#500e
TEXT:TET 編集部
サソリの毒をまるっと1日味わい尽くせ! アバルト500eの1日試乗キャンペーンが開催中

エンジン音にこだわったEVホットハッチを試すならいま! ステランティスジャパンが展開するサソリのエンブレムでおなじみのアバルトが、ブランド初の電気自動車 「Abarth 500e(アバルト チンクエチェント イー)」の特別試乗キャンペーンとなる「BE A BUDDY!Abarth 500e 1DAYモニターキャンペーン」を開催中だ。 このキャンペーンでは、EVとして生まれ変わったアバルト500eを1日たっぷりと試乗することができる。「EVなのにエンジン音にこだわった」といわれる、サウンドジェネレーターから鳴り響く独特な疑似エンジン音や、電気自動車ならではのさまざまな特長も体感できる絶好の機会だ。 また、キャンペーン参加者には、アバルトオリジナル「ステンレスマグカップ」がプレゼントされる。 根っからのホットハッチ好きだけでなく、ポップな見た目と熱い走りから、老若男女を問わず高い支持を集め、いまだ人気が衰えることのないガソリンモデルのアバルト500/595。その血を受け継ぐEVホットハッチのアバルト500eには、どんなサソリの毒が盛られているのか、この機会に味わってみてはいかがだろうか。 「BE A BUDDY!Abarth 500e 1DAYモニターキャンペーン」開催概要 期間   :2024年4月8日(月)~ 6月28日(金) 特設サイト:https://www.abarth.jp/cp/1day-500e-monitor/ 対象車両 :アバルト 500e ツーリズモ ハッチバック/アバルト 500e ツーリズモ カブリオレ

TAG: #500e #アバルト #ホットハッチ #モニターキャンペーン
TEXT:岡崎 宏司
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第14回:フィアット 500eは気になる存在です

フィアット 500eのドライブでは『ローマの休日』へ岡崎さんは思いを馳せたそう。上質で知的な印象の一台に、そうとう心が動かされたご様子です。 e-208GTに満足する一方で 何度も繰り返しているが、現在の愛車、プジョー e-208GTには満足している。 デザイン、ブランド、サイズ、走り味……みんな気に入っている。不満があるのは不整路面での乗り心地くらいのもの。 わが家に来てから2年半経つが、他車に買い替えたいと思ったことはない。車検を取って乗り続けようとさえ思っている。 けっこう移り気!?で、車検を取って乗り続けるなど滅多にない僕には、かなり珍しいこと……なのだが、どうもそうなりそうだ。 まぁ、今までのところ、コンパクトサイズBEVの選択肢が少ないこともあるのだが。 500eには、心動かされる その少ない選択肢の中で、心を動かされたクルマが1台だけある。僕の好みを知る人なら、たぶん言い当てるだろうが……そう、フィアット 500eには心を動かされた。 ちょっぴりヤンチャでチャーミングな500のルックスは基本的に受け継ぎ、サイズを一回り大きくして、上質さ、プレミアム度をグンと高めたデザインは見事だ。 そう……上質さ、プレミアム度という点では、わがプジョー e-208GTを大きく上回っている。内外装ともに……。 「電動開閉式ソフトトップ」があることにも心を動かされた。全開にすると、ほとんどフルオープンに近い開放感が得られる。 それでいながら、すべてを周囲に晒してしまうことがない。スモークの入った窓ガラスを閉めれば、ほぼプライバシーは保たれる。 風の巻き込みもよく抑えられている。少なくとも80km/h 辺りまでなら、「髪の乱れ」も気にならない。女性には喜ばれるはずだ。 走行中のソフトトップからの音も低い。精度の高い造り込みの証といっていい。 そんなことで、フィアット500e コンバーチブルの日常性は非常に高い。大きなチャームポイントのひとつといっていい。

TAG: #500e #e-208GT #EVは楽しい!
TEXT:嶋田 智之
「らしさ」に溢れるフィアットの走りは健在![フィアット500e試乗記:その5(最終回)]

