#ボルボ
TEXT:高橋 優
400万円代の廉価グレードからオフロードモデルまで用意して「ボルボEX30」に死角なし! 中身を徹底分析してライバルと比べてみた

国内でも人気なEX30がさらに進化 ボルボがEX30の2026年モデルの発売をスタートしました。とくにLFPバッテリーを搭載して479万円からとなる最安エントリーグレードや、オフロード仕様となるクロスカントリーなどを追加設定し、さらに魅力的なラインアップとなりました。 ボルボは日本国内において、C40、EX40、そしてEX30という3種類のBEVをラインアップ済みです。さらに、海外市場ではフラグシップSUVとなるEX90や、中国市場専用で大型ミニバンEM90を投入済みです。2025年夏以降に生産をスタートするフラッグシップセダンES90も控えており、順次EVシフトを進めている状況です。 とくに日本国内で発売中の最新EVであるEX30には、69kWhバッテリーというゆとりのバッテリー容量、レベル2のADASやガラスルーフ、高級音響システムなどがすべて標準装備されており、それで559万円という価格でプレミアムブランドとしてはコスト競争力が非常に高く、しかも日本国内でも取りまわしやすいコンパクトSUVであり注目のEVだったわけです。 そして、今回導入されたのが2026年モデルです。これまではUltraシングルモーターのワングレード展開だったものの、全部で5グレード展開へと大幅にラインアップを拡充。まずはエントリーグレードを「Plus シングルモーター」として、51kWhのLFPバッテリーを搭載して装備内容を簡素化。さらに「Ultraツインモーター・パフォーマンス」として、フロントにモーターを追加したAWDグレードを追加導入。加えてオフロード仕様として「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」もラインアップしました。 とくに注目したいのがエントリーグレード「Plusシングルモーター」です。51kWhのLFPバッテリーを搭載することで、日本WLTCモードで390kmの航続距離を確保。LFPバッテリーなので100%満充電運用が可能であり、基礎充電環境を構築できるユーザーにとってはもってこいのバッテリーといえます。さらに、システム電圧も380Vと、LFPとしては高めに設計されており、出先の急速充電でもプラスに働きます。 ただし、気になるのが、2024年モデルのEX30ではハイカレントコントロールに対応していなかったという点です。つまり、200A以上の急速充電に対応しておらず、日本以外は150kW級で急速充電できることから、そのEX30のもつ本来の急速充電性能が2026年モデルで発揮できているのかどうかは、遠出の際の充電時間短縮には非常に重要な要素となり得ます。 また、残念なのがエントリーグレードのみヒートポンプシステムが搭載されていないという点です。よって、冬場に寒さが厳しくなる地域では電費性能が大きく悪化してしまうことから、「Plusシングルモーター」は沖縄や九州、四国など、比較的温暖な環境となる地域でおすすめといえそうです。 そして値段設定については、「Plusシングルモーター」が479万円、また「Plusシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が539万円、2024年モデルとして唯一ラインアップしていた「Ultraシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が579万円からと20万円の値上げ、「Ultraツインモーター・パフォーマンス」が629万円、「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」が649万円となりました。 ちなみに気をつけるべきはCEV補助金額です。中間の3グレードは46万円であるものの、「Plusシングルモーター」と「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」はどちらも36万円と減額されています。よって「Plusシングルモーター」のCEV補助金を含めた実質的な購入金額は443万円となります。 次に、EX30の競合となり得る新型日産リーフ、BYD Atto 3、ヒョンデ・コナなどのEV性能を比較してみましょう。もし仮に新型リーフが470万円程度からスタートした場合、EX30と同じような値段設定となるものの、補助金で差がつく見通しであることから、リーフのほうが割安になります。また、新型リーフは補助金の助けもあって、BYD Atto 3やヒョンデ・コナと同等の値段設定となりそうです。 とはいえ、このように実用車ブランドのEVと比較しても、EX30というプレミアムブランドの競合車種が同列に評価されるのは異例です。動力性能は0-100km/h加速が5.7秒と競合を圧倒していたり、Harman Kardon製の9スピーカーシステムを採用するなど強みをもちます。まさにLFPバッテリーを採用しながら、EVのサプライチェーンが高度に完成されている中国国内で製造されていることで、優れたコスト競争力を実現してきているのです。 また、注目するべきはエントリーグレードのPlusシングルモーターの標準装備内容です。 ・18インチホイール ・12.3インチの縦長のセンタースクリーン ・プロセッサーはQualcomm Snapdragon 8155 ・USB-Cポートは前後に2つずつ、ワイヤレス充電機も搭載 ・シート調整はすべて手動調整、シートヒーターは非搭載 ・ステアリングヒーターは非搭載 ・ワンペダルドライブ可能 ・5色のアンビエントライト ・ヒートポンプは非搭載 ・リヤサイドガラスのプライバシーガラスは非搭載 ・ガラスルーフは非搭載 ・レベル2ADASは標準装備、自動車線変更も標準搭載 ・海外仕様では対応するV2L機能には非対応 ・最高出力1040Wを発揮するHarman Kardon製の9スピーカーシステム ・エアバッグは7つ、Euro NCAPは最高評価の五つ星 ・車両保証は5年間距離無制限保証 ・5年15万kmまでのエアフィルターやブレーキパッドなどのメンテナンスサービスも標準搭載 ヒートポンプシステムは標準でほしかったと感じるものの、シートヒーターとステアリングヒーターは8万円でオプション設定であり、必要に応じて追加することは可能です。Atto 3やコナと比較してみると、装備内容は貧弱であると感じますが、富裕層のセカンドカーとしては必要にして十分でしょう。このボルボというブランドにどれだけ価値を感じるかがEX30の購入の判断基準といえるのかもしれません。 いずれにしても、今回日本国内に投入してきたボルボEX30の2026年モデルは、実質450万円以内で購入できるLFPバッテリー搭載のエントリーグレードから、0-100km/h加速3.6秒を実現するパフォーマンスAWDグレード、オフロード仕様のクロスカントリーまで一気にラインアップを拡充してきたことで、大衆EVの購入を検討していたユーザーから雪国在住のユーザーまで、非常に魅力的な選択肢となったことは間違いありません。 コンパクト電動SUVセグメントは新型日産リーフやスズキe VITARAも発売されることから、さらに多くの選択肢からEVを選ぶことができそうです。

