アメリカ車のマイナスイメージを覆す可能性を秘める
【THE 視点】「シカゴ・オートショー 2023」での「ラム1500REV」の発表を受けて、アメリカではラムの公式WEBが更新された。詳細なスペックは公表されなかったが、写真が多く公開されたのでそれをもとに「ラム1500REV」の魅力を深掘りしたい。
まず全体のデザインだが、これまでのラムと比較しても明らかに上品になっており、現在のラムユーザーはもちろん新たなユーザーを迎え入れるだろう。
フロントまわりには、LEDでライトアップされたラムバッジを中心に特徴あるフロントランプを配置。一新されたグリルデザインによって大胆かつ未来的な印象を与えている。テールランプにもフロントのLEDを多用したデザインが踏襲されており、テールゲートまでランプが延びて強く目を引く。
機能面だが、まずはフロントに注目。フロントボンネットフードを開けると、なんとテスラのように大容量のフランク(フロントのトランク)が用意されている。ピックアップは雨の日に荷台に上げた荷物が濡れてしまうが、フランクがあれば小さい荷物をすぐに入れられ密閉できるので濡れずに済むだろう。これは大きなメリットだ。この辺にもラムがEVで大きく変わったことをアピールしていると感じられた。
また非常時にはラムから家に電気を供給するV2H(ビークル to ホーム)機能も備える。航続距離800kmを目標に開発されているだけに蓄電容量は大容量となるはずで、十分な量の電力を「ラム1500REV」から得られるだろう。
そしてインテリア。我々日本人が思うピックアップは簡素な商用車のような内装をイメージしがちだが、ダイヤル式のシフトに大きなセンターディスプレイを採用。次世代のインテリアとうたっているだけに、まるで高級車のようなつくりとなっている。これまでのラム通り、上級グレードにはレザーシートやサンルーフも用意されるだろう。
アメリカ車の象徴でもあるピックアップトラック。EVになってもアメリカ車という存在感はそのままに、フランクやV2H機能など抜かりなく仕立てられている。これなら悪燃費の象徴とも言われたピックアップのイメージを大きく変え、補助金がなくても購入意欲が湧く魅力的なモデルに変身するのではないだろうか。気になる車両画像は、下部にあるギャラリーにて確認してほしい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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