#日産
TEXT:小鮒康一
まだ誰もEVに注目してない時代から日産は頑張ってた! 1980年代に登場した「EVガイド」「EVリゾート」がエモい!!

イベント後は構内専用車として活躍! 現在、リーフやサクラ、アリアといった電気自動車を複数台ラインアップし、今後は次期型リーフに加えてマイクラEVやジュークEVが欧州へ投入されることがアナウンスされている日産自動車は、電気自動車の先駆者として知られている。 そもそものちに日産と合併するプリンス自動車工業の前身である東京電気自動車は、1947年に世界初の量産電気自動車として「たま電気自動車」をリリースしており、戦後の石油不足のなか、タクシーとして重宝されるモデルとして愛されていた過去がある。 そんな日産は、1960年代からさらなる電気自動車の開発を進めており、1985年の第26回東京モーターショーに「EVガイド/EVリゾート」なるコンセプトカーを出展している。 これは公道走行用のモデルというよりは、電気自動車ならではのクリーンさを活かして工場見学に訪れた人たちを案内するためや、高原のリゾートホテルにおけるホテルとコテージ間の移動をするために供給されることを想定していたものとなっており、EVガイドはルーフレス、EVリゾートはルーフを備えたスタイルだった。 このような使用用途を想定していたこともあって、最高速度は16km/hとなっており、満充電での航続距離は60km(最高速走行時)となっていた。なお、パワートレインはすでに実績のあるバッテリーフォークリフト用のものが転用されている。 なお、ルーフレスのEVガイドはモーターショー後にルーフが装着され、EVガイドIIとして、実際に工場見学に訪れた皇族や国賓を案内するガイドカーとして、長年にわたり大役を務めたほか、EVリゾートは10人乗り仕様としたものが、ヤクルト本社の富士裾野工場の構内車として5台納入された実績が残っているようだ。 写真で見ると背高スタイルで非常に大柄なようにも見えるEVリゾートではあるが、実際のボディサイズは全長4140mm×全幅1660mm×全高1870mmとじつはかなりコンパクトサイズ。これもエンジンなどを搭載しない電気自動車であるという点と、衝突安全性能がそこまで重要視されない構内専用車だったことも影響しているのは間違いない。 まだ当時としては公道で実用に供することができるスペックをもつ電気自動車を量産するのは難しい時代だったと思うが、それなら構内専用車にしてしまえという逆転の発想には感心してしまうほかないだろう。

TAG: #EVガイド #EVリゾート #日産
TEXT:TET 編集部
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表