TAG: #SUV #ボルボ #輸入車
TEXT:TET 編集部
世界中のジャーナリストを惹きつけた! ボルボのフラッグシップe-SUV「EX90」が2025ワールド・ラグジュアリー・カー賞を受賞

100名近い審査員が高評価 ボルボのフラッグシップEVであるEX90が、ワールド・カー・アワードの「2025 ワールド・ラグジュアリー・カー賞」を受賞した。これでボルボのワールド・カー・アワード受賞は、2018年のXC60によるワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、2024年のEX30によるワールド・アーバン・カーに続き、3度目の受賞となった。 今回の受賞に際し、ボルボ・カーズのCEOホーカン・サミュエルソン氏は「EX90が真にふさわしい評価を得たことを大変うれしく思います。熾烈な競争を制しての今回の受賞は、EX90が世界中のもっとも洗練されたお客さまに支持されていることを証明するものです」と喜びのコメントを発表している。 ボルボEX90は7人乗りのプレミアムe-SUVで、クラストップレベルの静粛性を誇る。シート素材には「ノルディコ」と呼ばれるリサイクル素材とバイオベース素材を用いた新たな素材を採用し、ラグジュアリー性と環境性を高次元にバランスさせ、新たなモダンラグジュアリーの世界を提唱。 ボディデザインはエアロダイナミクスに最大限の配慮がなされ、ボルボが重視する「Form follows function(形態は機能に従う)」という考え方を忠実に反映してデザインされた。 また、ボルボらしい安全性への取り組みとしてLiDARを搭載している。カメラ・レーダー・超音波センサーと組みあわせて安全性の向上を図りつつも、LiDARはルーフライン中央に薄型カバーで一体化させており、空気抵抗を低減を実現している。 世界30カ国、96名の自動車ジャーナリストで構成されたワールド・カー・アワードの審査員は、EX90を徹底的に試乗し、510馬力のツインモーターによる静粛性と力強さを併せ持つ走り、そして長時間の移動でも快適に過ごせるよう、人間工学に基づいて設計されたラグジュアリーなインテリアが高く評価されたという。 2040年には完全なるEV専売メーカーになることを目標に掲げ、かなり思い切ったEVへの転換施策を進めてきたボルボではあるが、昨年に続くワールド・カー・アワード部門賞の受賞は、プロダクトの完成度が極まってきた証拠と言えるのではないだろうか。

