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TEXT:福田雅敏、ABT werke
アウディ、クロスオーバーEV 「Q8 e-tron」を日本で発表……デイリーEVヘッドライン[2023.03.02]

内外装を刷新するとともに航続距離を延長 最高出力150kWの急速充電にも対応 【THE 視点】アウディジャパン(Audi)は、クロスオーバー型EVの「Q8 e-tron(Q8 e-トロン)」および「Q8 e-tron Sportback(Q8 e-トロン・スポーツバック)」を発表した。 アウディ初のEV 「Audi e-tron(アウディ・イートロン)」および「e-tron Sportback(イートロン・スポーツバック)」を大幅にアップデート、モデル名にも電動SUV/クロスオーバーのフラッグシップの証である「Q8」を冠した。 今回の改良では、一充電あたりの走行距離と急速充電性能を向上させるとともに、フロントとリアのエクステリアデザインを刷新。本年夏以降に発売予定となる。 バッテリーの容量が最も大きいモデル「55 e-tron quattro S line(55 e-トロン・クワトロ・Sライン)」は、総容量114kWh(先代比19kWh増/正味エネルギー容量106kWh)の大容量バッテリーを搭載し、最大航続距離は501km (先代比78km増/WLTC)を達成。バッテリーの総容量に対して使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、さらに空力性能やモーターの効率アップを図ることにより、航続距離を大幅に向上させている。 急速充電も最高出力150kWまで対応可能となった。アウディジャパンがポルシェジャパン、フォルクスワーゲンジャパンとともに事業展開している「プレミアム・チャージング・アライアンス(PCA)」のサービスや、e-tron店が設置を進めている150kW急速充電器を利用できる。 先代の「アウディe-tron」に試乗した経験があるが、その当時でも完成度の高さを感じていた。今回の改良によって、より魅力的なモデルとなっていることは間違いないだろう。 そしてこのクラスのEVはバッテリー搭載量100kWhが普通になってきたように感じる。性能面を考えるとこれぐらいは必要なのかもしれないが、価格面のユーザー負担が高いことに加えて、一昔前のEVを知る身としては、多すぎるように思うのは私だけだろうか? (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BYDジャパン、乗用モデルに健康への影響はないと見解……日本導入の「ATTO 3(アット・スリー)」「DOLPHINE(ドルフィン)」「SEAL(シール)」が欧州の廃自動車基準「EU ELV指令」に適合 ★★ホンダと韓国LGの合弁企業「L-H Battery Company, Inc.」、米オハイオ州に建設の新工場が着工……北米四輪車工場生産のEV向けに、バッテリーを供給予定 ★自動運転開発のチューリング、東京アールアンドデーと提携……2025年発売予定の自動運転EVを共同開発 ★ステランティス、米インディアナ州で機電一体型駆動装置「e-AXLE(イー・アクスル)」生産へ……同州の3つの工場に1億5,500万ドルを投資 ★MINI(ミニ)、EV仕様を含むクロスオーバーモデル「MINI Countryman(ミニ・カントリーマン)」の生産を開始……BMWグループのライプツィヒ工場にて ★パナソニック・オートモーティブシステムズ、中国にオートモーティブ事業の統括法人を設立……中国で高成長する電気自動車(EV)市場に対応 ★ジェイテクト、「[国際]二次電池展」(東京ビッグサイト:東京都江東区/3月15日(水)〜17日(金))に出展……大電流に対応する「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」などを出展

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TEXT:福田雅敏、ABT werke
北米日産がEVのトレーラーを用いた新車輸送を実施……デイリーEVヘッドライン[2023.03.01]

