ニュース
share:

軽自動車じゃダメな領域をカバー! 高齢者の足も確保! 自動運転も見据えたマイクロEV「mibot」が明日の交通社会を変える


TEXT:野本和磨 PHOTO:KGモーターズ
TAG:

「ひとり乗り・近距離移動」こそEVの真骨頂

8月末まで東京・二子玉川の「蔦屋家電+」で展示イベントを開催中の「mibot(ミボット)」。広島県東広島市を拠点とするスタートアップ企業である「KGモーターズ」が開発を進めるひとり乗りの小型EVモビリティである。

二子玉川で展示中のKGモーターズmibot

全長2490mm✕全幅1130mm✕全高1465mm。軽自動車よりもひとまわり小さいコンパクトな車体は原付ミニカー規格。規定される定格出力0.6kW以下のモーターを搭載し、最高時速は60km/h。フル充電での航続距離は100kmという仕様設定での開発が進められている(展示中の車両は試作車)。

展示イベントに合わせて開催されたメディア向け発表イベントでは、KGモーターズの楠 一成CEOが「1万kmの走行でも電気代はわずか1.5万円以下」として、軽自動車と比較しても維持コストが安いという経済的なメリットをアピール。同時にこれまで原付ミニカー規格の小型モビリティではデメリットと考えられてきた「乗車定員1名」という制限も、通勤や買い物など、ひとり乗り近距離移動用に特化することでニーズを掴めると、販売に向けた意気込みを語った。

KGモーターズの楠 一成CEO

前述のスペックも含め、用途を限定することで不要な機能を省き、コスト抑制の結果として税込100万円という車両本体価格が実現できることは、ユーザーにとってはうれしいポイント。実際の使用を想像してみても、通勤・通学であれば十分に往復100km圏内。充電は家庭用100V電源で5時間。帰宅後にコンセントに繋いでおくだけと利便性は高い。

多くの自動車メーカーがEVモデルをラインアップし、選択肢は増えているが航続距離や外出先での充電など不安要素は付きまとう。だったら自家用車はハイブリッド車で日常的な移動用にEVモビリティを活用することのほうが、環境負荷の観点からも現実的な解決策といえるだろう。

8月23日(金)から予約受付がスタートするmibot。現在広島県内に準備中だという本社工場で来年9月から生産が開始され、2025年中には300台、2026年には年産3000台規模で量産される予定だ。2025年生産分の300台は現在構築中の納車・サポート体制の関係で、KGモーターズの拠点である広島と東京を優先エリアとして納車を進め、順次全国へ拡大していく。

KGモーターズmibotのインパネ

蔦屋家電+での展示に先立ち、広島T-SITEにて3日間限定で行われた展示イベントでも大きな注目を集めたmibot。実車を見た来場者の感想としては「小さくて運転しやすそう」と、中高年を中心とした女性からはコンパクトな車体サイズが好評。若年層や男性からは「外から見るよりも室内空間が広い」という意見も多かったようだ。

「軽自動車でも運転していて大きく感じる」という意見も多いことを考えればmibotは、中高年にとって軽自動車に変わる移動手段として有効な選択肢になるはずだ。ただ、高齢者がユーザーの中心になるとすれば、踏み間違い防止装置など先進安全機能が欲しいという意見も多い。そんな要望があることは当然理解しつつも、KGモーターズとしては原付ミニカー規格の小型EVモビリティの社会的な普及をまずは優先する姿勢を取っている。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
ただバッテリーとモーターに置き換えただけのモデルと思うなよ! N-ONE:eはN-ONEとはデザインまでまったく違う「一車入魂」の力作だった
EVにレアメタルを使わない電池が普及するとレアメタルのリサイクルの採算が合わなくなる……そんな説の真偽を考える
レアメタルの資源不足を解決する手段! いま注目を集める「ナトリウムイオン電池」とは?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
ホンダはジャパンモビリティショー2025で「陸・海・空・宇宙」を制す!? 「FUN to Drive」な小型EVと「0シリーズ」の新型SUVを世界初公開
電動化時代でもAMGは超弩級マシンでブランドを牽引! ジャパンモビリティショー2025でメルセデス・ベンツが「コンセプトAMG GT XX」をアジア初披露
STIコンセプトとブランド第2弾となるふたつのEVを初披露! ジャパンモビリティショー2025のSUBARUブースは「Performance」と「Adventure」魅力を提案
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択