TAG: #EX90 #ボルボ #ワールド・カー・アワード
TEXT:TET 編集部
先進技術と高度な安全装備はまさにフラッグシップそのもの! 新型EV「ボルボES90」は今後のブランドの成否を占う重要な1台だった

特徴的な外観以上に凄い中身 ボルボの新型EV「ES90」がオーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、スウェーデンなどの一部市場での注文受付を開始した。ES90は、セダン、5ドアクーペ、SUVの特徴を兼ね備え、革新的なスタイルと実用性を両立させた唯一無二の存在だとボルボは主張している。 ES90はボルボのEVラインアップの最新モデルにして、EX90、EM90、EX40、EC40、EX30に続く6番目のEVだ。 「SUVのEX90とともに、ボルボのフラッグシップのひとつとなり、コアコンピューティングのパワーを活用したソフトウェア・デファインド・カーにおける業界のリーダーとしての地位を確固たるものにします」とは、ボルボのCEOであるジム・ローワンの弁。 進化するクルマ「ES90」 このES90は、ボルボのモジュラープラットフォーム「SPA2アーキテクチャー」を基盤に構築され、統合型のハードウェアとソフトウェアのモジュールとシステムで構成された「ボルボ・カーズ・スーパーセット・テックスタック」を採用。これにより、ソフトウェア・デファインド・カーとして、無線アップデート(OTA)による性能向上が可能となり、データとAIを活用した安全性とパフォーマンスの向上が図られている。 これに対し、ボルボ・カーズのエンジニアリング&テクノロジーの責任者であるアンダース・ベルは、「スーパーセットは、コアコンピューティングによって実現され、ES90は、ボルボ車として初めてデュアルNVIDIA DRIVE AGX Orinコンフィギュレーションを搭載しています。コアコンピューティングの能力という点では、我々がこれまでに開発したなかでもっともパワフルなクルマです。これにより、データやソフトウェア、AIを通じて、安全性と総合的なパフォーマンスの水準をさらに引き上げていきます」と述べている。 ボルボ初の800ボルトテクノロジーは、より高速な充電と優れた総合性能、さらに高効率性を実現している。ES90の場合、350kWの急速充電ステーションでわずか10分間の充電で300kmの航続距離を追加でき、WLTPテストサイクルでは最大700kmの航続距離を可能にしている。それには、0.25という優れたCd値を実現したボディデザインも寄与している。

TAG: #ES90 #ボルボ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
小さくても安全は揺るがない! ボルボ最小のSUV「EX30」がユーロNCAP安全性テストで最高評価を獲得