BEVの大型トレーラーで新車を輸送 米国初の取り組み 【THE 視点】日産は、北米において電気自動車(EV)のトレーラーを活用した新車の輸送を開始した。ロサンゼルス港(カリフォルニア州)から同地域内のディーラーに対して新車の輸送を試験的に行なっている。最初の輸送では「アリア」が運ばれたという。 大型EVトラックは、クラス8(15トン以上)に分類されるカテゴリーで、アメリカのEVトラックメーカーである「Nikola(ニコラ)」と老舗「Kenworth(ケンワース)」の車両が使用されている。 EVトラックなど商用車のEV化も進むアメリカだが、大型EVトラックを用いた新車の輸送では北米で初だという。 大型トラックを含め商用車は、その大きさやバッテリー搭載量が多いことから、充電インフラが課題となる。そのサポートは、日産の物流パートナーであるワレニウス・ウィルヘルムセン社が協力しているとのこと。 港湾の低炭素化も問題となっているなか、この取り組みはその問題解決にも貢献でき一石二鳥の成果が期待できるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、リチウムイオン・バッテリー用リサイクル資源を北米で安定調達へ……バッテリーリサイクル企業の米アセンド・エレメンツと協業に合意 ★BMW、燃料電池車(FCEV)の「iX5 Hydrogen(ハイドロゲン)」のパイロットモデルを発売……トヨタ製燃料電池(FC)システムを搭載 ★ ホンダ、「大阪/東京/名古屋モーターサイクルショー2023」に電動スクーターを出展……コンセプトモデルの「EM1 e:」、バッテリー交換式「Honda Mobile Power Pack e:(モバイル・パワー・パック イー)」を採用した原付一種クラス ★鎌倉駅前に「電動トゥクトゥク」のレンタルステーション「えもび鎌倉」をオープン……スタートアップ企業「eMOBI(エモビ)」が展開、2023年夏までに20台を導入予定 ★羽田空港で自動運転バス「ARMA(アルマ)」を長期運行中……自動運転バス企業BORDLY(ボードリー)などが実証中、複合施設「HANEDA INNOVATION CITY(羽田・イノベーション・シティ)」と第3ターミナル間で3月31日まで ★MINI(ミニ)、特別モデル「MINI Cooper SE Resolute Edition(ミニ・クーパーSE・リゾルート・エディション)」を本国で発売……グリーンのボディカラーにボンネット・ストライプの採用など ★商用EVの普及を目指す一般社団法人「EV100ラストワンマイルを実現する会」が設立……商用EVのHW ELECTRO(HWエレクトロ)、花キューピットなど加盟 ★パナソニック、グループ企業が展開する住宅「テクノストラクチャー」にV2H蓄電システム「eneplat(エネプラット)」仕様を追加 ★豊田通商傘下のネクスティ・エレクトロニクス、電動車のリユースバッテリーを束ねた「大容量スイープ蓄電」システム向けの「基盤」を開発……リユースバッテリーの容量のばらつきを制御し各々を使い切るシステム ★コンチネンタルタイヤ、電気自動車(EV)に対応した「プレミアム・コンタクト7」を発売……コンフォートタイヤのフラッグシップ、重量のあるEVでも安全性と安定性を確保[詳細はこちら<click>]

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TEXT:福田雅敏、ABT werke
日産がEVを含む電動車を拡充、2030年の当初予定を増加……デイリーEVヘッドライン[2023.02.28]

「Nissan Ambition 2030」に向け電動化車種を大幅に増加 電気自動車(EV)19車種を含む27車種展開へ 【THE 視点】日産は、2022年に発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030(ニッサン・アンビション2030)」を見直し、電動化戦略をさらに加速させると発表した。 電動化をより一層推進していくため「Nissan Ambition 2030」で公表した2030年までに投入する電動車両のモデル数を拡充。従来の「15車種のEVを含む23車種」との発表を「19車種のEVを含む27車種」とした。 これはインフィニティを含むグローバルでの車種展開であるが19車種のEVとはかなり多い。2030年までにということはあと6年余り。毎年3〜4車種の電動モデルが発売される計算となる。 日本でどれだけ販売されるか不明だが、ここのところは日本での販売車種が絞られてきた傾向にある日産自動車なので、海外同様にラインナップを拡充してほしい。 展開車種を想像すると、次期「GT-R」がいきなりEVとなるとは考えられないので、ハイブリッド車(HV)になるのではと想像する。しかし次期「スカイライン」などは、EV化されるのではないだろうか。 同様に「シルビア」や「ブルーバード」クラスの小型車(5ナンバーサイズ)のほか、「ステージア」以降はステーションワゴンもラインナップにない。「マーチ」も消えたままだ。これらのモデルをはじめ、ついでにピックアップトラックやオープンカーも、これを機にEVとして見直しても良いのではないだろうか。 ここのところ値上げと納期遅延が相次いでいる日産のEV。補助金に頼らず購入できるような魅力的なEVをリーズナブルな価格で早く出してほしいものだが、いずれにせよ今後の日産から目が離せなくなってきた。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★HW ELECTRO(HWエレクトロ)とENEOS WING(エネオス・ウイング)が業務提携……小型商用EV「ELEMO」シリーズを全国に販売しメインテナンス体制も拡充 ★★トヨタ、燃料電池モジュールの供給先を新たに決定……フランスのトラック企業「Hiliko」向けに ★プロテリアル(旧日立金属)、「窒化ケイ素基盤」を増産……EV向けパワー半導体に使う重要部材 ★水素・燃料電池の展示会「FC EXPO 春 2023」が開催……3月15日(水)〜17日(金)の間「東京ビッグサイト(東京都江東区)」にて