起死回生を目指す日産の2025年度以降のEV新車投入計画 2024年9月中間連結決算で表面化した日産の深刻な経営不振。企業存続のためライバルメーカーであるホンダに救いを求めるも破談に終わり、責任を取る形で経営トップが交代することとなった日産。経営の在り方はもちろんだが、そもそも不振の原因として挙げられるのは「売れるクルマが無い」ことだとされている。それだけに、今後の日産がどのような商品展開を実施するのか、当然注目されている。 その日産は、2025年3月26日に2025年度から26年度にかけて世界各地へ投入する新車およびマイナーチェンジ車、新技術に関する発表を行なった。そのなかで3代目「リーフ」がデビューすることや、市場ごとに異なるニーズに合わせコンパクトEV「マイクラ」のデビュー、「ジューク」にEVモデルが追加ラインアップされることが明らかとなった。 日産が起死回生を狙った商品展開について、EVに軸足を置いてレポートしたい。 計画が目指すところ 日産のチーフパフォーマンスオフィサーであるギョーム・カルティエ氏は、今回の発表について「日産は市場戦略を見直し、よりお客さまのニーズにお応えし、売上を成長させるため、市場毎に最適な商品戦略を導入します。パワートレインの多様化と新型車を通じて、お客さまの多様な嗜好を満たす幅広い選択肢を提供し、日産とインフィニティの両ブランドをさらに差別化していきます」と述べている。 また、チーフプランニングオフィサーであるイヴァン・エスピノーサ氏は「今後2年間で、新型『リーフ』や新型『マイクラEV』を含む魅力あふれる商品ラインアップを構築します。さらに、SUVのラインアップを刷新し、運転体験を向上させます。また、次世代e-POWERは新次元の洗練された高効率な走りを実現します。私たちは最高の日産を体現する商品に投資し、世界中の熱いファンの皆様と日産を支えてくださっているお客さまにワクワクする体験をお届けすることをお約束します」と述べ、EVの一本鎗ではなく、市場ニーズに応じた商品ラインアップに注力する旨が語られている。 注目の3代目新型「日産リーフ」が登場 世界に先駆けて電気自動車の量産化を実現した日産のリーフは、初代からから数えて3代目へとフルモデルチェンジを果たす。注目はそのスタイリングだ。 これまでの日産リーフは、比較的オーソドックスなハッチバックスタイルのボディをまとっていたが、3代目となる新型リーフでは一新され、洗練されたデザインと広々とした室内空間を併せ持つクロスオーバーに生まれ変わるという。 現行の2代目リーフに比べ、大幅な航続距離の延長を見込むと発表された3代目新型リーフは、同社のアリアから採用されたCMF EVプラットフォームを採用する。さらに、3-in-1パワートレインによる効率的なエネルギーマネージメントと優れたパッケージング、走行性能の向上が図られる。 北米仕様車にはNACS充電ポートが搭載され、日産のEVとして初めて「テスラスーパーチャージャーネットワーク」へのアクセスも可能になる。これにより北米市場での成功を目指す構えだ。 その3代目新型リーフの詳細は、2025年半ばに発表予定だという。市場投入に関しては、2025年度内にまず米国とカナダでの発売が予定され、年度内には日本と欧州にも導入される見込みだ。 米国とカナダ向けの新車投入計画では、2027年度の後半から「冒険心にあふれるSUV」と謳われる新型EVがミシシッピ州のキャントン工場で生産が開始されることにも言及。さらに、2028年度には最新のインフィニティデザインと技術を取り入れた、インフィニティブランドの電動SUVを新たに投入する計画も明らかにした。

TAG: #リーフ #事業戦略 #新型車情報 #日産
TEXT:TET 編集部
仮想世界の日産のショールーム「NISSAN CROSSING」がリニューアル! 特別仕様車「ビームス エディション」とのフォトコンテストを開催中

自身のアバターにお気に入りの一着を着せて「ビームス エディション」と撮影しよう! 日産自動車は、メタバース上のVRギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」をより多くの方々に楽しんでもらえるよう、大規模なリニューアルとともに世界観を一新した。また、1月27日から2月9日までの期間限定で、 ビームス監修の特別仕様車「ビームス エディション」を展示し、フォトコンテストを開催している。 日産は、2021年にソーシャルVRサービスのVRChat内にVRギャラリー「NISSAN CROSSING」を開設。以後、さまざまなイベントやコンテンツを公開し続け、新たなコミュニケーションの場を広げている。日産はこれまでメタバース上での活動を通し、とくに若い世代やクルマとの接点が少なかった層に対し、日産の技術や取り組みの理解を深めてもらう場としてメタバースの有用性を見出してきたという。 また、メタバース上のコミュニティにおいては、友人たちとの集いや同じ体験を共有することができ、日産のワールド内での体験も発信されている。 VRギャラリー「NISSAN CROSSING」はその名が表す通り、日産が銀座に構える本物のギャラリーを忠実に三次元化したもの。外観から施設内部に至るまで本物さながらに再現され、世界中のどこからでも日産のシンボリックなギャラリーを仮想空間で訪れることが可能になっている。 今回のリニューアルにより、銀座の街並みをネオンのアウトラインで表現し、建物内の装飾もアップデートされた。また、ビームス監修の特別仕様車「ビームス エディション」全6車種のなかから、軽EVの「サクラ」をはじめ、「ルークス」「エクストレイル」をVRギャラリー内に展示し、見学することができる。 併せて自身のアバターにお気に入りの一着を着用し、展示中のビームス エディションと一緒に写真撮影を行い、コメントを添えて応募するフォトコンテストも開催されている。撮影された写真のうち、最優秀賞および優秀賞を受賞した3名の写真は、後日VRギャラリーの「NISSAN CROSSING」内に提示されるという。 また、副賞として、最優秀賞に輝いた1名には、日産オリジナルのベアブリック「NISSAN BE@RBRICK “Sakura at Japanese Dawn 暁の桜”100% & 400%」が贈られる。 優秀賞2名のうち1名には、フェアレディ Z NISMOの1/43スケールダイキャストモデルが贈られる。 もう1名の受賞者には、BEAMS公式BOOTHショップで販売中の3D衣装から、好きなものを1点選んでプレゼントされる。 VRChat内「NISSAN CROSSING」の利用方法や、フォトコンテストへの応募方法などは、下記を参照されたい。 ■フォトコンテスト 応募期間:2025年1月27日(月)14:00〜 2025年2月9日(日)23:59 応募方法:VRギャラリー「NISSAN CROSSING」内でお気に入りの一着を着たアバターと特別仕様車「ビームスエディション」と一緒に撮影した素敵な1枚を、コメントと共に応募 公式X(旧Twitter)アカウント(@NissanJP)をフォロー後、ハッシュタグ「#NISSAN_BEAMS」を付けて投稿 入賞者発表:3名の方を選定し、VRギャラリー「NISSAN CROSSING」2Fスペースにて、入賞写真を掲示いたします。

