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乗り心地はマイバッハ超えかも[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]


TEXT:西川 淳 PHOTO:小河原 認
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セダンやマイバッハさえ上回るBEVならではの乗り心地

満充電のEQS450 SUVを都内で受け取り、いざ京都を目指して走り出す。街中での乗り心地はセダンをはるかに上回り、マイバッハGLSよりも優れているとさえ思う。足がしっかりと仕事をこなし車体を震わせたりしないから、重さを必要以上に感じることがない。重厚感はあるというのに、重々しさがない。力のある“電気自動車ならでは”の乗り味だ。

そしてBEVだから静かなことは当然だが、その異次元の静粛性には驚くほかない。防音室に入っているかのようで、不気味なくらいだ。沈黙に耐えきれず、すぐに音楽を鳴らしてしまった。

街中をドライブしていて実はボディサイズもそれほど気にはならなかった。もちろんホテルの駐車場に停めたりする際には気を遣うけれど、街中を走っている分にはそれほど大きいクルマに思えない。着座位置が極端に高くないことと、横長なフロントガラスによって区切られた視界による、いい意味での錯覚もある。もちろん、自分の思い通りに車体がついてくるという感覚があってこそ、だ。

実はEQS SUVのそんな運転しやすさに助けられた場面があった。ちょうど京都へ向かった日の午後は東海エリアに大きな線状降水帯が発生し、豊橋市や豊川市が大水害に遭ったのだが、私も運悪くその時、あのエリアにいたのだ。東名を追い出され、国道1号線の渋滞に痺れを切らして脇道へとそれたとき、前から水が迫ってくるのが見えた。慌ててバックしたのだけれど、その際、とても運転しやすいことに気づいたのだ。夜、視界も悪い中、見知らぬ路地をバックする。慣れたクルマでも難しい。それをこの巨体は難なくこなした!

マフラーのないBEV、最低地上高の高いSUV。交差点が冠水し、水かさがある程度増えてきてもなんとか走りきれたが、こういう時はそもそもクルマを運転してはいけない。

メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV
全長:5,135mm
全幅:2,035mm
全高:1,725mm
ホイールベース:3,210mm
車両重量:2,900kg
前後重量配分:前1,400kg、後1,500kg
乗車定員:7名
交流電力量消費率:221Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:593km(WLTCモード)
最高出力:265kW(360ps)
最大トルク:800Nm(81.6kgm)
バッテリー総電力量:107.8kWh
モーター数:前1基、後1基
トランスミッション:電動パワートレイン eATS
駆動方式:AWD
フロントサスペンション:4リンク式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後275/45R21
最小回転半径:5.1m
荷室容量:195〜2,200L
車両本体価格:1,542万円

>>>次回は、高速道路をドライブした印象を語ります

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