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TEXT:福田雅敏、ABT werke
EVモーターズ・ジャパン、消防車両のモリタホールディングスと提携……デイリーEVヘッドライン[2023.02.27]

資金2億円を調達、消防用電気自動車(EV)の開発を推進 【THE 視点】モリタは2月22日、株式会社 EVモーターズ・ジャパン(以下、EVM-J)と資本業務提携すると発表した。出資額は2億円と発表されており、EVM-Jは消防車両のEVシャシーの共同開発費用にあてるという。 モリタは、消防車両のEV化は最重要課題のひとつと捉えている。消防車両に適した独自のEVシャシーを、高い技術力と柔軟な開発体制を持つEVM-Jと共同開発することが最良であると判断し、同社へ資本参加をするとともに業務提携契約をしたという。 欧米では、EVの消防車は既に活躍している。日本では、東京消防庁に「三菱ミニキャブ MiEV(ミーブ)」ベースの車両(即応対処部隊に使われる)や、モーターで消防ポンプのみ駆動する車両(いすゞ車体が開発)があるのは知っているが、純粋なEVの消防車は導入がない。 今回モリタは、最大手の消防車両メーカーとして、さらに踏み込んで純粋なEVの消防車両を開発する模様である。単純に考えれば、三菱ふそうの「E-キャンター」をベースにすれば良いと思うが、航続距離の問題か改造に適さないのかで採用を見送ったのではないかと推測される。そこで、EVM-Jに白羽の矢を立てたのではないだろうか。 これは筆者の想像だが、EVM-Jの現行の車型で消防車両を製作するなら、可搬ポンプなどを搭載する「積載車」と呼ばれる車両が良さそうだ。 筆者は以前、エンジン車ではあるが消防用「積載車」の開発を経験したことがある。「積載車」であれば、EVM-Jが得意とする低床・低重心ボディを活用するのに最適。EVM-Jのトラックやバスの車体をベースに、さまざまな機材を積み込める使い勝手の良い「積載車」ができると思うし現実的である。 ともあれ完成が楽しみである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★大東建託、提供物件へEV充電インフラを整備……これまでの個別対応から転換、設備導入基準を策定[詳細はこちら<click>] ★★メルセデス・ベンツ、自動車用ソフトウエア「MB.OS」を開発……Google(グーグル)などと提携、充電管理など電気自動車(EV)への搭載も見越す ★経済産業省、令和5年度当初予算案「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」にかかる補助事業者(執行団体)を公募……期間は2月24日(金)〜3月15日(水)まで ★フォルクスワーゲン、「ID.」シリーズにリサイクル材料を使用……2023年中に「ID.3/4/5/702」に導入、海洋プラスチックやペットボトルなどを素材に[詳細はこちら<click>] ★フォルクスワーゲン、従業員2万2,000人にeモビリティ生産のトレーニング……自社工場の電気自動車(EV)生産転換などに向けて ★MINI(ミニ)、欧州限定車「MINI Cooper SE Convertible(ミニ・クーパーSE・コンバーチブル)」に100%リサイクル素材を使用したアルミホイールを搭載……生産時の炭素排出量を最大75%低減[詳細はこちら<click>] ★シェフラー、電動カーゴ自転車を製品化……ペダルで発電し駆動は100%電気モーター[詳細はこちら<click>] ★日産、富山県高岡市と「ブルー・スイッチ」施策で連携協定……災害時に電気自動車(EV)を電源として活用など ★フォーミュラE第5戦ケープタウン(南アフリカ)、ダ・コスタ(タグホイヤー・ポルシェ)が優勝……サッシャ・フェネストラズ(日産)はポール・ポジションからスタートもリタイア