TAG: #NISSAN CROSSING #キャンペーン #日産
TEXT:山本晋也
まだCO2うんぬんじゃない80年前にEVが走っていた! 日産リーフのご先祖「たま」が想像よりスゴイクルマだった

日産のEVのルーツ「たま」 EVシフトの減速がメディアで報じられることもある昨今ですが、世界的なカーボンニュートラルトレンドが進んでいく限り、モビリティのゼロエミッション化は避けられないものであり、世界は確実にEVシフトを受け入れ、進めていくであろうというのが中長期的な見方なのは変わりません。 カーボンニュートラルが求められるのは地球温暖化・気候変動の対策において人間社会ができる有効かつほとんど唯一の方法がCO2排出量削減であるからですが、それとは別の視点でEVのニーズが高まった時代もありました。 それが第二次世界大戦後の日本です。 1945年の終戦からしばらく、日本では占領軍による軍需物資統制が敷かれていました。そのなかには原油も含まれていましたから、深刻な石油不足に陥ることになります。 一方、山の多い日本では水力発電によって電力供給をすることは可能です。そこで小さなモビリティとしてEVが解決策として求められたのです。 その時代に生まれたEVの代表作といえるのが「たま」です。製造したのは「東京電気自動車」で、のちに日産自動車に吸収合併されるプリンス自動車の前身となる会社です。つまり、リーフやアリアなど、日産EVのルーツは「たま」にあるともいえるのです。 多摩地区に工場があったから「たま」という名前にしたというエピソードも微笑ましいところですが、後ろヒンジのドア、丸目ヘッドライト、幅の狭いタイヤといった要素からなる丸っこいフォルムは、令和の感覚でみると可愛いもので新鮮に思えるかもしれません。

