リーンモビリティが提案する都市型小型EVに期待が高まる
今回の発表ではリーンモビリティのビジネススキームとビジョンについても説明がなされた。内容に齟齬がないよう、あえて今回の記事では原文をそのまま掲載したい。
まずはビジネススキームだ。
「リーンモビリティは、顧客との関係構築においても革新を推進しています。製品ローンチとともに、直接販売モデルを採用することで、顧客との直接的なつながりを実現します。このアプローチの核心は、ユーザーとの絶え間ないコミュニケーションを通じて、顧客ニーズに基づいた付加価値を創出し続けることにあります。このために、さらに新たなパートナーとの関係構築に基づき、オープン・イノベーションを通じて、顧客体験を豊かにするサービス開発を進めていきたいと考えています」
つづいて”Drive Lean, Live Life”というテーマを掲げるビジョンについてだ。
「現代の都市交通問題におけるリーンモビリティの着眼点は、乗用車の使用効率の低さです。平均的な4人乗り乗用車が実際に使用される際、平均搭載人数はわずか1.3人と言われております。これは交通手段として、一般的な乗用車の物理的な冗長性を示しております」
「より効率的な都市交通を実現するうえで、クルマの電化やシェアリングなどのサービス化といったアプローチのみではそれが実現できないと考え、さらなる解決策として、ハードウェアとしてのビークルのダウンサイズを目指します」
「ビークルのような高度なノウハウ集積が必要とされるハードウェアは開発から量産、販売、アフターサービスを含む長いバリューチェーンを要求するため、業界のノウハウを持たずに事業として成立されることは困難です。しかし、リーンモビリティには、この挑戦を可能にする業界内の豊富な知見と経験を持つメンバーと、さらには業界外の視点をもたらすモビリティ業界出身でないスペシャリストが融合した体制で、ビジョンの実現に向けて邁進しています。我々のビジョンは、持続可能な未来のために、リーン3を通じて、よりスマートで効率的な都市交通モデルを提供することです。Drive Lean, Live Life 私たちは、革新的なモビリティソリューションを通じて、都市生活の質を向上させるとともに、地球環境の保護にも貢献することを目指しています」と述べ意欲的だ。
超小型EVやパーソナルモビリティ、リーンモビリティが提案する都市型小型EVなど、クルマの利用実態に即したモビリティ開発は都市交通の改善策として有効であると同時に、ゼロエミッション政策の観点からも新たな開発、市場投入は歓迎すべき取り組みだ。それには確かな開発体制と資金力無くしては成し遂げられず、今回の発表は志の高い企業方針と相まって、今後に期待を抱かせる内容といえる。
リーンモビリティ「リーン3」 開発中スペック(2024年2月時点)
全長:2470mm
全幅:970mm
全高:1570mm
ホイールベース:1800mm
トレッド:850mm
最小回転半径:3.6m
乗車定員 カテゴリーL5:2名 日本の原付ミニカーとして登録の場合は1名
駆動方式:後輪インホイールモータ
電池:リン酸鉄リチウムイオン電池
電池容量:8.1kWh
充電時間:AC100V/約7時間 AC200/約5時間 ※開発中のため暫定値
一充電走行距離:100km (WLTC class1) ※開発中のため暫定値
最高速度:台湾80km/h 日本60km/h