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TEXT:TET 編集部
CHAdeMOに挿すだけで30秒で診断完了!? データマイニング法を用いた画期的なバッテリー診断機が「EverBlüe Drive」から登場

バッテリー診断機がEV循環サイクル実現のための隠れたカギ 日本国内でのEVシフトは、順調に進んでいるとはいえない状況にある。その大きな原因のひとつとして挙げられるのが、EV特有の残価率の低さだ。EVの駆動用バッテリーは、車両価格の3分の1から半分を占めるというのが定説だ。しかし、そのバッテリーは使用に伴い性能が劣化してしまうため、結果的にEVのリセールバリューは低いという課題を抱えている。 そこにブレークスルーを起こすべく立ち上がったのが三洋貿易の「EverBlüe Drive」ブランドである。EverBlüe Driveは、EVメインのリバースエンジニアリングビジネスや、自動車部品の輸出入、最新車両のベンチマーク情報サービスといった事業を手がけてきた三洋貿易のノウハウを活かし、モビリティ領域で安心・安全な循環型社会を実現すべく、EVバッテリーのメンテナンス用品を主軸に各種製品をリリースしている。 そのEverBlüe Driveから、画期的なEV・PHEV用のバッテリー診断機が発売された。 リセールの低さという課題を抱える一方で、EVのバッテリーは多くのレアメタルを含んだ高い価値をもつ部品であるという側面も無視できない。軽度の劣化ならば蓄電池として再利用したり、重度の劣化でもマテリアルを回収してリサイクルするといった再利用が可能なのだ。 適切な再利用にあたってはEVバッテリーの状態を適切に把握することが重要となるが、現在市場に流通している診断機は、測定に時間がかかる、筐体が高価、高電圧の充放電が必要となるなどといった課題を抱えているものがほとんどである。それもあって、国内での再利用は進まず中古EVの需要が高い海外への車両流出が多くなり、EVバッテリー循環の構造は十分に機能していないというのが現状だ。 今回発表されたEverBlüe DriveのEV・PHEV用バッテリー診断機「ETX010」は、既存の診断機が抱えていた諸問題をクリアした意欲的な新製品となっている。 まず注目したいのがそのサイズ感だ。本体は750gと軽量なハンディタイプとなり、ケーブルや別体の機器も必要としない。「いつでもどこでも使える」という点も、バッテリー診断を広めることにひと役買うことだろう。 使用方法はいたって明快で、急速充電口(CHAdeMO)に本体を挿入するのみ。測定に要する時間はわずか30秒程度で、自社で保有する膨大な車両解析データをもとに独自アルゴリズムを用いてSOH(State Of Health=バッテリー劣化状態)を推定。その結果は専用のアプリ上に表示され、PC上で一括管理も可能となる。 既存のEVバッテリー診断機では急速充電を必要とし、その充電データによる解析がメインとなっているが、EverBlüe Drive ETX010では車体の充放電の必要がなく、高電圧バッテリーの取り外しも必要としないデータマイニング法での測定となるため、より安全かつ手軽な診断が可能となっている。また、測定精度についても電気的な試験と同等に保たれているという。 EverBlüe Drive ETX010の価格は、税込19万5800円。別途でアプリ・システム利用料が必要となるが、絶対的な価格もリーズナブルで、診断回数が無制限ということも考えれば、バーゲンプライスといってもいいだろう。 EverBlüe Driveは、これからもバッテリーメンテナンス機器をシリーズとして順次発売予定としている。同社が製品を通じて目指すEVの循環型社会の実現に、今後の展開にも期待したい。

TAG: #カーライフ #バッテリー #メンテナンス
TEXT:TET 編集部
MINIブランド史上初となる電気じかけのJCW! 「MINIジョンクーパーワークスE」と「MINIジョンクーパーワークス エースマンE」が登場

