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EVが静かすぎて歩行者に気付かれない問題! 簡単に解決できるのに法が邪魔をするってどういうこと?


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:日産/TET 編集部
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歩行者がクルマの接近に気づかないケースは少なくない

電気自動車(EV)に限らず、多少でもモーター走行機能をもつハイブリッド車(HV)は、車両接近通報装置を取り付けることになっている。各自動車メーカーが趣向を凝らし、人口の音色を車外へ発している。

これは、発進から時速30km前後で機能するようになっている。

それでも、歩行者にEVの接近を気づいてもらえない場面があり、音量をより高めるなどの対応を求める声がある。しかし、それには疑問がある。

EVのイメージ

そもそも、エンジン車の場合でも、アクセルをあおってエンジンをふかし、排気音の大きさで人をあおるようなことをしていいのだろうか? 道路交通法上は、歩行者優先の原則がある。

一方で、クラクションを鳴らすことにはばかる思いがあるのも事実だろう。ただ接近に気づいてほしいだけにもかかわらず、ビーッというような強いクラクションを鳴らしたのでは、それこそ感情的になり、争いを起こす元になるかもしれない。

日産自動車は、初代リーフを世界で発売するに際し、米国の盲人協会の協力を得て、既存のエンジン車とリーフとを試験し、どちらの接近を先に気づけるか調べたことがある。結果は、リーフのほうが先に接近に気づかれたとのことだ。

日産リーフ(初代)

つまり、エンジン車といえども、走行音を必要とするようなゆっくりした速度で近づいてくる場合はエンジン回転数が低く、また近年では通過騒音や排気音の規制が厳しく、かなり静かに走っているという証だ。ただ、先にも紹介したように、エンジン車の場合はあえてエンジンをふかし、排気音量を高め、歩行者に気づかせる運転の仕方をするので、運転者はあまり意識していない。

私自身、商店街の歩道のない道で、エンジン車の接近に気づかなかった経験がある。EVだから静かという時代ではなくなっているのだ。

また、車両接近通報音を大きくすれば、逆に騒音公害のもとになりかねない。ではどうするか。

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