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TEXT:TET 編集部
経済産業省、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」等を決定……デイリーEVヘッドライン[2023.02.17]

令和4年11月8日〜令和5年3月31日に新規登録された車両が対象、税抜840万円以上の車両は満額の8割の補助へ 【THE 視点】経済産業省は2月14日、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(CEV補助金)および「令和5年4月1日 (令和5年度 )以降」の新車新規登録 (新車新規検査届出 )の補助金についての概要を発表した。 「CEV補助金」とは、EVなどの自家用車両の購入や、充電・水素充填インフラを整備した場合に受け取ることができる補助金である。 今回の大きなポイントは、クリーンエネルギー自動車の普及拡大に向けて予算額を900億円と大幅に増額したこと(令和4年度補正700億円、令和5年度当初案200億円の合計)。補助上限額を維持し普及を力強く促進するため、所要の見直しも行われた。 具体的には、補助上限額(EV・PHEVの場合10万~20万円)の上乗せの要件として「外部給電機能を有すること」に加え、EV・PHEVの乗用自動車については「省エネ法トップランナー制度の2030年度燃費基準の対象となる車両(型式指定自動車)」であることが追加された。 また、価格低減を促す観点から、高額車両(税抜840万円以上)は、算定された補助額に価格係数0.8を乗じることにもなった。 このCEV補助金は、令和4年度予算については同年12月15日到着分をもって申請受付が終了しており、その後登録された車両(実際には令和4年11月8日~)などは、この令和4年度補正予算からの補助金を受けられることになる。  今回の改正で、「省エネ法トップランナー制度の2030年度燃費基準の対象となる車両(型式指定自動車)」と明記されたことから、「PHP制度(輸入自動車特別取扱制度という年間5,000台程度の輸入車に適応されるもの)」が適応された輸入車や、新型車登録、並行輸入車の型式不明等については、上乗せ要件が満たせないことになる。 今回の改正でもうひとつのポイントは、EVの場合は条件付きでこれまで85万円補助を受けられていたものが、高額車両で条件を満たさない場合に、52万円まで減額される車両が出てくること。 EVの購入検討者は吟味のうえ、この機会を上手に利用してEVを手に入れて欲しい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ※資料出典:経済産業省 ★★三菱、「ミニキャブ・ミーブ」をインドネシアで生産……2024年開始、ASEAN地域におけるEVニーズの拡大に応える ★EVモーターズ・ジャパン、「渋谷区コミュニティバス」に2台のEVバスを納車……2023年3 月1日より「ハチ公バス(神宮の杜ルート)」(渋谷駅西口~表参道駅・千駄ヶ谷駅・代々木駅~渋谷駅ハチ公口)で運行開始予定 ★神奈川県相模原市、公用車併用のEVカーシェアリングを開始……「Anyca(エニカ)」の運用で「日産リーフ」を導入、閉庁日にシェアカーとして活用[詳細はこちら<click>] ★小型EV開発・販売のブレイズ、本社を移転……名古屋市中村区に新本拠、ショーケースも設置

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TEXT:TET 編集部
BMW、「i4」にエントリーグレードを設定……デイリーEVヘッドライン[2023.02.16]

