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特別感がないのが逆に強みか? ヒョンデのフラッグシップSUV「IONIQ 9」にチョイ乗りした


TEXT:桃田健史 PHOTO:ヒョンデ
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ロサンゼルスでワールドプレミア!

韓国の現代自動車グループ(以下、ヒョンデ)の最上級EV。それが「IONIQ 9(アイオニックナイン)」だ。量産モデルがワールドプレミアされたのは、昨年11月の米ロサンゼルスオートショーだった。つまり、ヒョンデとしてはEV市場としての将来性があるアメリカでの需要を優先する構えだ。

ヒョンデIONIQ 9のフロントスタイリング

アメリカでは2025年に入り、第二次トランプ政権が発足し、いわゆるトランプ関税によって日本を含めた世界各国や地域がアメリカとの政治・経済における「ディール(取引き)」に頭を悩ませているところだ。

そうしたなかでも、中長期的にはアメリカでもEVシフトが進むというのが、ヒョンデを含めた世界自動車産業界の見立てだ。

韓国では4月からIONIQ 9の先行予約が開始されている。同月3日に開幕したソウルモビリティショー2025では、会場に隣接する駐車場を拠点にユーザー向けの公道試乗会が行われたが、家族連れやカップル、そして熟年夫婦など多様なユーザーがIONIQ 9の走りを味わっていた。

ヒョンデIONIQ 9の走り

この試乗会に筆者も参加することができた。ヒョンデ本社と韓国自動車ジャーナリスト協会のサポートによるものだ。

まず外観だが、この前日に近隣にあるヒョンデ独自のブランド発信拠点「ヒョンデ・モビリティスタジオ」で見たときよりも、屋外ではさらに大きく見える。

ヒョンデIONIQ 9のサイドビュー

ボディ寸法は、全長5060mmx全幅1980mmx全高1790mm、ホイールベースが3130mmである。アメリカ市場でいえば、フルサイズSUVというよりは、近年ますます大柄化しているミッドサイズSUV級の大きさだ。

サイドビューに特徴があり、SUVというよりは、大きなステーションワゴンといった雰囲気すらある。

インテリアは水平基調のダッシュボードで、デジタルサイドミラーのモニターを除けば、一般的な上級SUVという印象だ。IONIQ 5のインテリアが特徴的であるため、それと比較するとIONIQ 9のインテリア造形は正統派といえるだろう。

ヒョンデIONIQ 9の内装

パワートレインは、RWD(リヤ駆動)をベースとしたAWD。モーターの最高出力は、リヤが160kW、フロントが70kW。電池容量は110.3kWhとかなり大きい。

では、走り出そう。今回は市街地と高速道路で約6kmを走行したが、思ったよりもドッシリ感が強くない。

ヒョンデIONIQ 9の走り

これだけ大きな電池を床部に搭載していても、過度にドッシリ・ズッシリという乗り味ではない。一般的な米ミッドサイズSUVと同じような感覚で乗れる。

ただし、重量が大きいことは否めず、回生ブレーキは終始レベル2を維持する必要があるように感じた。

ヒョンデIONIQ 9のリヤスタイリング

いまのところ、日本での発売計画はないが、大型EV・SUVとしてグローバル市場におけるベンチマークになることは間違いない。

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