2023年6月
TEXT:西川 淳
3列シート7人乗りの快速電気自動車[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

前回に続いて自動車評論家の西川淳氏によるEQS SUVの試乗記をお届けする。車名の通りSUVにもかかわらず余裕ある車体を活かして3列シート7人乗りとなる同車。3列シートの使い勝手やパワートレインについて語ってもらった。 3列目はサッカーマム用 BEV(バッテリー電気自動車)の利点を生かしつつ動的パフォーマンスを考慮したパッケージング。新型「EQS SUV」の内(うち)的な魅力を語るとそうなるだろう。3列目のシートが存在する7人乗りがセールスポイントだが、大型SUVであっても3列目の居住性は必要最小限であると考えるべきで、「サッカーマム」カーとしてギリギリのサイズ感だ。 とはいえホイールベースが3.2mを超えてくるだけあって、1、2列目のスペースはやっぱり相当に広い。 身長170cmの筆者を基準にすると、共にヘッドクリアランスは15cm以上あったし、2列目の膝下スペースも座席を後ろに下げた状態であれば余裕で30cm近くあった。 もっともその際は3列目への乗車は事実上できない。2列目を最も前まで出してはじめて7cmほどのスペースが3列目にもできる。3列目の頭上スペースは身長170cmでもほとんど0に近いから、緊急用か子供用として割り切って使うほかない。 実際には3列目を畳んでしまい、ラゲッジスペースとして使うことが多くなるだろう。その状態で約800Lの容量を確保するというから十分だ。 2列目シートは前後130mmの電動スライド式で、3列目へのイージーエントリー機能も備わっている。全席シートヒーター付きは暖房を極力抑えたくなるBEVの場合、とてもありがたい。たとえ高効率設計のエアコンを装備していたとしても!

TAG: #EQS SUV #EQS450 #メルセデスEQ
ダスキンが開発した雀蜂駆除用のドローン(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
危険なスズメバチを“主砲”にて一掃……ダスキンが雀蜂駆除・対策用のドローンを開発[2023.06.30]