航続距離532kmで後輪駆動、価格は698万円 【THE 視点】ビー・エム・ダブリュー株式会社は、プレミアム・コンパクト・クラスの4ドア・クーペ・モデル「4シリーズ・グラン・クーペ」のラインナップに、EVの「i4 eDrive35(アイフォー・イードライブサンゴー)」を追加した。BMWオンライン・ストア上のみでの扱いで2月15日より販売を開始。価格は698万円。納車は本年3月以降を予定している。 「i4 eDrive35」は最高出力210kW(286ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発揮する電気モーターで後輪を駆動する。床下に配置されているバッテリー容量は70.3kWhで、一充電での走行可能距離は532kmとなる。参考までに先に導入済みの「i4 eDrive40」は、最高出力250kW(340ps)、最大トルク430Nm(43.9kgm)、バッテリー容量は83.9kWhという性能だ。 今回のモデルは40よりひとつ下のエントリーモデルとなり、価格が約100万円低い。しかし日本初認可を取得したハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能を標準装備し、十分な先進安全支援機能などを持つ。最高出力210kW、最大トルク400Nmという値は、ひと昔前で言えばR34型のころの「日産スカイラインGT-R」に匹敵する性能であり、航続距離も532kmとEVとして十分な性能を持つ。 性能と車格を考えれば価格は抑えめの設定だ。車両価格の値上げが相次ぐ中、価格を抑えたモデルを出すには企業としてもそれなりの工夫が必要だ。オンライン・ストアのみの販売とすることでワンプライスを実現し、定価を抑えたのではないかと考えられる。 筆者は「i4 eDrive40」に試乗した経験がある。床下にバッテリーを積みながらも、エンジン車と同じく低く構えたスタイリングに仕上げた。しかもBMWの得意とする後輪駆動で、スローガンの「駆け抜ける喜び」を体現するEVとしてヒットするのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★MINI(ミニ)、「MINI Cooper SE Convertible」(ミニ・クーパーSE・コンバーチブル)を欧州で発売……999台限定のオープンモデル[詳細はこちら<click>] ★★フォード、米国ミシガン州にLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリー製造工場を建設……2026年稼働、「マスタング・マッハ-E」から搭載開始 ★BYDジャパン、大型EVバス「K8」2台を西武バス(新座営業所)に納入……「清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地」を結ぶ路線系統に導入 ★日本電産、中国大連市にモーターの新工場を開業……車載用モーターを製造、「e-アクスル」の製造も見込む ★オープンストリートなど、シェアモビリティ「HELLO MOBILITY(ハロー・モビリティ)」を神奈川県川崎市で展開……キングスカイフロントLiSE駐車場(LiSE 川崎生命科学・環境研究センター:川崎市川崎区)にマルチモビリティ・ステーションを開所 ★コンチネンタルタイヤ、EVと相性の良い「ComfortContact CC7(コンフォート・コンタクト CC7)」を発売……静粛性を高める「ノイズ・ミューター」技術を採用

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TEXT:TET 編集部
2023ワールド・EV・カー・オブ・ザ・イヤーの第2次選考車決まる……デイリーEVヘッドライン[2023.02.15]