安全性にこだわるボルボは自車の周囲にも気を配る徹底ぶり ボルボの電気自動車(EV)ラインアップのなかでもっともコンパクトなSUV「ボルボEX30」が、最新のユーロNCAP安全性テストで最高評価の5つ星を獲得した。 ユーロNCAPは、ヨーロッパにおける代表的な自動車の安全性を評価するプログラムだ。市販されている車両の安全性能について、消費者が十分な情報に基づいた判断ができるようにするため実施されている。 これには車内の乗員安全性だけでなく、クルマ対クルマ、歩行者との衝突といった車外に対する安全性も評価項目に含まれる。つまり、万一の事故に対し、ドライバーおよび同乗者の保護性能だけでなく、オフセット衝突時の相手方車両への衝撃の加わり方であったり、歩行者への傷害軽減にも配慮したクルマづくりが評価につながるのだ。 ボルボはかねてから安全性に強いこだわりを持つメーカーだ。「EX30で私たちは、交通量の多い市街地で乗員だけでなく周囲の人々にも配慮したコンパクトSUVを作り上げ、シティ・セーフティを次のレベルに引き上げた」とボルボ・セフティセンターの責任者は自己評価している。 これには公式テストの基準を大きく上まわり、より複雑な現実世界で起き得るさまざまなシナリオに対応できるよう設計されていることが要因だという。 ドライバーエラー、ドライビングミスに対し積極的に働きかけるアクティブセーフティシステムを高次元に設定していることは当然のこと、さまざまな不測の事態に備えたパッシブセーフティシステムがEX30には備わっている。 例えば市街地で予期せぬタイミングでほかのクルマが自車の前を横切った場合には、自動ブレーキが介入しクルマを停止させる「インターセクション・サポート」がある。また、歩道に寄せて駐車しドアを開ける際に、自転車が脇を通り抜けようとすると資格と音声による警告でドアと自転車が接触するのを防ぐ「ドア・オープニング・アラート」などがそれである。 そうした日常使いでヒヤッとする瞬間の事故リスクを軽減することが、ボルボらしくもありユーロNCAP安全性テストでの最高評価につながっているのだろう。

TAG: #EX30 #ボルボ #安全性テスト
TEXT:TET 編集部
ボルボEX30が「2024~2025日本自動車殿堂 インポートカーオブザイヤー」受賞! その選定理由とは?

日本に最適な輸入EVのコンパクトSUV ボルボ・カー・ジャパンは、コンパクトSUVタイプのEV「EX30」が、特定非営利活動法人日本自動車殿堂(JAHFA)が選定する「2024~2025日本自動車殿堂 インポートカーオブザイヤー」を受賞したと発表した。 「日本自動車殿堂」は、日本の自動車産業や文化、学術の発展に貢献した人物の功績をたたえ、後世に伝えることを目的とした団体だ。研究者や評論家、ジャーナリスト、有識者が会員として参加し、優れた業績を残した人々を殿堂入りの形で顕彰し、豊かな自動車社会づくりに寄与していくとされている。 そして、ボルボEX30が受賞した「日本自動車殿堂 インポートカーオブザイヤー」は、その年次に発売された輸入乗用車のなかで最も優れた1台に与えられるイヤー賞だ。 インポートカーオブザイヤーの選考では、「デザイン」、「先進性・独自性」、「実用性・利便性」、「経済性」、「安全性」、「環境性」、「買い得感」、「完成度」の8項目に基づき審査される。 今回、EX30は「日本にフィットするSUVタイプのコンパクトEVであること」、「オリジナリティの高いモダンでスマートなデザイン」、「高い運動性能と実用的な航続距離を実現したこと」の3点が、とくに評価され受賞に至ったという。 EX30はブランド内のEV新車販売率が高いボルボにあっても、全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mmから成る車両サイズは、都市部に多い全高1.6m未満に制限された立体駐車場にも収まることから人気が高く、都市生活者にとってジャストサイズなSUVであることから好評を得ている。 加えて、ボルボらしい安全性やサスティナビリティを十分に意識した設計と、ボルボの母国スウェーデンを中心としたスカンジナビアンデザインが随所に感じられるデザインで、安らぎを与えてくれる存在だ。 製造から廃棄までのライフサイクル全体で、二酸化炭素の排出量削減に取り組んでいるEX30。内外装の素材へ積極的に再生可能素材やリサイクル素材を使用することで、これまでのボルボ車のなかでも最小の温室効果ガス排出量を実現している点は、環境問題に対して感度の高いユーザーからも一目置かれる存在であろう。 2024年の第1四半期では、日本に輸入されるEVの車名別登録台数でトップを獲得しているように、すでに市場からの評価は高い。それだけに、今回の受賞も納得の結果といえそうだ。

