福田 雅敏 記事一覧

SDGs 氷上電気カート競技会 ERK on ICE(photo=日本EVクラブ)
TEXT:福田 雅敏
EVカートでアイスダンス……氷上EVカート競技「ERK on ICE」の申込みが9月9日まで

腕に関係なく参加が可能 日本EVクラブは、新感覚のEVモータースポーツ「第4回SDGs氷上電気カート競技会 ERK on ICE」を開催する。 筆者は第1回からこの「ERK on ICE」にスタッフとして参加している。「ERK on ICE」は、普段モータースポーツとは無縁のアイススケートリンクを使用し、電動レーシングカート(ERK)を滑るように走らせるイベント。普段味わうことができないクルマの挙動の面白さを体験できる唯一無二の機会である。 レース経験やテクニックに応じたクラス分けをしているため、経験を問わず気軽に申し込め、無理なく楽しめる内容となっている。3回目の開催となった昨年は、小学生や障害を持った方も参加し、氷上での新しいEVモータースポーツへの関心の高まりと同時に、裾野の広がりを感じた。

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モリタ・メビウス・コンセプト(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
消防にも電動の波……「東京国際消防防災展」にて国内大手「モリタ」がEV消防車を初公開

5年ぶり開催の消防展は電動化が目立つ展示内容 日本最大級の消防・防災に関する展示会「東京国際消防防災展2023」(主催:東京消防庁/東京ビッグサイト/東京国際消防防災展2023実行委員会)が、6月15日〜18日に東京ビッグサイト<東京都江東区>にて開催された。 本イベントは5年に1度のペースで開催されており、今回は11回目となる。出展数は、前回を上回る325社・団体となった。 展示内容としては、「消火・救急・救助・避難・誘導」「防災・減災・災害対策」「情報システム・通信サービス」「消防防災に関する製品・サービス・その他」の4分野に加えて「非常用電源」の展示、そして東京消防庁が、火災・災害から身を守るための最新の技術や注目の製品を紹介していた。また、国内外の消防車のほか、レストアされた消防車や米軍基地所属の消防車も多数展示された。 筆者は今年に入ってから、チューニングカーから建設機械に至るまでさまざまな展示会に足を運んでいるが、全てにおいて電動化が進んでいることが確認できた。今回は消防であるが、やはりここも同様である。今回はEVの消防車ほか関連する車両・機器について写真とともにレポートする。 帝国繊維、デザインも美しいオーストリア製「ローゼンバウアーRT」を出展 まずは、「デイリーEVヘッドライン」でもお伝えした、オーストリアの「ローゼンバウアー」(輸入元:帝国繊維)のEV消防車だ。「ローゼンバウアーRT」は欧州車ともあり、日本車とは違うそのボディデザインとも相まって、会場でひときわ目立っていた。 ボルボのパワートレインを採用した前後2モーター式の全輪駆動に、4WS(全輪操舵)機能も備える。ちなみにモーターは、1基あたりの最高出力が180kW(245ps)なので、システムの総合出力は360kW(490ps)となる。   バッテリーは、電圧が650V・最大容量132kWh(66kWh×2)のものに、バックアップ用として225kW(306ps)のディーゼルエンジンを積む。厳密に言えば、この車両はプラグイン式のシリーズ型ハイブリッド車(PHEV)であり、長時間に及ぶ作業にも対応が可能となっている。 他にも帝国繊維のブースでは、「Vetter EIS」EV隔離消火システムも展示。EVの火災消火後の再燃を防ぐため、一旦消火した後に「Vetter EIS」で車両を包み、その中に水を入れて消火する。 モリタホールディングス、「三菱ふそう eキャンター」ベースのEV消防車を国内初公開 モリタは、日本初となるEV消防ポンプ自動車「MoEVius concept(メビウス・コンセプト)」を展示。 三菱ふそうの「eキャンター」をベースに、独自開発した「ePTO」(電動ポンプ駆動システム)と「e-Fireポンプ」(EV専用ポンプ)を搭載し、高いエネルギー効率を実現。2024年の発売に向け開発中と言う。 合わせて、今後登場するであろうEV消防車のための汎用ユニットで、ePTOとe-Fireポンプを一体化させた「MoEVius(メビウス)」(EN規格準拠 搭載型電動水ポンプ)を展示していた。 また、多目的消防戦術ロボット「ウォルフR1」を展示。バッテリー駆動の遠隔操作型消防用ロボットで、2,000L/分の電動放水銃を装備。倉庫火災・トンネル火災など危険な現場で威力を発揮するという。 東京消防庁、「トヨタ・ミライ」ベースの査察広報車を出展 今回の主催者でもある東京消防庁は、様々な消防車両を展示・デモをしていた。EV関係では、FCEVの「トヨタ・ミライ」、「三菱エクリプスクロスPHEV」をベースにした査察広報車を出展。災害現場での情報収集や広報活動を支援する車両だという。 またEVの特殊救急車として国内で初めて導入(2020年)された「日産NV400」を展示。この車両は欧州仕様となる。バッテリー容量は33kWhで130kmの航続が可能。電動ストレッチャーまで装備する。 ここまで大手を中心に紹介したが、展示されていた電動系の消防機器はこれだけではない。次回は後編として、電動の消防支援車両・機器を紹介したい。