第2次選考5台中3台が韓国車、デザイン性が高評価か 【THE 視点】「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」の主催団体は、「2023ワールド・エレクトリック・ビークル・オブ・ザ・イヤー」(2023 WEVOTY)の第2次選考モデル5車種を発表した。 「2023 WEVOTY」の対象となる車両は、年間5,000台以上生産されている必要があり、今回対象となるのは、2022年1月1日から2023年3月30日の期間内に販売されているEVとなる。 「2023 WEVOTY」の第2次選考に選ばれたのは「BMW i7」「Genesis(ジェネシス) GV60」「Hyundai Ioniq 6(ヒョンデ・アイオニック6)」「Kia Niro EV(キア・ニロEV)」「Lucid Air(ルシード・エア)」の5車種。 「i7」はBMWのフラッグシップEV。2モーター四輪駆動で、航続距離650kmの圧倒的な性能と、これまでの7シリーズから一変した格調のあるスタイリングが評価されたのではと推測する。 「GV60」は、ヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」のSUV型EV。ハイパフォーマンスモデルが存在し、前後それぞれに160kW(218ps)のモーターを搭載、システム総合出力は320kW(436ps)を実現。0–100km/h加速はわずか4.0秒。航続距離は368kmとなるが、プレミアムSUVらしいスタイリングが評価されたと思われる。 ヒョンデ「アイオニック6」は、昨年ヨーロッパで予約受注が開始されてから、24時間以内に限定2,500台を完売した今話題の4ドアクーペEV。「アイオニック5」の上位モデルとなり、四輪駆動システム全体の最高出力は239kW(325ps)、最大トルクは605Nm(61.7kgm)に達し航続距離は610km以上。複数の円弧を重ねたかのような独特なスタイリングが評価されたと推測する。 「ニロEV」は、ヒョンデ・グループのEV。これもSUVタイプのEVだが、一目でわかるエッジの効いたスタイリングに加えて約4万ドル(約520万円)とリーズナブルな価格が評価されたと想像する。 「ルシード・エア」は米国のメーカーで、テスラ・モデルSよりも高級感を狙った4ドアEV。3モーター駆動で最高出力1,217ps。0–100km/h加速はわずか2秒のモンスター仕様ながら、外観は4ドアセダンとされ、内外装とも上品に仕上げられている。価格は3,500万円程度と高額だが、「羊の皮をかぶった狼」のようなパッケージングが評価されたのではと推測する。 エントリーリストには日本車も含まれていたが、2次選考に残されたEVは3台が韓国車だった。ただ、デザインはどのEVも「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞できるほど魅力的なもの。このデザインもEVの普及に寄与しているように思う。 昨年行われた第1回の「2022 WEVOTY」を受賞しているのは「ヒョンデ・アイオニック5」。同時に「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞し3冠を達成した。 「2023 WEVOTY」は、2023年4月ニューヨーク・モーターショーで発表される予定。 選考された5車種のうち「BMW i7」しか日本で売られていないのは、日本市場がいまだEVに対して未成熟な市場だと言われているような気がして寂しく感じた。是非、今回選考されたモデルは日本での販売を考えてほしい。ちなみに今回の選考車の画像は下部のギャラリーで確認してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★コスモエネルギーHDと岩谷産業、水素ステーション事業のための合弁会社を設立……「京浜トラックターミナル平和島SS」(東京都大田区)内に施設を建設予定、燃料電池車を中心に供給予定[詳細はこちら<click>] ★コスモ石油、神奈川県逗子市・横須賀市に日産「サクラ」「リーフ」を納入……休日はカーシェア、平日は公用車に使用 ★東京ガス、埼玉県ふじみ野市市役所に太陽光発電およびEV充電システム導入の共同検証について合意契約を締結 ★三輪小型車「トゥクトゥク」のEVを活用したモビリティサービスのeMoBi(エモビ)、4,000万円資金を調達……交換式バッテリー採用に向けての車両開発資金などに ★TI企業のe-Grid、タイ・バンコクのEVバイク効率向上に協力……NEDOの国際実証事業に採択され、EVバイクの消費エネルギーおよび運転者の行動を解析 ★リロバケーションズ、温泉旅館「箱根風雅」および会員制リゾート「ポイントバケーション加賀山中」にEV用充電器を設置……「エネチェンジ」の機器 ★業務でクルマを使用するユーザーの9割が「走行距離課税」に不安……カーリース「定額カルモくん」展開のナイル調べ。全体の約75%の回答者が導入に対し「困る」

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TEXT:TET 編集部
ピックアップEV「ラム1500REV」の魅力を深掘り……デイリーEVヘッドライン[2023.02.14]