MINI史上初の電動ハイパフォーマンスモデル ガソリンエンジンだけでなく、電気自動車(EV)もラインアップし、「カリスマティック・シンプリシティー」と呼ばれるデザイン言語でコンポーネントを削減し、シンプルかつ本筋にフォーカスして設計されたデザインとリサイクル素材を積極的に採用しサスティナビリティに配慮しながらも、MINIならでは痛快なドライブフィールはそのままに進化した新型MINIクーパー。 その高いポテンシャルは2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも明らかだ。 その新型MINIクーパーのハイパフォーマンスモデルといえるのが「ジョン・クーパー・ワークス」だ。すでにガソリンエンジンを搭載したMINIクーパー、MINIコンバーチブル、MINIカントリーマン・オール4の3車種にジョン・クーパー・モデルを販売しているが、2025年2月27日からは、MINI史上初のEVハイパフォーマンスモデルとなる「MINIジョン・クーパー・ワークスE」と、「MINIジョン・クーパー・ワークス エースマンE」の2車種がそのラインアップに加わった。 ボディは違えど航続距離の差はわずか MINIクーパーの3ドアモデルをベースにしたMINIジョン・クーパー・ワークスEと、クロスオーバータイプのEVモデルMINIエースマンをベースにしたMINIジョン・クーパー・ワークス エースマンEは、レーシングスピリットにあふれる走りを特徴とし、精悍で卓越した走行性能と個性的なスタイリングを融合させたEVホットハッチといえる。 両車ともに前輪をモーターで駆動し、Eブースト機能作動時の最高出力は190kW、最大トルクは350Nmを実現している。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池のバッテリー容量も54.2kWhと共通だが、一充電走行距離はよりコンパクトなボディを持つMINIジョン・クーパー・ワークスEの方が18kmほど足が長く、421kmと発表されている。 停止状態からの発進や、よりパワーが欲しいシーンでは、「Eブースト機能」によりパワーを増強することが可能。JCWスポーツ・ステアリング・ホイールのパドル操作で作動し、アクセルペダルを踏み込むと、追加で約20kWのパワーが10秒間供給され、高加速なドライビングの楽しさを提供する。 むろんハイパワー化に伴い、足まわりには手が加えられ、専用チューニングのJCWスポーツサスペンションを採用したほか、スプリングやスタビライザー、ダンパーも特別に調整。前輪のキャンバー角は大きくされ、ハンドリングとコーナリング時のグリップを向上させている。

TAG: #JCW #エースマン
TEXT:TET 編集部
湘南・鎌倉エリアの観光が電動トゥクトゥクで変わる! eMoBiが小型三輪EVと専用アプリで混雑解消を目指す

鎌倉を起点にした湘南エリア観光を逆向きに! 円高や政府の観光立国に向けた取り組みにより、海外からの観光客が急増している日本では、各地でオーバーツーリズムによる諸問題が噴出している。それは、もともと日本人観光客からも人気があった湘南・鎌倉エリアでも同様で、平日でも鎌倉の小町通りや漫画「スラムダンク」にも登場する鎌倉高校前、由比ガ浜に江の島といった浜辺は、どこも大混雑。海岸沿いの国道134号線やアクセス路線である江ノ電も終日混雑し、移動に時間がかかってしまっているのが現状だ。 それらの問題に対し、小型三輪EVの電動トゥクトゥクと専用のスマートフォンアプリを用いて観光客の利便性を向上させる取り組みが始まった。 2025年3月1日から提供が開始されたスマートフォンアプリ「Emobi」は、2020年に創業したモビリティスタートアップのeMoBiが展開している3人乗り小型三輪EVのレンタルサービス「Emobi(えもび)」と連動して利用される、キャッシュレス決済・シェアリングサービス用の多機能アプリだ。 Emobiは観光地における自由で効率的な周遊を実現すべく始まったサービスで、これまでに鎌倉や沖縄、九州北部など、全国的にサービスが展開されている。 すでにEmobiのサービスを実施している鎌倉ではあるが、湘南・鎌倉エリア専用のアプリが開発された背景には、このエリアが抱える観光客の人流特性にあるという。大都市圏の東京や横浜から湘南・鎌倉へ行こうとすると、電車ならばJR横須賀線で鎌倉駅まで行き、その先へは江ノ電に乗り換えていくのが一般的。クルマの場合も横浜横須賀道路の朝比奈インターから一般道を経由して鎌倉へ入るのが自然で、いずれも東京・横浜寄りの鎌倉を起点に湘南エリアへ入っていくこととなる。 つまり、周遊観光をするにしても鎌倉から江の島方向へ向かう右回りルートに観光客が集中し、混雑が発生していることが指摘されている。 そこで地域の価値創造に関する課題を解決するeMoBiは、JR大船駅から湘南江の島駅に向かって走る湘南モノレールと連携し、スマートフォンアプリ「Emobi」と自社の電動トゥクトゥクを連携した観光DXで、江の島から鎌倉へ向かう左回りルートでのエリア観光を推進し、人流の分散化を目指すこととした。

