EX30は日本におけるBEVの起爆剤となるか
なお、新興BEVメーカーのBYDが急成長するなど電動化の最先端を走っている印象の中国では、5月のBEV販売台数は263台(対前年同月比84%増)と意外にボルボは売れていない。もっとも、これは中国におけるBEV普及が足踏みしているというより、地場資本の新興メーカーとの競争が激しいことが理由だ。
翻って、ここ日本でのBEV販売台数は「その他」に含まれてしまっているため、今回のリリースからは明らかではないが、ボルボ・カー・ジャパンは昨年の日本市場におけるBEV販売実績が925台だったと発表しており、これを単純に12で割ると単月の平均販売台数は約77台となる。もちろん、足下ではグローバル市場の傾向と同様、前年比で増加が強まっているとは思われるが、いかんせん他の国や地域と比べると水準は低い方だ。
ボルボでは現在、国内市場でコンパクトSUVの「XC40リチャージ」(679万円~)およびそのクーペSUVバージョン「C40リチャージ」(699万円~)を販売している。それぞれのモデルは先日バッテリー容量の拡大(約5%)などのアップデートを受け、航続距離の詳細は未定ながら従来型よりやや伸びて500km半ばほどだろう。この点、ライバルと目される日産「アリア」は航続距離470km(WLTCモード)ながら、価格は539万円~とボルボ税より150万円程度安い。
こうした割高感もあって、国内市場でやや伸び悩んでいると思われるボルボのBEVだが、今夏には完全新規開発のBEVであるコンパクトSUV「EX30」が国内導入される見通し。今年後半からは日本市場も、BEV急拡大というグローバルな潮流に乗ることが期待できるかもしれない。
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