EVヘッドライン
share:

フィアットの商用EVバン「E-スクード」60台が欧州 の“電気の救急車”部隊に導入[2023.07.28]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:
「E-GAP」が導入した「フィアット・プロフェッショナル・E-スクード」(photo=ステランティス)

移動式充電サービスは電動化社会にとって重要なインフラ
商用EVが出揃いつつある日本国内でも開発・普及を

【THE 視点】ステランティス・グループのフィアット・プロフェッショナルは7月24日、イタリアの移動充電サービス企業「E-GAP」に60台のEVバン「E-スクード」を納入したと発表した。フィアット・プロフェッショナルは、「E-GAP」を「E-スクード」とともにサポートしていくという。

「E-GAP」は、都市部における移動式の急速充電サービス。電欠の救援・救急サービスと理解して良いだろう。利用希望の場合は、同社が展開するスマートフォンアプリを介して予約を行う。アプリに自分のいる場所等を入力すれば給電車両が駆けつけてくれ、料金はオンラインにて支払う仕組みとなっている。

本サービスは現在、イタリア(ローマ・ミラノ・ボローニャ・トリノ・ヴェローナ・ブレシア・トレント)、フランス(パリ)、スペイン(マドリッド)、ドイツ (ミュンヘン)にて提供されており、今後、欧州の各国各都市へサービスを拡大する予定だという。

「E-スクード」は、最高出力100kW(136ps)・最大トルク260Nm(26.5kgm)のモーターを搭載。バッテリー容量は最大75kWhまで用意があり、最大航続距離は330km(WLTP値)となっている。最高出力11kWの普通充電を使用すると45分で80%の充電ができ、100kWの急速充電にも対応している。

日本でもEVによる移動式の充電サービスは展開されており、筆者が知るのは「日産サクラ」をベースに、容量3.35kWhのバッテリーを3基搭載した車両。およそ10kWhの電気の救急車である。

対して「E-スクード」は、少なくとも車両自体に最大75kWhのバッテリーが載っている。充電サービス専用車ともなれば、さらに大容量の給電専用バッテリーを積んでいるのではないだろうか。

現在の日本には、このような大容量の移動式充電サービスがないのが残念である。ただ、パワーエックスが大型蓄電池式の超急速EV用充電器を導入する計画があり、それらを応用すれば、すぐにでも移動式充電サービスを展開できそうだ。車両はEVトラックを使用すれば良い。「三菱ふそう・eキャンター」や「いすゞ・エルフEV」といったおあつらえの素材が日本にはある。

移動式の充電サービスは、今後のEVの普及とともに日本でも必要なインフラとなるはず。是非とも国内に普及してほしいサービスだ。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★自動車メーカー7社が北米にEV充電インフラの合弁会社を設立……メルセデス・ベンツ/BMW/GM/ヒョンデ/キア/ステランティス/ホンダが参画、2024年夏に第1号ステーションがオープン予定

★★新電元、商用EV向けの急速充電器「BC-Pro.モデル」を発売……最高出力60kW、熱に強く16時間の連続運転が可能

★★MINI、直径240mmのOLED(有機EL)ディスプレイをEVモデルに搭載……運転モードに合わせた擬似エンジン音も制作

★ホンダ、小型船向けの電動推進機のプロトタイプを実証実験……島根県松江市の「堀川遊覧船」に搭載し営業運行

★パーク24、東京都大田区所有の事業用地にてEVのカーシェアリングを展開……蒲田5-44の土地にEVステーション、並びに「日産リーフ」2台を配備

★EMデバイス、EVに対応した車載充電器用ACリレーを開発……従来品よりも50%コストダウン

★テラモーターズ、山梨県上野原市にEV用充電器を設置……市役所本庁舎など計7ヵ所の公共施設に

★WHILL、「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」<栃木県那須町>に低速走行の四輪スクーター「モデルS」を導入……2,000円/日でレンタル

★旭化成、独自開発の「リチウムイオンキャパシタ」(LiC)の製造技術のライセンス活動を開始……リチウムイオン・バッテリーと同様の汎用部材が使用可能

★BASF、バッテリー用の正極材工場にリサイクルセンターを併設……欧州における資源循環型バッテリー・バリューチェーンのモデルに

★フォーミュラE第15・16最終戦ロンドン、今週末29日・30日に開催……ポイント・リーダーはジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ)

デイリーEVヘッドライン[2023.07.28]

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
電欠したから仲間のクルマに急速充電器まで引っ張ってもらう……は厳禁! EVが牽引できない理由とは?
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択