TAG: #たま #たま電気自動車 #日産
TEXT:斎藤 充生
賛否の渦に巻き込まれるも聞けば唸るほどの徹底ぶり! 話題のR32EVが目指した場所とは

なぜEV化しただけで騒ぎになるのか? クルマ好きの間では、ときに車名よりも型式を主語として会話したほうが話が成立する場合があります。「80(ハチマル)」といったらトヨタの2代目スープラだし、「FC」といえばマツダのサバンナRX-7といった具合で、ついぞトヨタ86のように先祖の型式AE86の呼称が、そのまま後の車名にまで昇華するパターンまであるほどです。 いわば車名でいっても何世代かモデルチェンジを行っている場合、何代目とか何年式とかいうよりも、クルマ好きの間では型式でいってしまったほうがパッと頭のなかに姿形が思い出しやすいのです。そして、ひとしきり「あの型は〇〇がダメでね~」「〇〇のパーツだったら流用できるよ」なんて取り留めもなく会話が成立してしまうのも、クルマ好きの悲しい性なのであります。 その型式で呼ばれるクルマのなかにあっても、金字塔ともいえる存在がBNR32(通称:R32)ではないでしょうか。型式でいわれても……という方に説明申し上げますと、1989年に登場した日産スカイラインGT-Rのことです。 日産がレースに勝つために、当時のスカイラインを大幅にモディファイして誕生させた初代スカイラインGT-Rから数えて3代目にあたり、オイルショックを機に一時カタログラインアップから姿を消していたところ、再びレースで勝つことを使命に復活を遂げたため、このR32から続く5代目のR34型までを第2世代GT-Rとカテゴライズするのが、このスカイラインGT-Rなわけです。 R32は当時の日産の技術を結集した意欲作であり、搭載する直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」の強烈なパワーとトルク、そしてそれを路面に伝える4WDシステム「アテーサE-TS」とマルチリンクサスペンションにより、卓越した運動性能で多くのカーマニアを魅了した1台です。 登場から30年以上が経過したいまでも、多くの人々を魅了し続ける稀有な日本車ですが、その人気は国内にとどまらず、海外でも大人気。現存台数が減少し、さらに状態の良い個体が数を減らし続けるなか、現在かなりの高値で取引されているのが現状です。 そんなR32GT-Rを日産がEV化するとSNS上で発表したのは2023年3月のこと。もはや神格化されつつある名車のアイデンティティでもある「ガソリンエンジンを捨て、EV化するとは何ごとだ!」 とGT-Rファンだけでなく、クルマ好き界隈が一斉にシュプレヒコールを挙げたのはいうまでもありません。筆者も少なからずそう思いましたし、日産は何を目的にR32をEV化するのかと漠然とした疑問が頭のなかでモヤモヤとしておりました。

TAG: #GT-R #日産 #東京オートサロン2025
TEXT:TET 編集部
レース中に後輪駆動と4WDが切り替わる新世代マシン「GEN3 Evo」がついに登場! 電気自動車の最高峰レース「フォーミュラE」シーズン11の注目ポイントはココだ

F1をも凌ぐ加速力「GEN3 Evo」マシンを全車使用 3月に日本初の公道を使用した四輪レースが開催されたことで、国内でも注目度が上昇した電気自動車(EV)によるレース「ABB FIA フォーミュラE 世界選手権」の新シーズン、シーズン11がいよいよ開幕する。 2024年12月17日にブラジルのサンパウロで行われる第1戦を皮切りに、年をまたいで2025年7月27日にイギリス・ロンドンで行われる最終戦まで、世界10か国を巡り全16戦が行われる。 このシーズン11から、マシンは新世代の「GEN3 Evo」に進化する。主な変更点は、四輪駆動になったこととレース中の急速充電に対応すること、さらにレース中の回生エネルギー量がそれまでより10%増え、50%まで回生できるようになったことだ。 最大出力は350kWと従来マシンのGEN3から変更はない。しかし、フロントパワートレインキットが解禁されたことで、グループ予選を勝ち抜いたあとに行われる1対1のトーナメント形式によるデュアル予選、ならびに決勝レースのスタート時とレース中に一時的なパワーアップが可能なアタックモードの使用時に限り、フロントにも駆動を与えて四輪駆動としてそのパワーを路面に伝えることが可能になった。つまり、決勝レース中はシチュエーションに応じて駆動方式が後輪駆動と四輪駆動に切り替わる。これにより、0-100km/h加速はわずか1.86秒しかかからず、F1より30%も速い加速力が備わった。 レース中の急速充電はシーズン10でも実施が検討されたが、技術的なハードルにより実現せず、シーズン11からの採用に先送りされていたもの。オフシーズンのテストでは、ピットレーンでロールフープ後方の充電口にケーブルを接続しているシーンが見られたものの、開幕戦では使用しないことが確定している。 しかし時期は未定ながら、今シーズン中の採用は決定しているため、シーズン中に急速充電を用いた新しいレース戦略への転換が各チームには要求される。 ちなみに、フォーミュラEの初代マシンGEN1の頃は、約60分のレース距離を走りきるだけのバッテリー容量が確保できず、レース中にピットでフル充電されたマシンに乗り換えてレースを続行するという、前代未聞のレース形式がされていたことを考えると、フォーミュラEもようやくここまで進化したかと感慨深いものがある。 一方でレース中の回生エネルギーにも進化が見られる。ブレーキング時の最大回生量は600kWであることには変わりがないものの、これまでレーススタート後から走行中にバッテリーの約40%分のエネルギーを回生することができていたものが、エネルギーマネージメントシステムの進化により約50%まで高められることになった。すなわち、従来に比べ積極的にエネルギーを消費してもよくなったわけで、昨シーズンに見られたアタックモードで過度なエネルギー消費をしないようケアして走るというようなことは、減少するかもしれない。 各チームは、この著しく性能が向上した新世代マシンGEN3 Evoを如何にして手なずけるかに手腕が発揮されるし、パワートレインを供給する各マニュファクチャラーはもっとも効率の良いパワートレインを開発できるかに、その成否がかかっているといっても過言ではない。 また、細かな部分ではあるが、全車共通のボディフォルムに手が加えられ、より堅牢で空力効果が高められたフロントノーズとボディワークが採用された。これによりフォーミュラE特有の肉弾戦とも呼べる超接近バトルが、より激化する可能性がある。 これらの性能向上に合わせて使用するハンコックのワンメイクタイヤも、グリップを従来から5~10%程度向上する取り組みがなされている。その一方、リサイクルされた持続可能素材を35%用いて製造されているあたりは、環境配慮型レースのフォーミュラEならではといえそうだ。