前回に続く、フィアット500eの試乗記もいよいよ最終回。’70年式のチンクエチェントを普段アシとして乗っているモータージャーナリスト嶋田智之氏は、500eにも連綿と受け継がれるfunな乗り味を感じるという。 70年代のチンクエチェントから受け継ぐ乗り味 ここまであれこれ書き連ねておいて何だが、僕は日頃、1970年式フィアット500L、つまり2代目500をアシにしている。そのクルマもそうなのだけど、2代目500はステアリングを操作して前輪が反応した瞬間に後輪まで反応して、全身で旋回に入っていくかのような、曲がる楽しさを持っている。タイヤは糸のように細いしサスペンションもヤワといえばヤワだから、コツを要するのも確かだけど、とにかく楽しい。普通の感覚からすれば目が醒めるほど遅いのだけど、意外やスポーティなところがあるのだ。 そのおもしろさは3代目500、つまり現行の内燃エンジンの500にもちゃんと受け継がれていて、エンジンの搭載位置も駆動レイアウトもサスペンション形式も変わっているにも関わらず、さらに爽快なコーナリングを楽しむことができる。いうまでもなく現代的に進化してるしコツを要するクセなども綺麗に払拭されてるから、それを誰もが味わえる。 BEV版の500eもその3代目と同じように、長きにわたって愛された2代目500のテイストをちゃんと受け継いでいるのだ。それも、さらにいいかたちで。ここが鈍いと“らしさ”に欠けるよな、なんて500ファンの一人として思っていたのだけど、いやいや、とんでもない。最初にコーナーを曲がった瞬間からその“らしさ”がちゃんと感じられて、思わずニンマリした。 しかもバッテリーをフロアに敷いたことによる重心の低さがしっかり活かされていて、そのコーナリングの感覚、コーナリングスピードともに間違いなく歴代ナンバーワン、と断言してもいいくらい。BEVであることが、ここでも大きなメリットになってるのである。そういえば直進安定性も乗り心地のよさもエンジン版をしのいでると感じられたものだが、それはエンジン版より300kg+α余分に重いことを見事に活かしたシャシーのチューニングが行われてるからにほかならない。 >>>次ページ 充電環境さえあれば真剣に欲しい

TAG: #500e #BEV #フィアット
TEXT:嶋田 智之
気持ちいい。速さで攻めるのでなく、情感に訴える走りっぷり。[フィアット500e試乗記:その4]

前回までで500eのデザインや歴代から受け継いだヘリテージなどを紹介したが、このクルマの最大の魅力は走りかもしれない。驚くような速さではないのに、運転がとても楽しいのだ。モータージャーナリスト嶋田智之氏がレポート。 ボディが小さく、何より軽い 見てニンマリ、室内に収まってみてニンマリ。だけど走り出してみると、もっとニンマリしてしまう。フィアット500eは、2代目や3代目と同じく、そういうキャラクターを持ったバッテリーEV(BEV)だった。 このクルマは御先祖さまが庶民の日常を支えるシティカーとしての要素が強いクルマであったように、僕たちのような“普通の人”の新しい日常を見据えて作られたクルマなのだと思う。それは成り立ちからも一目瞭然だ。車体をもっとググッと大きく設計してバッテリーの搭載スペースを広く採れば航続距離もさらに稼げるだろうけど、それをしてはいない。 42kWhのバッテリーをフロア下に敷きつめ、118ps(87kW)と220Nmを発揮するモーターでフロントタイヤを駆動するレイアウトだが、機構図を見ると、この車体にシステム全体を収めるのはそう容易なことじゃなかったということが察せられる。 全長3630mm×全幅1685mm×全高1530mm。姉妹ブランドとなったプジョーのe-208よりも、キャラクターが近いといえば近いホンダeよりもコンパクトなのだ。サイズには徹底的にこだわってる。それに500eは軽い。プジョーe-208が1490〜1510kg、ホンダeが1540kg。対する500eはクローズドルーフが1320〜1330kg、オープントップで1360kgに過ぎないのだ。 その小ささと軽さは、あらゆる場面で活きてくる。走りはじめた直後から“楽しいな”、“気持ちいいな”と感じられるのだ。BEVによくあるいきなりドーン! とトルクを立ち上げるような制御はしてないようだが、ゼロ発進から高速道路の巡航まで、パワーとトルクのデリバリーが絶妙に行き届いていて、微速域でも高速域でも扱いやすい。いかなるときも滑らかだし、反応も素直。そして何よりクルマが伝えてくるフィーリングが、軽やかでとってもいい。 おもしろいのは走行モードを切り換えることで、クルマが激変といえるくらい変わること。「ノーマル」モードでは内燃エンジン版の現行チンクエチェントを走らせてるのと同じように、加減速も含めてとても自然な感覚で走れる。アクセルペダルをオフにしても、BEVっぽい減速感はほとんどやってこない。BEVっぽさが苦手な人にはこのモードはものすごく有効だし、高速道路などをクルーズするときにはこれを選ぶ方が疲れも少ないだろう。 「レンジ」モードに切り換えると、アクセルペダルだけで発進から停止までをまかなえるようになる。より強力な回生を得ることができるようになり、一気に“BEVに乗ってる”という感覚が強くなる。慣れてしまうとペダルひとつ、右足ひとつで走るこのモードが楽しくなって、こればかりを多用するようになる人が多いようだ。何人かの500eオーナーさんに訊ねてみたが、皆一様に同じ見解を語ってくださった。僕も高速巡航以外はずっとレンジモードに入れっぱなしだった。内燃エンジンのクルマでは決して味わうことのできない、BEVならではのドライビングプレジャーといっていいだろう。 >>>次ページ 0-100km/h加速は歴代チンクチェントで最速

