コラム 記事一覧

コラム コラム
TEXT:陶木 友治
「EVシフトが急速に進み始めた裏側にあるもの」伝説の自動車アナリスト、中西孝樹教授に訊く:第1回

電気自動車の登場と普及は、国内外の政治・経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。「伝説の自動車アナリスト」として知られる中西孝樹さんに、様々な疑問をぶつける連載企画の第1回です。 Q.ここ2~3年で、EVに対する関心が急激に高まり、普及に向けた取り組みも急速に進んだ印象があります。何か理由があるのでしょうか? 一言で説明することは難しいですね。順を追ってひも解いていきましょう。 ポイントとなるキーワードをいくつか挙げるとすると、一つ目は「カーボンニュートラル」になります。昨今、地球温暖化を抑制するために世界各国がCO₂削減に向けた取り組みを進めていますよね。その対策のひとつとして、CO₂を排出するガソリン車からCO₂を排出しないEVへのシフトを図る動きが本格化し始めたのが理由です──というのが一般的な回答になりますが、実際のところは、気候変動対策をめぐる世界的な潮流を利用して、それぞれの国、なかでも欧州が自分たちの強みを生かしたルールメイキングを図り、自らが有利になる競争を仕掛けてきているというのが実情です。 EVシフトは、エネルギー問題と密接に関係しています。地球温暖化防止策としてCO₂排出量を大幅に減少させる可能性が高いEVは、将来の自動車の姿として重要な役割を担うとかねてより期待されてきましたが、動力となる電力を化石燃料で発電していてはCO₂を削減したことになりません。 そのためEVには再生可能エネルギー経由の電力を使用することが望ましく、その分野で強みを持っていたのが欧州です。だから彼らには、「カーボンニュートラル」の取り組みを機にEVシフトを加速させ、他国に先行したいという思惑があったのです。 カーボンニュートラルは「地球のため」「環境のため」という本来の崇高かつ純粋な目標がスタートにあったとしても、どちらかと言うと欧州のビジネス利益を拡大するための方策、具体的には「自国の経済安全保障の構築・強化」という意味合いが昨今は強まっている政策なのです。これが二つ目のキーワードです。 三つ目は「新型コロナウイルス感染症の流行」です。コロナ禍によって、世界は戦後最悪の経済危機に直面しました。対面によるコミュニケーションの制限や移動の停滞で生産活動や物流がストップするなど、あらゆる業界に影響を与えています。 自動車分野ももれなく影響を受け、多くのメーカーが減産を余儀なくされたことは記憶に新しいところです。とはいえコロナはプラスの影響ももたらしています。例えば多くの会議がオンラインで開催されるなど、コロナの感染拡大が進化圧となって様々な分野のデジタル化が促進されることになりました。 社会のデジタル基盤やユーザーのデジタル嗜好の強まりが、デジタルと相性が良いEVシフトを強めている背景があります。 もともと自動車業界では、100年に一度とも言われる大変革期を象徴して「CASE」という言葉が使われていました。CASEは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略で、従来は保有から利用への転換である「MX(モビリティトランスフォーメーション)」を実現する技術革新の意味合いから注目されてきました。 ところが昨今の議論を見ていると、「GX(グリーントランスフォーメーション)」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉とともにCASEが語られるようになってきています。 どういうことかと言うと、EVシフトは「MX」を実現するためのものというよりも、カーボンニュートラルを達成する「GX」や「DX」を実現するためのものとしての文脈で語られる風潮が強まっています。その変化を促したのが、デジタル化への進化圧となったコロナです。 Q.まさかコロナがEVシフトに影響を与えているとは思いませんでした。 CO₂もウイルスも、どちらも人間の目には見えません。カーボンニュートラルは、目に見えないCO₂削減の取り組みをマネーに変える欧州発の新しい経済ルールです。ウイルスやCO₂のような微小なものが企業の行動指針に影響を及ぼすようになったのがここ2~3年に起こった出来事なのですが、そのきっかけとなったのは、アメリカ・トランプ前政権の崩壊です。 トランプ前政権は欧州のルールメイキングに抗い、その流れに歯止めをかけようとしていました。トランプ前政権時、アメリカが「パリ協定」から脱退したことを覚えている人も多いと思いますが、あれもその動きの一つです。 端的に言ってしまえば、カーボンニュートラルに向けた行程の策定をめぐって、各国間の争いが激化しており、トランプ前政権は欧州のルールメイキングに「待った」をかけようとしていたのです。トランプ政権が巨大なダムとなってカーボンニュートラルへの流れをせき止めようとしていたわけです。 ところがトランプ大統領は再選を果たせず、2020年にバイデン政権が誕生しました。バイデン政権は方針転換し、EVシフトに舵を切って欧州と同じようにルールメイキングで主導権を握ることを狙い始めました。 「トランプ政権」という名のダムが決壊した結果、自動車業界においてEVシフトが激流のように進むようになったのです。EVシフトが加速した背景には、こうした政治的・経済的な動きが潜んでいるのです。 (インタビュー:TET編集長 田中 誠司) <つづく>