アメリカ車のマイナスイメージを覆す可能性を秘める 【THE 視点】「シカゴ・オートショー 2023」での「ラム1500REV」の発表を受けて、アメリカではラムの公式WEBが更新された。詳細なスペックは公表されなかったが、写真が多く公開されたのでそれをもとに「ラム1500REV」の魅力を深掘りしたい。 まず全体のデザインだが、これまでのラムと比較しても明らかに上品になっており、現在のラムユーザーはもちろん新たなユーザーを迎え入れるだろう。 フロントまわりには、LEDでライトアップされたラムバッジを中心に特徴あるフロントランプを配置。一新されたグリルデザインによって大胆かつ未来的な印象を与えている。テールランプにもフロントのLEDを多用したデザインが踏襲されており、テールゲートまでランプが延びて強く目を引く。 機能面だが、まずはフロントに注目。フロントボンネットフードを開けると、なんとテスラのように大容量のフランク(フロントのトランク)が用意されている。ピックアップは雨の日に荷台に上げた荷物が濡れてしまうが、フランクがあれば小さい荷物をすぐに入れられ密閉できるので濡れずに済むだろう。これは大きなメリットだ。この辺にもラムがEVで大きく変わったことをアピールしていると感じられた。 また非常時にはラムから家に電気を供給するV2H(ビークル to ホーム)機能も備える。航続距離800kmを目標に開発されているだけに蓄電容量は大容量となるはずで、十分な量の電力を「ラム1500REV」から得られるだろう。 そしてインテリア。我々日本人が思うピックアップは簡素な商用車のような内装をイメージしがちだが、ダイヤル式のシフトに大きなセンターディスプレイを採用。次世代のインテリアとうたっているだけに、まるで高級車のようなつくりとなっている。これまでのラム通り、上級グレードにはレザーシートやサンルーフも用意されるだろう。 アメリカ車の象徴でもあるピックアップトラック。EVになってもアメリカ車という存在感はそのままに、フランクやV2H機能など抜かりなく仕立てられている。これなら悪燃費の象徴とも言われたピックアップのイメージを大きく変え、補助金がなくても購入意欲が湧く魅力的なモデルに変身するのではないだろうか。気になる車両画像は、下部にあるギャラリーにて確認してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ルノー・日産、インドでEVを生産……新型車2機種を含む6車種を生産へ ★★トヨタ、「次世代のBEV」をレクサス・ブランドで開発……2026年に向けて、バッテリー・プラットフォーム・クルマのつくり方のすべてをBEVに最適化 ★東洋インキSCホールディングス、米国での生産能力を4倍に……「リチウムイオン電池正極材用導電CNT分散体」の北米第2拠点を設立、米国車載バッテリー市場の需要拡大に対応 ★東洋インキSCホールディングス傘下のトーヨーカラー、リチウムイオン・バッテリー用材料が中国CATLに採用……「リチウムイオン電池正極材用導電カーボンナノチューブ(CNT)分散体LIOACCUM®(リオアキュム)」がCATLの次世代高容量バッテリーに ★アリババ・グループ、中国自動車大手吉利汽車(GEELY)と提携……自動運転が可能なEVを開発 ★エネチェンジ、宮城県仙台市にある「ホテル瑞鳳」「秋保グランドホテル」「櫻離宮」にEV用普通充電器を計9基設置……最高出力3.2〜6.0kW

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TEXT:TET 編集部
ダッジ初のEVピックアップ「ラム1500REV」発表……デイリーEVヘッドライン[2023.02.13]

正式画像初公開、2024年市販化を目指す 【THE 視点】ステランティスは2月9日、「ラム1500レボリューションBEVコンセプト」の市販名を「ラム1500REV」に決定したと発表した。 同車は今年1月に開催した「CES 2023」で初公開されたもの。発表当初はコンセプトモデル扱いだったが、この度正式に車名を発表し2024年の北米市販化に向かう。生産は来年開始し、実車は今後数ヵ月以内に公開するという。 「ラム1500レボリューションEVコンセプト」時点での車両の詳細は、ステランティスが持つ4つの電動プラットフォームのうちの「STLAフレーム」をベースとし、駆動方式は前後にそれぞれモーターを含むモジュールを配置した4WDを採用。目標航続距離は800kmで、充電はDC800Vで最高出力350kWの急速充電に対応し、約10分で航続距離160km分の電力を充電できるという。その他詳細は、本原稿執筆後の現地時間12日中に発表するとしているが、コンセプトモデルのスペックで開発されていると考えられる。 ラムトラックは、アメリカで最も受賞歴のあるピックアップトラックなだけにEVも期待できる。先日の「THE 視点」でも触れたが、アメリカでピックアップは、地域によっては一家に1台あることもある。そのため市場も大きく、魅力的なモデルであり続けることが重要。 日本でもトヨタのピックアップ「ハイラックス」がヒットしているというが、競合車がないという事実もある。ピックアップの選択肢が少ない日本に、是非「ラム1500REV」を導入してほしいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ダッジ、マッスルEV「チャージャー・デイトナSRTコンセプト」を3月20日開催のイベント「ラスト・コール」(米ラスベガス)に出展 ★★ボルグワーナー、独大手自動車メーカーに高電圧バッテリー冷却システムを提供……円筒型バッテリーセル間にアルミプレートを挟み込んだシステム ★ロールス・ロイス、ブランド初のEV「スペクター」のテストが終盤へ……全行程250万km中200万kmを終了、現在は南アフリカにて高温テストを実行中[詳細はこちら<click>] ★ステランティス、「ジープ・アベンジャー」の生産をポーランドのティヒ工場で開始[詳細はこちら<click>] ★フォーミュラE第4戦ハイデラバード(インド)、サッシャ・フェネストラズ選手(日産)がクラッシュに巻き込まれ表彰台を逃すも12位完走……フェネストラズ選手は4番手スタート、優勝はジャン・エリック・ヴェルニュ選手(DSペンスキー) ★関東電化工業、メキシケム社に「六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)」(リチウムイオン二次電池電解液の原料)の製造技術をライセンス供与 ★ナガシマスパーランド(三重県桑名市)において小型EVを活用した自動運転サービスを実証実験……三菱電機製のオンデマンド運行管理システムを活用、2023年3月14・15日の2日間 ★NEXCO西日本、川登サービスエリア(長崎自動車道)にEV用急速充電器を設置……上下線に1基(1口タイプ)ずつ ★中部電力、デンソーとともに充放電機能付きEVを活用したエネルギーマネジメントシステムを試験導入……軽井沢市の複合施設「Karuizawa Commongrounds」(軽井沢コモングラウンズ:長野県軽井沢市)内にて ★北陸銀行、営業車に「日産サクラ」を導入……環境配慮車両は「サクラ」を含めて87台に

