シャオミから1548馬力のハイパーEVが登場
中国シャオミがSU7のハイパフォーマンスグレードUltraの正式発売をついにスタートさせました。当初の値段設定を遥かに下まわる値段で発売されたことによって、発売開始3日以内に年内の販売目標である1万台以上の確定注文を獲得するという驚きの成果を挙げています。そんな同モデルの最新動向を解説します。
まず、シャオミは2021年にEV事業への参入を正式に表明して、ようやく2024年3月29日に初の量産EVとなるSU7の正式発売をスタートしました。そしてすでに月間2.5万台級の納車体制にまで成長しています。
シャオミは2024年末までの確定注文台数が24.8万台だったことを公表。2024年末までにシャオミは13.5万台のSU7を納車していたことから、2024年末の段階で、まだ11.3万台の納車待ちが存在していたことになります。
絶好調のシャオミは、SU7 Ultraのワールドプレミアを開催しました。この発表会ではSU7 Ultraだけでなく、フラグシップスマートフォンのシャオミ15 Ultraの発表も同時に行っており、この「デュアルウルトラ戦略」によって、シャオミの高級ブランド戦略をさらに推し進めようとする狙いが見えます。
まず、SU7 Ultraの特筆するべきスペックについて、シャオミの独自内製モーターである、最高回転数が2万7200rpmを実現するV8sをリヤ側にふたつ、さらに最高回転数が2万1000rpmを実現するV6sをフロントにひとつ搭載するトライモーター仕様によって、最高出力は1548馬力(1138kW)、最大トルクも1770Nmを実現。0-100km/h加速は、ワンフットロールアウトを差し引いて1.98秒と極限の加速力を実現しています。
さらに、200km/hまで5.86秒、400mを9.23秒で加速することが可能です。気になる最速速度も350km/h以上という、スーパーカーを凌ぐ動力性能を実現しています。また、3つのモーターによるトルクベクタリング機能によって、サーキット走行におけるトラクションを最大化します。
次に、EVのサーキット走行においてもっとも大きなボトルネックとなるバッテリー性能について、UltraではCATL製のQilinバッテリーの第二世代を世界初採用。最大放電におけるCレートは16C、1330kWに到達。また、SOC20%の段階においても800kWもの出力を発揮可能です。充電性能も最大480kWの超急速充電に対応して、SOC10-80%を11分で充電可能です。
さらに熱対策として、45ccコンプレッサー、400Wの冷却ファンをふたつ、530Wのウォーターポンプ、そして28kWのパワーを有するパワートレイン冷却システムを合わせることによって、冷却性能を飛躍的に向上。これらの技術により、熱ダレすることなく1周20km以上あるニュルブルクリンクを2周ほど、全開で走破できると豪語しています。
また、制動力について、アケボノ製のカーボンセラミックブレーキを採用することで、100km/hからの制動距離も30.8mを実現しながら、180km/hからの急停止を10回繰り返したとしてもブレーキがフェードすることがないと豪語。回生ブレーキも最大減速Gが0.6Gに到達。400kWもの回生力を備えています。
さらに、加速減速の際の擬似エンジン音を含む3種類の加速音を流すことが可能です。車外にも加速音を流せるように40Wもの外部スピーカーも搭載するユニークさも注目点です。
その上、サーキット走行の様子をさまざまに確認、記録できるように、中国国内の20ものサーキットと連携してサーキット走行における走行状況を同期。しかも、サーキット走行時の走行データ、さらには車載カメラを使用して走行映像も録画可能です。
それらの走行データや映像を解析しながら、Ultraユーザーのサーキット走行データと共有して比較することも可能となります。