試乗
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乗り心地の良さとファントゥドライブを持ち合わせたe-SUV[レクサスUX300e試乗記]


TEXT:小川 フミオ PHOTO:小河原 認
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レクサスUX300eのマイナーチェンジの走りに関してはどんなアップデートなのか、その詳細と価格が近いライバルについてを自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏に語ってもらった。

運転好きな方にもおすすめの電気自動車

2023年3月30日にマイナーチェンジを受けたレクサスUX300e。新しいバッテリーパック搭載で、航続距離が伸びたいっぽう、走りの性能もあきらかに上がっている。

ひとことでいうと、楽しい。

「上質ですっきりと奥深い走りの味」をさらにきわめるというのが、今回のマイナーチェンジを受けもった開発陣の狙いだったそうだ。

リアのパフォーマンスダンパーは継続使用。加えて、サイドドア及び、テールゲート周辺のボディ開口部のスポット溶接打点を20点追加することでボディ剛性を強化。

加えて、EPS(電子制御のパワーステアリング)やダンパー設定の最適化を実施。

バッテリーを床下に置いた低重心パッケージの利点をさらに活かすべく、テストコースで「徹底的に走り込み」をしたと、レクサスでは謳う。

加速感も減速感もナチュラルで、ドライバーの感覚にぴったり寄り添うような走りが体験できる印象が強い。

ステアリングホイールの操舵感は、このところのレクサス車(およびトヨタ車)と共通の、しっかり感が強いもの。乗ってすぐは、重くてびっくりするひともいるのでは。

かつてのBEV(バッテリー電気自動車)によく見られた、ことさら初期加速の速さを強調したようなキャラクターでないものの、300Nmのトルクをもつモーターで前輪を駆動するので、速いことは速い。

調子にのって加速して、ちょっときつめのカーブにさしかかったときに、思ったより操舵感が重くて、切り遅れてしまう、なんてことが、初めて乗ったときには起こりうる。

ただし、この操縦感覚にはすぐ馴れる。馴れると、じつに気持ちいい。見ている方向や腕の動き、やアクセルペダルを踏む足など、すべてが一体化して感じられるようになる。

このところ、NX(現在のモデルの発売は2021年10月)、RX(同2022年11月)が、走りも楽しい仕上がりで印象的だったせいもあり、UXの存在感が私のなかではやや希薄だったのは事実。

マイナーチェンジしたUX300eは、バッテリーパックの床下配置による低重心化で、前後重量配分や慣性モーメントなど、バランスがとれた操縦性を有し、かつパワートレインや操舵感覚はナチュラル。

運転が好きなひとなら、パワートレインの内容をとびこえて、UX300eをきっと気に入ると思う。

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