コラム
share:

ZFジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスが商用汎用EVプラットフォームコンセプトを発表


TEXT:福田雅敏 PHOTO:福田雅敏
TAG:

120台を同時に充電できるHypercharger for Fleet

続いての登壇は、パワー・エックスの伊藤正裕社長。パワー・エックスは、大型電動船や超急速EV充電用蓄電池で有名になったスタートアップ企業だ。ビジョンとして、「永遠に、エネルギーに困らない地球」、2030年までのミッションとして、「自然エネルギーの爆発的普及を実現する」を掲げている。

まず紹介されたのが定置用電池の導入について。30ft(フィート)のコンテナサイズの蓄電池で容量は3,491kWh、664.2kWの太陽光発電を併用した物流倉庫での試算では、太陽光+蓄電池を置かない場合と比較して、年間の電気料金が63%減の3,692万円に下がるという。投資回収年数も7年と比較的短い。太陽光の寿命を20年と考えると随分とリーズナブルなものである。

この蓄電池を汎用化し販売を計画中なのが、「Power Cube」(空冷)。2024年以降発売予定で、1個のモジュールで最大1.6MWh(=1600kWh)、最大3モジュール(4.8MWh)までの組み合わせが可能だ。

そして今回の目玉として発表されたのが、商用車EVフリートマネージメント「Hypercharger for Fleet」である。最大240kWの超急速充電器を6台接続が可能で、さらに6kWの普通充電器30台と組み合わせることができる。蓄電容量は最大4MWhまで拡充でき、その場合最大120台のEVを同時に充電できる。

「Hypercharger for Fleet」の電力契約は低圧の50kW以下でよく(高圧受電不要)、年間の電力基本料金が61万円となり、「Hypercharger for Fleet」を採用しない場合と比較して、年間で700万円、90%の大幅な基本料金の削減になる。投資への回収もおよそ3~7年で、バッテリー寿命より大幅に短いことが売りだ。

最後にパワーエックスは、バッテリーの自社製造に力を入れており、岡山、徳島で製造していくことも明らかにした。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択