TAG: #EV経済学 #カーボンニュートラル #中西孝樹
TEXT:福田雅敏
電気自動車(EV)は「ドリ車」になるか、現役EVエンジニアが考察[THE視点]

エコが売りの電気自動車でも、タイヤを鳴らして限界まで攻めて走ってみたい、というのはクルマ好きの隠すことのできない願望だろう。しかし果たしてそれは現実的なのか、エンジニアによる考察をお届けする。 電気自動車(EV)の後輪駆動化が世界でトレンド 昨今、電気自動車(EV)は後輪駆動(RWD)が増えている。新型車はもちろんだが改良型においてもだ。例えば新型車では「フォルクスワーゲン ID.4」がそうだし、「ボルボ XC40リチャージ」は欧州で従来の前輪駆動(FWD)からRWDに変更された。何より「東京オートサロン2023」では「トヨタ AE86型カローラ・レビン」のEVが展示された。 RWDは車好きにとってはひとつのステータスだろう。さらに言えば「EVでドリフトは可能なのか」と考えるマニアもいるのではないだろうか。そこで今回は「EVのドリフト」について現役EVエンジニアの視点から考えてみた。 駆動装置(イー・アクスル)などの小型化が後輪駆動化に寄与 これまで販売されてきたEVは、FWDもしくは四輪駆動(AWD)が多かった。理由のひとつは従来のエンジン車のプラットフォームを使用していたこと。多くのエンジン車はFFが主流なので、EVもそのままFWDとなったと考えられる。 もうひとつの理由は制御系統。従来のインバーターや駆動用モーターはサイズが大きかった。それらをボンネットの下にまとめた方が効率的なのだ。そしてFWDの方が回生ブレーキの効率が高いことも理由にあると思う。 しかし技術はあっという間に進歩し、今後の主流となるであろう機電一体の駆動装置「e-AXLE(イー・アクスル)」に小型高出力のものが出てきた。そのおかげでユニットを前輪・後輪のどちらにも載せやすくなり、RWD化が進むようになった。RWDのメリットは後輪のトラクションの良さだ。ちなみに筆者も長くBMW(エンジン車)に乗っており、RWDはお気に入りである。 またRWD化では意外なメリットがある。それが積載性。小型の「e-AXLE」を使えばボンネットの下にスペースができることから、テスラのようにフロントにトランク(通称フランク)を持たせるEVが増えてきている。なんと先日発表されたEVピックアップトラック「ラム1500REV」にもフランクが備えられた。フランクは荷物を載せるのに大変便利である。この利便性の向上も少なからず影響しているのではないだろうか。 ともあれ、クルマ好きにとってRWDとくれば「ドリフト走行」を考える人は多いのではないだろうか。「東京オートサロン2023」で公開された「AE86」は、筆者にEVのドリフトマシンの登場を想像させてくれた。この「AE86」は、エンジンをモーターに変えただけの仕様。つまりFRレイアウトのEVであり、そのままドリフト走行が可能だ。

TAG: #THE視点 #チューニング #福田雅敏
TEXT:生方 聡
CEV補助金は令和5年4月からどう変わる?

経済産業省は2月14日、令和5年4月からの「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(以下、CEV補助金)についてその概要を公表した。EV購入者向けの補助金の額はおおむねこれまでどおりだが、一部車両では減額になるなど変更も見られる。そこで、CEV補助金の歴史も含めて、発表の内容をチェックしてみる。 ※令和4年度補正予算CEV補助金に関する最新情報は、下記のコラムをご覧ください。 [最新版・補助金情報]令和4年度補正予算CEV補助金の申請受付が3月23日に開始

