日産も2030年まで参戦を表明
うれしいニュースが飛び込んできた。ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11(2024/2025)で、日産フォーミュラEチームから参戦しているオリバー・ローランド選手が世界チャンピオンに輝いた。
フォーミュラEは、「EVのF1」とも称される世界最高峰のEVレース。歴史は2014年からと浅いが、近年は若い世代を中心にテレビ視聴率や観客動員数が着実に増加しており、次世代モータースポーツとして注目されている。日産はシーズン5(2018/2019)から参戦しており、今シーズンは前半戦から好調で、5月に開催された東京E-Prixでもダブルヘッダーの日曜決勝でローランド選手が優勝している。
現時点で、日産は経営立て直しで極めて厳しい状況にあるが、次世代事業の柱になるEVについては、量産車開発へのフィードバックやグローバルにおけるEV関連プロモーションのため、2030年までフォーミュラE参戦を続けると表明している。
では、フォーミュラEとはどんなマシンなのか?
2014年にGEN1(第一世代)として始まり、今シーズンは第三世代の改良版であるGEN3EVOを採用している。ボディ寸法は、全長5020mm×全幅1023.4mm×全高1700mm、ホイールベースは2970.5mm。車両重量はドライバーを含めて859kg。最大出力は350kWで、最大回生エネルギーは600kWの四輪駆動。最高速度は時速322kmで、加速性能は停止状態から時速60マイル(96km)が1.82秒だ。
四輪駆動は予選の一部、決勝スタート、そしてフォーミュラE独特のルールであるアタックモードで作動する。それ以外はリヤ駆動(最大出力300kW)となる。
基本的にシャシーと駆動用バッテリーはワンメイク。その上で、モーター、制御システム、さらにこうしたパワートレインの搭載に関係するリヤサスペンションの一部などをチーム独自に開発できる。パワートレインのサプライヤーは6社。日産、ドイツのポルシェ、英国のジャガー、米欧の合弁ブランドをもつステランティス、インドのマヒンドラ、そして米日独が融合しているローラ・ヤマハである。
また、フォーミュラE主催者によれば、次の次のシリーズとなるシリーズ13(2026/2027)から第四世代・GEN4を投入することが確定している。GEN4はボディサイズがGEN3EVOと比べてひとまわり大きくなり、またプラクティスから決勝まで常に四輪駆動となる。パフォーマンス全般は、F1とF2(スーパーフォーミュラ)の中間程度を狙う。
さらに高性能化するフォーミュラE。ぜひとも日本人選手にレギュラー参戦してほしいものだ。