試乗
share:

BYDの世界戦略モデル「アット3」(ATTO 3)がついに日本上陸 [BYD アット3試乗記:その1]


TEXT:生方 聡 PHOTO:生方 聡
TAG:

税抜き価格400万円の衝撃

SUV/クロスオーバーのデザインを採用するアット3は、全長4,455×全幅1,875×全高1,615mmの、いわゆるCセグメントのEV。横から見ると、フォルクスワーゲンID.4に似ているが、ID.4と比べて全長は130mm短く、ひとまわりコンパクトである。ホイールベースは2,720mmを確保し、前後アクスル間の床下には、同社が“ブレードバッテリー”と呼ぶ、リン酸鉄リチウムイオン・バッテリーを搭載している。スペース効率に優れるとともに耐衝撃性や耐久性、そして、安全性を高いレベルで実現しているというのが、BYDの言いぶんである。

駆動用バッテリーの容量は58.56kWhとやや控えめだが、150kW(204ps)のモーターと組み合わされ、470kmの航続距離を実現する。CHAdeMO方式の急速充電は最高85kWに対応し、90kW急速充電器を使用した場合、30分でバッテリーを30%から80%まで充電することが可能である。

アット3はEV専用設計の「e-Platform 3.0」を採用。電気モーターをはじめ8つのモジュールを一体化した「8in1電動パワートレイン」をフロント部に搭載し、前輪を駆動する。サスペンションは前:マクファーソン・ストラット、後:マルチリンク、ブレーキは前:ベンチレーテッドディスク、後:ソリッドディスクと、このクラスの標準的な内容といえる。

装備も充実している。日本仕様は、アダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキープアシスト(LKA)で構成されるナビゲーションパイロットをはじめ、衝突を回避するための予測緊急ブレーキシステムといった運転支援システムが標準で装着される。また、12.8インチ回転式タッチスクリーンを採用し、ゼンリン製のナビゲーションシステム、「Hi,BYD」で車両が操作できる日本語音声認識、スマートフォン連携機能などを搭載。パワーシートやパノラマサンルーフ、電動テールゲートといった快適装備も充実しており、十分な性能と装備を誇りながら、税抜き車両本体価格が400万円というのは、まさに驚きである。

BYD ATTO 3

全長:4,455mm
全幅:1,875mm
全高:1,615mm
ホイールベース:2,720mm
車両重量:1,750kg
前後重量配分:前950kg、後800kg
乗車定員:5人
交流電力量消費率:139Wh/km(WLTCモード)※BYD調べ
一充電走行距離:470km
最高出力:150kW(204ps)/5,000〜8,000rpm
最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0〜4,620rpm
バッテリー総電力量:58.56kWh
モーター数:前1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:FWD
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ディスク
タイヤサイズ:235/50R18
最小回転半径:5.35m
荷室容量:440L
車体本体価格:4,400,000円

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
more
コラム
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択