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TEXT:TET 編集部
フォルクスワーゲン・グループ、世界で延べ1万5,000基の急速充電器をネットワークに接続……デイリーEVヘッドライン[2023.02.10]

メーカー主導の欧米と専門業者主導の日本のインフラ、充電器の利便性に課題 【THE 視点】フォルクスワーゲン・グループは1月27日、世界で延べ1万5,000基の急速充電器(最高出力350kW)が、同社のグローバル・ネットワークに接続されたと発表した。この数字はグループが目指す4万5,000基のネットワークの3分の1の数を示している。 このネットワークは、フォルクスワーゲンが国際的な自動車メーカーとして初めてすべてのEVが利用できる世界的な急速充電ネットワークをパートナー企業とともに構築していくプロジェクト。2023年末までにヨーロッパで約1万箇所、世界中で最大2万5,000箇所の急速充電ポイントが稼働する予定だ。 ヨーロッパの急速充電ポイントは、VVグループのフォルクスワーゲンの乗用車部門、アウディ、ポルシェが参加する合弁事業「IONITY(アイオニティ)」の支援を受けて設置されている。 日本においても、アウディジャパンが主体となり、ポルシェジャパンとともに展開する150kW(一部90kWもあり)の急速充電器ネットワーク「プレミアム・チャージング・アライアンス」が展開されていて、フォルクスワーゲンジャパンも加入している。 現在、日本で最大の充電インフラを抱える企業は株式会社e-Mobility Powerだ。その数は約2万200口(急速充電器7,400口+普通充電器1万2,800口)となっている。国内全体では、約4万基((一社)次世代自動車振興センター 充電設備補助金交付台数)と言われていて、近年はガソリンスタンドの数が3万箇所を割ったという話があり、充電器の数がガソリンスタンドの数を超えたことになる。日本政府は、成長戦略として2030年までに普通充電器12万基、急速充電器3万基を設置すると発表している。 また2月9日、e-モビリティ・パワーとエネチェンジが提携し、エネチェンジが展開する普通充電器(最高出力6kW)を、e-モビリティ・パワーのネットワークに今後置き換えていくことを提案すると発表した。これにより、従来の最高出力3kWの充電器のおよそ2倍の速度で充電できるので、大容量化が進むEVの充電が効率的に行えるようになっていく。 筆者としては、充電器の数は多い方が良いと思っているが、その利用方法については改善の余地があると考えている。法的な問題もあるので実現可能かは別として、今のガソリンスタンドのように入れた分(充電量)だけ課金され、現金やクレジットカードの利用が解禁されれば、会員でなくても手軽に充電できるようになるはず。もちろん会員との充電料金の差はあっても構わない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ENECHANGE(エネチェンジ)、e-Mobility Power(e-モビリティ・パワー)と業務提携……自動車メーカーやe-モビリティ・パワーが発行する充電カードでエネチェンジの充電器を利用可能など[詳細はこちら<click>] ★★スポーツカーやカスタマイズカーのモーターショー「大阪オートメッセ2023」が2月10日〜12日(会場:インテックス大阪)まで開催……ヒョンデやBYDがEVを展示、「ATTO 3」の試乗も開催[詳細はこちら<click>] ★KGモーターズ、「大阪オートメッセ2023」に出展……「ミニマムモビリティ」の丸目&イエローボディバージョンを展示 ★ドローン物流のNEXT DELIVERYなど、千葉県勝浦市でドローンやEVを用いた新スマート物流「SKyHub」サービスを開始……EVバンは住友三井オートサービスから供給 ★「シカゴ・オートショー」が2月11日から開幕……「クライスラー・エアフロー・コンセプト」「シボレー・ブレイザーEV」「ダッヂ・チャージャー・デイトナ SRT EVコンセプト」など多数の注目EVが出展[詳細はこちら<click>] ★折りたたみ電動バイクシェアの「Shaero」、三輪バイクのトライクを新たに導入……3人乗りの移動用と1,000 Lの荷室を持つ配送用に加えて四輪の小型EVも ★日産、「リーフ」の新CMを2月10日から公開……小型ジェット機と加速対決 ★再生可能エネルギーを有効活用した施設「軽井沢コモングラウンズ」(長野県軽井沢町)が3月1日にオープン……駐車スペースに充放電機能を有するEVを設置

