コラム
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ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ


TEXT:小川 フミオ
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EX30の“二面性”をひとつのかたちに

エクステリアの特徴は、第一に、EX30がSUVであるということ。4.2メートルの全長に、1.55メートルの全高とされているプロポーション。ちょっと背の高いコンパクトなSUVだ。

エクステリアデザインを統括しているのは、ボルボ・カーズのT・ジョン・メイヤー氏。

「ティージョン」なるニックネームを持つ氏が、ボルボのデザイン部に加わってから15年が経つという。ボルボのプロダクトのキモを知り尽くしたともいっていいのではないだろうか。

T・ジョン・メイヤー氏

EX30は、色でも主張がある。5色ある外板色は、穏やかというか、派手さを感じさせないもので、スカンジナビアの自然をイメージさせるものだとか。

たとえば、大きくいえば黄色に分類されるボディカラーについて「モスイエローはスウェーデン西海岸(ボルボ・カーズが本社をもつヨーテボリなどがある)の岩に生える地衣類からインスピレーションを得て」いるとされる。

「プラットフォームは吉利汽車の車種と共用しますが、EX30は、静止から時速100キロまで3.6秒で加速するぐらいパワフルです。そのキャラクターをデザインでもアピールしようと考えました」

ティージョンは、EX30の“二面性”について触れる。

いっぽうに、リサイクルパーツを積極的に使用して地球環境の保全や、二酸化炭素排出量削減などに努める、いってみれば”環境派”の側面。

もういっぽうでは、強力なバッテリーを搭載して、ドライビングプレジャーをもたらしてくれる、スポーティな側面をもつ。

ティージョンの仕事は、そのふたつの異なったキャラクターを、ひとつのかたちとして表現することなのだ。

BEVには同様の二面性がつきまとう。デザイナーの多くが直面する課題を、ティージョンは「かたまり感を意識するように、デザインチームに指示しました」と語る。

次回へ続く

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