企業と地域社会の相乗効果を表すモデルケース
フェラーリのCEO、ベネデット・ヴィーニャ氏はこのプロジェクトについて「サステナビリティは私たちの優先課題のひとつです。私たちは、2030年までにカーボンニュートラルを達成するだけでなく、より大きな変化を起こす先駆者の役割を果たしたいと考えています。フェラーリ・エナジー・コミュニティは、地元企業と地域社会との相乗効果の可能性を具体的に示す好例であり、イタリアのエネルギーシステムに重要な利益をもたらすモデルケースです。その拡張性と再現性から、市民や企業のエネルギーコストを削減しながら、脱炭素化のプロセスを加速させる後押しとなるでしょう。」とコメントした。
このプロジェクトは、フェラーリのサステナビリティに対する取り組みを示すものであり、企業が環境に貢献しながら、地域社会や経済にも貢献する方法を模索する上での模範的な実例となるだろう。
フェラーリは、再生可能 エネルギー共同体のほかにも、様々なプロジェクトを推進・開発している。その例として、2022 年にはマラネッロに1MWの燃料電池発電プラントと最大発電量450kWpの太陽光発電システムを設置し、2023年にはさらに2MWの太陽光パネルを増設する予定だ。また、エネルギーや原材料をより効率的に使用するために、従業員の提案により多くのイノベーションも採用してきた。このような取り組みにより、2022年には製造工程におけるエネルギー消費量を1台あたり約5%削減している。
スーパーカーメーカーの代名詞であるフェラーリが自社の施設で再生可能エネルギーによる脱炭素に取り組み、それを地域社会とともに、かつ地域社会にもメリットがある形で実施していることが新しく、より地域で愛されるブランドになっていくだろう。
2013年にラ・フェラーリでブランド初のハイブリッドモデルを世に送り出したフェラーリは、現在PHEV(プラグインハイブリッド)モデルであるSF90シリーズと296シリーズをラインナップしており、2025年にはBEV(バッテリー電気自動車)モデルのローンチを予定している。電動化モデルによるCO2削減にも邁進するフェラーリに今後も注目していきたい。