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TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツ、商用EV「eスプリンター」を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.02.09]

2023年後半に北米で発売後欧州にも導入、基本ラインアップはバンと平ボディ 【THE 視点】メルセデス・ベンツは、商用EVのバン「eスプリンター」を発表した。2023年後半に米国とカナダで発売され、2023年末にかけてヨーロッパでも発売される予定。 「eスプリンター」は、3つのモジュールからなる新コンセプトのシャシーが用いられている。フロントモジュールにはすべての高電圧コンポーネントを搭載し、ホイールベース内には低重心なバッテリー、そしてリアには電動アクスルを備える。すなわち後輪駆動だ。 ちなみにボディタイプは、バンと平ボディの2種類が用意され、それ以外にも多数のコンバージョンに対応しているという。 バッテリー容量は、56/81/113kWhの3種類が用意され、バッテリーの種類はリン酸鉄(LFP)となる。航続距離は113kWhのバッテリーで最大400km(WLTC)、街乗りでは最大500kmの走行が可能。充電については、普通充電が最高出力11kWで、急速充電が同115kWに対応している。 海外では、この「eスプリンター」のようにボンネットを持ったバンや平トラックなどが多く存在し、それらがキャンピングカーやマイクロバスに改造されている。 車種によっては、フレームに運転席の屋根とドアだけがあり、運転席の後ろのパネルはなく開いているタイプがカタログに載っていることもあり、改造の範囲を広げている。 「eスプリンター」のシャシーは、前述のとおり「運転席を含む前まわりの高電圧ユニット」「床下のバッテリー」「リアのモーター」という構成になっている。運転席から後ろが平らになるようレイアウトされているということであり、おそらく改造を見越している。容量の違う3種類のバッテリーと2種類のモーターも用意されており、それらを組み合わせることで、「ウニモグ」のように用途別に特化したクルマを作ることができる。 もしかしたら、「eスプリンター」はEVのバリエーションの可能性をさらに広げるのではないだろうか。日本でもニーズは必ずあると思う。ぜひ正規輸入モデルとしてほしいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★JFE、EV向け駆動用モーターに使用する素材の供給能力3倍を目指す……西日本製鉄所で高級無方向性電磁鋼板の製造設備を追加増強、2026年度中の稼働を目指す ★★出光とブリヂストン、超小型EVを用いて次世代タイヤを実証実験……出光の構内移動用EVに樹脂製スポークを用いたタイヤ「エアフリーコンセプト」を装着[詳細はこちら<click>] ★トヨタ、BRTひこぼしライン(日田彦山BRT/JR九州)に燃料電池小型バスを供与……小型バス「コースター」ベースのFCV、2023年秋頃から実証運転開始 ★自動運転EV開発のチューリング、千葉県内のベンチャー企業に対する助成事業「公益財団法人 ひまわりベンチャー育成基金」に採択……車両の自社内生産体制構築を目指す ★エネチェンジ、事業者向けのSaaS型クラウドサービスを刷新……「エネチェンジクラウド」として開発体制を強化

