コラム
share:

日本のEVは世界でどのぐらい売れてる? 販売動向の現在を探ってみた


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

世界最大のEV市場の中国でEVがまったく売れていないホンダ

次にホンダの最新EVシフト動向について、このグラフはホンダのグローバル全体におけるBEVとPHEVの月間販売台数の変遷を示したものです。北米でプロローグとアキュラZDXが発売された2024年中旬から急速に販売台数を伸ばしています。

ホンダのBEVとPHEVの販売台数のグラフ

このグラフはマーケット別のBEVとFCEVの合計販売台数の内訳を示したものです。ちなみにFCEVはCR-VのFCEVハイブリッド車のみであり、販売規模としてはほとんど気にする必要はありません。

やはり北米市場の販売台数が急速に立ち上がりながら、さらに日本市場も6月単体では489台の販売台数を達成。これは、商用軽EVのN-VAN e:の販売台数がの増加が要因です。さらに、秋にローンチするN-ONE e:がどれほどの販売台数を達成できるのかにも注目でしょう。

ホンダの世界市場における各市場の販売台数のグラフ

その一方で、中国市場の販売台数がもっとも問題です。中国では主に7モデルのBEVが投入されているものの、6月単体の販売台数を確認してみると、

・e:Nシリーズ第一弾(e:NP1・e:NS1):93台
・e:Nシリーズ第二弾(e:NP2・e:NS2):274台
・Lingxi L:194台
・S7:54台
・P7:166台

この通り壊滅的な販売台数に留まってしまっているのです。いずれにしても、この主力マーケットの中国市場で、7車種のBEVを投入しながらどれも不発に終わっているという点が、ホンダのEVシフトにおける最大の問題点といえるのです。

最後にトヨタ・日産・ホンダのEV販売動向を比較しましょう。やはり販売台数という点では、6月単体でトヨタがもっとも多くのBEVを発売しているものの、新車販売全体に占めるBEVシェア率という点では日産が4.63%ともっとも進んでおり、2.05%のホンダ、1.96%のトヨタを大きくリードしています。

トヨタ・日産・ホンダのBEV販売台数と販売に占めるBEVの占める割合のグラフ

日産としては中国市場で引き続きN7に注力しながら、欧州ではマイクラEV、そしてグローバル全体での新型リーフの売れ行きに注目です。トヨタはbZ7がどれほど売れるのか、とくにbZ7は、シャオミSU7などの強力なライバルを相手にコスト競争力をどれほど有しているのがが鍵となりそうです。欧州ではCH-R+とアーバンクルーザー、アメリカ市場ではトランプ政権によるEVシフト急減速のなか、WoodlandやCH-Rがどこまで売れるのかに注目でしょう。そしてホンダは、中国市場におけるEV戦略が失敗に終わっていることから、EV販売戦略を抜本的に見直す必要があると強く感じます。

EVシフトで後塵を拝している日本メーカー勢のEVシフトの最新動向には今後も注目です。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
more
ニュース
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場
走るために必要な電力は太陽光発電で自給する! ソーラーパネルを装備した3輪モビリティ「スリールオータ」の特別仕様車を限定30台発売
more
コラム
日本のEVは世界でどのぐらい売れてる? 販売動向の現在を探ってみた
EVの修理は町の修理工場でもできるの? そもそもエンジン車のように機関が不調になることがほぼない、が答えだった
三菱の新EVはピニンファリーナデザインの「モデルB」が濃厚! 自社製EVもあったのに台湾企業からのOEMを選んだ理由とは?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択