人の立ち入りが危険な箇所でも作業が可能 危険な虫・獣への対策にドローンや小型EVの活用を期待 【THE 視点】ダスキンは、「自治体・公共 WEEK 2023」<東京ビッグサイト(東京都江東区)/6月28日(水)~30日(金)>にて、ハチ駆除用ドローンを公開した。石川エナジーリサーチと共同開発。2023年下期よりテスト運用を一部の地域で予定し、その結果を受けて全国展開していくという。 スズメバチの駆除は難易度が高く、時として命に係わる危険を伴う。スズメバチ駆除はニーズが高いものの、ハチからの攻撃・高所での作業・熱中症などさまざまなリスクを抱えるうえ、橋脚下といった人が立ち入れない場所での駆除がこれまで課題とされてきたという。 そこでダスキンは、ドローンの活用に着目し、安全性・効率性が高い新サービスを開発した。 このハチ駆除用ドローンが持つ特徴・機能は2つ。 1.掃除機タイプのノズルを使用してハチを吸引する機能 2.蜂の巣をドローンで破壊し取り除く機能。 写真は掃除機装置を装着した吸引式を撮影したものだが、ドリルが装着されたアタッチメントに交換が可能で、巣を破壊し除去できるという。展示されていたプロトタイプは、有線給電方式をとるが、将来的にはバッテリー駆動を検討しているとのこと。 これまでドローンは、撮影計測用や物流目的のものが多数だったが、現在はそこに“一芸”を加えて作業用ロボット化が進んでいる。 今回の害虫駆除用に見られるように、人の手では危険・困難な作業を、遠隔から安全に行えるようになるメリットは非常に大きい。昨今は人里へクマが出没し、人に危害を加えるといった事故が多いように感じる。このようなドローンのほか、小型EVをベースとした遠隔操作機器の活用が広がれば、虫害・獣害による事件・事故が減らせるのではないだろうか。 この展示会では他にも、シェアリング用EVや地域の足となるグリーンスローモビリティ・充電インフラなどEV関係の自治体向けソリューションの展示も多かった。 またドローンに関しては「Japan Drone 2023 第8回/第2回次世代エアモビリティEXPO 2023」の模様を別途レポートする。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ZF、新型のモーター一体型駆動装置「イー・アクスル」を開発……「ポルシェ・タイカン」ベースのコンセプトカー「EVbeat」に搭載、従来のユニットに比べ40kg軽量[詳細はこちら<click>] ★★三菱、ヤマダデンキの5店舗にてEVを販売……法人向けに「eKクロスEV」「ミニキャブ・ミーブ」を新車販売、V2H(EVの電力を家庭用に供給する機器)を含めた提案が可能に ★★エネチェンジ、横浜市と連携……市内公共施設へのEV用普通充電器(最高出力6kW)を導入 ★ホンダ系新興のストリーモ、3輪の電動キックボード「ストリーモS01JT」を発表……伝説の3輪スクーター「ストリーム」の事実上の復活[詳細はこちら<click>] ★国土交通省、「グリーンスローモビリティ」の導入を支援……導入経費の2分の1を補助、6月29日(木)〜7月25日(火)まで公募 ★米トラック大手のマック、中型EVトラック「MDエレクトリック」の受注を開始……最大容量150kWh・240kWhのバッテリーを選択可能 ★山梨中央銀行、「日産リーフ」を導入……社用車として1台 ★ドローン事業のテラドローン、「空の移動革命に向けた官民協議会」の構成メンバーに……国交省と経産省が共同運営の会議、空飛ぶクルマの実装加速を目指す ★テラモーターズ、「テラチャージ株式会社」に社名変更(2024年2月1日付けにて)……EV用充電インフラ「テラチャージ」事業に注力、グローバル企業への成長も目指す ★東京都環境公社、「未来のSDGsエンジニア ‐水素社会たいけんプログラム- 」を開催……水素エネルギーの体験イベントを「水素情報館東京スイソミル」<東京都江東区潮見1-3-2/8月5日(土)・6日(日)>にて、FCEVのゴーカート体験も ★テラモーターズ、社員数が大幅拡大……14ヵ月で4名から100名に、2023年度末に300名を目指し人材を積極採用 ★GM傘下のGMエナジー、V2Hシステム「Ultium Home」をアメリカで発表……蓄電設備がセットのパッケージも用意 ▶︎リコール◀︎「フォルクスワーゲン ID.4」……意図せずドアが開くおそれ デイリーEVヘッドライン[2023.06.30]

TAG: #THE視点 #ドローン #国内ビジネス
TEXT:烏山 大輔
三菱とヤマダデンキが、「eKクロス EV」と「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売で協業

三菱自動車工業とヤマダデンキは、ヤマダデンキの神奈川県と埼玉県の計5店舗において、三菱自動車の軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の法人向け新車販売を7月4日から開始することを発表した。 三菱自動車とヤマダデンキは、これまでもEV販売に関する協業実績があり、2010年にはヤマダデンキの一部店舗でEV「アイ・ミーブ」の新車販売を行っていた。 今回の協業では、三菱自動車の国内販売子会社である東日本三菱自動車販売の営業地域で、法人向け自動車販売を手がけるヤマダデンキの5店舗において新車販売を開始し、今後は販売店舗を11店舗まで増やす計画だ。また、購入後のアフターサービスについては、東日本三菱と連携しヤマダデンキがパートナー(一般社団法人日本自動車車体補修協会)と構築している整備ネットワークが担当する。 三菱自動車は、軽EV「eKクロス EV」と軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の商品ラインナップが揃ったことを機に、ヤマダデンキと再び協業し、お客様にEVの活用提案と利便性の高いサービスを提供することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。 ヤマダデンキは、「創造と挑戦」の理念に基づき、電気自動車(EV)を「21世紀の新しい家電」と位置づける新たな発想とサービスの融合を実現すべく、これまでEV周辺事業であるバッテリーチャージング事業、スマートハウス事業、自動車整備事業(ヤマダ車検)など、次世代モビリティ・ビジネスの構築に取り組んできた。 三菱自動車と再び協業し、EVの取り扱いを開始することで、これまで培ったEV用充電器や太陽光発電システム、V2H(Vehicle to Home)の販売や設置工事請負事業、そして自動車整備などの周辺サービス事業をさらに拡大し、お客様に日本最大級の店舗ネットワークの強みを生かした「EVのワンストップサービス」を提供することで、社会と環境への貢献に資する新たな可能性を追求していく。 EVの取り扱いを開始するヤマダデンキ5店舗 テックランド横浜本店(神奈川県横浜市港南区下永谷5-2-1) テックランド横浜泉店(神奈川県横浜市泉区上飯田町 3937) 家電住まいる館 YAMADA 戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区汲沢2- 1-7) テックランド大宮宮前本店(埼玉県さいたま市西区宮前町 257) Tecc LIFE SELECT 春日部本店(埼玉県春日部市小渕字前田 259-3)