TAG: #EX30 #ボルボ
TEXT:TET 編集部
100%EV化に向けた「目標の調整」イコール「EV失速」は早とちり! ボルボの目標は揺るがない

2030年までの歩みが少しだけ変化する「調整」 目下完全なるEVメーカーに変貌を遂げるべく邁進していたボルボ・カーズが、EVに対する市況の変化を鑑みて、そのロードマップを修正してきた。 9月6日にボルボ・カーズから発表された内容では、2040年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするという当初の目標に変化はなく、完全なEVメーカーになる目標も据え置かれた。では何が変わったのかというと、「2030年までに新車のラインアップをすべてEVにする」という中期目標に変化がみられたのだ。 電動化における業界リーダーとしての立場を維持する一方で、市場環境や需要の変化により、電動化の目標の「調整」を決定したというのだ。目標の「修正」ではなく、「調整」という言葉を使っていることからもわかる通り、到達すべきゴールは変わっていない。そこまでのロードマップがやや変化したわけだ。具体的には、完全なEV化の早期実現をやや後ろ倒しにすることで、既存顧客の代替需要に応えつつ、先進的なEVを求める向きにもしっかりと応えられるラインアップを2030年までは保持するように、調整がなされるのだという。 この調整によって、2030年にラインアップの100%EV化を目指していたところから、世界販売台数の90〜100%を電動化車両とするように目標が変化した。電動化車両が意味するところは、EVとプラグインハイブリッドモデルの組み合わせで目標達成を目指すということだ。 そして、残りの10〜0%に関しては、必要に応じて限られた数のマイルドハイブリッドモデルを販売できるようにするとボルボ・カーズは説明している。 現在のところ、2025年までには電動化モデルの割合は50〜60%になるとボルボ・カーズは推測している。2024年第2四半期にはEVのブランド内シェアが26%に達し、ほかのプレミアムブランドと比べても高いシェアとなっている。さらに、EVとプラグインハイブリッド車を含む電動化車両のシェアは48%と、極めて高い値を示していることが、この目標数値の根拠といえそうだ。 これによりボルボ・カーズは、完全な電動化という長期的な目標には引き続きコミットし、長期的な投資計画と製品戦略は依然としてEVに向けたものになると説明。目標の調整は、資本支出計画に重大な影響を与えることはないと予想している。 プラグイン・ハイブリッド車とマイルドハイブリッド車の開発を継続し、完全な電動化の未来に向けた強力な橋渡しとなるバランスの取れたポートフォリオを提供するとし、EVへの過渡期において、顧客のスムーズな電動車両への移行をサポートする姿勢を明らかにしている。

TAG: #ボルボ #事業戦略 #企業
TEXT:saito
「ボルボ EX30」2024年1-4月の輸入EV車名別登録台数1位を獲得

都市部で使いやすいコンパクトボディも後押し ボルボはEVの小型SUV「EX30」が、2024年1-4月の累計で、輸入EVの車名別登録台数のトップを獲得したと発表した。なお、同期間に日本で販売(登録)された台数は942台。すべてのボルボ車の販売台数は4200台と伝えられているので、EX30の販売比率は約22.4%、つまり、販売車両の約5台に1台がEVのEX30であったということだ。ボルボが日本国内でラインアップするEVのC40、XC40も加えると、EV比率は25.8%へと上昇し、ボルボ購入ユーザーの4台に1台がEVモデルを選んでいることになる。 ボルボEX30は2023年11月に販売を開始し、2月下旬からデリバリーを開始したボルボの最新EV。全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mmの車両サイズは、ボルボのSUV史上もっともコンパクトで、一般的な機械式立体駐車場にも収まる。都市部で使いやすいサイズのEVであると言える。 そのうえ、ボルボ車に期待されるスカンジナビアンデザインや安全性、EVの先進性やサスティナビリティが加わることで多くの支持を集めたとみることができる。 EX30は設計の段階から高いレベルのサスティナビリティを実現するように考えられており、生産を含めライフサイクル全体にわたるCO2排出量削減が図られている。アルミ、鉄、プラスチックのリサイクル素材を積極的に使用するなど、内外装の素材に配慮することで、ボルボの既存EVであるC40やXC40と比較してCO2排出量が25%削減されている。 EVであることに加えて、こうした車両開発背景や企業姿勢を知ることで、より価値を感じて購入するユーザーは多いだろう。ボルボのさらなる活躍に期待したい。

