計測前の準備と計測時の条件
計測前にタイヤ空気圧をメーカー指定値に合わせる。タイヤの製造週年も記録しておく。
多くの人の実際の使用状況と合わせ、再現性の高い電費計測とするため、季節、気温にかかわらずエアコンは温度を23℃に、風量はオートとする。後席用のエアコンもある場合は同じ設定とする。ドライブモードはノーマルとする。
乗車人数による重量差を無くすため一人乗車を原則とする。雨天時は空気密度が上がり空力面で不利な状況となること、水たまりによるタイヤの転がり抵抗も増えてしまうため、計測は行わない。
充電の記録
電費計測の約300kmの行程中に充電した場合はその記録も記載する。充電器も車両側も、より短時間で、より大容量の充電を達成しようと充電能力を向上させているので、本当にそれらの数値どおりの充電が可能だったのか、また充電時にバッテリー冷却装置が作動した時の車内外の音量についても報告したい。
エアコン使用による航続距離の変化
エアコンのオンとオフによって、表示される航続距離にどれほどの差が生じるかも確認する。エアコンオフ時の電池残量(SOC)による航続距離をベースに、設定温度を最も下げて風量最大の状態と設定温度を最も上げて風量最大の状態で、それぞれどれほど表示される航続距離が変化するかも記録する。これにより走行前にエアコン使用による航続距離の変化を事前に考慮したプランをたてる一助としたい。
ACCの使用方法
電気自動車を遠乗りするとき、加速性能の優劣にかかわらずできるだけ電力消費を少なくするために、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を使うユーザーは多いのではないだろうか。
現在は多くのクルマがステアリングのスイッチでACCを設定できるようになっている。モデルによって異なる、ACCの使用方法も記載する。速度設定についてもボタンの1クリックで1km/hごとに変えられたり、10km/h刻みしか設定できない車種もある。
10km/h刻みの車種はどうすれば1km/hごとの設定にできるのかについてもお伝えしたい。
その他、レーン・キープ・アシスト(LKA)やレーン・デパーチャー・ウォーニング(LDW)などの機能についても特異なものがあれば、記載していきたい。
この電費計測によって、BEVの購入を検討している人には電費と航続距離の目安を、すでにBEVを所有している人には長距離ドライブの時の航続距離や充電タイミング、買い替え時の検討材料にして頂けると幸いである。
※以上の計測方法により極力公平かつ厳正な結果となるように尽力するが、季節、気温、天候による差はどうしてもカバーしきれないこと、また電費は実際の乗車人数や荷物の積載量によっても変わってくるため、あくまでも参考値となること、ご了承いただきたい。
基本的には速度規制や車線規制がない状況で走行するものの、避けられない場合は適切な速度で走行し、その区間の電費については数値の補正を実施する。