TAG: #eKクロス EV #ミニキャブ・ミーブ #ヤマダデンキ
TEXT:烏山 大輔
ボルボ・カー・ジャパン、Volvo Studio Tokyoで90kWの急速充電サービスを開始

ボルボ・カー・ジャパンは、4月にオープンしたブランド発信拠点「Volvo Studio Tokyo」でメディア向けの体験会を実施。新たに運用が始まった90kWの急速充電サービスの詳細も発表した。 都心の青山に現れたボルボオーナー専用の充電スポット Volvo Studio Tokyoは東京都港区南青山に位置する。この度始まった急速充電サービスは、ボルボオーナー向けだ。都心では珍しく、2口同時接続ながらそれぞれに90kWの充電能力を持つ。 「これだけの高性能充電器は、ビルの建設に合わせて、Volvo Studio Tokyoが入るという前提だったから設置できた。」と、ボルボ・カー・ジャパンの広報担当者が誇らしげに教えてくれた。 同じ港区内で充電器を探すと多数がヒットするが、その言葉通り、90kW以上に絞るとこの施設以外では2箇所4口に激減した。もし絞り込み条件に「雨にも濡れない」「スペースが広い」があればヒットするのはVolvo Studio Tokyoだけになるだろう。 オンラインで予約も可能なこの急速充電器(ABB製Terra184)は“1時間”の枠で予約ができる。充電時間は30分だ。この1時間枠というのは、ボルボ・カー・ジャパンのボルボオーナーに対する配慮だと思った。 急速充電ではスタンダードの30分という時間は、トイレ休憩には長いが、ランチには短いというまさに「帯に短し襷に長し」なのだ。実際に筆者も高速道路のサービスエリアで食事の途中に、充電が終わったクルマを一般駐車エリアに移動させ、食事に戻ったという経験がある。 ボルボオーナーは充電中にスタジオ内で愛車のチャージを待つのもよし、ランチに行ったとしても余裕を持って食事を楽しめるだろう。 充電料金は税込1,500円、つまり1分あたり50円だ。7月からe-Mobility Powerの急速・普通併用プランの急速充電料金も既報の通り1分あたり27.5円に値上げされるので、1,500円はそのおよそ2倍となるが、Volvo Studio Tokyoが都心の青山であることを忘れてはいけない。 この付近の時間貸し駐車場は1時間で1,600〜2,000円ばかりなのだ。つまり青山に1時間駐車したら実質無料で急速充電ができるようなもの。 「その30分の充電で現状のボルボのBEVは80%くらいまで充電できますよ」とは、先ほどの広報担当者の弁だ。 ボルボオーナーなら、青山で買い物や食事をしながら、愛車も充電し、十分なバッテリー残量で次の目的地へ出かけられるのだ。他ブランドのオーナーが羨むスポットではないだろうか。

TAG: #ボルボ #急速充電 #急速充電器
TEXT:桃田 健史
大きく傾けても倒れない!?バック走行も可能な「特定原付」、ホンダからスピンアウトした「ストリーモ」を試乗体験