TAG: #EX30 #SUV #ボルボ #販売台数
TEXT:小川 フミオ
ボルボの新型EV「EX30」のツインモーターは強烈な加速力と高い安定性が魅力!

EX30のインテリアをチェックした小川フミオ氏は、いよいよバルセロナの街に繰り出す。ツインモーター車は、ボルボ史上最速の加速力を持つことがひとつのトピックだが、それ以外の特徴も見えてきたようだ。 軽快感のある動きが好印象 ボルボがBEV(バッテリー駆動のEV)専用モデルとして開発した「EX30」。スペインのバルセロナで、シングルモーター「ロングレンジ」と、ツインモーター「パフォーマンス」の2モデルに試乗するチャンスがあった。 バルセロナは、街を彩る建築がおもしろい。最も有名なのは、読者の方もご承知のとおり、聖家族教会(サグラダ・ファミリア)に代表されるアントニ・ガウディによるものだ。 ほかにも、カタラン地方特有のモデルニスモ建築や、もっともっと時をさかのぼったカトリックのゴシック建築など、街角を曲がるたびに、まるでワンダーランド並みの楽しさだなと走りながら思った次第。 ツインモーター車は、トータル出力315kW、トータルトルク543Nmと、しっかりパワフルだ。バッテリー容量は69kWhと、数値的にはやや控えめ。 満充電の走行可能距離は480kmだし(実際は7掛けぐらいかな)、バッテリーが大型化する弊害も考え合わせると、いまのツインモーター用で妥当なのかもしれない。 日本でも昨今は、積雪量の多い地方の市場では、選べるなら4WDを、という傾向が強いようだ。昔は北海道でも”後輪駆動でも慣れてれば十分さー”なんてかんじだったのだけれど。時代は変わった。 ツインモーターの特長はもちろん雪上だけのものでない。走りは、十分、加速のよさを感じさせる。 リアモーターでリア駆動の「ロングレンジ」(200kW、343Nm)もスムーズな加速で、気持ちのよい走りを味わわせてくれるが、ツインモーターは上をいく。 アクセルペダルを踏み込んだときのガンッと強い加速感が印象的だ。バルセロナ近郊の自動車専用道路をドライブしたとき、ぐんぐんと速度を上げていく。操縦安定性は高く、ハンドルへのインフォメーションもあって、安心感が高い。 高速を流しているときなどアクセルペダルを踏み込まないと、前輪の駆動力が停止して、さらに電力消費を抑える。このあたりは、エンジン車の燃費対策と同じ考えかただ。 ワインディングロードが少なかったのと、けっこう混んでいたので、ハンドリングのよさなど、”おいしい”ところはあまり堪能できなかったが、車体の重さを意識させない軽快感のある動きはよかった。