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TEXT:TET 編集部
アサヒ衛陶、従量課金型のEV用充電器事業を推進……デイリーEVヘッドライン[2023.02.24]

テンフィールズファクトリーと業務提携、従量課金型システムの開発・普及を目指す 【THE 視点】アサヒ衛陶株式会社は2月17日、テンフィールズファクトリー株式会社との間で、EV用充電器に関する課金システムの共同開発と同製品の拡販に関する業務提携に合意。業務提携基本合意書と販売代理店契約を締結したと発表した。 アサヒ衛陶は、中国のEVメーカー「NIO(ニオ)」の子会社である「武汉蔚来能源有限公司と深圳市健网科技有限公司(Shenzhen Jianwang Technology Co., Ltd.)」および「深圳市鹏辉创业合伙企业(有限合伙)」による合弁会社「迅捷能源(Fast Energy:ファスト・エナジー)」が製造するEVスタンド機器等の日本市場における独占販売権を有している。 現在、日本国内でのEV用充電器は時間課金(充電時間に応じて課金される)が中心で、充電速度が遅い場合などは充電料金が割高になるケースが生じる。例えば充電時間30分の場合、料金はその時間に対して発生しており、バッテリーに実際に充電された電力は料金に関係ない。 テンフィールズは独自の技術で従量課金システムを開発。充電速度ではなく充電した電力に対して料金を支払うシステムで、アサヒ衛陶が扱う高速充電器にその課金システムを装備し、日本市場向けの機器を共同開発することになった。この機器は2023年4月1日に販売開始予定とのこと。 前述のとおり、これまでは充電速度の遅い充電器も、充電容量が小さいバッテリーなども、設定された時間で課金されてきた。しかしこの「従量課金システム」は、ガソリンの給油と同じような課金となる。例えば充電時間が30分と決められていても、料金は実際に充電された電力に対しての課金となる。実現すれば充電料金の不公平さが解消される。 筆者としては、この課金システムは合理的と思っているが、ほかの充電インフラのネットワークと連携できるかは不透明。その解決がこのシステム普及のカギとなりそうである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★三菱、スマホを活用したスマート充電の実証実験を開始……英Kaluza(カルーザ)と提携、専用アプリで充電スケジュール等と設定可能 ★★住友商事、米MP Materials(MPマテリアルズ)製レアアースの日本向け独占販売代理店に……電気モーター用永久磁石の原料「ネオジム・プラセオジム」などを供給 ★韓国LGとフォード、バッテリーセル生産の合弁会社を設立……年間生産能力は25GWh以上 ★EVモーターズジャパン、モリタホールディングスから2億円の資金を調達……消防車両用EVシャシーの共同開発で提携 ★ベントレー、本社に「ローンチクオリティセンター」と「エンジニアリングテクニカルセンター」を新設……初のEV(2026年登場予定)に向けての施設 ★ステランティス、2022年のEVの販売台数が28万8,000台……前年比41%増[詳細はこちら<click>] ★豪電池のマグニス、テスラにバッテリー用負極材を提供……2025年2月から3年間固定価格で ★東京都、マンションへのEV用充電器設置に関する無料相談会を開催……3月21日(火・祝)、ベルサール三田(東京都港区)にて ★国交省、「電気自動車等用充電機器の道路上での設置に関するガイドライン(案)」についてパブリックコメントを実施 ★「第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE2023)」開催……3月7日(火)〜9日(木)に東京ビッグサイト(東京都江東区)にて、EV・電動モビリティ試乗会も開催 ★NEXCO西日本、吉備SA(山陽自動車道・上下線)にEV用急速充電器を増設……合計10口の増設、6口同時給電可能な設備も ★ブレイズ、小型モビリティ「EVクラシック」が第3回「蔦屋家電+ 大賞」に入賞……1920年代の大衆車を彷彿とさせるデザインのミニカー

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TEXT:TET 編集部
西東京バス、東京で大型EVバスを導入……デイリーEVヘッドライン[2023.02.22]