TAG: #補助金
TEXT:岩尾 信哉
ルノー・日産・三菱アライアンス、資本提携関係を見直し 日産、ルノーのEV子会社への出資を決定

変化するルノー・グループと日産の関係 ルノー・グループ、日産自動車株式会社、三菱自動車工業株式会社は2023年2月6日、英国ロンドンで会見を行い、ルノー・グループと日産の取締役会での承認を経て、3社のアライアンスをより高いレベルに引き上げることを目指す旨を発表した。 会見の内容として重要なのは、ルノー・グループと日産の資本比率がそれぞれ43%、15%から、どちらも15%に変更されたことだ。日産としては1999年のルノーとの資本提携から20年以上を経て、ようやく「不平等条約」の解消にこぎ着けたことになる。なかでも注目すべきは、ルノー・グループと日産が将来のEV開発に向けて、新たな取り組みを共同で実施するとしている。 世界市場での電動化モデル販売の拡大 今回のアライアンスの発表として、以下のような概要が明らかにされた。注力すべきマーケットとして、ラテンアメリカ、インドおよび欧州において、事業の拡大などのアライアンス強化を推進するとしている。 ラテンアメリカでは、ルノー・日産の協業によるアルゼンチンやメキシコでの新型車の投入を含むピックアップモデルの販売強化などを公表。メキシコでは、日産が20年ぶりにルノー・グループ向けに新型車を生産するとしている。EVに関しては、EV専用のCMF(コモン・モジュール・ファミリー)-AEVプラットフォームをベースとした、日産とルノー・グループの「手頃な」AセグメントのEVを2車種投入するとされる。 市場拡大が見込まれるインドでは、ルノー・グループと日産は、複数の新型車プロジェクトでの協業を検討しつつ、中南米地域と同様にAセグメントEVの導入を検討するという。 ルノー日産による次期B/CセグメントのEV開発 ルノー・グループの主要市場であるヨーロッパについて見てみると、詳細は未公表ながら、将来への取り組みの検討が公表されている。 2026年以降のEVのラインナップに関しては、ルノー・グループと日産は、次世代CセグメントEVにおける協業の可能性を模索するとされる。将来的に技術水準となるような充電時間を達成するために、ルノーと日産は共通の800Vアーキテクチャーの採用を検討するなど、欧州市場向けモデルにおける技術の共有を継続するとした。 具体的には、2026年からルノーのEV生産子会社であるフランスの「ルノー・エレクトリシティ」で生産を予定。従来のCMF-BEVプラットフォームをベースとした将来の日産のコンパクトEV (Bセグメント) など、既存のプロジェクトとともに開発等を推進していくという。 いっぽう、ルノー・グループと三菱自動車は、ルノーの「キャプチャー」「クリオ」の資産を活用し、CMF-Bプラットフォームをベースとした次世代「ASX」「コルト」の2車種の新型車を開発予定としているが、電動化に向けた動きは明らかにされていない。 このように将来的にはアライアンス内でのEVのA/Bカテゴリーはルノー、C/Dは日産がカバーするとしており、三菱に関しては検討中となっている。 既存の長期ビジョンとしては、日産の「Nissan Ambition 2030」やルノーの「Renaulution」が謳われている。これらに基づき、アライアンス・メンバー各社の事業計画を補完するよう立案された今回のビジネスプランは、「各社の持続可能な成長や脱炭素化に向けた目標の実現に向けて、共通性や投資機会の面から活用されます」としている。 具体的には、各社の新たな取り組みに関して、異業種のパートナーが参加可能となるようなビジネス戦略を展開する。電動化や低排出技術について既存の戦略に沿って進めるとともに、ビジネスのうえで付加価値が期待できるパートナー各社のプロジェクトに投資・協業することで合意したという。 前述のように、日産は2021年11月末に「Nissan Ambition 2030」を発表している。今後5年間で約2兆円を投資して電動化を加速するとして、2030年度までにEV15車種を含む23車種の新型EVを投入予定としている。日産はグローバルの「電動車」のモデルミックスを50%以上へ拡大。技術面では、次世代の高性能バッテリーとして注目される全固体電池を、2028年度に市場投入するなどとしている。

TAG: #ルノー #三菱 #日産
TEXT:御堀 直嗣
知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀直嗣 第4回:EVを走らせるモーターの基本