TAG: #フォーミュラE #モータースポーツ #ヤマハ発動機 #日産
TEXT:TET 編集部
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開

中期経営計画「The Arc」で予告されていた中国向け新型NEVシリーズの第1弾 日産の中国合弁会社である東風日産乗用車公司が、11月15日に中国の広州国際モーターショー内で新型電気自動車(EV)の「N7」を初公開した。 ミドルサイズセダンの「N7」は、EVとプラグインハイブリット車両用に東風日産が開発した新しいモジュラーアーキテクチャーを採用した最初のモデルだ。開発から生産まで一貫して中国で行われ、現地の環境に合わせた運転体験、優れた快適性、そして先進的な機能を備えたという。 この「N7」の源流をたどれば、今年4月の北京モーターショーで公開された「日産エポック・コンセプト」にたどり着く。そのスタイリッシュなデザインは量産モデルの「N7」になっても変わらず、先進的なライフスタイルを送る中国都市部の生活者をターゲットとして、最新技術を余すことなく取り入れたEVセダンに仕上げたという。 その技術の最たる例が、東風日産とモメンタ社の共同開発による「ナビゲート・オン・オートパイロット」と呼ばれる先進の運転支援技術であり、「Qualcomm Snapdragon™ 8,295プロセッサー」を搭載したインフォテイメントシステムだと日産は説明する。 外観は日産ブランドを象徴するVモーションデザインのフロントフェイスが与えられ、全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベース2915mmから成るプロポーションは、流麗で未来的な外観を実現し、広々としたインテリアにも貢献している。 この「N7」は、2024年3月に日産が発表した中期経営計画「The Arc」のなかでも重要な意味を持つ1台だ。日産は中国での年間販売台数を、2026年には100万台まで伸長させることを目指している。そのために、中国市場向けに新型NEV車両を8車種投入する(後に1車種が追加され計9車種投入に変更)計画を描いており、「N7」は、その最初のモデルに位置付けられた。 ゆえに今後の攻勢を考えれば、日産はこのモデルに対し大いに期待しているはずだ。 さらに、2024年4〜9月期の決算において、日産のなかでも大きな販売割合をもつ中国での販売減少が明らかとなったばかりだ。「N7」を起点に今後投入される中国市場向けのNEV9車種が、中期経営計画の目標達成以上に、日産の経営回復という当初の計画にはなかった使命をも背負うことになったといっても過言ではないだろう。 地元中国メーカーの台頭が著しいなかで、日産はこの「N7」を皮切りに、矢継ぎ早の新型NEV投入で失地回復を狙う。