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TEXT:福田雅敏
ZFジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスが商用汎用EVプラットフォームコンセプトを発表

5月16日、ゼット・エフ・ジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスの3社合同で、新たな商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform(エナリティプラットフォーム)」とバッテリーを主軸としたエコシステム「Energy meets mobility」の発表が行われた。 用途に合わせて自由にデザインできるEnerlity Platform まず、ゼット・エフ・ジャパンの多田直純社長より商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform」が発表された。 「Enerlity Platform」のEnerlityは、energy(エネルギー)とMobility(モビリティ)を掛け合わせて名づけられた。今回はこのプラットフォームを用いた、低床の商用EVバンが発表された。35kWhのバッテリーパックを床下に3パック(合計105kWh)置き、後輪駆動、AKC(アクティブ・キネマティクス・システム、後輪操舵システム)を持つロングホイールベースであることが特徴だ。 今回のイメージでは、後輪がステアするため、狭い場所での縦列駐車も可能としており、後部のドア(リアゲート)を持たないという。荷物の出し入れは、横のスライドドアから行う配送向けラストワンマイルを狙ったEVだ。 その後輪に配置されたイー・アクスル(モーター一体型駆動装置)は、350kWと大出力とされるが、最大積載量は明らかにされなかった。 会場内にEVである、「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC」が展示されていた理由は、EQSにも、ゼット・エフ製の後輪ステア機構が装備されていたからだった。 「Enerlity Platform」のコンセプトは、アッパー・レイヤーに、フレキシブルなデザインのボディを乗せることを可能としており、ミッド・レイヤーには、電動制御、ADAS(先進運転システム)等アーキテクチャーが乗り、ボトム・レイヤーには、バッテリー、イー・アクスルなどモーションコントロールが乗る3層構造となっていることだ。 ゼット・エフ・ジャパンが提案するのは、ボトムとミッドのレイヤーを構成するサスペンションシステムとシャシーの統合制御を行うソフトウェア「cubiX」や「ADAS」、イー・アクスルなどの製品と技術だ。 この「Enerlity Platform」に搭載されるバッテリーは、2年程度の使用後に、まずは定置型にリユースされる。その後、再度リチウムイオン・バッテリーに生まれ変わるというサイクルを想定している。

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TEXT:福田 雅敏
日本EVクラブが電気カート組立教室を開催

