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世界のBEV覇権争いの主役はテスラからBYDに! テスラはロボタクシーで巻き返しなるか?


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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BYDは国内販売台数が伸びていない

次に、中国BYDの販売動向について、6月単体の販売台数は38万2585台と、前年比+12%の成長を実現しました。他方で、販売の伸び率は鈍化しており、3月以降は販売台数がほとんど伸びていません。

グラフ

とくに懸念するべきは国内販売台数が伸びていないという点でしょう。このグラフはBYDの海外販売台数の変遷を示したものです。

3月以降着実に販売台数を伸ばしており、直近の6月は史上最高の9万台を記録しました。海外販売比率は23.5%と、約4台に1台が海外で売れていることになります。つまり、裏を返せば国内の需要が伸び悩んでいることを意味するわけです。

グラフ

その一方で、BYDのBEV販売台数は好調です。6月単体のBEV販売台数は史上最高の20.7万台弱を記録し、前年比+42.5%という大幅成長です。よって、BYDの販売台数の伸びの鈍化の最大の理由が、国内のPHEV販売減少にあるのではないかと推測できるのです。

PHEV販売を牽引していたQin LやQin Plus、Hanなどに対して、競合のジーリーがGalaxy L6やStarshine 8などの対抗車種を矢継ぎ早に投入することで、BYDのPHEV販売を圧迫しているのかもしれません。

とくにジーリーは、最新大衆セダンGalaxy A7を間もなく投入予定です。このA7は熱効率47%超えの高性能PHEV専用エンジンを搭載しながら、内外装のデザインの先進性、装備内容の充実を図ることでスマッシュヒットの達成に大きな期待が集まっています。

ジーリーGalaxy A7

いずれにしても、昨年まで続いていたBYDのPHEV最強神話に対して、とくにジーリーが対抗車種をラインアップすることでBYD一強時代に待ったをかけているのです。

BYDとしてはさらにPHEVの魅力を引き上げることで国内のシェア拡大に努めながら、その上で海外市場への展開を加速して、国内の需要伸び悩みを補う必要がありそうです。

※ジーリーGalaxy A7のインテリア。9.98万元(約200万円)で発売開始と噂され、BYDの売れ筋モデルQin Lとまったく同等のコスト競争力を実現してくる見込み

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