TAG: #500e #BEV #フィアット
TEXT:嶋田 智之
モダンでありながら、ノスタルジーをくすぐるディテール。老若男女を問わない500eはインテリアがいい[フィアット500e試乗記:その3]

フィアット500eは、親しみ感のある外観に負けないほど、インテリアもいい。ただオシャレなだけでなく、’50年代に誕生した2代目500を知る人をも納得させる、チンクエチェントらしいデザインが採用されているのだ。 2代目を知る人ならピンとくるデザイン 500eのインテリアは、これもまた歴史的名車のイメージを巧みに織り込みながら、完全に新しくデザインされている。過去の作品を再解釈したところはあっても、コピーしたところはない。 例えば水平方向に長い楕円を描き中央下側にトレイを配したダッシュパネルのアウトラインや、単眼の丸いメーターナセル。これらは2代目500の鉄板剝き出しのダッシュパネルのまろやかな形状とその下に設けられた棚方のトレイ、目覚まし時計のような独立型スピードメーターの雰囲気を象徴的に描き出したものといえるだろう。またフロントシート間のアームレストの先端には2つのローラー式スイッチが平行に並べられているが、2代目500はそこにスターターとチョークのレバーが配されていた。 では、同じ場所に配される500eのオーディオボリュームスイッチやEVモードセレクターは、2代目の時代には存在しなかった現代ならではのもの。丸いメーターナセル内の7インチフルデジタル式メーターには、スピードのほかパワー/チャージ、バッテリー残量、航続可能距離、ADASのカメラが読み取った道路標識の情報などが表示される。 ダッシュ中央には横に長い10.25インチのディスプレイが配置され、ナビやオーディオなどがタッチ操作できる。その下のトレイは、上位グレードではスマートフォンの非接触型充電を行うための場所。その上部にはエアコン類の物理スイッチ、その下には左からP、R、N、Dのシフトセレクターボタンがレイアウトされている。 実際に使ってみた印象では、メーター類の視認性はいいし、情報量も少なすぎず過剰でもなく、ちょうどいい。スイッチ類はよく使うものが、慣れればブラインドタッチできる物理スイッチとされていて、操作性も良好。インターフェイスはよく考えられてるな、と感じた。 >>>次ページ 細部にまでこだわったクオリティ

TAG: #500e #BEV #フィアット
TEXT:嶋田 智之
コピー&ペーストじゃないのに従来モデルにソックリ。スタイリングは芸術の極み[フィアット500e試乗記:その2]