3月5日、一般社団法人 日本EVクラブ(代表:館内 端)主催による、子どもゆめ基金助成活動「自動車と地球温暖化の関係を学ぶ」電気カート組立教室が東京お台場の東京国際交流館で行われた。 地球温暖化を考える座学からスタート 4年目となるこの教室では、電気カートを組み立てることで電気自動車の仕組みについて理解し、自動車と地球温暖化の関係をみんなで学ぶことが趣旨となっている。対象者は、小学4年生~中学生となっていたが、小学2年生も参加しており、保護者同伴で、午前、午後の2部制で、合計12組の参加があった。 まずは「地球温暖化と電気自動車の話を聞こう!」という座学から始まる。講師は、日本EVクラブ代表で自動車評論家の館内 端氏である。自動車の出すCO2は、地球温暖化の大きな原因。この講義ではそもそもCO2とは何か?ということから、地球温暖化と自動車の関係を大人も子供も一緒に学ぶ。「子供たちが未来に自動車を使えるようにするにはどうしたらいいか」というテーマで、子供たちにもわかりやすいように30分間の講義が行われた。 いよいよ電気カートの組立へ! 次に、「電気カートの組立を体験しよう!」では、タイヤ、バンパー類、カウル、バッテリー配線(鉛バッテリー)などが事前にバラらされており、それらを組み立てる。まずは構造確認ということで、電気カートの主要部品について講師からそれぞれパーツの説明があり、モーター、バッテリー、モーターを制御するコントローラー、アクセルなどを現物で確認する。簡素な構造の電気カートに触り、パーツの形や重さを感じて、電気カートの原理をリアルに体感していた。 そのあとは、カートの組立の前に、実際の配線の製作作業を行う。今回の教材のバッテリーは鉛式で、カートの左右に2個ずつ計4個が搭載されている。その左右の2個のバッテリー同士をつなぐ配線を実際に作ってみる。まずは銅の配線を覆っている皮むきから。カッターで皮をむき、そこに端子を取り付ける。カシメ工具を使用し端子と配線をカシメて固定。カシメは結構力のいる作業のようで、必死になって行っていた。そして、端子のむき出し部分を絶縁テープで覆う作業まで一通りこなす。   そして、電気カートの組立。3グループずつに別れて、基本的に子供たちが作業する。まずは、外されていた前後のタイヤの空気入れから。空気を規定圧まで入れ、カートにタイヤを装着。工具を使用しナットを締める。次に先ほど製作した配線を2個のバッテリー間をつなぎボルトで留める。ここではバッテリーの端子を傷めないためにトルクレンチを使用する。これで電気が通電したはずだ。 最後に外されていた、サイドカウル、リアバンパー、リアカウルを取り付ける。ここで一通り作業が終わったので、「火」入れ式。講師指導のもと、初めにメインスイッチを入れ、次にサブスイッチを入れ、起動ランプの点灯を確認。そして、おっかなびっくりアクセルを踏んでみる。無事タイヤが回り、ブレーキを踏んでタイヤを止める。ここまでおよそ30分で作業は無事終了。子供たちは大喜びだった!

TEXT:福田雅敏
電気自動車(EV)は「ドリ車」になるか、現役EVエンジニアが考察[THE視点]

エコが売りの電気自動車でも、タイヤを鳴らして限界まで攻めて走ってみたい、というのはクルマ好きの隠すことのできない願望だろう。しかし果たしてそれは現実的なのか、エンジニアによる考察をお届けする。 電気自動車(EV)の後輪駆動化が世界でトレンド 昨今、電気自動車(EV)は後輪駆動(RWD)が増えている。新型車はもちろんだが改良型においてもだ。例えば新型車では「フォルクスワーゲン ID.4」がそうだし、「ボルボ XC40リチャージ」は欧州で従来の前輪駆動(FWD)からRWDに変更された。何より「東京オートサロン2023」では「トヨタ AE86型カローラ・レビン」のEVが展示された。 RWDは車好きにとってはひとつのステータスだろう。さらに言えば「EVでドリフトは可能なのか」と考えるマニアもいるのではないだろうか。そこで今回は「EVのドリフト」について現役EVエンジニアの視点から考えてみた。 駆動装置(イー・アクスル)などの小型化が後輪駆動化に寄与 これまで販売されてきたEVは、FWDもしくは四輪駆動(AWD)が多かった。理由のひとつは従来のエンジン車のプラットフォームを使用していたこと。多くのエンジン車はFFが主流なので、EVもそのままFWDとなったと考えられる。 もうひとつの理由は制御系統。従来のインバーターや駆動用モーターはサイズが大きかった。それらをボンネットの下にまとめた方が効率的なのだ。そしてFWDの方が回生ブレーキの効率が高いことも理由にあると思う。 しかし技術はあっという間に進歩し、今後の主流となるであろう機電一体の駆動装置「e-AXLE(イー・アクスル)」に小型高出力のものが出てきた。そのおかげでユニットを前輪・後輪のどちらにも載せやすくなり、RWD化が進むようになった。RWDのメリットは後輪のトラクションの良さだ。ちなみに筆者も長くBMW(エンジン車)に乗っており、RWDはお気に入りである。 またRWD化では意外なメリットがある。それが積載性。小型の「e-AXLE」を使えばボンネットの下にスペースができることから、テスラのようにフロントにトランク(通称フランク)を持たせるEVが増えてきている。なんと先日発表されたEVピックアップトラック「ラム1500REV」にもフランクが備えられた。フランクは荷物を載せるのに大変便利である。この利便性の向上も少なからず影響しているのではないだろうか。 ともあれ、クルマ好きにとってRWDとくれば「ドリフト走行」を考える人は多いのではないだろうか。「東京オートサロン2023」で公開された「AE86」は、筆者にEVのドリフトマシンの登場を想像させてくれた。この「AE86」は、エンジンをモーターに変えただけの仕様。つまりFRレイアウトのEVであり、そのままドリフト走行が可能だ。