ホンダのエンジニアが自身の夢の実現ための創業した「ストリーモ」が、2023年7月1日の改正道路交通法の施行に伴い、特定小型原動機付自転車(特定原付)に対応した新モデルを発表した。記者会見の後に、実機を試乗した。 新たに「特定原付」を発売 小型モビリティ開発企業の「ストリーモ」が、特定小型原動機付自転車(特定原付)に対応したモデルを報道陣向けに初公開した。 ストリーモは、ホンダの新事業創出プログラム「IGNITION」から生まれたベンチャー企業。これまで、第一種原動機付自転車(原付一種)のストリーモ「S01JG」を先行発売してきたが、今回は新たに特定原付モデルの「S01JT」を追加した。 いずれのモデルも、最大の特徴は3輪車であることだ。 ストリーモでは「自分のペースで移動できる立乗り三輪モビリティ」というキャッチコピーを使っている。 三輪であることでの走行安定性によって、幅広い層のユーザーが気軽に扱える乗り物というイメージで、すでに多くのメディアで取り上げられている。 駆動方式は前輪駆動で、バック走行も可能だ。 また、様々な実証試験についても具体的に進み始めている。 例えば、2022年11月に、2025年大阪・関西万博の会場内外での次世代都市交通手段を想定した実証試験への参画を発表。 2023年3月には、北九州市の東田・未来都市プロジェクトに参画し、北九州市立響灘緑地(グリーンパーク)での実証試験を開始している。 第一次の販売募集では、限定300台に対して1,200件を超える応募があるなど、すでに一部では人気モデルとして認識されている。

TAG: #SO1JG #SO1JT #ストリーモ #特定原付
TEXT:西川 淳
メルセデスの最上級SUVに対する本気度が伝わる[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]

日本国内で5月29日に発売が開始されたメルセデス・ベンツの電動ブランド「EQ」の最上級SUVにあたるのが「EQS SUV」だ。日本導入直後のこのクルマにいち早く試乗した自動車評論家の西川淳氏に同車を語ってもらった。 急拡大しているEQのラインナップ メルセデス・ベンツおよび同AMGのフル電動化への本気度は電気自動車「EQ」シリーズの充実ぶりをみれば明らかだ。すでにAからSクラス相当まで、内燃機関シリーズと同様の基本ラインナップ(一部を除いたセダンとSUV)が出揃っている。欧州ではすでに「EQV」や「EQT」も存在するし、電動Gクラス「EQG」の登場ももうすぐだ。 このままの勢いが続けばスポーツカー版(EQSL?)のデビューもそう遠くないだろう。日本でもEQシリーズをメインに扱うディーラーができるなど、BEV(バッテリー電気自動車)がより親しみやすい状況になりつつある。商品ラインナップと充電インフラの拡充がまさに同時並行的に起きているというわけだ。 そんななか、EQシリーズにおけるフラッグシップモデル、「EQS SUV」がついに日本上陸をはたした。メルセデスのEV専用プラットフォームであるEVA2をSUVとして初めて採用し、3列シート7人乗りとした。 日本仕様として「EQS450 4MATIC SUV」と「EQS580 4MATIC SUVスポーツ」というモーター性能スペック違いの2グレードを設定。実はさらに上級の「メルセデス・マイバッハEQS680SUV」も存在する。SUVがマイバッハブランドで初のBEVとなったことからも分かるように、今やSUVスタイルが事実上のフラッグシップモデルということになるだろう。

TAG: #EQS SUV #EQS450 #メルセデスEQ
ワヤレス充電ポイントに駐車するシーン(photo=ワイトリシティ)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
EV用ワイヤレス充電が日本上陸……シナネンホールディングスが米「ワイトリシティ」の国内代理店に[2023.06.29]