フィアット500eの大きな魅力はそのデザイン。1950年代のチンクエチェントから続くフォルムを踏襲しながら、コピーは一切なしの新規に描かれたスタイリングをまとう。フィアット・チェントロ・スティーレの卓越したデザインノウハウを、モータージャーナリスト嶋田智之氏が解説。 96%が新設計のブランニューEV 現在のフィアット500のラインナップには、バッテリーEV(BEV)であるこの500eと並んで、内燃エンジンを積む500が存在している。歴史上では3代目となる内燃エンジンの方の500は、2007年のデビュー。トリノで行われたその発表会と試乗会で、2代目500の持つキャラクターや世界観を根本的なところから解釈しなおして時代にマッチした新世代のフィアット500像を入念に創造した、と聞かされた。そして15年以上が経過して今でもフルモデルチェンジなしに生産され、世界中で愛されている。 内燃エンジン版の500とBEVの500eのスタイリングは、たしかによく似てる。なので内燃エンジン版をベースに開発されたBEVモデルだと見られることもあるようだが、それはぜんぜん違う。3代目のときと同じように、1950年代の当時まで遡って、長く愛される新たなBEV版フィアット500というものを模索した結果、生まれてきたクルマだ。 なので、500eはほとんどすべてが新しい。パワートレインはもちろんのこと、プラットフォームもこのために旧FCA時代から着々と開発が進められてきたものだ。全体の96%が新規設計されたもので構成されている。もちろんスタイリングデザインもゼロから線を引き直したもので、フィアット500以外には思えないというのに、かつての名車からそのままコピーしたところはひとつたりとも存在しない。クルマのデザインに従事してる人に訊ねるとほとんどクチを揃えるように似た答えが返ってくるのだが、実はそれ、デザインとしては極めて高度なスキルを要求されるものだったりするそうだ。 全体的にまろやかさを感じられる角のいっさいないフォルム。正面や真後ろから見るとちょっとオニギリっぽい台形のシルエット。1本のラインで車体全体が上下に分割される線構成。どこか笑ってるような顔つき。そのあたりは2代目500も3代目500も、それにこの500eも共通している。 >>>次ページ BEV用プラットフォームだから実現できたデザイン

TAG: #500e #BEV #フィアット
TEXT:嶋田 智之
偉大なるイタリア国民車の精神を受け継いだ、“響く”電気自動車[フィアット500e試乗記:その1]

イタリアの国民車として誕生し、おしゃれコンパクトとして世界的に人気を誇る「フィアット500」シリーズ。4代目はEV専用車として登場した。そんな「500e」の魅力を探るべく、モータージャーナリスト嶋田智之氏が試乗。まずはその歩みを振り返る。 “欲しいかも”と思った唯一のEV 原動機が内燃エンジンなのか、バッテリー+モーターなのか、あるいは内燃エンジン+バッテリー+モーターなのか。それは確かに重要な問題だ。けれど、僕はもっと重要なことがあるんじゃないか? と思ってる。それは1台のクルマとしてどうなのか、ということ。今どきはダメなクルマというのがほとんど存在しないから、ものすごく出来映えがいいか、フツーに出来映えがいいか。ドライビングプレジャーは濃厚なのか、淡白なのか。デザインは印象的か、無味無臭的か。一緒にいて気持ちが上がるのか、逆に平静になれるのか?……と、細かく見ていけばキリもないのだけど、いってみればそれらを踏まえてどう感じるか、ということだ。そこに好みに合ってるか、あまり響かないか、が加わると欲しいか欲しくないかにつながってきたりする。 ここ1〜2年に国内デビューした中にも1台のクルマとして素晴らしい魅力を放ってるモデルがいくつかあったわけだが、その中で唯一“欲しいかも”と感じたバッテリーEV(BEV)がひとつあった。それがフィアット500eだ。 僕もこんな仕事をやってるので、バッテリーとモーターで動くクルマが楽しいし気持ちいいってことは、身体でわかってるつもりだ。内燃エンジンで走るクルマには内燃エンジンで走るクルマの、電気で走るクルマには電気で走るクルマの、それぞれの楽しさと気持ちよさがある。 ただ、個人的なことで恐縮だけど、一発で500kmとか700kmとかの移動が必要になることも少なくない僕のライフスタイルにはBEVはマッチしないし、集合住宅住まいで自宅に充電環境もないからBEV本来のメリットのひとつを活かすこともできない。だからなのか、“いいな”と感じたBEVは過去にもあったけど、“欲しいかも”と感じることはなかった。それだけ強力な求心力や実力やテイストが、フィアット500eにはあるということだろう。 そもそもフィアット500という名前は、1936年から続く歴史のあるものだ。初代の500はコンパクトな車体と機敏な走りっぷりからトポリーノ(=ハツカネズミ)と呼ばれ、現在のように自動車が当たり前となる遥か前の時代に、約20年間で55万台近くが売れたヒット作となった。 けれど、多くの人たちによく知られてるのは、間違いなく1957年にデビューした2代目500の方だ。クルマにそれほど関心がない人でも、「ルパン三世の愛車の丸いヤツだよ」なんて聞けば「あっ、あれ!」と連想できちゃうほどなのだから。 >>>次ページ クルマと楽しさと移動の自由を広めたイタリアの国民車

