BEVの王者はテスラからBYDへ
それでは、EV販売で直接対決をしているBYDとテスラの販売台数を比較していきましょう。四半期別の販売台数を比較してみると、BYDは販売台数をさらに伸ばしており、Q2単体の販売台数ではBYDはテスラの3倍近い差をつけています。
また、BEVに絞ってみると、BYDはテスラを3四半期連続で上まわっています。とくに直近のQ2の差は22万台以上と大差をつけており、名実ともにBEVの王者がテスラからBYDに移行している様子が見てとれます。
いずれにしても、テスラは自動運転専用のロボタクシーの完成にリソースを集中させることによって、EVを世界中に普及させようとしてきています。その一方で、BYDは超垂直統合による内製化によって、EV性能をはじめとして、豪華装備内容、ハイエンドADASなどを搭載しながら、世界のあらゆるマーケットに参入することで、さらに安価なEVを世界中のユーザーに提供しようとしてきているのです。
BYDはちょうど7月からブラジル工場の操業を正式にスタートしました。第一弾のドルフィンミニがラインオフされ、関税の影響を受けずに、さらに安価に、そしてリードタイム短くブラジル現地で発売可能となります。
さらに、BYDのハンガリー工場は2025年末、トルコとインドネシアの工場も2026年中に生産スタートする予定であり、海外における販売効率がさらに向上する見通しです。
EVのリーダーであるBYDとテスラという両者の戦略がどれほど順調に進んでいくのか。今後の販売動向や最新テクノロジーの動向に期待していきたいと思います。