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TEXT:福田 雅敏
[THE視点]現役エンジニアが見抜いた「日産サクラ」JNCAPファイブスター獲得の要因

「衝突安全性能評価」「予防安全性能評価」の最高評価に加えて、「事故自動緊急通報装置」を備える必要がある「ファイブスター賞」 日産自動車株式会社は1月24日、自動車アセスメント(JNCAP)で、「衝突安全性能」と「予防安全性能」等を統合して評価する総合評価「自動車安全性能2022」において、「サクラ」が最高評価「ファイブスター賞」を獲得したと発表した。兄弟車の「三菱eKクロスEV」も同様に獲得した。 「サクラ」の「ファイブスター賞」獲得は、「デイズ」(2020年度)、「ルークス」(2021年度)に続き軽自動車として3車種目で、軽自動車EVとしては初の受賞である。ガソリン車も含めて日産の軽自動車の安全性の高さを改めて示したことになる。 JNCAPは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により自動車の安全性能を評価・公表するもの。最高評価となる「ファイブスター賞」は、「衝突安全性能評価」と「予防安全性能評価」の両評価で最高ランクを獲得し、かつ「事故自動緊急通報装置」を備えた車両のみに与えられ、審査は大変厳しいものとなっている。 「サクラ」は、「高強度安全ボディ(ゾーンボディ)+歩行者傷害軽減ボディ」と「7つのエアバッグ」による普通乗用車にも匹敵する衝突安全性能に加え、検知対象を人が乗車している自転車にも拡大した「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」などの先進安全装備で構成される「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を採用している。 さらに「リーフ」の開発で培った技術を投入することで「衝突後の感電保護性能評価」もクリアし、軽EVの安全性の高さを実証した。 バッテリーパックの衝突安全基準が「サクラ」を頑丈なボディにしたか 日本の軽自動車は、車体の外寸が限られるなかで室内寸法を最大限に広げるという設計のものが多く、衝撃吸収部分がどうしても少なくなりがち。その中での評価獲得には、重くなりがちなEVでも高い安全性を確保するという日産の軽自動車に対する安全性の取り組み、そして開発陣の高い志があったのだろうと評価できる。

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TEXT:福田 雅敏
[THE視点]現役エンジニアがチェックするソニー・ホンダモビリティ「アフィーラ」の途中経過

ソニー・ホンダモビリティ(以下、SHM)は「CES 2023」でEVブランド「アフィーラ」を発表し、そのプロトタイプを公開した。 「アフィーラ(AFEELA)」の名前の由来は、モビリティ体験の中心に在る“FEEL”を表したものだという。プロトタイプのコンセプトは、3A(Autonomy, Augmentation, Affinity)の具現化だ。 加減速やハンドリングなどの物理的性能に加え、「モビリティの価値がソフトウェア、ネットワーク、インターフェイスに代わっていく」と定義し、アフィーラの外観的な特徴として「メディアバー」を紹介。知性を持ったモビリティが光で語りかけるイメージで、フロントグリルに位置し「クルマの外側とコミュニケーションできる」ものだという。 スタイリングは、先に発表済みのVISION-Sより大人しく感じられた。これは多数搭載されたセンサー類が無駄なく機能を発揮するように、死角をなくすためではと推測する。

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TEXT:福田 雅敏
日本市場で存在感を増す新興EVメーカー……EV開発エンジニアのオートサロン探訪[その2]