TAG: #三輪EV #小型モビリティ
TEXT:TET 編集部
シーサーをモチーフにした顔が愛らしすぎる! 沖縄による沖縄のための超小型モビリティ「AIM EVM」がデビュー

目指したのは「島に住む人も、訪れる人も、みんなが笑顔になれるモビリティ」 名古屋に本社を構え、自動車の先行・量産開発領域における技術開発および製品設計などのエンジニアリングサービス事業と、NEV(新エネルギー車)の開発やEV関連技術の開発および実証実験など、研究開発と実証実験事業を行なっているエイムから、地域に根ざして開発を行なったまったく新しい超小型モビリティが誕生する。 エイムが2025年2月14日に発表した「AIM EVM」は、「島に住む人も、訪れる人も、みんなが笑顔になれるモビリティ」をコンセプトに、久米島をはじめとする沖縄県各地で実地調査を行い、現地からの要望に応える形で企画された超小型モビリティだ。とくに島嶼部や過疎地域での活用を目指し、それら地域の人々の生活を豊かにすることを願って開発が進められたという。 その車両サイズは、全長2.5m、全幅1.3mと非常にコンパクト。ゆえに最小回転半径も3.5mに収まり、島内の狭い路地でも取りまわしが容易だ。 乗車定員は2名ながら、シート背後には幅660mm、長さ400~610mmの荷室を備えている。これにより、機内持ち込みサイズのキャリーケースを3個まで収納することができ、島を訪れる観光客の足としても活躍が期待できそうだ。 超小型モビリティの認定車に区分されるAIM EVMの最高速度は60km/h。一充電航続距離は120kmで充電時間は200Vで5時間だ。家庭用100V外部給電ポート(1500W)にクーラー、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応した7インチモニターなどを標準装備する。

TAG: #AIM #EVM #エイム #超小型モビリティ
TEXT:TET 編集部
世界初の自動運転EVバスが2台定常運行! マクニカが常陸太田市に新たな路線バスを投入

マクニカ「evefleet」とNavya「EVO」が地域交通の未来を創造する 茨城県常陸太田市で、マクニカが提供する特定環境下でレベル4に対応した自動運転EVバス「Navya EVO」が、世界初となる2台定常運行が2025年2月18日からスタートしている。 常陸太田市ではこれまでにも、同市の中心市街地「東部地区」における多様な移動ニーズへの対応、環境に配慮した交通システムの構築、次世代技術との融合による魅力ある街づくりの一環として、マクニカなど関係各社と連携し、自動運転EVバスの実証実験(2023年2月)や、Navya社製自動運転EVバス「EVO」の自動運転レベル2での定常運行(2024年2月から1年間)を行なってきた実績がある。   「じょっピー」の愛称で親しまれる自動運転EVバスの定常運転開始から1年が経過し、市民から要望の多かった常陸太田駅と鯨ヶ丘方面に新しいバス停を追加。さらに2台目の自動運転EVバスを追加し、2台を公道で定常運行させる世界初の取り組みを行うことで、走行ルートと距離を拡大し、市民の交通利便性を向上させる。 なお、2台のバスの位置情報や車内の混雑具合、バス停周辺の店舗情報などは「常陸太田デジタルマップ」で一元的に可視化され、常陸太田市の行政情報アプリ「じょうづるさんナビ」を通して市民に提供される。 それらの情報や運行管理には、マクニカの「everfleet」という遠隔運行管理システムが活用されており、リアルタイムで車両データや走行状況がモニタリングされている。これにより、安全性と効率的な運行が確保され、将来的には自動運転レベル4の運行(現状ではレベル2での運行)を目指す。 また、この取り組みは持続可能な街づくりの構築に貢献するため、他の自治体への自動運転EVバス導入にもつながることをマクニカは期待している。 常陸太田市での運行は1日6便、南まわりと北まわりでそれぞれ3便ずつが運行され、乗車は予約なしで無料で利用することができる。 使用される自動運転EVバス「EVO」のボディサイズは、全長4780mm、全幅2100mm、全高2670mmとコンパクトで、最大速度は18km/h(運行時は平均速度15km/h程度)、乗客人数は最大9名となっている。1回の充電で約100km走ることができ、緊急時にはオペレーターが手動で介入できる仕組みを採用している。 マクニカの「evefleet」とNavyaの「EVO」の組み合わせにより、安全を確保しながら自動運転バスの運用を高度に効率化し、運行にかかる人員を削減しつつ増便につなげられる可能性がある。市民の足を確保したいものの、バス運転手不足が叫ばれる現代社会において、自動運転バスの複数台同時運行実現は救いの一手であり、今後のさらなる開発に期待したい。

