2代目にフルモデルチェンジしたFCEV「ネッソ」
ヒョンデは、2025年4月3日に韓国のソウルモビリティショーで開催されたグローバルローンチイベントにおいて、フルモデルチェンジされたミッドサイズSUVの水素電気自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」を発表した。
この新型ネッソは、大胆なエクステリアを持ちながらも柔軟性、効率性、安全性を重視した設計がなされている。いわずもがな充電時間の短縮と航続距離の延長にも重きが置かれ、5分間の水素充填で700km以上の航続距離を確保することが開発目標に掲げられている。
2代目ネッソのエクステリアデザインは、2024年10月に発表されたINITIUMコンセプトをベースに、ヒョンデの新しいデザイン言語「アート・オブ・スティール」を体現し、素材本来の強さと自然な造形性を反映しているのだという。
初代ネッソとは似ても似つかぬほど無骨さを感じさせる2代目ネッソは、大胆なラインと堅固な構造にアーチ形の断面によって力強さが加えられた。頑丈で洗練されたデザインは、車両の耐久性を強調するドアに施された水平の溝パターンと相まって、全体的に都市とアウトドアの両方のライフスタイルに適合する仕上がりとなっている。
さらに、FCEV特有のデザインを引き立てる4つのドットランプは、このクルマがヒョンデのクルマであることを夜間でも主張する。
インテリアはドライバーを中心に湾曲したディスプレイをはじめ、直感的なコントロール性を重視し、収納スペースに優れたアイランド型センターコンソールが特徴なのだという。加えてデジタルサイドミラーディスプレイは、ダッシュボードの一部としてシームレスに統合され、開放感と実用性を最大限に高めているようだ。
これら先進的なデザインを有しながらも、ヒョンデ曰く「家具付き空間」をイメージし、家のなかにいるような温かさと快適さをミックスしているというから、インテリアの画像が公開されるのを楽しみに待ちたい。
居住スペースは、先代モデルよりも全方向にサイズアップしたことで快適性が向上。特に2列目シートは前席の背もたれがスリムになったことで膝まわりの余裕が拡大したほか、頭上、肩まわりともに従来以上の快適性を得ているのだという。
そして、先進の運転支援システムとトップクラスの衝突安全機能を搭載し、ドライバーと乗員を包括的に保護し、安心感の高いドライビング環境を提供する。
むろんFCEVからイメージされる通り、バイオプロセスレザーやリサイクルPETファブリック、リサイクル自動車用プラスチック廃材など環境に配慮した素材がクルマ全体に用いられる。
水素モビリティにおけるヒョンデの技術開発はすでに27年に達するという。バッテリー電気自動車(BEV)やハイブリッド車と並び、水素電気自動車は同社の車両電動化戦略を示すものであり、消費者へさまざまなパワートレインを提供し、選択する余地を残してくれている。
そして、ヒョンデ自身はFCEVインフラを拡大し、ヒョンデモーターグループが推進する水素ブランド「HTWO」のもと水素モビリティのパイオニアとして市場ポジションを強化する意思を示している。2025年の後半から世界各地で販売を開始する予定だという新型ネッソ、そこにかけるヒョンデの期待は大きい。