より幅広い世代へボルボを浸透させるために、「EX30」を主にしたこれからのマーケティング施策を、不動奈緒美社長は柔らかく自信に満ちて語る。
海外ではスタンダードなサブスクリプションを広めて
日本の交通事情にマッチし、一般的な立体駐車場にも対応すると謳われる「ボルボ史上もっとも小さな電気自動車」であるボルボEX30。
都市型のボディサイズであり、それを武器に、従来以上に幅広い世代への浸透をはかりたいとされる。
ボルボ・カー・ジャパン株式会社の不動奈緒美代表取締役社長は、東京・青山の「Volvo Studio Tokyo」で、インタビューに応じて、EX30を主とした今後のマーケティング施策について語ってくれた。
−−EX30を対象にしたサブスクリプションサービスについて、改めてうかがいます。
「ヨーロッパでは、(サブスクは)スタンダードになっています。現金で買うのか、ローンなのか、リースなのか、あるいはサブスクリプションなのか。選べます。日本ではまだテストをいろいろ繰り返している段階ですので、今回EX30では台数を先に決めて導入することにしました。その先は今後の市場の反応などを見てから決めていくことになると思います」
−−EX30のサブスクのばあいは、月額9万5000円のクローズドエンド方式ですね。申込金とか頭金が不要で、かつ任意保険や諸費用が含まれているため、比較的若い層にも受けいれやすい方式かもしれません。
「2022年と23年初頭に、BEVのC40でサブスクリプションのキャンペーンを実施ずみで、市場の反応がとてもよかったため、EX30でも実施するはこびになりました。このさきも、段階的に考えていきたいと思います」
すべてのオーナーを大切にしていきます!
−−むかしのボルボ車がいまも人気がありますよね。240シリーズとか700シリーズとか。昔のボルボ車が好きだというユーザーとは、これからどんなコミュニケーションをとっていきますか。
「私たちはこれからも、車種を限定せずに、ボルボのオーナーさんならどなたでも大事にします。ただ、入口として、若いかたがこれまで1980年代のボルボ車にご興味をもっていただいたとしたら、ぜひEX30を試してみていただきたいと思っています」
−−そのために、補助金をうまく受けられれば400万円台で買えるかもしれない価格設定と、サブスクなど新車購入の敷居を下げた販売方法を用意したということですね。
「EX30で私たちは、いままでボルボは知っていたけれど、乗る機会がなかったというかたに認知を拡げていこうと思っています。もちろん、ICEの生産は2030年まで続けますし、部品供給などのサービスはそのあとも継続します」
−−ボルボがいいのは、モデルごとに違う魅力をもっている点ですね。私は240の、リアシートの出来のよさに驚いています。いま乗ると、とくにびっくりするほど、作りがいい。まさに北欧のぜいたくな家具のようです。
「繰り返しになりますが、ボルボのオーナーはどなたも大切にしていきます。もし、いま古いボルボ車をお持ちで手放すのが惜しいと思っているかたがいらっしゃったら、2台目として、最新のボルボのアイディアが詰まったEX30、どうでしょうか。私たちとしてはできれば若いかたにたくさん乗っていただきたい。そういう点で今回のサブスクリプションはいい例なのかなと。モスイエローという車体色も、若々しくて魅力的だと思いませんか。男性にも女性にも乗りやすいので、これを機会にいちど試していただけたらって思います」
<了>