コラム
share:

新型リーフの競争力はいかほど? 補助金も含めてライバルと徹底比較してみた


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

全幅は日本で扱いやすい1810mm

車両サイズについて、新型リーフはコナと非常にサイズ感が似通っており、とくに全幅が1850mmを切っているという点は、日本国内でも扱いやすいサイズ感として幅広い需要が見込めます。ただし、唯一の懸念が北米市場における最低地上高が135mmである点です。雪国などにおける走破性にはマイナスであり、ここは来年以降に追加される可能性のあるe-4ORCEグレードなどに期待したい部分です。

日産リーフのサイドビュー

そして値段設定について、仮にB5が480万円からスタートしたとしても、コナやATTO 3と比較しても割高感が否めません。ところが日本国内では車種によってEV補助金に差がついています。たとえばコナには67万円が適用されるものの、EX30には46万円、ATTO 3に至っては35万円しか適用されません。対するリーフは現在89万円が適用されており、新型も90万円近いほぼ満額の補助金が適用される見通しです。この補助金を加味した実質的な値段設定を比較してみると、コナやATTO 3と同等の実質購入金額となるのです。

さらに日産と新興海外メーカーの最大の違いが、ディーラーネットワークの有無という観点でしょう。とくに韓国ヒョンデは販売整備拠点が手薄です。販売拠点が極めて薄いことから、コナを比較しようにも、ユーザーが実車を触る機会を創出することが極めて難しい状況です。

そして新型リーフが国内で成功を収める上で重要となり得るのが、その標準装備内容という観点です。この表は競合の標準装備内容を比較したものです。とくに新型リーフは、すでにグレード別の装備内容が公開されている北米市場のエントリーグレード「Sグレード」を記載しながら、参考のために2代目リーフe+の標準装備内容も併記しています。

表

大前提として、日本国内における新型リーフの標準装備内容は、北米のSグレードと比較しても拡充される見込みです。というのも2代目リーフも北米仕様よりも装備内容が充実しています。とくにEV性能を左右するヒートポンプやバッテリーヒーターは標準装備されると考えて問題ないと思います。

その上で、2代目で標準装備であるフロントシートヒーターやハンドルヒーターくらいはマストでほしいところでしょう。北米仕様ではプロパイロットも標準装備なので、日本でもアリアと同じく標準設定してほしいところです。ちなみに手放し運転可能なプロパイロット2.0は上級グレードでオプション設定可能となる見込みです。

日産リーフのテールライト

いずれにしても、競合のATTO 3やコナは装備内容が非常に充実しており、まさに新型リーフが国内で競争力を確保するためには、この標準装備内容をどれほど充実させることができるのかが重要なのです。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
新車価格約3000万円も補助金を使えば半額で買える! トヨタのカワイイ新世代モビリティ「eパレット」の販売がスタート
more
コラム
携帯メーカーも家電メーカーも参入してるし「EVは作るのが簡単」は本当か? 部品点数がエンジン車より少ないEVのホントのところ
中国で新車ディーラーが閉店ラッシュ! 過剰供給だけが理由じゃないEVを巡る情勢
ロードスターにRAV4! リーフやi-MiEVの前から日本のメーカーはEVに取り組んでいた
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
マンションでもEVが身近になる! 官⺠連携で既存マンション全274駐⾞区画にEV充電コンセントを導⼊した事例リポート
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択