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TEXT:TET 編集部
EVを含む次世代自動車の試乗会を横浜市が開催……デイリーEVヘッドライン[2023.02.08]

メーカーの垣根を超えた次世代自動車の試乗会を横浜市が企画 【THE 視点】横浜市は、EVをはじめとした次世代自動車の試乗イベント「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催する。  同市は「横浜市地球温暖化対策実行計画」に基づき、温室効果ガス排出削減を進めるため次世代自動車の普及を促進している。その一環として各自動車メーカー・販売店と連携協定を締結。その第2弾のイベントとして開催する。  試乗車は「トヨタbZ4X」「トヨタ・ミライ」「日産サクラ」「ホンダe:」「マツダMX-30 EV MODEL」「CX-60 PHEV」「三菱eKクロスEV」「アウトランダーPHEV」「ヒョンデ・アイオニック5」の9車種。  これだけの車両が一度に展示・試乗できるのはなかなかないだけに、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。「EVなどの次世代自動車が欲しいがどれにしようか悩んでいる」という購入検討者には大変良い機会であるはず。昨日の「THE視点」でも触れたが、やはり実車を見て乗って、スタッフから話を聞きたいと思う人も多いのではないだろうか。  例えば試乗会で販売店のスタッフと話ができれば、その流れでディーラーにも行きやすいはず。こういった試乗会はぜひ全国規模で開催してほしいものである。  ちなみに横浜市は次世代自動車の普及促進に力を入れていて、燃料電池車購入やEV用充電設備導入の補助金などを用意している。  このようなイベントは、開催する横浜市をはじめ展示車を提供する地元ディーラー、ユーザーそれぞれにメリットがあると感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★BMW、メキシコに8億ユーロを投資……現地で高電圧バッテリーアセンブリーを生産 ・BMW、ライプツィヒ工場でバッテリーセルのコーティングラインを稼働……高電圧バッテリーの生産を強化[詳細はこちら<click>] ・マツダ、自動車用モーター可変界磁技術の開発で「NEDO省エネルギー技術開発賞」を受賞……モーターの実用域の効率改善と回生量を増加、今後EVにも技術を適用 ・ルノー・グループと日産、欧州で両社販売店における充電インフラの共同整備を検討……使用済みバッテリーと生産廃棄物のリサイクルについても共通パートナーを選定 ・東レ、韓国でPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナ™」の生産能力を年産5,000トンに増設……EVの電装部品に使用する素材 ・アウディ、IT系人材400人を新規雇用……eモビリティのソフトウェア開発を強化

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TEXT:TET 編集部
ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用……デイリーEVヘッドライン[2023.02.07]

ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用 【THE 視点】ヒョンデは、三菱商事エネルギー株式会社(MCE)と業務提携し、東光グループ(MCE特約店)が運営するカフェ&ダイニング「STAND(スタンド)」で、ヒョンデのカーシェアリングサービスを含めたモビリティサービスのテスト運用を2月6日から開始すると発表した。  両社は「スタンド」を拠点に約3ヵ月間のテスト運用を経て、日本国内の地方部におけるヒョンデのZEV体験スペースの拡大を図るという。  このテスト運用拠点では、ヒョンデのEV「アイオニック5」をカーシェアリングサービス「MOCEAN」を通じて体験ができ、充電等のサービスも提供する。その後、MCEの関連会社のサービスステーション約5,000店のネットワークを活用したEVの展示、試乗、カーシェアリングサービス、購入相談、納車、洗車・コーティング、充電等、幅広いモビリティサービスを提供する予定。  ヒョンデは、横浜から主要都市へのショールーム展開を進めているが、よりスピード感を高めて顧客への試乗やサービスに対応するには、既存のサービスステーションを通じて行うのが早いと判断したのだと思う。やはり「実車を一度は見てみたい」「試乗してみたい」というユーザーは多いはず。ライバルであるBYDの展開スピードの速さも、今回のサービス開始に少なからず影響しているのではないだろうか。  「日産リーフ」が発売された頃の話だが、1台売るための営業マンの労力はエンジン車の数倍かかると聞いた。購入希望者の自宅に実車を持ち込み、コンセントの位置や充電ケーブルの長さなど、設備面でのサポートをしなければ売れなかったようだ。  現在はそこまで手厚くフォローする必要はないとは思うが、充電器設置の話などはネット販売だけではわからない部分が多く不安は拭えない。  やはり専門のスタッフと対面で相談できるのは心強いはず。今後は、ネット販売が主流となると言われているが、こういった駆け込み寺的な存在は必要だと感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★ルノー・日産・三菱のアライアンスがEVの新戦略を発表……ルノー・グループと日産がラテンアメリカにAセグメントのEV2車種を投入、インドも検討[詳細はこちら<click>] ★横浜市でゼロエミッション車の試乗会「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催(2月23日、10時〜16時)……「トヨタbZ4X」「ミライ」「日産サクラ」「ヒョンデ・アイオニック5」などを用意 ・EV充電サービスのパワーエックス、7.5億円を新たに調達……建設中のバッテリー工場「Power Base」(岡山県玉野市)の立ち上げや研究開発に充当 ・EV充電サービスのエネチェンジ、ゴルフ場へのEV充電器設置を推進……「ゴルフダイジェスト・オンライン」と協業

