マルチパスウェイプラットフォームなので基本的にEV対応可能
トヨタは電動化戦略の中で、BEVについては2030年にグローバルで年間350万台を生産する目標を掲げている。
その中で、3つの類型があることを、トヨタが2023年6月8日に同社東富士研究所(静岡県裾野市)で実施した次世代技術を紹介する「トヨタテクニカルワークショップ2023」で明らかにしている。
トヨタBEVにおける3つの類型とは、「bZ4X」を起点として新たに導入した「e TNGA」、そして車体を大型の鋳造品とする「ギヤキャスト」を使う次世代BEV、そして現行のTNGAを活用した「マルチパスウェイプラットフォーム」の3つだ。
今回の試乗会で、トヨタ開発者に確認したが、新型アルファード・ヴェルファイアに初採用したTNGA・Kプラトームは事実上、マルチパスウェイプラットフォームでもある。
そのため、新型アルファード・ヴェルファイアのBEV化も事実上、可能だ。
では、2030年のBEV年間350万台目標に向けて、アルファード・ヴェルファイアのBEVはいつ頃の登場が考えられるだろうか?
電池の小型化、薄厚化の動向次第
結論からいえば、「電池の進化次第」というのが、トヨタ側の見解だ。
今回の新型で搭載するパタートレインは、シリーズパラレルハイブリッド、2.5リッターガソリン、そして2.4リッターターボの3種類。
今後、プラグインハイブリッド車の登場が予想されるところだ。
だが、さらにもう一歩先のBEV化となると、最大のハードルは車体床部での電池搭載方法にある。
アルファード・ヴェルファイアなどのミニバンは、SUVなどと比べると最低地上高が低く、また車内空間を最大限に活用しているため、車体床部のスペースはあまり大きくない。
実際、技術展示の車体骨格を確認して、改めて実感した。
その上で、トヨタ開発者は「ミニバンとしての使命を最優先することが大事。そこに電池の技術が上手く連携すれば、走行中の静粛性などを考えるとBEV導入の意義は十分にある」という考えを示した。
トヨタは2028年を目途に、進化型のリチウム電池や、全固体電池などを量産するとしており、そうした電池の進化によって、20年代後半から30年代に登場する次世代アルファード・ヴェルファイアがBEV化することが予想される。