TAG: #500e #BEV #インプレッション
TEXT:烏山 大輔
電気自動車のアバルトが誕生!ステランティスがアバルト500eを発表

アバルトは、アバルト500eのローンチエディションである「スコーピオニッシマ(Scorpionissima)」に続き、スコーピオンファミリーにアバルト500eとアバルト500eツーリズモを加えたことを発表した。両車ともにハッチバックとカブリオを用意する。 効率よりも走りや楽しさに振った個性派BEV(バッテリー電気自動車) アバルト版の500eが発表された。正確にはローンチエディションのスコーピオニッシマに続く、「量産型」の発表となった。 リリースから数字を拾うと42kWhのバッテリーで、“たった”265kmの航続距離となっており、電費(※)は6.31km/kWhと計算できる。ノーマルの「500e」は7.98km/kWh、ライバルとなりそうな同じステランティス・グループのプジョーe-208 GTはノーマル500eとほぼ同値の7.90km/kWhとなる。 この電費数値からも「より航続距離を」というよりも「より楽しい走りを」に振ったクルマであることが読み取れる。 ※電費に関しては、以下の数値から算出した。 アバルト500e:バッテリー42kWh、航続距離265km、電費6.31km/kWh、パワー155ps ノーマル500e:バッテリー42kWh、航続距離335km、電費7.98km/kWh、パワー118ps e-208 GT:バッテリー50kWh、航続距離395km、電費7.90km/kWh、パワー136ps ノーマル500eと写真を見比べてもヘッドライト上辺の“眉毛”の部分が光っていないこともあり、より睨みをきかせた顔となっており、ノーマルのかわいさにカッコ良さがプラスされている印象だ。室内もアルカンターラを多用したレーシーな雰囲気にまとめられ、フロントシートの黄色と青のステッチや「サソリ」のエンボス加工がマニア心をくすぐる。 アバルト500eの価格の発表はなかったが、ノーマル500eの日本(アイコングレードが522万円)と欧州(34,990ユーロ、約525万円)での価格差やローンチエディションのスコーピオニッシマ(ハッチバックが43,000ユーロ、約645万円)から推測すると、600万円を超えてくるのではないだろうか。 ただし、ライバル(例えばe-208 GTは512.4万円)よりも多少価格が高かろうが、電費が悪かろうが、アバルト500eにとっては大した問題ではないかもしれない。 それは類稀なる個性を持っていることに加えて、現状のICE(内燃機関)のアバルトが、同じイタリアの“跳ね馬”や“闘牛”のオーナーのセカンドカー(あるいはサードカーかもしれない)としての需要が一定数読めるからだ。近所への買い物など日常の移動にはこれまでのICEアバルトと同様に重宝されることだろう。 イタリア車に限らずともドイツやアメリカ製のBEVのオーナーが普段使いのセカンドカーにコンパクトなアバルト500eを選ぶこともあり得るだろう。 刺激的なコンパクトEVは唯一無二の存在で、BEVの世界に多様性をもたらしてくれそうなアバルト500eの日本での正式発表を楽しみに待ちたい。 ※リリースによる車両詳細については次の通り。

TAG: #500e #スコーピオニッシマ
TEXT:栁 蒼太
アバルト、「500e」の擬似エンジン音の開発に6,000時間以上を投入と公表

電気自動車をいくつか試していくと、加速にともなうサウンドが微妙に異なることがわかる。モーター自体の音は変わらないので、これはメーカーが加えた演出によるものだ。 スポーツカー・ブランドであるアバルトが、新型の電気自動車「アバルト500e」に擬似エンジン音を採用するために、専門のサウンドデザインチームと共に約2年間のプロジェクトを進め、その過程で6,000時間以上を費やしたことを公表した。このプロジェクトでは、NVH(Noise Vibration and Harshness)部門でサウンドデザインの開発、統合が行われ、アバルトの歴史的なエキゾーストシステム、レコルトモンザのサウンドを検証した。 また、ドライビング体験のあらゆる場面でアバルトのガソリンエンジンが発するサウンドを録音し、高度化された仮想マトリックスに新しい音色を作り出した。さらに、マトリックスに追加のサウンドを取り入れることで、アバルトの歴史的なサウンドと新型アバルト500eの未来感をブレンドし、ドライバーに最高の没入感をもたらすことを実現した。 開発にあたり、オリジナルに限りなく近いサウンドを目指すべく、加速、減速、ブレーキング、高速コーナリング時におけるアバルトのガソリンエンジンの音を録音した。さらには、サウンドキャリブレーション(補正)も実施。録音された音は、専用の技術ツールとプロセスによって慎重に分析され、アバルトのDNAともいえる特徴的な周波数をすべて抽出し、追加音によって新しい音色が作られた。 また、ソフトウェアによって、録音されたサウンドをさまざまなコンポーネントに適応させ、ドライバーが車を操る楽しさをより感じられるようになっている。アバルトの歴史的なサウンドとNew Abarth 500eの未来感をブレンドしたサウンドとなっている。 なお、これらのサウンドシステムは、停車中にドライバーが設定のオンとオフを選ぶことができる。アバルト・モデルはいつも、小さな車体から勇ましいサウンドが聞こえて驚かされるが、その驚きがEVになってもなくならないのは実に嬉しいものだ。

