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「データサイエンス」や「AI」がEV普及を促進。DeNAが提案する電気自動車の効率的運用


TEXT:岩尾 信哉
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「乗ってみなければわからない」から「乗る前にわかる」に

DeNAとしては、EVを運用するうえでの具体的な運用データ活用方法として「実用性能予測」「バッテリー残存性能予測」をポイントとして挙げている。

DeNAが注目したのは、EV普及のボトルネックになっていた「実用航続距離」が、車両データを取得せずとも簡単にシミュレーションできることだ。EVの実用航続距離や導入効果はバッテリー性能情報がないと計算できないと考えられていたが、手元にある情報のみでシミュレーションできるようになったという。

さらに、自動車技術とDeNAがこれまでプラットフォームやインターネットサービスの運用で培った、データサイエンスやAIの技術などのノウハウを組み合わせることで予測が可能になった。

従来はEVを導入しなければわからなかった実用航続距離や導入効果(経済性や環境性)をあらかじめ把握できれば、用途に適したEVを安心して導入できるようになるとしている。

このようにDeNAは、これまでプラットフォームやインターネットサービスの運用で培ったデータサイエンスやAIの技術と、自動車技術を組み合わせることで、現行車両の情報からEV導入後の実用航続距離や導入効果を予測するEV転換シミュレータ「FACTEV」を開発した。

EV転換シミュレータ「FACTEV」を開発

DeNAが開発したEV転換シミュレータ「FACTEV(ファクティブ)」は、車検証や定期点検情報、運行管理台帳情報などの基本情報で、車両の使われ方を特定する。さらに、走行地域の道路特性や気象情報の分析を加え、用途に合った候補となるを選定し、実用性能(実用航続距離やバッテリー状況)や導入効果をデータで提供するとしている。

シミュレーションには、新たに情報(車載器から取得するCANデータなど)を取得する必要がないため、すぐに候補EVの提示や、実用性能や導入効果予測を顧客に提示できるという。

まずDeNAは法人のEV普及のカギを握るオートリース会社を対象に、「FACTEV」の試験提供を開始する。これにより、オートリース会社が顧客に適したEVをデータに基づいてお勧めできる環境づくりが可能になるとしている。今後は実際のEVの走行データがどのように活かされるのか、注目したい。

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