時)……「トヨタbZ4X」「ミライ」「日産サクラ」「ヒョンデ・アイオニック5」などを用意 ・EV充電サービスのパワーエックス、7.5億円を新たに調達……建設中のバッテリー工場「Power Base」(岡山県玉野市)の立ち上げや研究開発に充当 ・EV充電サービスのエネチェンジ、ゴルフ場へのEV充電器設置を推進……「ゴルフダイジェスト・オンライン」と協業

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TEXT:栁 蒼太
京都でヒョンデのZEVを体験―Hyundai Mobility Lounge 京都四条―

ヒョンデはオートバックス・グループのフラッグシップ店舗「A PIT AUTOBACS KYOTO SHIJO」において、同社のZEVを体験できるスペース「Hyundai Mobility Lounge 京都四条」を2023年2月4日(土)よりオープンする。  PIT INだけではないトータルサポートを提供 同施設では、ヒョンデが展開するZEV※、電気自動車(EV)「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」と燃料電池自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」が体験できる。展示、試乗はもちろん、購入相談を実施し、専用の納車空間も設置している。 さらにヒョンデは、「A PITオートバックス京都四条」とZEV整備の技術提携しており、ヒョンデ車両の点検整備・保証整備・他メインテナンスを実施することで、購入から納車、アフターサービスの顧客ケアも用意している。 ※ZEV(Zero Emission Vehicle):走行時に⼆酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCEV)の総称

TAG: #オートバックス #ヒョンデ
TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その5

力強い走り アイオニック5は、ワインディングロードでもなかなか爽快なドライブを楽しませてくれた。そう、まさに爽快、という言葉が似つかわしい。スポーツカーのようにとまでいうつもりはないけれど、気持ちが綺麗にすっきりするくらいにはスポーティに走ってくれる。 後輪駆動モデルと四輪駆動モデルのどちらにも共通しているのは、まずアップダウンの多い山坂道の登りでも、“力不足”という言葉さえ思い浮かばないことだ。多少勾配がきつかったとしても、涼しい顔をしてグングンと駆け上がっていく。いうまでもなく四輪駆動モデルの方は225kW(305ps)に605Nmとパワーもトルクもある分だけ余裕はあるけれど、後輪駆動モデルの160kW(217ps)と350Nmだってじれったい想いをすることはない。勾配などモノともせずにあっさり前に進んで行ってくれるのだ。 それに350Nmといえば、内燃機関ならちょっと前だと3.5L V6自然吸気、今どきなら2.0L直4のダウンサイジング系ターボの数値。いずれもスポーツ系のモデルに多用された構成だ。けれど、いかに内燃機関で350Nmのトルクがあったとしても、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間に有効なトルクが立ち上がるモーター駆動のレスポンスには敵わない。加速の立ち上がりの強力さはEVの独壇場ともいえる大きな武器なのだ。だからちょっと元気よく走らせてみると、コーナーからの立ち上がりの素早さに思わずニンマリさせられるほど。四輪駆動モデルではフロントのモーターが効き目を示してくれたりもするから、なおさらだ。両車それぞれ、なかなかいいパフォーマンスを見せてくれるのである。 それに、よく曲がる。快く曲がる。どちらも基本は安定志向の落ち着いた曲がりっぷりではあるのだが、だからといってつまらないモノになってないのが嬉しいところ。重心が低く鼻先が軽く、だからよっぽど物理の法則を無視したようなドライビングでもしない限り、あらゆる場面でノーズは気持ちよく自然にインへと向かっていく。ちょっとやそっと追い込んだくらいでは、後輪がグリップを放棄したりクルマの姿勢が乱れたりすることはない。後輪駆動モデルではしっかりとした後輪のトラクションを感じさせながら、四輪駆動モデルではときに前輪からの引っ張りをも感じさせながら、力強く路面を後ろに蹴り出してコーナーを脱出していく。 今どきのメーカー謹製EVのほとんどは、ワインディングロードを苦手としないフットワークのよさを見せる。アイオニック5もまったく同じで、後輪駆動モデルでは1,870〜1,990kg、四輪駆動モデルでは2,100kgという重量がブレーキに与える影響を常に気に留めておく必要はあるが、楽しく気持ちよく減速→旋回→加速のサイクルを味わえる。そしてそれは元気よく走ってるときのみならず、たとえばワンペダルドライブでコーナーの連続をリズミカルにクリアしているようなときでもまったく同じだったりする。

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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