BEVの大型バスは都内初導入、車両はBYDの「K8」 【THE 視点】京王グループの西東京バス株式会社は、大型EV路線バスを3台導入し3月より運行すると発表した。東京都内における乗合路線バスでは初の大型EVバスになるという。 導入される車両はBYDの「K8」で、電気供給機能を有していることから、バス自体が大型の蓄電池とみることができ災害時への電源車としても期待される。 東京電力ホールディングス株式会社と連携し、バス営業所へEV用の各設備を導入するとともに地域の防災・BCP(災害等危機的状況下での事業継続計画)拠点として活用することも検討するという。EVバスの充電にも再生可能エネルギーを活用するとのこと。 運行されるエリアは、あきる野市/檜原村/日の出町/青梅市/八王子市/福生市/羽村市/昭島市等。羽村市ではこれまで「日野製のポンチョEV」が走っていた。この地域は日野自動車の工場があるエリアでもある。今回この地域にもBYD製の大型EVバスが走ることになる。 これまで東京都内で走るEVバスは「日野ポンチョEV」や「BYD J6」といった小型が主流だった(一部試験的に中型はあった)。燃料電池車(FCEV)の大型バス「SORA(ソラ)」は都内に数十台走っているが、BEVの大型バスが都心部ではなく多摩地区から走ることになるとは思わなかった。 しかも一気に3台の同時導入である。世界的にみても日本は大都市でEVバスの稼働が少なく、ある意味日本のEV遅れを表している。これを機に東京都内にもEVバスの導入が促進されることを期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォルクスワーゲン、本国でパルスインバーターと熱管理システムの開発を発表……最高出力500kW(680ps)級のスポーツモデルにも対応可能 ★日産、EV推進施策「ブルー・スイッチ」が第18回エコツーリズム賞(環境大臣賞)を受賞……特別賞として受賞、自動車産業の受賞は今回が初 ★アサヒ衛陶、EVスタンド機器事業を推進……テンフィールズファクトリーと提携し従量課金型充電システムの開発へ ★変圧器事業のダイヘン、配送用EV向け自動充電システム「ぴたっとCharge(チャージ)」を開発……関電エネルギーソリューションと提携、EVへの充電を最適化し電気料金を低減 ★空飛ぶクルマのSkyDrive(スカイドライブ)、「大阪万博」における空飛ぶクルマの運行事業者に選定……「未来社会ショーケース事業出展」内「スマートモビリティ万博」における運航事業者に ★ウーバー、インドでの配送車両にEV2万5,000台を導入……タタと提携 ★英EVトラックのTevva(テッヴァ)、走行実験で航続距離563kmを達成……リチウムイオン・バッテリーと燃料電池両方を搭載したEVトラック ★独WIESMANN(ヴィースマン)、EVスポーツカー「プロジェクト・サンダーボール」の初年度(2024年)予約分が完売……2025年以降予約は可能 ★エネチェンジ、「相模湖カントリークラブ」(神奈川県相模原市)と「富士カントリークラブ」(静岡県御殿場市)にEV用充電器を設置……最高出力6kWの普通充電器を計7基 ★テラモーターズ、ラグジュアリーホテル「富岳群青」(静岡県伊豆市)含む7施設にEV用充電インフラ導入を決定 ★ワイヤレス給電技術のパワーウェーブ、アイシンのパーソナルモビリティ「ILY-Ai(アイリーエーアイ)」に無線給電の実証実験を開始……中部国際空港にて2月28日まで

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TEXT:TET 編集部
日野、小型EVバス「ポンチョ Z EV」の発売を凍結……デイリーEVヘッドライン[2023.02.21]

