試乗
share:

気持ちいい。速さで攻めるのでなく、情感に訴える走りっぷり。[フィアット500e試乗記:その4]


TEXT:嶋田 智之
TAG:

0-100km/h加速は歴代チンクチェントで最速

そしてもうひとつの「シェルパ」モードだが、これはナビゲーションシステムで設定した目的地や最も近い充電ステーションに確実に到達できるよう、バッテリーの消費を極力抑えようとするモード。航続距離を稼ぐために最高速度を80km/hに制限し、アクセルレスポンスも調整し、空調装置やシートヒーターなどもオフにする。僕自身はこのモードを使わなきゃならないところまでは踏み込めていないのだが、これもオーナーさん数人に訊ねたところ、何度か助けられたことがあるという声があったので、望外に有効なのかもしれない。

そしてスポーツモード……はない。僕も最初は意外に思ったものだったが、実はノーマルモードの状態で持てるパワーとトルクの100%を使える設定になってるのだという。アクセルペダルをグッと踏み込むと、その姿からすると意外なほどのダッシュを見せる。先述のように“いかにもBEV”な唐突感のある加速の仕方はしないのだが、スムーズに力強く加速していき、なかなか爽快なフィールなのだ。

0-100km/hが9.0秒という数値はもちろん歴代フィアット500の中で最強。数値的にも感覚的にも、少し前までアバルトのラインナップにあった「595」のベースモデルに近いといえば、実力のほどを察していただけるだろうか? 

ただ、がんばってパワーやトルクを使い切ろうとしなくても充分に力強いから、普通に走っていて不満を覚えることはないし、ましてやじれったさを感じることなんて一瞬たりとてなかった。ただただ気持ちいいなと感じるばかりだったのだ。

<その5へ続く>

 

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
ヒョンデが累計生産台数1億台を達成! 特別展「One step further」をソウルで開催中
日産が「V2G」を英国で運用開始! EVの蓄電池化がますます加速
納車からわずか1か月でEVレースに参戦した「ヒョンデ・アイオニック 5 N」が総合優勝の快挙! さらにレースファステストまで獲得するパーフェクトウィン
more
コラム
注目を集めるソニーホンダのEV! まもなく登場「アフィーラ」の「懸念点」と「期待できる点」
ホンダが中国で厳しい販売台数の落ち込み! 新EVの「Lingxi L」で巻き返しなるか?
無人運転可能な「ロボタクシー」をたった「450万円」で2026年に一般販売するってマジ!? いまテスラから目が離せない!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
バスや電車を降りたあとの「足」に続々新提案! ジャパンモビリティショーに展示された「電動小型モビリティ」3台をリポート
「ルパン一味がフィアットと手を組んだだと? ルパ〜ン逮捕だ」 フィアット600e発売を記念した「ルパン三世」とのコラボキャンペーン実施
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択