コラム
share:

水素燃料電池車は大型トラックでこそ活きる? FCVトラックのいまの立ち位置と立ちはだかる課題


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:日野自動車/テスラ/Japan Mobility Show 2025/写真AC/TET 編集部
TAG:

FCVの大型トラックの開発が進んでいる

燃料電池車(FCV)といえば、トヨタMIRAIを思い浮かべる読者も多いだろう。

ほかに、乗用車での技術を応用し、大型トラックに燃料電池(FC)を活用しようという動きがある。トヨタ・グループの日野自動車の例があり、ほかにホンダ(本田技研工業)も燃料電池開発は続けていて、いすゞとともに実用化へ向けた開発が行われている。海外では、ドイツのダイムラートラックと、スウェーデンのボルボが取り組んでいる。

日野プロフィア Z FCV

国内では、アサヒグループジャパン株式会社(以下、アサヒグループ)、西濃運輸株式会社(以下、西濃運輸)、NEXT Logistics Japan株式会社(以下、NLJ)、ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)が、2023年5月から、燃料電池トラックの実証走行を開始した。

日野プロフィアという既存の大型トラックを基に、固体高分子形の燃料電池と、70MPa(メガパスカル=約700気圧)の水素タンクを車載する。1回の水素充填で走行できる距離は、約600km(都市間と市街地の混合モードでのトヨタと日野の計測による)であるという。

日野プロフィア

トラック輸送には、総重量の制約があり、車両重量と積み荷を合わせた重さの上限がある。したがって、電気自動車(EV)では駆動用バッテリーを車載しなければならず、積み荷の重量に限界があると考えられており、FCへの期待が高まった。

一方で、満載の状態で走る大型トラックは、つねに出力が最高の状況で運転されることになり、生産財としての耐久性をFCで得られるかというのが、ディーゼルエンジンとの置き換えにおいてひとつの注目点になる。乗用車は、一度走り出してしまえば全力加速はほぼ必要なく、いわば巡航状態となって出力を下げても速度を維持できる。しかし、トラックではそうはいかないため、耐久性がより重視されるのだ。

トラックのイメージ

次に、水素充填について。

これは乗用車でも短時間に満充填できるところが、ガソリンなどの液体燃料と同様に扱えるとされ、FCトラックでも期待されるところだ。水素ステーションは設置に数億円かかるとされるが、トラック・ターミナルなど必ず立ち寄る場所に設ければ、国内あらゆるところに設置が望まれる乗用車の場合と異なる。

一方で、水素ステーションは10年を超えて代替え時期を迎えるといわれ、10年ごとの数億円規模の設備投資がどこまで輸送費に影響を及ぼすかも、これから検証されることになるだろう。

NEXT PAGE
TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
more
ニュース
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場
more
コラム
やっぱりマンション・アパート住まいにEVは厳しい? EVを2台乗り継ぐライターが語るホントのところ
ボルボのハイパフォーマンスモデルを手がけてた「ポールスター」! EVブランドになるって話もあったけどいまどうなってる?
中国でバッテリー交換式の大型SUVがデビュー! 激安550万円でEVスタートアップが放つ「Onvo L90」の実力をライバルと比較した
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択