小型EVバス事業の立て直しには時間が必要 【THE 視点】日野自動車株式会社は2月16日、小型EVバス「日野ポンチョ Z EV」の発売を凍結すると発表した。「日野ポンチョ Z EV」は、BYDの小型EVバス「J6」をベースにした車両で、2022年春に発売とアナウンスされていた。 発売予定から1年近く遅れての発表なだけに、導入を予定していたバス事業者は、運行計画などを大きく修正することになるだろう。充電方式はCHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電と発表されていただけに、急速充電器の発注や設置まで済ませた事業者もいると考えられる。 筆者もこれまでに、ディーゼルエンジンの「日野ポンチョ」をベースに数台をEVバスに改造した経験を持つ。ディーゼルエンジンの「ポンチョ」が非常に完成度が高い車両だっただけにその改造には苦労した。無駄なスペースがない車体設計で、バッテリーやモーターの搭載位置などの考案に相当時間をかけて設計した記憶がある。 日野も「ポンチョ」をベースに数台のEVバスを製作しているが、量産せずBYD社からOEM供給を受けようとした背景には、やはりコスト面や製作面で解決できない問題があったのだろう。 「ポンチョ」のディーゼル車はおよそ2,000万円。BYDの「J6」もおよそ2,000万円とほぼ同額である。 今後日野がどう小型EVバスの分野を開拓するのかは不明だが、それには相当の時間が必要なはずで、今回の発表は日野にとっても大打撃だろう。 こうなると本家「BYD J6」の販売にも影響が出るかもしれない。逆に先日渋谷のハチ公バスとして納入された、EVモーターズジャパンの「F8 series4-Mini Bus(F8シリーズ4-ミニ・バス)」には、追い風になるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★奈良交通、小型EVバス2台を導入……BYDの車両「J6」、「山若草台線:近鉄郡山駅~奈良県総合医療センター~若草台」などで2月25日から運行 ★三笠製作所、移動式無人交番「SPS‐AMV」の2号機をドバイ警察に納車……自動運転の電動車、太陽光で自ら発電・充電も ★ブレイズ、東京ショールームで第1回試乗会を開催……2月24・25日の2日間でデリバリー用EVミニカーやEVスクーター等を用意(要予約)

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TEXT:TET 編集部
「MINI Cooper SE Convertible(ミニ・クーパーSE コンバーチブル)」を本国で限定発売、日本では「MINI Comcept Aceman(ミニ・コンセプト・エースマン)」を公開……デイリーEVヘッドライン[2023.02.20]

世界で勢いづくBMWグループおよびMINI 【THE 視点】BMW傘下のMINI(ミニ)は、初のEVオープンモデル「MINI Cooper SE Convertible(ミニ・クーパーSE コンバーチブル)」を欧州で発売すると発表した。999台の限定モデルとなる。日本においても「MINI Concept Aceman(ミニ・コンセプト・エースマン)」を初公開予定で、BMWにおいてはコンパクトSUVの「iX1」を発売。先週末はBMWグループのトピックが目白押しだった。 「ミニ・クーパーSE コンバーチブル」の発売は今年4月を予定。2022年夏に試作車が公開されてから、わずか8ヵ月で量産にこぎつけたことになる。現在のミニの販売台数の5分の1がEVモデルで、好調な販売台数が開発に拍車をかけ今回のオープンモデルの発売につながったようだ。 パワートレインは「MINI Cooper SE(ミニ・クーパーSE)」と同様に「BMW i3」から流用されたもの。最高出力135kW(184ps)と最大トルク270Nm(27.5kgm)のモーターで、0-100km/h:8.2秒の俊足さを誇る。一充電の航続距離は201km(WLTC)と発表されており、「ミニ・クーパーSE」から30km程度短くなることから、バッテリー容量は同じ32.6kWhと推定できる。 この性能はスポーツモデルである、「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」に匹敵する。オープンカーとなったこのモデルでも、ミニがうたう「ゴーカート」感覚をそのまま満喫できることになる。 限定モデルであることから、ドアシルトリムとサイドスカットルに「1 of 999」のシリアルナンバーが刻印され特別感も演出される。 ちなみに筆者は現行型の「ミニ・クラブマンJCW」(エンジン車)を所有していたことがある。その操縦感覚は、まさにゴーカートそのものだった。静かで排ガスが出ないEVのオープンモデルは、まさにEVカートそのままの感覚ではないだろうか。オープンで峠道を走れば爽快そのもののはずだ。ミニ好きにとっては、欧州だけとは言わず、是非とも日本にも導入して欲しいモデルである。 一方日本では、3月2日(ミニの日)を記念したイベント「MINI ELECTRIC FUTURE.(ミニ・エレクトリック・フューチャー)」を、「The ICEBERG(ジ・アイスバーグ:東京都渋谷区)」にて3月3日(金)から5日(日)まで期間限定で開催する。 会場では先進テクノロジーが生み出す遊び心あふれるデザインや、ミニの未来をいち早く体感できるコンテンツを用意する。 中でも注目は昨年7月に発表した「MINI Concept Aceman(ミニ・コンセプト・エースマン)」の日本初公開だ。このコンセプトカーは、ミニ初のクロスオーバー・タイプのEVである。 またミニの親会社であるBMWから「iX1」が発売された。これでBMWはEVだけで5車種のラインナップとなった。ミニも含めてBMWグループのEVが勢い付き面白くなってきた。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「MINI Concept Aceman(ミニ・コンセプト・エースマン)」日本初公開……3月3日から ★★BMW、EV「iX1」を日本発売……ブランド初のコンパクトSUV[詳細はこちら<click>] ★BMW、EV向け「BMWiライフ・パッケージ」を開始……EV専用リース、「iX1」から開始 ★テスラ、米本国でリコール……「モデルS」「モデルX」「モデル3」「モデルY」が対象[詳細はこちら<click>] ★日野、小型EVバス「ポンチョZ EV」の発売凍結……BYDのOEM車 ★西武バス、BYDの大型EVバスを2両導入……2月27日から新座営業所を拠点に運行開始、営業所内に太陽光パネルを設置し発電・電力供給も ★自動運転EV開発のチューリング、自社工場「TURING Kashiwa Nova Factory(チューリング・カシワ・ノバ・ファクトリー)」(千葉県・柏市)を開設……2025年中に販売開始予定の自動運転EV開発拠点[詳細はこちら<click>] ★日本駐車場開発、タイ・バンコクで「EVトゥクトゥクタクシー」の観光ツアーを開始……バンコク在住の日本人含む外国人旅行者向けに ★NTT西日本、バッテリー交換式EVコンバージョンカー(CEV)を活用したエネルギーマネジメント実証事業を開始……再生可能エネルギーでCEVを運行、災害発生時には電力供給 ★エネチェンジ、JAいちかわ本店と田中支店(千葉県市川市)にEV用充電器を設置……最高出力6kWの普通充電器を計5基 ★MG、インドネシアで「MG 4 EV」を予約開始……SUVの新型EV