駐車するだけで充電が開始し走行中給電も可能 プラグの抜き差しの煩わしさから解放 【THE 視点】シナネンホールディングスは6月26日、EVのワイヤレス充電システムの生産・販売を展開するアメリカの企業「 WiTricity(ワイトリシティ)」と、今後の協力関係に関する基本合意を締結したと発表した。ワイトリシティのEVワイヤレス充電システムを日本へ導入する。 ワイトリシティは、マサチューセッツ工科大学にてEVのワイヤレス充電技術を開発していた研究室のメンバーが2007年に設立した企業。 同社のワイヤレス充電システム「ワイトリシティ・ヘイロー」は「磁界共鳴方式」を採用。地上に設置した送電パッドと、EVに取り付けた受電パッド(レシーバー)との間で、磁界を共鳴させ電力を供給するものだ。 EVと充電機器とをコードでつなぐ必要がなく、EVを送電パッドの上に停車させて、パワースイッチを切れば自動で給電が開始される。車両側レシーバーは、PHEV、BEVなどに適用でき、既存のEVへの後付けも車種によっては可能である。標準伝達電力は11kWで、ケーブルが必要なレベル2充電システムと同等の電力転送効率・充電時間での充電が可能。 また、EVをワイヤレスにて常時接続しておけるので、V2H(EVの電力を家庭用電力として使用可能にする機器・インフラ)などにも対応でき、分散電源・非常電源としての活用ができるほか、給電装置を道路に埋め込めば走行中の充電も可能になる。 ワイトリシティは、ワイヤレス充電技術について、1,300件以上の世界的な特許を所有し、これまでに自動車メーカーや電力機器メーカーとの協業にて実装を行ってきた。しかし現在は、地上側送電パッドや車両側レシーバー等の生産を開始することに伴い、「ワイトリシティ」ブランドとしての一般販売開始を目指している。 日本市場への上陸もこの一環と言える。日本で本格展開するために、シナネンホールディングスと協力関係の構築に関する基本合意締結に至った。 ワイヤレス充電自体は日本でも身近な存在で、スマートフォンではすっかりお馴染みのシステムとなった。EVではこれからだが、実はBMWの旧型「5シリーズ」のPHEVにオプション設定があった。 EVを充電するにあたって、機器からプラグを接続する動作を面倒だと思う人が一定数存在するのは確かだ。このワイヤレス充電を設置すればEVを車庫などに止めるだけで自動で充電されるので、手間は限りなくゼロになる。雨の日や多数の荷物を抱えているような場合には重宝するであろう。 また、走行中給電にも対応できるのはひとつのトピックだ。スウェーデンでは、2035年までに高速道路上の3,000kmにわたって走行中のワイヤレス給電設備を整備するとの話もある。 今後、EVのワイヤレス充電は急速に普及が見込まれるシステムであろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アストンマーティン、高級・高性能EVを開発へ……米新興のルーシッドがパワートレインを供給 ★★BMW、米サウスカロライナ州にて高電圧のバッテリー・アセンブリー工場を着工……EVの「X」モデル用のバッテリーを生産 ★★ランチア、EVコンセプト「ピューラHPE」の欧州巡業が終了……新型「イプシロン」を2024年上半期に発売と発表も ★ヤマハ発動機、EVスクーター「E01」のレンタル規模を拡大……全国の正規販売店「YSP」を中心に、2023年7月より配備拡大 ★ボルボ、テスラの充電インフラ「スーパーチャージャー」を利用可能に……2025年以降のボルボ製EVが対応、米国・カナダ・メキシコにて計1万2,000の充電ポイントを持つ巨大ネットワーク ★オペル、「アストラ・エレクトリック」の純正アクセサリーを公開……自転車用キャリアなども用意 ★欧州カーシェアリングのFree2move、EV充電事業に進出……「Free2move Charge」を開始、欧州と北米にて展開 ★メルセデス・ベンツ、EVトラクター・ヘッドの「eアクトロス 300 トラクター」をオランダの物流関係企業に初引き渡し……航続距離220kmで最大160kWの急速充電に対応 ★アウディ、「e-tron GT」などを使用したツーリングイベント「Audi x Michelin Guide 2-day tour experience」の募集を開始……ミシュランガイドとのコラボレーションでグルメを堪能、7月21日(木)〜21日(金)の2日間 ★GM参加の防衛企業GMディフェンス、国防総省のエネルギー・ストレージ・ユニットを試作へ……電力がない場所での作戦などへの活用を視野、バッテリーや水素由来の発電も検討 デイリーEVヘッドライン[2023.06.29]  