磁場を利用して作動するモーター 電気自動車(EV)を駆動しているのは、モーターだ。そのモーターを動かすため、電気を蓄える(リチウムイオン)バッテリーが車載されている。 モーターは、あらゆるものに使われている。電子レンジや洗濯機などの家庭電化製品はもちろん、スマートフォンでさえマナーモードの振動機能はモーターで行っている。エンジン車でも、パワーウィンドウや電動パワーステアリング、パワーシートなど、様々にモーターは使われており、身近な存在だ。 電気を流すと、なぜモーターは回るのか。 モーターは、回転軸(ローター)と、それを囲む筒状の構造(ステーター)で構成されている。ステーターの磁石を利用した磁場の効果で、ローターを回転させる。 もっと噛み砕けば、磁石にはN極とS極があり、NまたはSの同じ極同士は反発しあい、異なる極は引きあう力が働く。同じ極同士が反発する力を使って、モーターは回転軸を回すのだ。 EVで使われるモーターは、ステーターだけでなくローターも磁石になっている。互いの磁石のN極とS極が反発しあうことを利用している。しかし回転するとN極とS極が向きあい、引きあって回転を止めてしまいかねない。そこで、N極とS極が向きあわないように電流の方向を変え、常に反発しあう同じ極同士が向くようにしている。 直流と交流、それぞれの方式 電気には、直流と交流がある。直流は、プラスからマイナスへ一方向に電気が流れる。身近なものでは乾電池がそれだ。+と-の表記があり、逆に装填すると電気が流れず、機器は動かない。電気が一方向にしか流れない証だ。 もうひとつが交流だ。これは電気が流れながら、+と-が交互に入れ替わる。家のコンセントに流れてくる100ボルトの電流はこの交流である。したがって、コンセントの差込で、プラスとマイナスを確認しなくていい。 電流の+と-が交互に入れ替わることで、モーター内の磁石のN極とS極を切り替え、ローターを回転させるのが交流モーターだ。これがEVで使われている。 しかし直流モーターという事例もある。これは直流の電気を流しながら、ローターの軸受けのところにN極とS極を切り替える仕組みがあり、NまたはS極が同じ極同士で向きあうよう電流を切り替え、ローターを回転させている。ローターの端には整流子と呼ばれる部品がある。菓子のバームクーヘンを切り分けたような形をしている。軸受け側にはブラシと呼ばれる部品があり、ここに整流子が触れたり触れなかったりを繰り返すことで、電流を切り替え、N極とS極が向きあわないようにしている。 直流モーターでも、ブラシのないブラシレスという種類がある。ステーター側の電磁石に流す電流を、トランジスターを使った回路で切り替え、同じ電極同士が向きあうようにしている。 市販EVはすべて交流モーターを使っているが、エンジン車をEVに改造したコンバートEVでは、手に入りやすく安価な直流モーターを使う場合が多い。ただ近年では、改造用の交流モーターも手に入るようになり、コンバートEVでも交流モーターを使う事例がある。 永久磁石式か、巻き線式か? 市販EVで使われているのが、永久磁石式同期モーターと呼ばれる交流モーターだ。これは、ステーターに電磁石を用い、ローターには永久磁石を使う。 電磁石は、鉄芯に銅線を巻き付け、これに電気を流すと磁石になる。電気を使う磁石なので電磁石と呼ばれる。 永久磁石は磁力を備えた金属で、子供のころに遊んだフェライト磁石が代表例だ。しかしEVで使うには磁力が弱く、1トンを超える重さのEVを自在に加速させることはできない。そこで磁力を高める改良が施されている。 磁力を増すために使われるのが、希土類(レアアース)と呼ばれる元素だ。具体的にはネオジムが使われている。元素の周期表で60番目の金属だ。これを混ぜることで、フェライト磁石の約10倍の磁力が得られる。どれほど磁力が強まったかというと、一度、N極とS極が向きあい、くっついてしまうと、人の力では引き離せないほどの強さだ。ネオジム磁石は、1984年に住友特殊金属(現・日立金属)の佐川眞人らによる日本の発明である。 ネオジム磁石の何よりの利点は、優れた磁力で力強くモーターを回せるのはもちろん、ローターにも電磁石を使う場合に比べ小型化できるところにある。したがって、EVのみならず、エンジンとモーターを搭載するハイブリッド車では不可欠な存在となっている。 ネオジム磁石はしかし、120℃を超えると磁力が失われてしまう。このため、高温対策としてディスプロシウムという希土類元素を添加物として加え、熱への耐久性を高めている。 こうして市販EVの多くが、永久磁石式同期モーターを採用している。 一方、世の中の多くがEVへ移行していくと、資源問題に直面しかねない。希土類元素と呼ばれるほど、希少で資源量が限られるからだ。そこでローターにも電磁石を使う、巻き線式と呼ばれる交流モーターを使うEVも市販されている。 たとえば、ドイツのアウディやメルセデス・ベンツ、あるいはテスラにも採用例があり、日本車では日産アリアが巻き線式モーターを使っている。 巻き線式モーターは、鉄芯に銅線の巻き数を増やせば出力を高められる。しかし巻き線数が増えるほど寸法が大きくなりやすい。そこでいかに効率よく銅線を巻き付けるかがカギを握る。 巻き線式モーターを使うEVは、電気を流さなければ磁力を持たない鉄と銅だけでの回転となるため、走りだしたあとではアクセルを戻したときの滑空感が一段と高まり、EVならではの滑るような走りをいっそう強調することができる。 この先、EVの台数が増えれば増えるほど、素材の調達で影響の少ない巻き線式モーターを見直すようになっていくのではないか。すでに巻き線式の交流モーターを使うメーカーは、EV時代の一歩先の試行錯誤をはじめているといえる。