TAG: #EX30 #ボルボ
TEXT:小川 フミオ
ボルボの新型電気自動車「EX30」のインテリアは、華美すぎず趣味性が高い。

バルセロナで「EX30」に再会した小川フミオ氏は、改めてインテリアに感銘を受けたようだ。“クラシックボルボ”から受け継がれる同ブランドのインテリアの秘訣も語ってもらった。 趣味性の高い内装 ボルボの最新モデル、BEVとして設計された「EX30」について、私がおおいに興味を持っていたのは、インテリアデザインだ。 そもそもボルボのプロダクトは、内装の趣味性の高さが、大きな魅力のひとつだった。100シリーズ(1966年~)、200シリーズ(74年~)、700シリーズ(82年~)、それに850(91年~)など、どれもデザイン性が高かった。 EX30のインテリアは、上記のクラシックボルボに対して、とうぜん先に進んでいる。最大の特徴は、デジタライゼーションが進んでいること。XC40やXC60といったモデルで大々的に採用した液晶パネルによる操作性をさらに拡大しているのだ。 液晶パネルのなかに機能を集約していった結果、物理的なスイッチ類の数が大幅に減っている。ウィンドウ開閉とドアの解錠と施錠ぐらいしかない。 ただしレバーは2本残されている。ワイパーやライトのオンオフやウインカーはレバーで行う。これもスイッチにカウントするなら、テスラよりは物理的な操作類が多い。 お気に入りの「ミスト」コンセプト これはボルボ車の“伝統”とはいえないが、相変わらず”いいなあ”と思える点がある。室内の造型と、落ち着いた色使いと、シートだ。 「私たちはBEVを脱炭素とを結びつけて開発しているので、エネルギーをたくさん使って作る素材を排除しました」 THE EV TIMESでも紹介した、ボルボでインテリアデザインを統括するデザイナー、リサ・リーブス氏による、コンセプトだ。 たとえばシート表皮もリサイクル材を使った素材。「ブリーズ」と名付けられたパッケージに含まれるシート地は「ピクセルニット・ノルディコ・コンビネーション」なるもの。 「リサイクル素材を使用したピクセルニットに、パインオイルを原料に取り入れたなめらかな触感のノルディコ(人工皮革)を組み合わせました」とボルボでは説明。 もうひとつの内装は「ミスト」。ウール30パーセントをポリエステルとブレンドしたファブリックだ。「寒いときには暖かく、暑いときには涼しい」と、ウールの魅力を活かした素材と説明される。 からだが滑りにくいうえに、布のような感触になじみが持てるため、私にはより好感度が高かった。

TAG: #EX30 #コンパクトカー #ボルボ
TEXT:烏山 大輔
「EM90」はボルボが送り出す最高級の移動空間! 航続距離738kmの6人乗りEVミニバン

ボルボが「電動プレミアムMPV(Multi Purpose Vehicle)」と呼ぶ電気自動車の「EM90」を発表した。まず中国に導入される。一体どんなクルマなのだろうか。 走るリビングルーム 今回、ボルボから発表された「EM90」のプレスリリースと動画をみる限り、ボルボが本気で最高級の快適性を備えた「走るリビングルーム」を作ろうとしているのかが分かる。 ジム・ローワンCEOの「古くからの決まり文句ですが、自宅ほどくつろげる場所はありません。大切な人とつながり、自分らしくいられる場所。新型EM90にインスピレーションを与えたのは、この自宅という感覚です」という言葉からもそれが伝わってくる。 YouTubeで閲覧可能な6分18秒の動画の中では、同車のエクステリアが映るのは、最後のたった10秒だけに限られる。それだけインテリアに重点を置いたと伝えたいということだろう。 このクルマは「プレミアムな6人乗り」と謳われているように、2列目も3列目も2人乗り仕様だ。 特に2列目には、シートヒーター、ビルトイン・テーブルやカップホルダーなどに加えて、マッサージやベンチレーション機能も備わっている。 標準装備の空気清浄テクノロジーにより、どこへ行こうとも車内の空気は外気よりもきれいで、PM2.5微粒子も最大95%除去できるとのこと。 運転席の目の前のディスプレイに加え、ダッシュボード中央には15.4インチのインフォテインメント・スクリーンが装備される。フラッグシップSUVの「EX90」や「EX30」では縦型だったが、EM90では横型を採用している。 さらに、ルーフに設置された高解像度の15.6インチの折り畳み式スクリーンは、動画視聴やビデオ会議、モバイル画面の投影なども可能だ。 外装色は4色(ゴールド、シルバー、ホワイト、ブラック)が用意されている。中国での価格(818,000元)を日本円にすると約1650万円だ。

TAG: #EM90 #ボルボ #ミニバン

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