TAG: #THE視点 #充電インフラ #国内ビジネス
モリタ・メビウス・コンセプト(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
消防にも電動の波……「東京国際消防防災展」にて国内大手「モリタ」がEV消防車を初公開

5年ぶり開催の消防展は電動化が目立つ展示内容 日本最大級の消防・防災に関する展示会「東京国際消防防災展2023」(主催:東京消防庁/東京ビッグサイト/東京国際消防防災展2023実行委員会)が、6月15日〜18日に東京ビッグサイト<東京都江東区>にて開催された。 本イベントは5年に1度のペースで開催されており、今回は11回目となる。出展数は、前回を上回る325社・団体となった。 展示内容としては、「消火・救急・救助・避難・誘導」「防災・減災・災害対策」「情報システム・通信サービス」「消防防災に関する製品・サービス・その他」の4分野に加えて「非常用電源」の展示、そして東京消防庁が、火災・災害から身を守るための最新の技術や注目の製品を紹介していた。また、国内外の消防車のほか、レストアされた消防車や米軍基地所属の消防車も多数展示された。 筆者は今年に入ってから、チューニングカーから建設機械に至るまでさまざまな展示会に足を運んでいるが、全てにおいて電動化が進んでいることが確認できた。今回は消防であるが、やはりここも同様である。今回はEVの消防車ほか関連する車両・機器について写真とともにレポートする。 帝国繊維、デザインも美しいオーストリア製「ローゼンバウアーRT」を出展 まずは、「デイリーEVヘッドライン」でもお伝えした、オーストリアの「ローゼンバウアー」(輸入元:帝国繊維)のEV消防車だ。「ローゼンバウアーRT」は欧州車ともあり、日本車とは違うそのボディデザインとも相まって、会場でひときわ目立っていた。 ボルボのパワートレインを採用した前後2モーター式の全輪駆動に、4WS(全輪操舵)機能も備える。ちなみにモーターは、1基あたりの最高出力が180kW(245ps)なので、システムの総合出力は360kW(490ps)となる。   バッテリーは、電圧が650V・最大容量132kWh(66kWh×2)のものに、バックアップ用として225kW(306ps)のディーゼルエンジンを積む。厳密に言えば、この車両はプラグイン式のシリーズ型ハイブリッド車(PHEV)であり、長時間に及ぶ作業にも対応が可能となっている。 他にも帝国繊維のブースでは、「Vetter EIS」EV隔離消火システムも展示。EVの火災消火後の再燃を防ぐため、一旦消火した後に「Vetter EIS」で車両を包み、その中に水を入れて消火する。 モリタホールディングス、「三菱ふそう eキャンター」ベースのEV消防車を国内初公開 モリタは、日本初となるEV消防ポンプ自動車「MoEVius concept(メビウス・コンセプト)」を展示。 三菱ふそうの「eキャンター」をベースに、独自開発した「ePTO」(電動ポンプ駆動システム)と「e-Fireポンプ」(EV専用ポンプ)を搭載し、高いエネルギー効率を実現。2024年の発売に向け開発中と言う。 合わせて、今後登場するであろうEV消防車のための汎用ユニットで、ePTOとe-Fireポンプを一体化させた「MoEVius(メビウス)」(EN規格準拠 搭載型電動水ポンプ)を展示していた。 また、多目的消防戦術ロボット「ウォルフR1」を展示。バッテリー駆動の遠隔操作型消防用ロボットで、2,000L/分の電動放水銃を装備。倉庫火災・トンネル火災など危険な現場で威力を発揮するという。 東京消防庁、「トヨタ・ミライ」ベースの査察広報車を出展 今回の主催者でもある東京消防庁は、様々な消防車両を展示・デモをしていた。EV関係では、FCEVの「トヨタ・ミライ」、「三菱エクリプスクロスPHEV」をベースにした査察広報車を出展。災害現場での情報収集や広報活動を支援する車両だという。 またEVの特殊救急車として国内で初めて導入(2020年)された「日産NV400」を展示。この車両は欧州仕様となる。バッテリー容量は33kWhで130kmの航続が可能。電動ストレッチャーまで装備する。 ここまで大手を中心に紹介したが、展示されていた電動系の消防機器はこれだけではない。次回は後編として、電動の消防支援車両・機器を紹介したい。