TAG: #500e #アバルト
TEXT:曽宮 岳大
サソリの毒はEVになっても不変!? 「アバルト 500e」の予約注文が欧州で1500台超え。人気の理由を探ってみた

アバルト初の電気自動車となる「アバルト 500e」がヨーロッパで好評を持って受け入れられているようだ。ステランティスの発表によると、2022年11月22日に発表されたアバルト500eの初回限定車「ローンチエディション」は、1,949台の予定販売台数のうち、2月末時点で1,500台以上の注文予約が入っているとのこと。現在、アバルトは500eのヨーロッパツアーを展開中で、受注はさらに伸びそうだ。 アバルトならではの「デザイン」「性能」「音」 フィアット500eをベースに、内外装や機関にアバルト流のチューンアップが施され、昨年11月に披露された「アバルト500e」。アバルトといえば、可愛らしさの中にもスポーティが際立つ小粋なルックスや見た目以上の強烈な走り、そしてチューニングメーカーもびっくりの迫力のエキゾーストサウンドで世界中のクルマ好きを魅了。日本でも大人気を呼んでいる。   そうしたトラディショナルな魅力を持つアバルトだけに、電動化された500eの反響は気になるところだったが、結果は数字が示す通り。Bセグメントに属する小型車で43,000ユーロ(約622万円)からというサイズの割に高価格帯な設定にもかかわらず、好調な販売を示している。なぜアバルト500eは人気を集められるのか。その理由を探ってみたい。 第一にクルマ作りの巧みさが挙げられるだろう。アバルトファンを魅了している大きな要素は、「デザイン」「性能」「音」の3つ。これは創始者カルロ・アバルトの時代からのアバルトの伝統であり、今なお貫かれている特長だ。この点において、新生アバルト500eはファンの期待に応える特長を500eに与えている点が注目に値する。 ガソリン車を上回るパフォーマンス まずはデザイン。アバルト500eは、フィアット・チンクエチェントの可愛らしさをキープしながら、ひと目でアバルトとわかるデザインを持っている。それも歴代モデルの雰囲気を残しながらも従来型のコピー&ペイストで仕上げるのではなく、新規デザインで“らしさ”を再現していると言えるだろう。 例えば丸目ヘッドライトや、フェンダーに被さるようなボンネットフード、タイヤを四隅に追いやったプロポーション、下に行くに連れボリューム感が増すプロポーションなどは、紛う方なきチンクエチェントのそれ。アバルト版ではその特長を生かしながら、フロントのリップスポイラーやエアインテーク、アバルト専用のアルミホイール、地面に這いつくばるような印象を与えるサイドスカートおよびABARTHのレタリングなどにより、スポーティな雰囲気をグンと高めている。 性能面については、パワートレインを既存の1.4  Lターボエンジンからモーターに変更しつつも、さらなる高性能化を図っている。最高出力こそ116kW(155hp)と既存の595コンペティツィオーネ(135kW/180hp)に一歩譲るものの、モーターの特性を生かしたレスポンスの良さや、20km/hから40km/hまでの加速性能、60km/hから100km/hまでの加速性能において、従来モデルを上回る性能を達成しているという。 ちなみに500eの最大トルクは235Nmで、既存の595 Competizioneのノーマルモード時の230Nmを上回る。その結果、バロッコのテストコースにおけるラップタイムでEV版アバルトは、従来のガソリンモデルに1秒以上の差をつけているという。サーキットでもしっかり速いマシンに仕上げられているようだ。今後さらなるハイチューン版の登場も期待できそうだ。

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