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ヒョンデは9月1日から28日まで、代官山T-SITEで年内に発売する「コナ」を展示する。同車は日本で発売する2台目のBEV(バッテリー電気自動車)だ。同時期に発売されるライバルとも比較してみる。
ナンバープレートの「0927」
今年の6月に行われた会見では「コナを秋頃に導入予定」とヒョンデ関係者から聞いた。
そして今回の発表と同時に公開された写真に注目すると、ナンバープレートは「0927」だ。
この数字は発売日を示しているのか、それとも9月27日に、発売に関する次なる情報発信を予定しているのだろうか。
いつの間にか四面楚歌
ヒョンデは今年3月の時点で、コナを日本に導入すると発表していた。そしてこの半年の間にボルボから「EX30」という強力なライバルが出現した。
ボルボは、EX30だけで年内に2,000台を受注するという目標を掲げており、同車のワールドプレミアからわずか2ヶ月で日本での発表にこぎつけた。ヒョンデもうかうかしていられない。
この2台の代表的なスペックは下記の通りだ。
コナ(ロングレンジ)
全長:4,355mm、全幅:1,825mm、全高:1,575mm、一充電走行距離:490km(EU仕様基準)、最高出力:160kW(218ps)、最大トルク:255Nm、バッテリー総電力量:65.4kWh
EX30 Ultra Single Motor Extended Range
全長:4,235mm、全幅:1,835mm、全高:1,550mm、一充電走行距離:480km(欧州参考値)、最高出力:200kW(272ps)、最大トルク:343Nm、バッテリー総電力量:69kWh、車両本体価格:559万円
全長は120mmコナの方が長いが、全幅と全高、航続距離、バッテリー容量の差はわずかで、EX30の方がパワフルだ。
コナの価格は、兄貴分のアイオニック5が479万円からであることを考えると、400万円台前半からのスタートは間違いないだろう。ロングレンジのベースグレードでも500万円に達しなければ、EX30に対して価格面では明確なアドバンテージになる。※コナにはバッテリー総電力量が48.4kWhのスタンダードもある。
そしてアジアのライバルであるBYDも9月20日に「ドルフィン」の発売を予定している。スペックは下記の通り。
ドルフィン(ロングレンジ)
全長:4,290mm、全幅:1,770mm、全高:1,550mm、一充電走行距離:476km(WLTC)、最高出力:150kW(204ps)、最大トルク:310Nm、バッテリー総電力量:58.56kWh
現時点で価格は発表されていないが、300万円台に入ってきて、補助金によって支払いを200万円台まで減らせれば、こちらもとても強力なライバルだ。
コナの弱点は、多くの立体駐車場(高さ制限1,550mm)に入庫できない1,575mmの全高だ。あと25mmなのでとても惜しい。この点はヒョンデ関係者にも直接確認したが、この高さのまま発売するとの回答だった。
これまでBEVは、価格の3〜5割を占めるとされるバッテリーコストの影響もあり、それを“隠しやすい”高価格帯のクルマのリリースが多かったが、ここにきてBEV軽自動車との溝を埋める値段のモデルが一気に発売される。
年末にかけて上記3車を街中で見る機会も増えるだろう。
この戦いに日本メーカーが参戦していないのは少し残念だが、全速力でのキャッチアップを期待して、長い目で今後の戦況を見守っていきたい。