TAG: #THE視点 #はたらくEV #国内ビジネス
TEXT:生方 聡
ドライブに行きたくなる! ドライバーもゲストも満足の走り[メルセデス・ベンツEQE試乗記]

メルセデス・ベンツのミドルサイズセダンだけに、EQEに対する乗り心地や走りの期待値は高い。果たしてその仕上がりは、期待どおりだろうか? エアマチックサスペンションが生む快適な乗り心地 EQEにはすべてのグレードに「エアマチックサスペンション」が標準装着されている。これは、コイルスプリングの代わりにエアスプリングを用い、さらに走行状況にあわせて減衰力を調節するアダプティブダンピングシステムを組み合わせたものだ。 ドイツの高級モデルではポピュラーなこの機構、EQEにとってもその恩恵は大きく、一般道から高速道路まで、マイルドで心地よい乗り心地をもたらしてくれるのだ。かといって柔らかいのとは少し違い、EQEの動きには落ち着きがあり、とくにスピードが高い状況では、安定感に富む、いわゆるフラットな乗り心地を示すのがうれしいところだ。高速で目地段差を通過する際にリアからショックを伝えることもあるが、255/45R19タイヤを履くことを思えば、十分に納得のいく仕上がりといえるだろう。 全長が4,970mm、ホイールベースが3,120mmと余裕あるボディサイズだけに、運転は退屈かと思いきや、クイックなギア比のステアリングや、標準装着のリアアクスルステアリングのおかげで、EQE 350+の動きは見た目以上に軽快であり、運転を始めてしまえば、ボディの大きさが気にならない。 それどころか、片側1車線の道路でUターンするときには、コンパクトカーも顔負けなくらい小回りがきき、運転していて驚いたほど。ただ、車庫入れでバックするときなど、思った以上に切れ込んでいくので慣れが必要である。

TAG: #EQE #メルセデスEQ #メルセデスベンツ
FC用電動ターボコンプレッサ(photo=IHI)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
過給音が燃料電池(FC)から聞こえる理由とは⁉︎……IHIがFC向けの電動ターボを開発[2023.06.28]