TAG: #EV知識・基礎の基礎 #御堀 直嗣
TEXT:曽宮岳大
次世代バッテリーの実用化近づく。日産自動車、オープン2シーターコンセプト「MAX-OUT(マックスアウト)」の実車公開

予定される15台の新型バッテリーEVの中にはスポーツカーも!? 日産自動車が2月4日に実車を初披露した2シーターオープンコンセプト「MAX-OUT(マックスアウト)」。そのお披露目を兼ねた記者発表では、グローバルプロダクトマーケティング部 理事のパンディクシラ・ポンズ氏と、第二プロダクトデザイン部 シニアデザインダイレクターのアローバ・ジオバーニ氏(ビデオ出演)、同デザインマネージャーのユー・リーハオ氏が登壇しプレゼンテーションを行うと共に、ポンズ氏とリーハオ氏がプレスからの質問に応じてくれた。このコンセプトカーにどのような意味が込められているのか。会場で得られた情報を報告したい。 マックスアウトは、2021年11月にバーチャルで公開された3台のコンセプトカーのうちの1台。実車公開となった今回のお披露目では、Nissan Ambition 2030で発表された電動化計画が順調に進んでいることを示す狙いもあるようだ。   同計画では、日産が2030年までに23台の電動モデルを投入し、このうちの15台はバッテリーEVとなることが明らかにされている。様々なカテゴリーのバッテリーEVが今後登場することが期待できそうだが、その中には走りの楽しさを追求したスポーツモデルも想定されていることをマックスアウトは示唆している。ピュアスポーツカーをラインアップしているブランドは数少ないなか、日産は「GT-R」と「フェアレディZ」の2台のスポーツカーをラインアップし、その伝統を守っているのだ。 ではマックスアウトは、次世代EVスポーツの姿を示したものなのか。この点については、日産は「具体的な生産の予定はない」としており、マックスアウトがこのままの形で市販化されることはなさそうだ。とはいうものの、マックスアウトには将来の市販EVスポーツに受け継がれそうなデザインや技術が随所に散りばめられているのだ。 密度2倍、充電時間1/3の全固体電池を搭載 まずはデザインとパッケージングについて。マックスアウトでは「全固体電池」の搭載を想定し設計されている。全固体電池とは、日産が2028年度中の実用化を目指して自社で開発・生産を予定している次世代バッテリー。その特徴は、従来のリチウムイオン電池に対して2倍とされる高いエネルギー密度と、約1/3という充電時間の早さ。コスト低減に寄与するという。 これによりバッテリーのコンパクト化や、一充電でより長距離を走れるEVの実現が可能になり、より幅広いジャンルのクルマに採用しやすくなる。EV専用プラットフォームとの組み合わせにより床のフラット化と低重心化が可能となり、スポーツカーの運動性能向上にも寄与する。 マックスアウトでは、空気抵抗が少ない流線型のフォルムや、床下の完全フラット化により空力の向上を実現しており、エモーショナルなフォルムや電量消費の低減を両立している。

TEXT:岡崎 宏司
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第5回:Audi e-tron Sportsback 55 quattro 1st editionで開眼した

