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「データサイエンス」や「AI」がEV普及を促進。DeNAが提案する電気自動車の効率的運用


TEXT:岩尾 信哉
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株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は3月末に都内において、メディア向けに電気自動車(EV)に関する運用時のデータ活用と流通の革新について、メディア向けのラウンドテーブルを開催した。今回の内容として、DeNAはEV普及やカーボンニュートラル実現に向けたデータ活用に焦点を当てて解説。同社が法人のEV普及を促すために開発した、EVの実用航続距離や導入効果予測を“見える化”する、EV転換シミュレータ「FACTEV(ファクティブ)」を、オートリース会社向けに試験提供を開始したことを発表した。

EV普及の現状と課題

今回のラウンドテーブルでは、日産自動車やフォーアールエナジー株式会社(日産傘下のバッテリーに関するリサイクルなどの活用を図る事業に取り組む企業)などでEVの開発に携わってきたDeNAフェローの二見 徹氏が解説を行った。同氏は2000年以降は日産リーフ向けICTシステム、自動運転、コネクテッドカーに関わる技術戦略、研究戦略に従事した経験をもつ。

まずはDeNAが考えるEV市場の状況説明からトピックを拾うと、⽇本市場においてEV普及を阻害する課題についてポイントとなるのは、価格、航続距離、バッテリー寿命、充電インフラなどが挙げられた。

具体的には、日本におけるEV乗用車販売比率(2022年1月〜12月)は1.42%(※1)にとどまり、EV普及で先行する北米、欧州、中国に大きく差を付けられており、EV普及を阻害している主な要因として「価格(の高さ)」、「航続距離(への不安)「充電インフラ(不足)」が指摘されている。

EV普及を阻害する3大要因

「価格」については、近年、軽自動車のEVや一部の輸入車EVを中心に低廉化が進み、補助金を活用することでガソリン車並の価格で購入可能な車種が登場している。「充電インフラ」についても、急速充電器の設置に対して国の補助金が増額されるなど、徐々に拡充しているという。

いっぽう「航続距離」は、バッテリー容量大型化などにより、徐々に長距離走行も可能になっているものの、使用環境や運転の仕方、用途などにより、実際の航続距離(実用航続距離)は大きく変動する。

このため、顧客ごとに異なる実用航続距離をカタログ航続距離(JC08モードやWLTCモードなど)から予測したり、EV導入後の運用イメージ(途中充電の要否、頻度など)をEV導入前に把握することは困難だった。
※1:出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 「燃料別販売台数(乗用車)」

解説の中では、EVの「価格」は2025年にはガソリン⾞ハイブリッド⾞と同等程度まで下がると予測されるが、「充電インフラ」の拡充が⼤きく遅れている⽇本で、EV普及のボトルネックとしては「航続距離」に対する不安が挙げられている。

このように、DeNAとしてはEV普及を阻害する3大要因として、価格の高さ、充電インフラの整備不足、航続距離の短さを指摘する。

いっぽうで、データの活用でEVの導入判断が促進されて、EVがスマートフォンと同様にクラウドと接続されることで、車両の稼働率を向上させ、利用寿命を伸ばせる可能性があるという。

さらに、EVをクルマという狭い視野でとらえるのではなく、データ連携基盤を含めたより大きなエコシステムとしてとらえることで、サーキュラー・エコノミーなど、革新的な流通の構築も可能になるとDeNAは主張する。

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