TAG: #EVバス #マクニカ #交通インフラ #自動運転
TEXT:TET 編集部
ヒョンデNはサーキットでも速かった! アイオニック5 N TA Specがタイムアタックの聖地・筑波で57秒台のEV最速ラップをマーク

「アイオニック5 N TA Spec」で筑波EV最速記録を樹立 チューニングカーによるタイムアタック競争は、外気温と路面温度が下がる冬がシーズン本番だ。その聖地ともされる茨城県の筑波サーキットで2月15日に行なわれた「シバタイヤ presents Attack Tsukuba 2025(Attack筑波2025)」に、ヒョンデがタイムアタックマシンであるアイオニック5 N TA Specを持ち込み、これまでのEVよりも約2秒速い1周57.446秒で最速EV記録を樹立した。 このアイオニック5 N TA Specというマシンは、ベースとなった市販車のアイオニック5 Nの主要コンポーネントを共用しながらも、タイムアタック競技に必要なEV用消化システムやレカロ製のHans対応シート、サベルト製の6点式シートベルトハーネスなどを装備したうえで、独自のハイダウンフォース空力パッケージを装着し、車名のTAが表す通り、タイムアタック仕様へと変貌を遂げたマシンだ。 モーター出力もタイムアタック向けにチューニングが施されている。量産モデルの高性能PEシステムはそのままだが、ソフトウェアチューニングにより最高出力は687馬力、リヤモーターの出力は37馬力へとそれぞれ強化されている。 もともとアイオニック5 N TA Specは、アメリカで毎年行われている世界的なヒルクライムイベント「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」の電動改造車部門制覇を目的に製作された車両だ。今回の「Attack筑波2025」への参戦にあたっては、車内に張り巡らされたロールケージはパイクスピークのレギュレーションに準じたPPIHC(Pikes Peak International Hillclimb)仕様であったものの、サーキットの舗装路に合わせてショックアブソーバーを変更、タイヤもADVANスリックタイヤを履いて臨んだ。 タイムアタックは、これまで数々のチューニングカーで筑波サーキットの記録を塗り替えてきた名手、谷口信輝選手が担当。今回ドライブしたアイオニック5 N TA Specについては、「軽量化されているとはいえ、2トンあるクルマなので絶対的に重たいです。それでも非常によく止まり、よく曲がります。パワーがあるのに制御が素晴らしく、曲がりや立ち上がりも安定しています。非常に不安感なく攻められるクルマでした」とそのポテンシャルを称賛している。 「Attack筑波2025」でのEV最速記録を自社のマシンが成し遂げたことに関し、ヒョンデのハイパフォーマンスブランド「N」の常務であるパク・ジューン氏は次のようにコメント。 「この快挙は、ヒョンデの先進的なEV技術とコミットメントを示すものです。量産車両の部品を主に使用したアイオニック5 N TA Specの新記録は、ヒョンデの技術力を証明する重要なマイルストーンであり、高性能EVを世界の自動車文化に深く浸透させたいというヒョンデ Nの想いを表しています」 ヒョンデモビリティジャパンの代表取締役社長である七五三木氏も「量産部品を主体としたアイオニック5 N TA Specによる勝利は、私たちにとって大きな節目となる成果です。この結果は、当社の技術力を証明するとともに、日本市場での存在感をさらに確かなものにしました」とコメント。 会場の筑波サーキットには先日発表されたばかりの「IONIQ 5 N DK Edition」も展示され、ヒョンデがこの「Attack筑波」に並々ならぬ意欲をもって臨んでいることをアピールした。 このEV最速記録樹立により、EVのハイパフォーマンスぶりを遺憾なく発揮するとともに、走りへの関心が高いユーザーに対して、ヒョンデ Nブランドのプレゼンスを高めることに成功したのではないだろうか。