プジョーe-208GTで、EV生活に大満足な岡崎宏司さん。「EVは楽しい!」と気づいたのは「Audi e-tron Sportsback 55 quattro 1st edition」。「恍惚」と感じ入ったストーリーの今回です。 未来ではなく、現実となった この連載の1回目……「最新のアウディEVの走りに心を奪われ、恍惚状態で箱根を走った!」と書いた。 そして、EVを「未来ゾーンから現実ゾーンへ招き寄せるキッカケになった」とも書いた。 そのEVとは、アウディe-tron スポーツバック 55クワトロ 1st edition。日本に初導入されたアウディのBEVだ。 試乗会は2020年10月に開かれた。会場はFUJIMI CAFE。御殿場から乙女峠を登り、乙女トンネルに入る直前に位置する。 木造りのカフェの前には広いオープンスペースがあり、パラソルを立てたテラス席が設けられている。 そして、その正面には、富士山がほぼその全容を見せる。最高のロケーションだ。 試乗車は、たしか5~6台用意されていたと記憶しているが、クリーンなBEVの試乗会には、まさにぴったりの環境設定だった。 クールで先進的なEV 4900×1935×1615mmのサイズは大きいが、クーペライクなルックスは、グッと引き締まって見えた。アウディならではのクールで精度感の高い内外装にも惹きつけられた。 小型カメラを用いた「バーチャル・エクステリア・ミラー」の形状が、そして、カメラが捉えた映像を映し出す7インチのパネルが、クールで先進的な印象をさらに高めていた。 心地よいテラスでコーヒーを一杯飲んでスタート。そして、箱根路を自由に走った。 より正確にいえば「自由自在に」走った。僕が意図し期待した以上に走った。走り出した瞬間から、レスポンスと瞬発力の高さに惹きつけられた。すぐ夢中になった。 システム・パワー/トルクは230kW(408ps)/664Nmと強力。前後2基のモーターの出力をコントロールすることで、クワトロ=4WDシステムをも成立させている。 走りは文字通り「意のまま!」。発進は滑らかであり軽やか。アクセルを深く踏み込むと、直線的な加速で、周囲のクルマをあっという間に置き去りにする。 追い越しでも同じ。低速でも、中速でも、高速でも……アクセルを踏み込んだ瞬間、滑らかに、軽やかに、強力に加速する。 Sレンジのブースト機能を使ってのフル加速は「快感そのもの!」。クワトロシステムが強力なトルクをしっかり受け止め、無駄なく前進する力に変えてくれる。 そんな加速ぶりを表現するには、「速い!」とか「すごい!」というよりも、「快感!」という方が当たっている。 重量は2560kgあるが、そんな重さを感じさせられることはまるでない。 バッテリーは低い位置に配分よく積まれる。なので、重心は低く、前後重量配分もよく、心地よい走り味、乗り味をもたらしている。 また、大きな重量と低重心がもたらす重厚な乗り味、エアサスペンションがもたらす優しくフラットな乗り味……このコンビネーションも素晴らしい結果を生み出している。 体感する運動性能、そして上質さに恍惚 EVの静粛性の高さは当たり前だが、各部遮音のレベルは高く、ロードノイズまでもしっかり抑え込まれている。 僕はあえて、中小のコーナーが連続するコースを選んだが、背の高いSUVがまるで、よくできたスポーツカーのように走った。 3段階の回生ブレーキの効きを、パドルでコントロールするのもすごく楽しかった。とくに、ワインディングロードの下りでの楽しさにはすっかりはハマってしまった。 パドルのデザイン、触れた感触、クリックの節度感等々の上質さが、楽しさをより一層加速していたことをも報告しておこう。 僕は、中小の複雑なコーナーが連続する、上記ワインディングロードを何度も往復した。 初めに書いた「恍惚状態で箱根を走った!」とは、主にこのことを指す。 その日、EVは「未来ゾーンから現実ゾーンへと入ってきた!」。そして僕は、真剣にEVに乗ることを考え始めたのだ。 第6回はこちら