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TEXT:TET 編集部
ダイワハウス、全社用車EV化で「日産サクラ」を導入……デイリーEVヘッドライン[2023.02.06]

ダイワハウス、全社用車EV化で「日産リーフ」を導入、充電器はクリーンエネルギー由来に 【THE 視点】大和ハウスグループの大和リビングは、2026年度中に全社用車(ガソリン車)をEVに切り替えるとともに、事業所の駐車場敷地内に再生可能エネルギー由来のEV充電設備を設置すると発表した。  大和ハウスグループは、環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」に基づき、創業100周年を迎える2055年までに、グループ、グローバル、サプライチェーンを通じて「環境負荷ゼロ」の実現を目指している。  その取り組みの一環として、中期的な計画や目標を定め、事業所で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えるなど脱炭素の取り組みを推進している。  今回、大和ハウスグループの中期環境行動計画「エンドレスグリーンプログラム2026」の最終年度である2026年度までに、全社用車のEVへの切り替えや、事業所の駐車場敷地内に再エネ由来のEV充電設備を設置することとしたという。  その第一弾として、2023年3月までに全社用車(348台)の約2割にあたる70台をガソリン車からEVへ切り替え、全国36事業所の駐車場敷地内にEV充電設備を設置。車両は2月2日より「日産サクラ」を順次導入するとしている。  ダイワハウスはこれまでも、慶應義塾大学が2004年に公開したEV「ELIICA(エリーカ)」(8輪駆動で最高速度370km/hを達成したスーパーEV。実は筆者も開発のお手伝いをさせて頂いた)の開発に協力したり、バッテリーメーカーのエリーパワーへの投資など、EV関連事業をおよそ20年も前から支援してきた。  今回の発表は、ダイワハウスのこれまでのEVへの取り組みの流れをくんでいると思う。充電設備に使う電力を再生可能エネルギー由来にすることは、電力を使う側から提供する側に視野を広げたということであり、同社のEV関連事業が一歩踏み込んだ領域に入ったのではないだろうか。  これまでの経緯からも、今後もグループでEVの導入が推進されるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★関西電力、EV充電ネットワークサービス構築に向けて実証実験……住友三井オートサービス等パートナー企業内でEV充電器をシェア、一般利用も視野 ・双日、BYDの正規ディーラーを展開……「BYD AUTO横浜中央」(2023年4月)、「BYD AUTO名古屋北」(2023年中)の2店舗を予定[詳細はこちら<click>] ・令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(令和4年11月8日〜令和5年3月31日の新車新規登録(新車新規検査届出)分)が決定……一般社団法人次世代自動車振興センター発表 ・トヨタ・オーストラリア、今後3年間で3車種のEVを導入と発表……「bZ4X」を皮切りに ・埼玉県小鹿野町でグリーンスローモビリティを実証運行……JAFとヤマハが協業し予約不要で乗車可、2月8日〜21日まで運行 ・日産、島根県邑南町と連携協定……EVを通じて脱炭素社会の実現を推進、災害発生時には「リーフ」等から電源供給

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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