EVヘッドライン
share:

フォルクスワーゲン・グループ、世界で延べ1万5,000基の急速充電器をネットワークに接続……デイリーEVヘッドライン[2023.02.10]


TEXT:TET 編集部
TAG:

メーカー主導の欧米と専門業者主導の日本のインフラ、充電器の利便性に課題

【THE 視点】フォルクスワーゲン・グループは1月27日、世界で延べ1万5,000基の急速充電器(最高出力350kW)が、同社のグローバル・ネットワークに接続されたと発表した。この数字はグループが目指す4万5,000基のネットワークの3分の1の数を示している。

このネットワークは、フォルクスワーゲンが国際的な自動車メーカーとして初めてすべてのEVが利用できる世界的な急速充電ネットワークをパートナー企業とともに構築していくプロジェクト。2023年末までにヨーロッパで約1万箇所、世界中で最大2万5,000箇所の急速充電ポイントが稼働する予定だ。

ヨーロッパの急速充電ポイントは、VVグループのフォルクスワーゲンの乗用車部門、アウディ、ポルシェが参加する合弁事業「IONITY(アイオニティ)」の支援を受けて設置されている。

日本においても、アウディジャパンが主体となり、ポルシェジャパンとともに展開する150kW(一部90kWもあり)の急速充電器ネットワーク「プレミアム・チャージング・アライアンス」が展開されていて、フォルクスワーゲンジャパンも加入している。

現在、日本で最大の充電インフラを抱える企業は株式会社e-Mobility Powerだ。その数は約2万200口(急速充電器7,400口+普通充電器1万2,800口)となっている。国内全体では、約4万基((一社)次世代自動車振興センター 充電設備補助金交付台数)と言われていて、近年はガソリンスタンドの数が3万箇所を割ったという話があり、充電器の数がガソリンスタンドの数を超えたことになる。日本政府は、成長戦略として2030年までに普通充電器12万基、急速充電器3万基を設置すると発表している。

また2月9日、e-モビリティ・パワーとエネチェンジが提携し、エネチェンジが展開する普通充電器(最高出力6kW)を、e-モビリティ・パワーのネットワークに今後置き換えていくことを提案すると発表した。これにより、従来の最高出力3kWの充電器のおよそ2倍の速度で充電できるので、大容量化が進むEVの充電が効率的に行えるようになっていく。

筆者としては、充電器の数は多い方が良いと思っているが、その利用方法については改善の余地があると考えている。法的な問題もあるので実現可能かは別として、今のガソリンスタンドのように入れた分(充電量)だけ課金され、現金やクレジットカードの利用が解禁されれば、会員でなくても手軽に充電できるようになるはず。もちろん会員との充電料金の差はあっても構わない。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★ENECHANGE(エネチェンジ)、e-Mobility Power(e-モビリティ・パワー)と業務提携……自動車メーカーやe-モビリティ・パワーが発行する充電カードでエネチェンジの充電器を利用可能など詳細はこちら<click>

★★スポーツカーやカスタマイズカーのモーターショー「大阪オートメッセ2023」が2月10日〜12日(会場:インテックス大阪)まで開催……ヒョンデやBYDがEVを展示、「ATTO 3」の試乗も開催詳細はこちら<click>

★KGモーターズ、「大阪オートメッセ2023」に出展……「ミニマムモビリティ」の丸目&イエローボディバージョンを展示

★ドローン物流のNEXT DELIVERYなど、千葉県勝浦市でドローンやEVを用いた新スマート物流「SKyHub」サービスを開始……EVバンは住友三井オートサービスから供給

★「シカゴ・オートショー」が2月11日から開幕……「クライスラー・エアフロー・コンセプト」「シボレー・ブレイザーEV」「ダッヂ・チャージャー・デイトナ SRT EVコンセプト」など多数の注目EVが出展詳細はこちら<click>

★折りたたみ電動バイクシェアの「Shaero」、三輪バイクのトライクを新たに導入……3人乗りの移動用と1,000 Lの荷室を持つ配送用に加えて四輪の小型EVも

★日産、「リーフ」の新CMを2月10日から公開……小型ジェット機と加速対決

★再生可能エネルギーを有効活用した施設「軽井沢コモングラウンズ」(長野県軽井沢町)が3月1日にオープン……駐車スペースに充放電機能を有するEVを設置

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
BYD・アット3(photo=BYDジャパン)
世界ではEVは爆売れ中だが日本は……8月の世界EV販売台数は100万台超えで市場が成長中[2023.10.03]
「マルチポートEVチャージャ」(photo=日立インダストリアルプロダクツ)
日立が発売「魔法のようなマルチ充電器」1基で数十台の充電に対応が可能、出力も自在[2023.10.02]
バッテリキューブ(photo=日立製作所)
トレーラー型の緊急用バッテリー登場……三菱・日立、使用済みバッテリーの再活用を事業化へ[2023.09.29]
more
ニュース
ヒョンデ、新型電気自動車「コナ」の予約受付を開始、予定価格は税込400万円から
BYDの新型EV「ドルフィン」は363万円から。補助金で200万円台も可能
大型トラックのEV化進む。メルセデスが航続距離500kmの「eアクトロス600」を発表
more
コラム
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回
トヨタの全固体電池量産に向けた技術進化を実感。“夢の電池”ではなく、量産目前の現実味が。
ギガキャストの試作品(写真右)。プレス工程と溶接工程を必要とする従来品(写真左)と比べて工程数は一気に減る。出典:トヨタ
トヨタ「ギガキャスト」の正体を初公開の明知工場で見た。これからのクルマ作りには必須技術か
more
インタビュー
電気自動車で自由に旅できる世界を目指して。シュルーターさんと「ID.BUZZ」の旅物語
ボルボ「EX30」は「脱炭素」をキーワードにインテリアの“プレミアム”を再定義する
フォルクスワーゲン「ID.BUZZ」は人や荷物だけでなく笑顔もはこぶクルマ
more
試乗
BMW「5シリーズ」の電気自動車は、新時代に入った「セダンデザイン」を体現している
“EVセダン”の決定版か!? 新型BMW「5シリーズ」セダンの電気自動車「i5」に試乗した
ホンダのEV「e:NP1」はマイルドにもスポーティにもなる走り!来年からの新型車にも注目
more
イベント
自動車部品&輸入販売の超・老舗とBYDがコラボ、東京・品川に新ディーラーをオープン
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=日本EVクラブ)
今年の最長距離の参加者は⁉︎……「ジャパンEVラリー白馬2023」は充電計画も愉しい
ジャパンEVラリー白馬2023(photo=福田 雅敏)
ぶっちゃけトークの夜がやっぱり本番⁉︎……72台のEVが集まった「ジャパンEVラリー白馬」
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択