TAG: #EVは楽しい! #岡﨑 宏司
TEXT:生方 聡
[ID.4をチャージせよ!:その6]「e-Mobility Power」ネットワークは頼みの綱

自宅に充電設備がない私にとって、なくてはならないのが急速充電できる充電スポット。なかでも「e-Mobility Power」(以下eMP)の充電ネットワークは頼みの綱です。 コンビニからサービスエリアまで 前回のコラムでは、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェの各オーナーが利用できる「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」を紹介しました。いまのところ比較的空いていて充電スピードも早いということで便利に使っていますが、2022年末の時点で全国に222基の設置で、高速道路などでは利用できないことから、おもに利用しているのがeMPの充電ネットワークです。 eMPの充電ネットワークは、急速充電器だけでも全国に約7,800口(2023年3月時点)あり、日産や三菱、トヨタ、メルセデス・ベンツ、BMWといった自動車ディーラーをはじめ、高速道路のサービスエリア/パーキングエリア、道の駅、ショッピングモール、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなど、さまざまな場所にある急速充電器が、専用の充電カードをかざすだけで利用できます。 フォルクスワーゲン・ジャパンでも、ID.4やeゴルフのオーナー向けに、eMPの充電ネットワークが利用できる「フォルクスワーゲン充電カード」(以下、VW充電カード)を用意していて、私もすでに入手したことは[ID.4をチャージせよ!:その3]で紹介しました。 実は以前eゴルフを所有していたときにもVW充電カードを利用していましたが、その当時と現在では料金体系が異なっています。eゴルフのときに加入していた「プレミアムプラン」では、月額5720円で急速充電と普通充電がなんと使い放題! 最強の充電カードといっても過言ではありませんでした。残念ながらこのプランはeゴルフオーナー専用で、2022年12月31日で新規受付は終了しています。 代わりに登場したのが「普通・急速充電器併用プラン」です。会費が月額7810円に値上がりしたうえに、急速充電は1分あたり16.5円、普通充電は2.75円の料金が発生します。月90分の急速充電料金が含まれているので、実質の月会費は6325円ということになりますが、eMP自身が発行する充電カードと比べて割高です。ただ、ID.4を新車で購入した場合、月会費が1年間無料となるので、そのあいだはVW充電カードを利用しない手はありません。

TAG: #ID.4 #ID.4をチャージせよ #VW
TEXT:福田 雅敏
[THE視点]現役エンジニアが見抜いた「日産サクラ」JNCAPファイブスター獲得の要因

「衝突安全性能評価」「予防安全性能評価」の最高評価に加えて、「事故自動緊急通報装置」を備える必要がある「ファイブスター賞」 日産自動車株式会社は1月24日、自動車アセスメント(JNCAP)で、「衝突安全性能」と「予防安全性能」等を統合して評価する総合評価「自動車安全性能2022」において、「サクラ」が最高評価「ファイブスター賞」を獲得したと発表した。兄弟車の「三菱eKクロスEV」も同様に獲得した。 「サクラ」の「ファイブスター賞」獲得は、「デイズ」(2020年度)、「ルークス」(2021年度)に続き軽自動車として3車種目で、軽自動車EVとしては初の受賞である。ガソリン車も含めて日産の軽自動車の安全性の高さを改めて示したことになる。 JNCAPは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により自動車の安全性能を評価・公表するもの。最高評価となる「ファイブスター賞」は、「衝突安全性能評価」と「予防安全性能評価」の両評価で最高ランクを獲得し、かつ「事故自動緊急通報装置」を備えた車両のみに与えられ、審査は大変厳しいものとなっている。 「サクラ」は、「高強度安全ボディ(ゾーンボディ)+歩行者傷害軽減ボディ」と「7つのエアバッグ」による普通乗用車にも匹敵する衝突安全性能に加え、検知対象を人が乗車している自転車にも拡大した「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」などの先進安全装備で構成される「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を採用している。 さらに「リーフ」の開発で培った技術を投入することで「衝突後の感電保護性能評価」もクリアし、軽EVの安全性の高さを実証した。 バッテリーパックの衝突安全基準が「サクラ」を頑丈なボディにしたか 日本の軽自動車は、車体の外寸が限られるなかで室内寸法を最大限に広げるという設計のものが多く、衝撃吸収部分がどうしても少なくなりがち。その中での評価獲得には、重くなりがちなEVでも高い安全性を確保するという日産の軽自動車に対する安全性の取り組み、そして開発陣の高い志があったのだろうと評価できる。

TAG: #eKクロスEV #JNCAP #THE視点 #サクラ #三菱 #日産 #福田雅敏
TEXT:岡崎 宏司
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第4回:MINI Eのヤンチャぶりに惹かれた!