世界最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2023」が1月13日から15日まで幕張メッセで開催された。今回の「オートサロン」には、多数のEVも出展されると聞いた。そこでEV開発エンジニアであり本媒体のエグゼクティブアドバイザーである福田雅敏が現地に赴いた。その現場をレポートしたい。今回は「その2」をお送りする。 超合理的に作られた1人用超小型EV、KGモーターズ「ミニマム・モビリティ・コンセプト」 今回気になっていた展示車が、スタートアップ企業「KGモーターズ」(広島県)が開発した「ミニマム・モビリティ・コンセプト」だ。展示されていたブースは、テスラが認めたカスタマイズパーツを扱うアフターパーツメーカー集団「テスラ・アライアンス」の一角。車両は小さいながらも、異彩を放っていた。 今回実車が初公開された「ミニマム・モビリティ・コンセプト」は、既に発表済みの軍用車にも似たものとは異なり、愛着のわく可愛い原付4輪EVとなっていた。かなり特徴的なスタイリングだ。 ボディサイズは全長2,450×全幅1,090×全高1,500mmとなる非常にコンパクト。80年代のポラロイドカメラをモチーフにレトロ感を演出しながら、前後左右対称という近未来的なデザインとなっている。フロントから見ると、なんだかポーランド製の「フィアット126」を想起させる雰囲気があった。 このボディデザインには理由がある。この形とすることで、ひとつの整形型で左右のボディパネルが作れる。すなわち合理的にコストダウンができるのだ。ガラスもコストを抑えやすい平面ガラスを使用している。 走行性能は、定格出力0.59kW(0.8ps)、最高出力5kW(6.8ps)、航続距離は100kmと控えめだが、エアコンがついており、1人用のチョイ乗り下駄代わりとしては十分だ。展示された試作車は日本製の部品で組み上げたというが、今後中国製のバッテリー等も検討し100万円を切る価格での販売を目指すという。100万円で100km走れるEVというのは魅力的ではないだろうか。 現在はモニターを募集中で、月額1万円で2ヵ月100人を募集しているという。興味ある方はぜひKGモーターズに問い合わせてみてはいかがだろうか。

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TEXT:福田 雅敏
クルマ好きのカーボンニュートラルを体現したトヨタ……EV開発エンジニアのオートサロン探訪[その1]

世界最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2023」が1月13日から15日まで幕張メッセで開催された。今回の「オートサロン」には、多数のEVも出展されると聞いた。そこでEV開発エンジニアであり本媒体のエグゼクティブアドバイザーである福田雅敏が現地に赴いた。その現場をレポートしたい。今回は「その1」をお送りする。 クルマ好きを見捨てず未来に繋ぐ理想の「AE86」 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ・ガズー・レーシング、以下TGR)のブースでは、モリゾーこと豊田章男社長が登壇し、2台のコンバージョンゼロエミッション車(ZEV)を紹介した。 そこで展示されたのは、GAZOO RACINGが開発した「AE86」型の「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」の2台。 「レビン」のほうは、ギアボックスやクラッチなどはそのまま使用し、エンジン部分をモーターに置き換えた3ペダル式MTのEV。おそらく量産車のモーターとインバーターを搭載したものだ。 バッテリーパックにはプリウスPHVのエンブレムが貼られており、こちらも既存車のものを使用しているのだろう。そのパックにはレクサスのエンブレムも見つけた。担当者に聞いたところ、この「AE86」の開発にはレクサスのエンジニアが携わっているという。 もう一方の「スプリンター・トレノ」は、「AE86」のノーマルエンジンである「4A-G」型のエンジンブロックを活用し燃料を水素化したものだ。既存技術が流用できるのが水素エンジンのメリットだ。 発表が行われたステージで章男社長は「クルマ好きを誰ひとり置いていきたくない。クルマ好きだからこそできるカーボンニュートラルを進めたい」と語った。今回発表された2台はまさにカスタムカーであり、オートサロンにふさわしいコンバージョンの提案である。2050年のカーボンニュートラルはこれからの新車をすべてZEVにしても達成できない。既存車両の排ガスも減らす必要がある。逆にいえばZEVコンバートは既存車両を脱炭素社会でも生かすことができるというものだ。 既存の車体やエンジンを利用し、「愛車」をそのまま温存するという今回の提案は、名車を保存しながらゼロエミッションの未来へと繋げることができる。クルマ好きにとって理想に近いのではないだろうか。

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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