空気が薄い高高度でもFCの化学反応を安定化させ機内の圧縮空気での稼働も可能 トラックなどパワーの必要な大型FCEVへの転用も期待 【THE 視点】IHIは6月16日、燃料電池(FC)向けの電動ターボコンプレッサーを開発したと発表した。 航空機への搭載を想定したもので、燃料電池本体に圧縮空気を供給し、水素と酸素の反応を促進させるもの。空気の薄い上空でも大量の空気をFCに供給し発電を促進させ、安定した飛行が可能となる。 空気浮上式ガス軸受電動モーターを搭載したことで、世界最高レベルとなる出力(従来比3.5倍)を発揮するという。また、燃料電池から排出される水蒸気を動力としても活用が可能。これにより、100kW(136ps)の出力が得られるとのこと。飛行中の薄い外気を圧縮して客室空調へ供給しつつ、客室の圧縮空気を逃がすエネルギーを動力源とすることも期待できる。 IHIは、「小型旅客機用の水素燃料電池推進システム」「機内使用電力用の燃料電池発電システム(ガスタービン発電機の代替として脱炭素化に寄与)」「現在運航している民間航空機の後継機となる中型旅客機の空調の省エネ化などの実現」に活用できるとしている。 なお本開発は、IHIが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「次世代電動推進システム研究開発 電動ハイブリッドシステム」において実施したものである。IHIは、2030年の実用化を目指すという。 今回の製品は航空機への搭載を前提としたものだが、実はIHIは、既に燃料電池車(FCEV)の「メルセデス・ベンツ GLC F-CELL」に電動ターボを搭載している。こちらも、FCスタックに送る圧縮空気用に排出される空気でタービンを回すので、今回発表されたものと同じ構造を持つと推測できる。 このターボを使えば、アメリカのパイクスピークなど4,000mを超える高地にFCEVで上れる。また、排出空気を再利用できる点においては、モーターユニットの小型化と高回転・高出力化が期待できる。それは、取り付けのためのスペース確保が容易になるということだ。 このターボはFCEVトラックにも有用であろう。積載状況や配送ルートによっては大パワーを必要とするため、このターボがあれば急坂なども登りやすくなる。より効率的かつ柔軟なルートの選択につながると考えられる。 FCターボは、航空機だけではなく自動車の分野でも有用であるはずだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★名鉄協商とドコモ、カーシェアにEVを共同で導入……ドコモの「dカーシェア」で利用可能な名鉄協商の「カリテコ」にEVを順次導入、名古屋市中村区内の名鉄協商パーキング2ヵ所に「日産サクラ」を各1台ずつ6月28日(水)より利用開始 ★★エネチェンジ、決済向けアプリ「EV充電エネチェンジ」と充電スポット検索アプリ「EVsmart」を統合……統合版の新アプリ「EV充電エネチェンジ」が6月28日(水)から開始[詳細はこちら<click>] ★★国土交通省・経済産業省・環境省、「令和5年度商用車の電動化促進事業」の公募を合同で開始……EVトラックやタクシーの導入費を集中的に支援、2023年6月27日(火)〜2024年1月31日(水)まで募集 ★★DHLジャパン、配送用にEVトラック19台を追加で導入……「日野デュトロ」18台に加えて、「三菱ふそう eキャンター」を1台 ★ポールスター、SUVの「ポールスター2」を改良……新型のモーターやバッテリーを採用、シングルモーターの長距離モデルは654km(WLTP値)の航続距離に ★経済産業省、「第1回 充電インフラ整備促進に関する検討会」を開催(終了)……エネチェンジ/テラモーターズ/eモビリティ・パワーなどが出席、事務局提示のロードマップについて参加団体から意見を聴取 ★シナネンホールディングス、EVワイヤレス充電の「ワイトリシティ」(アメリカ)と協力……ワイヤレス充電設備を日本導入、シナネンが代理店に ★DUALホールディングス、近畿日本ツーリストと業務提携……「EV充電コンシェルジュ」サービスを開始、近畿日本ツーリストの取引先(旅館・ホテル)に直接ヒアリングが可能となり、充電インフラ問題の解決を目指す ★テラモーターズ、EV用充電器の受注台数が4,700超え……2022年の事業開始から14ヵ月で達成 ★ボードリー、茨城県境町にて運行中の自動運転EVバス(レベル4)にてHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の実証実験を開始……市光工業製のディスプレイを設置し、右左折やあいさつ文などを表示 ★三井物産、マイクロ波によるリチウム鉱石精錬技術を開発へ……マイクロ波化学と共同開発、煆焼のプロセスを電化しCO2を削減 ★レクシブ、「しずおか連携中枢都市圏」(静岡市/島田市/藤枝市/焼津市/牧之原市/吉田町/川根本町)にてEV導入をサポート……「脱炭素先行地域選定のための計画提案書作成業務の事業者」に選定 ★テラモーターズ、電気・通信インフラのエクシオグループと業務提携……相互のインフラ技術を活用し充電インフラの普及加速を狙う ★日産、香川県丸亀市とEVを活用したまちづくりで連携……公用車に「リーフ」を導入、災害時のEV電力の活用や電力の地産地消の促進など デイリーEVヘッドライン[2023.06.28]

TAG: #THE視点 #テクノロジー #燃料電池(FC)

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EVミニバンは誰が買うのか? VWが明かした意外な「ID.Buzz」の購入者像
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コラム
EVって変速機がないって聞くけどなんで? じつは変速機がないことによる多大なメリットが存在した
急速充電は人間の「早食い競争」のようなもの! 急速充電の多用が電池の劣化を早めるワケ
スバルに求めてるのはコレよ! 新型EV「トレイルシーカー」の日本導入を切望!!
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
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イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
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