前回に続いて自動車評論家の西川淳氏によるEQS SUVの試乗記をお届けする。車名の通りSUVにもかかわらず余裕ある車体を活かして3列シート7人乗りとなる同車。3列シートの使い勝手やパワートレインについて語ってもらった。
3列目はサッカーマム用
BEV(バッテリー電気自動車)の利点を生かしつつ動的パフォーマンスを考慮したパッケージング。新型「EQS SUV」の内(うち)的な魅力を語るとそうなるだろう。3列目のシートが存在する7人乗りがセールスポイントだが、大型SUVであっても3列目の居住性は必要最小限であると考えるべきで、「サッカーマム」カーとしてギリギリのサイズ感だ。
とはいえホイールベースが3.2mを超えてくるだけあって、1、2列目のスペースはやっぱり相当に広い。
身長170cmの筆者を基準にすると、共にヘッドクリアランスは15cm以上あったし、2列目の膝下スペースも座席を後ろに下げた状態であれば余裕で30cm近くあった。
もっともその際は3列目への乗車は事実上できない。2列目を最も前まで出してはじめて7cmほどのスペースが3列目にもできる。3列目の頭上スペースは身長170cmでもほとんど0に近いから、緊急用か子供用として割り切って使うほかない。
実際には3列目を畳んでしまい、ラゲッジスペースとして使うことが多くなるだろう。その状態で約800Lの容量を確保するというから十分だ。
2列目シートは前後130mmの電動スライド式で、3列目へのイージーエントリー機能も備わっている。全席シートヒーター付きは暖房を極力抑えたくなるBEVの場合、とてもありがたい。たとえ高効率設計のエアコンを装備していたとしても!
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