TAG: #IONIQ 5 N #ヒョンデ #筑波サーキット
TEXT:TET 編集部
ヒョンデ話題の新型EV「インスター」をいちはやく試せる! 東京を皮切りに全国5都市で先行体験会を開催

発売前のインスターに乗れるチャンス! 軽EVに迫る価格と、取りまわしのしやすいコンパクトなボディが魅力のヒョンデ「INSTER(インスター)」だが、今春の発売を前にヒョンデは2月14日から一般ユーザーに向けた先行体験会を開始した。ヒョンデが発表した体験会レポートをもとに、参加者が感じたインスターの魅力と、今後4都市で行われる先行体験会のスケジュールについてお知らせしたい。 初回の体験会は東京テレポートを舞台に開催。会場には発進と加速のスムーズさを体感できる直線エリアや旋回性能を試せるコーナー、インスターをじっくり眺められる展示エリアが設けられた。 参加者からは「アクセルを踏むと想像以上にパワフルに加速した」、「駐車場の凸凹した路面を走っても安定していた」といった動力性能と乗り心地の良さを評価する声が聞こえたほか、駐車体験でのサラウンドビューモニターの利便性や、コーナーで小まわりが利いて運転しやすいことなどを評価ポイントとして挙げる参加者もいたという。 先行体験会では専門スタッフが同乗し、回生ブレーキの使い方や走行モードの違いについて丁寧に説明が行われる。試乗した参加者からは「エコモードだと加速が穏やかで街乗りに良さそう」「回生ブレーキの制御が凄いですね。ここまで自然に車体が停止する感覚は初めての体験」とインスターの完成度の高さを感じる声も聞こえてきた。 このインスター先行体験会は、名前が表す通り試乗するだけでなく、クルマのさまざまな機能を体験する機会でもある。 そのため、充電性能とV2L(Vehicle to Load)機能については参加者からの興味関心が強く、とくにV2L機能を使って温められたコーヒーが参加者に振舞われた際には、各自普段の生活のなかでV2Lがもたらすメリットについて語り合う場面もあったそうだ。

TAG: #イベント #インスター #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
レクサスのBEVユーザーに特報! 「LEXUS Electrified Program」が急速充電サービス「PCA」と業務提携

