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150kWの電気モーターで前輪を駆動するアット3。その加速を、さまざまな場面で試してみる。
※走行シーンはオーストラリア仕様。試乗は日本仕様で行っています
流行のスタイルとは違う
リモコンキーを身につけていれば、ドアハンドルにタッチするだけでキーのロック/アンロックができる「キーレスエントリー」は、いまやポピュラーな装備。このアット3にも標準で装着されているし、カードキーをドアミラーにかざしてロック/アンロックができる機能も搭載されている。ただ、他の最新モデルでは、ドアハンドルに軽く触れるだけで操作ができるのに対して、アット3では小さい四角いボタンを押す必要があり、ボタンが用意されるのも運転席のドアに限られる。
加えて、パワートレインの始動にはセンターコンソールのプッシュボタンを押してやらなければならないし、ステアリングホイールのスイッチはタッチ式ではなく昔ながらのプッシュ式だ。もちろん、走行するうえで困るものではないが、「流行のスタイルを採用しないことでコストを抑えているのかな!?」というのが私の感想だ。
ブレーキを踏みながらスタートボタンを押してシステムを起動。センターコンソールにある大きめのシフトスイッチを操作すれば動き出す準備は完了である。ちなみに、日本仕様のアット3はウインカーレバーが日本車と同じ右側にある。
走行モードはセンターコンソールの右手前にあるスイッチで選択し、まずはNORMALで走り出すことにした。アクセルペダルを軽く踏むかぎりは、アット3の動き出しや加速はとても穏やか。EVらしい勢いの良い加速を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。それでも、加速そのものはスムーズで余裕が感じられるし、同じクラスのEVに比べて動きの軽さが際だつ印象だ。
アクセルペダルを踏み増せば、余裕ある加速が味わえる。さらに奥までいっぱい踏み込むと、ようやくEVらしい力強さが体感できた。走行モードをSPORTに切り替えると、アクセルレスポンスは素早くなるが、力強く加速させるには、やはりアクセルペダルを奥まで踏みつける必要がある。一方、ECOモードはNORMALよりも反応が穏やかになるが、それでも十分活発なドライビングが可能である。