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TEXT:TET 編集部
経済産業省、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」等を決定……デイリーEVヘッドライン[2023.02.17]

令和4年11月8日〜令和5年3月31日に新規登録された車両が対象、税抜840万円以上の車両は満額の8割の補助へ 【THE 視点】経済産業省は2月14日、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(CEV補助金)および「令和5年4月1日 (令和5年度 )以降」の新車新規登録 (新車新規検査届出 )の補助金についての概要を発表した。 「CEV補助金」とは、EVなどの自家用車両の購入や、充電・水素充填インフラを整備した場合に受け取ることができる補助金である。 今回の大きなポイントは、クリーンエネルギー自動車の普及拡大に向けて予算額を900億円と大幅に増額したこと(令和4年度補正700億円、令和5年度当初案200億円の合計)。補助上限額を維持し普及を力強く促進するため、所要の見直しも行われた。 具体的には、補助上限額(EV・PHEVの場合10万~20万円)の上乗せの要件として「外部給電機能を有すること」に加え、EV・PHEVの乗用自動車については「省エネ法トップランナー制度の2030年度燃費基準の対象となる車両(型式指定自動車)」であることが追加された。 また、価格低減を促す観点から、高額車両(税抜840万円以上)は、算定された補助額に価格係数0.8を乗じることにもなった。 このCEV補助金は、令和4年度予算については同年12月15日到着分をもって申請受付が終了しており、その後登録された車両(実際には令和4年11月8日~)などは、この令和4年度補正予算からの補助金を受けられることになる。  今回の改正で、「省エネ法トップランナー制度の2030年度燃費基準の対象となる車両(型式指定自動車)」と明記されたことから、「PHP制度(輸入自動車特別取扱制度という年間5,000台程度の輸入車に適応されるもの)」が適応された輸入車や、新型車登録、並行輸入車の型式不明等については、上乗せ要件が満たせないことになる。 今回の改正でもうひとつのポイントは、EVの場合は条件付きでこれまで85万円補助を受けられていたものが、高額車両で条件を満たさない場合に、52万円まで減額される車両が出てくること。 EVの購入検討者は吟味のうえ、この機会を上手に利用してEVを手に入れて欲しい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ※資料出典:経済産業省 ★★三菱、「ミニキャブ・ミーブ」をインドネシアで生産……2024年開始、ASEAN地域におけるEVニーズの拡大に応える ★EVモーターズ・ジャパン、「渋谷区コミュニティバス」に2台のEVバスを納車……2023年3 月1日より「ハチ公バス(神宮の杜ルート)」(渋谷駅西口~表参道駅・千駄ヶ谷駅・代々木駅~渋谷駅ハチ公口)で運行開始予定 ★神奈川県相模原市、公用車併用のEVカーシェアリングを開始……「Anyca(エニカ)」の運用で「日産リーフ」を導入、閉庁日にシェアカーとして活用[詳細はこちら<click>] ★小型EV開発・販売のブレイズ、本社を移転……名古屋市中村区に新本拠、ショーケースも設置

