ヒョンデ最強の「N」モデルが上陸!
11月16〜19日までの期間で、愛知県と岐阜県で開催されたWRC最終戦となる、フォーラム8ラリージャパン2023。今回は愛知県の企業であるトヨタが1〜3位の表彰台を独占する形で幕を閉じた。
そんなWRCであるが、Rally1と言われるトップカテゴリーを走るマシンは、先述の「トヨタ」と韓国の「ヒョンデ」、アメリカの「フォード」の3社だ。このうち、「トヨタ」と「ヒョンデ」は日本でも展開している自動車メーカーということで、今回のラリージャパンのメイン会場である豊田スタジアムでは特設ブースを建て、大盛り上がりとなっていた。
そのなかでも今回お伝えしたいのは、「ヒョンデブース」での展示だ。イベント広場では、入口(メインゲート)のほぼ真横、かなり広いブースとなっていたのが印象的であった。そしてその内部には、日本初上陸となる車両が2台展示されていた。
それが、本国で販売されたばかりだという「IONIQ5 N」だ。昨年日本でも販売され、その先進的なデザインが話題となったヒョンデのBEV「IONIQ5」をベースとし、ヒョンデのワークス部門「N」がチューニングしたというハイパフォーマンスモデルである。
「N」とは、他社でいうと、日産の「NISMO」やメルセデス・ベンツの「AMG」みたいなものだという。2012年から活動をスタートた比較的新しいブランドではあるが、その後は世界中のレース現場で技術を磨き、そのノウハウを市販車にフィードバックしてきたという。そして現在、WRCで年間チャンピオンを獲得するまでの域に成長しているのだ。
その「N」が手がける「IONIQ5 N」は、最高出力650馬力、0-100km/h加速は3.4秒、最高速は260km/hを誇るという文字通りのモンスターマシンとなっており、そのほかに3種類の電子音を使った排気音を奏でる演出や、回生力をコントロールできるパドルシフトなどが備わっている。また、大型の対向ブレーキなども備わっているなど、本格的なスポーツモデルなのだ。
なお、この650馬力という数値は、IONIQ5の最上位グレードの倍以上の出力である点にも注目だ(最上位モデルは前後モーター合わせて305馬力)。カラーは「パフォーマンスブルー」という「N」を象徴するカラーだという。
この「IONIQ5 N」は世界中でも注目されているマシンで、今年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」ではデモランを実施したほか、「N」が特別に用意した油圧サイドブレーキを装備した「IONIQ5 N」で、ドリキンでお馴染みの土屋圭市氏がドリフトしている映像も公開されるなど、トピックだらけの1台だ。会場では、世界に2台だけのこのカスタムモデルも並べて展示されていた。
そんな「IONIQ5 N」だが、その場にいた関係者に話を聞いたところ、なんと日本での販売も予定しているという。マシンの詳細や展開時期などは未定だが、2024年度の前半をイメージしているそうだ。気になる価格に関しては「1000万円よりは全然安いはず」とだけ語ってくれた。
日本市場でBEVのハイパフォーマンスモデルがさらに増えるという嬉しいニュースなだけに、続報に期待したい。