150kW/90kWの急速充電器を全国380基以上展開するPCAと業務提携 これまで他のプレミアムブランドに比べ、バッテリー式電気自動車(BEV)のラインアップ拡充にあまり積極的ではなかったレクサス。いまのところSUVタイプのRZとUX300eの2車種を揃えるものの、ほかのブランドの充実ぶりと比べてしまうと見劣り感が否めない。 さらに、プレミアムブランドは自社のBEVユーザーの囲い込みに熱心で、市中の充電器よりも強力かつアプリを通じた利用事前予約ができるなどの利便性をアピールし、BEV購入後も積極的に自社と顧客のタッチポイントを増やす動きがみられる。 とくに顕著なのは、ポルシェ・アウディ・フォルクスワーゲンの連合体だ。グループで展開する急速充電ネットワーク「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」は、全国の大都市圏を中心に150kWの急速充電器を設置し、さらに90kWの急速充電器で周辺を固め、2025年2月16日現在は3つのブランドで計371拠点、385基もの急速充電器を設置する充実ぶりを見せている。 一方、レクサスの急速充電サービスは、出力150kW級の急速充電器を備えた「レクサス充電ステーション」が、2025年4月に福岡の「ONE FUKUOKA BLDG」に開設するステーションでようやく6拠点目となるに過ぎない。 しかし、ここにきてレクサスの急速充電環境が大きく変わろうとしている。なんとレクサスがポルシェ・アウディ・フォルクスワーゲンの急速充電サービスであるPCAと業務提携の覚書を締結したのだ。 レクサスはBEVにまつわる顧客のさまざまな不安や困りごとをサポートし、レクサスならではの提供価値を届ける「LEXUS Electrified Program(LEP)」のサービス拡充に取り組んでいるというが、今回の提携はその一環とされる。 この提携により、2025年7月からはLFPとPCAの会員が、それぞれのアプリケーションを通じて互いの急速充電設備を利用することが可能になる。これによりレクサスのBEVオーナーにとっては、経路充電の選択肢が強力かつ大幅に増えることになる。 むろん、レクサス自身もPCAの恩恵を受けるだけに留まらず、自社の「レクサス充電ステーション」の拡充を今後も進める方針である。2030年までに全国で100カ所以上のステーション開設を目指すほか、充電中の待ち時間にもBEVオーナーが有意義に過ごせるよう、近隣商業施設などとも連携し、さまざまなサービスを利用できるように整備を進めていくとしている。 なお、LFPとPCAでは月額基本料と充電に伴う従量料金に若干の差がみられるが、今回レクサス側から発表されたリリースでは、そのことについては触れられていない。ただし、メーカーの枠を超えて実現するこの急速充電ネットワークの大幅な拡充は、群雄割拠のプレミアムブランドのBEV販売にあって、今後レクサスが躍進する大きなきっかけとなるかもしれない。

TAG: #LFP #レクサス #急速充電
TEXT:TET 編集部
地元の再生可能エネルギーを使って小田原・箱根を駆け巡ろう! BYD ATTO 3とドルフィンがカーシェアリングサービス「西湘・足柄レンたび」に登場

西湘バイパス~箱根ターンパイクでたっぷりEV試乗 BYDのミドルサイズe-SUV「ATTO 3(アットスリー)」が、神奈川県西部で展開されているシェア・レンタルサービスの「西湘・足柄レンたび」に1月27日から新規導入された。また、2月にはコンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」も導入予定だという。 「西湘・足柄レンたび」とは、EVカーシェアリングサービスやeモビリティマネージメントプラットフォームなどを運営するREXEVと、神奈川県内を中心に多数のガソリンスタンドや自動車ディーラーを運営するサンオータスが、2024年10月10日から神奈川県と協力し県西部の2市8町(小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町)で展開している、電気自動車と電動キックボードのシェア・レンタルサービスだ。 このサービスの根幹はREXEVが運営するカーシェアリングサービス「eemo」が担っており、同サービスの輸入車ラインアップ第2弾としてBYDのATTO 3とドルフィンが選定され、「西湘・足柄レンたび」に導入された。これによりeemoのサービス全体としては、全7車種の多様なEVを選択することが可能となり、EV購入前の比較検討にもより利用しやすくなったといえる。 今回、「西湘・足柄レンたび」に導入されたATTO 3は、eemoが提供する栄町三丁目ステーションに、ドルフィンはリバティ小田原本町第二ステーションへの設置が予定されている。いずれも神奈川県西部のターミナル駅である小田原駅から近く、小田原城を見学してからクルマに乗って箱根や湯河原などの観光地を目指すのに最適なロケーションだ。また、自動車メディアではお馴染みの試乗コース、西湘バイパスと箱根ターンパイクにもアクセス抜群。最新のEV試乗を兼ねて地域観光をしてみてはいかがだろうか。 また、eemoが取り扱う西湘・足柄エリアのEVは、主に地元で発電された再生可能エネルギーを使用して走行する。また、停車時にはエネルギーリソース、災害時には地域の非常用電源として活用されるといい、地域でEVのメリットを享受し、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みがなされている。 「小田原・箱根・湯河原エリア いつも使いプラン」を利用した場合のレンタル料金は、ATTO3が15分374円(税込)から、ドルフィンは15分264円(税込)からという利用しやすい料金設定も魅力的だ。さらに、「レンたび」では2025年3月31日までキャンペーン割引料金をATTO3に設定しており、これを適用するとドルフィンと同額の15分264円(税込)からとさらにお得になる。 ちょっとした地域住民の日常利用から観光客のお供まで、環境負荷が少なく爽快な走りのEVでぜひ西湘・足柄地域を駆け巡ってもらいたい。