わが家にMINI Eがやってきた 前回は、主にスマートed のあれこれを書いたが、今回は「MINI E」について書く。 MINI Eとは、「EVの可能性や問題点を世界規模で掬い上げること」を目標に作られた実証実験車。アメリカ市場の450台を筆頭に、世界の市場に送られた。 日本での実証実験は、2011年の早い時期から始まったと記憶している。 ちょっと乗るだけの安易な試乗ではなく、一定期間続けて乗ってもらい、日常的な使用条件下での評価やデータを引き出す…といった、大規模で真剣な取り組みだった。 日本に何台来たのかは忘れたが、わが家には、たしか2週間ほど滞在したかと思う。 艶やかなチタングレーにライトイエローのアクセントが素敵 それより半年ほど前、MINI E は日本でお披露目された。東京ビッグサイトで開催された「BMW Group Mobility of the Future -Innovation Days in Japan 2010」がその舞台。 外見的にはMINIそのもの。だが、艶やかで深みのあるチタングレーのボディ、ライトイエローのルーフとドアミラーという装いは、とてもスタイリッシュ、かつ未来的に見えた。 ボディサイドの……これもライトイエローで描かれた「MINI+ 電気プラグを表すEmoji」もカッコよかった。 会場の照明は落とされ、舞台だけが、それもMINI E だけが、非日常的なインパクトで浮かび上がっていた。この演出とライティングは巧みだった。僕は完全に惹き込まれた。 もし、MINI Eが市販され、このデザインがカタログにあったら、僕は一も二もなく、これを選ぶだろうと思った。 印象的なライトイエローはインテリアにも使われていた。ダッシュボードとドアトリムに組み込まれたライトイエローのアクセントにも、僕はコロリとイカれてしまった。 基本的には市販モデルと同じインテリアなのに……僕には強烈なインパクトだった。まだ乗ってもいないのに、「僕の次のクルマはこれだ!」と心に決めた。 僕のクルマ選びに当たって、いちばん大事なのはデザイン、次に大事なのはブランドだが、どちらも文句なし。加えて、新たな時代を駆け巡ることになるだろうEVなのだから、これは買うしかない。そう思ったのだ。 2シーター、50:50、低重心、鋭い加速と強力な効きの回生ブレーキ……。楽しくて仕方がない 35kWhのリチウムイオン電池は後席部に搭載する。だから、MINI E は二人乗りだ。この潔さも僕は気に入った。「さすが、MINIのやることはカッコいい!」とさえ思った。 電池重量は260kgとされたが、現在の電池よりはるかに重い。ちなみに、僕のプジョー e-208GTは50kWhで235kg。これからも電池はどんどん進化してゆくだろう。 後席を潰して2座席化したが、重量配分はほぼ50:50にされ、当然重心も低い。 ルックスは一目惚れだったが、ステアリングを握って、その気持ちはさらに加速。それも猛烈に加速した。 発進する時、下手にアクセルを踏み込むと前輪は激しく空転。強いトルクステアもでた。でも、そんなヤンチャぶりにも惹かれた。 EVの楽しさは、アクセルを踏んだ時の鋭角なトルクの立ち上がり、加速のレスポンスにあるが、MINI Eはその見本のようだった。 もうひとつ、惹きつけられたのは「回生ブレーキ」。「こんなのあり!?」と思ってしまったほど強力な効きに、初めは戸惑った。でも、慣れるにつれて「楽しくて仕方がない」状態に引き込まれていった。 文字通り「アクセルペダルのコントロールだけ」で自在に走らせられた。縦横無尽に加減速をコントロールできた。僕は完全に依存症状態になってしまった。 一般論で言えば、明らかに過剰な設定だったとは思う。……が、僕は「このまま」市販してほしいと心から思った。 MINI Eの開発者たちは「EVの楽しさ」をフルに詰め込んだ。市販モデルには無理だとしても、実験車に触れる人たちには「EVって、こんなにドキドキ、ワクワクするんだよ!」と伝えたかったのだろう。 もし、MINI Eが、ほぼあのままで市販されていたら、僕の「EV第1号」になっていたのは間違いない。そして毎日、「走りたくてしょうがない症候群!?」にかかっていたのも間違いないだろう。 第5回はこちら

TAG: #EVは楽しい! #岡﨑 宏司
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
テレビシリーズのルパン三世と言ったら「アレ」ですよね!? ファン垂涎のフィアットとルパン三世の2024コラボキャンペーン第2弾スタート
ヒョンデが累計生産台数1億台を達成! 特別展「One step further」をソウルで開催中
日産が「V2G」を英国で運用開始! EVの蓄電池化がますます加速
more
コラム
中国でテスラ・モデルY包囲網が形成! この先日本上陸予定のZeekerの新型モデル7Xもまた脅威の中身だった
注目を集めるソニーホンダのEV! まもなく登場「アフィーラ」の「懸念点」と「期待できる点」
ホンダが中国で厳しい販売台数の落ち込み! 新EVの「Lingxi L」で巻き返しなるか?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
バスや電車を降りたあとの「足」に続々新提案! ジャパンモビリティショーに展示された「電動小型モビリティ」3台をリポート
「ルパン一味がフィアットと手を組んだだと? ルパ〜ン逮捕だ」 フィアット600e発売を記念した「ルパン三世」とのコラボキャンペーン実施
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択