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TEXT:TET 編集部
BMW、「i4」にエントリーグレードを設定……デイリーEVヘッドライン[2023.02.16]

航続距離532kmで後輪駆動、価格は698万円 【THE 視点】ビー・エム・ダブリュー株式会社は、プレミアム・コンパクト・クラスの4ドア・クーペ・モデル「4シリーズ・グラン・クーペ」のラインナップに、EVの「i4 eDrive35(アイフォー・イードライブサンゴー)」を追加した。BMWオンライン・ストア上のみでの扱いで2月15日より販売を開始。価格は698万円。納車は本年3月以降を予定している。 「i4 eDrive35」は最高出力210kW(286ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発揮する電気モーターで後輪を駆動する。床下に配置されているバッテリー容量は70.3kWhで、一充電での走行可能距離は532kmとなる。参考までに先に導入済みの「i4 eDrive40」は、最高出力250kW(340ps)、最大トルク430Nm(43.9kgm)、バッテリー容量は83.9kWhという性能だ。 今回のモデルは40よりひとつ下のエントリーモデルとなり、価格が約100万円低い。しかし日本初認可を取得したハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能を標準装備し、十分な先進安全支援機能などを持つ。最高出力210kW、最大トルク400Nmという値は、ひと昔前で言えばR34型のころの「日産スカイラインGT-R」に匹敵する性能であり、航続距離も532kmとEVとして十分な性能を持つ。 性能と車格を考えれば価格は抑えめの設定だ。車両価格の値上げが相次ぐ中、価格を抑えたモデルを出すには企業としてもそれなりの工夫が必要だ。オンライン・ストアのみの販売とすることでワンプライスを実現し、定価を抑えたのではないかと考えられる。 筆者は「i4 eDrive40」に試乗した経験がある。床下にバッテリーを積みながらも、エンジン車と同じく低く構えたスタイリングに仕上げた。しかもBMWの得意とする後輪駆動で、スローガンの「駆け抜ける喜び」を体現するEVとしてヒットするのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★MINI(ミニ)、「MINI Cooper SE Convertible」(ミニ・クーパーSE・コンバーチブル)を欧州で発売……999台限定のオープンモデル[詳細はこちら<click>] ★★フォード、米国ミシガン州にLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリー製造工場を建設……2026年稼働、「マスタング・マッハ-E」から搭載開始 ★BYDジャパン、大型EVバス「K8」2台を西武バス(新座営業所)に納入……「清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地」を結ぶ路線系統に導入 ★日本電産、中国大連市にモーターの新工場を開業……車載用モーターを製造、「e-アクスル」の製造も見込む ★オープンストリートなど、シェアモビリティ「HELLO MOBILITY(ハロー・モビリティ)」を神奈川県川崎市で展開……キングスカイフロントLiSE駐車場(LiSE 川崎生命科学・環境研究センター:川崎市川崎区)にマルチモビリティ・ステーションを開所 ★コンチネンタルタイヤ、EVと相性の良い「ComfortContact CC7(コンフォート・コンタクト CC7)」を発売……静粛性を高める「ノイズ・ミューター」技術を採用

TAG: #BMW #i4 #THE視点 #デイリーEVヘッドライン #福田雅敏
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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