TAG: #BYD #eemo #REXEV
TEXT:TET 編集部
2025年大阪・関西万博開催へ向けてラストスパート! EVモーターズ・ジャパンが大阪メトロに小型乗合EVバスを28台納車

EVモーターズ・ジャパン製を導入 EVモーターズ・ジャパンが、大阪市高速電気軌道(通称:大阪メトロ)に小型乗合EVバスを28台納車すると発表した。 この小型乗合EVバスは、「2025年大阪・関西万博」の開催期間中、大阪市内の森之宮エリアと西エリア・港エリアにおいて2025年10月31日までの期間限定で、オンデマンド方式のバスとして運行される。西・港エリアでは、すでに2025年1月27日から運行されており、森之宮エリアでも順次運行が開始されるという。 今回納車される小型乗合EVバスはエアサスを標準搭載しており、ニーリング機能を働かせることで最低地上高の調整が可能になっている。これにより車いすの乗客もスムーズに乗り降りすることができるのが特徴だ。 また、全長はEVモーターズ・ジャパンがラインアップするEVバスのなかでももっとも短い5.38mとなっており、そのコンパクトさから狭い路地が続くエリアでも運行が可能。乗車定員は10名で、設計値の航続距離は215kmと発表されている。 大阪メトロが小型乗合EVバスを導入した背景 小型乗合EVバスを導入する大阪メトロは、4月に開幕する「2025年大阪・関西万博」の開催にともない、会場へのアクセス路線の大阪メトロ中央線では乗客が大幅に増えることを見込んでいる。その反面、普段から中央線を利用する沿線住民にとっては、交通利便性が低下してしまう恐れがある。その対策として、小型乗合EVバスの導入に踏み切ったと発表している。 オンデマンド方式での運行となるが、これは運行エリア内に乗降場所を路線バスよりもきめ細やかに設け、乗車日時や乗降場所を事前予約で指定することで、バス利用ユーザーのニーズに沿って運行される乗合バスのことを指す。 乗降場所は西エリア(西区および港区の一部区域の約4.6平方キロメートル)にバーチャル乗降場所を含む計79か所、港エリア(港区および西区の一部区域の約4.9平方キロメートル)にも同様に計76カ所設置されるから、通常の路線バスと比べると事前予約の手間はあるものの、かなり細かくポイント設定されていて利便性は高い。 なお、現地に目印が無いバーチャル乗降場所については、大阪メトロが発行する「e METROアプリ」に地図や写真を用いて表示されるという。そして運行時間は7時から22時までとなっている。 いよいよ開幕が迫ってきた2025年大阪・関西万博に向け、地域住民の足にも変化が現れてきたようだ。 ■EVモーターズ・ジャパン 小型乗合EVバス 諸元表 車名:E1乗合 エアサス仕様 全長(mm):5380 全幅(mm):1900 全高(mm):2720 ホイールベース(mm):3130 最小回転半径(mm):6000 座席数:10 内訳(座席7+跳ね上げ座席2+運転席1) 乗車定員(人) :10 内訳(座席7+跳ね上げ座席2+運転席1) バッテリー容量 (kWh): 105.3 航続距離(km)※設計値:215 登坂能力(%):≥25

TAG: #EVバス #大阪・関西万博
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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