自動運転も視野に独自の安全性能を追求
ひとり乗り小型EVモビリティが普及しているとはいい難い現状のなかでは、まずは手頃な価格で体験してもらえる人を増やすこと。社会的な認知度が高めると同時に、車体開発に続く次のステップとして自動運転技術の開発に着手。自動運転を組み合わせることで衝突回避など先進安全機能をもたせるという。
とはいえ、自動運転が実装される前に事故で安全性が疑われるようでは本末転倒。そこでKGモーターズでは独自に衝突試験を実施。本来、原付ミニカー規格の車両には衝突試験の認証基準はないが、車体を作るうえで何よりも安全性を重視した車体づくりに取り組んでいる。そこに小型EVモビリティを新しい移動手段として認知させることで、社会を変えるんだという熱意が感じられる。
「mibot」というネーミングの由来は「小型(ミニマムな)モビリティロボット」。ロボットというキーワードが含まれているのは、前述したように、自動運転機能の搭載を見据えているため。2027年の実証実験開始を目指して開発が進められており、実現すれば衝突回避の先進安全機能だけでなく、高齢者の免許返納問題、過疎地域での公共交通代替など社会課題の解決策としても期待できる。
さらに、KGモーターズが見据えるMaaS(Mobility as a Service)事業での展望によれば、鉄道やバスと組み合わせ、最寄りの駅から目的地まではmibotで移動(利用後mibotは自動運転で出発地点へ戻る)という使い方も実現できるはずだ。
ほかにもシェアサービスでの利用など、移動手段としての利便性を高めてくれるのは間違いないが個人利用においても「モビリティロボット」として、さらなる可能性も秘めている。mibotがモビリティロボットたる本質はAI機能の搭載。すでに身近になりつつあるAIが搭載されることで、スマホと同じようにエンタメ機器としての価値をもつことも考えられる。
通勤や通学など日常的な移動が自由に過ごせる時間にひとり乗りモビリティの室内を自分だけの空間として楽しむことができれば、mibotは移動手段に留まらず、移動そのものを変えてくれるかも知れない。
いますぐとはいかないが、実現に向けて着実にプロジェクトは進んでいる。今後の展開に注目の小型EVのモビリティロボット「mibot」。詳しい車両情報や予約方法などの最新情報はKGモーターズの公式サイト、車体開発や衝突実験など開発プロジェクトの様子はユーチューブチャンネルでも確認できる。