TAG: #新型車情報 #日産 #東風日産
TEXT:TET 編集部
日産が「V2G」を英国で運用開始! EVの蓄電池化がますます加速

クルマを蓄電池として捉えて再生可能エネルギーの利活用を推進 日産自動車が、より手頃な価格の「Vehicle to Grid(以下、V2G)」技術を、英国で販売する一部のEVを対象として2026年から導入すると発表した。 このプロジェクトは、日産の中期経営計画「The Arc」で示された、EVの競争力向上を推進する取り組みで、EVへの移行にあたり車両本体価格の抑制だけでなく、車両購入者のラニングコスト抑制につながるものとして実施される。 V2Gは、EVのバッテリーに蓄えられた電力を電力網(グリッド)や自宅などに供給することを可能にする技術だ。これにより、EVに風力や太陽光などで発電したグリーン電力を蓄え、必要なときにその電力を電力網に送ることができるため、社会全体での再生可能エネルギーの利用割合を増やし、化石燃料への依存度を軽減することに役立つ。 日産はこの技術の導入に向けて、英国のノッティンガム大学で1年間実証プロジェクトを実施した。その成功を受け、自動車会社としては初となる、交流電源(AC)システムによるTUV Rheinlandの英国グリッドコードAC認証G99を取得した。これにより、英国の系統電源への電力供給が可能となった。 また、この実証実験は、ACおよび直流電源(DC)の双方向システムの拡張性の検証や、ユーザーからV2G技術に対する意見を集めるための貴重な機会になったと日産は説明している。 過去10年間にわたり、日産は世界各地で約40件のV2Gに関する実証実験を実施してきたという。その知見を活かしながら、日産のEVに搭載されたバッテリーの蓄電・放電機能を活かし、EVの魅力をさらに向上させるソリューションである「ニッサンエナジー」の傘の下に、まずは英国、続いて欧州のほかの市場にV2Gを展開していく計画だ。 導入にあたっては、現地のインフラや規制要件に沿ってACとDCのどちらが適切かを判断していく。V2Gの導入は、ゼロ・エミッションで走行するEVにおける再生可能エネルギーの利用を推進すると同時に、EVから住宅や電力網への給電も含めた、総合的なエネルギー・エコシステムの実現を目指す日産のビジョンの一環を成すものだと主張している。 日産が提供を予定している双方向システムのうち、英国で認定されたACのシステムは、車載型充電器を採用することでより安価な導入コストを実現し、より多くの日産EVユーザーがV2Gを利用できるようにすることを目指している。 また、このAC双方向充電器を、現在販売されている単方向充電器と同等の本体価格で提供することも併せて目標に掲げている。さらに、サービスを利用するのにあたっては、専用のアプリケーションを介することにより、EVに蓄えた電力を柔軟にコントロールすることも可能になるという。 日産はV2G技術の展開を「クルマの役割を大きく変えるゲームチェンジャーになる可能性を秘めている」としている。そして、「EVは単なる移動手段だけでなく、走る蓄電池として日々のコストの低減、化石燃料依存からの脱却、そして脱炭素社会の実現にも役立つ」として、今後の発展に大いに期待を寄せている。 生み出された電力を一旦クルマに貯め、需要に合わせて家庭や送電網に戻して効率的に電力を利用する、いわばクルマをハブとしたエネルギーインフラの仕組み。日産だけでなく、自動車業界全体での取り組みに期待したい。

TAG: #EV充電器 #V2G #日産
TEXT:TET 編集部
日本のEV普及に大貢献! 軽EVの「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」が約2年5か月で生産累計10万台を販売

日本の脱炭素時代の理想的モビリティ 三菱自動車は、2024年9月27日、同社の水島製作所で生産している軽乗用EV「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」を合算した生産累計台数が10万台に達したと発表。 軽乗用車規格のBEVである「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」は、日産と三菱自動車の合弁会社NMKVの企画・開発マネジメントにより生み出され、2022年5月の生産開始から約2年5か月で生産累計台数10万台を達成した。 「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」は、ともに2022年5月20日の発表と同時に先行受注を開始した。それから約3週間後に両社が発表した受注台数は、「三菱ekクロスEV」が850台の月販売目標に対しおよそ4倍となる約3400台を受注。 一方の「日産サクラ」も約1万1400台を受注するなど、同年6月16日の販売開始を前に好調な出だしをみせた。その後は半導体不足による納期長期化の影響からか、やや受注のスピードは鈍化したものの、「日産サクラ」は発売から約1年1か月で受注5万台を突破。 それからさらに約1年4か月の時を経て、2024年9月27日に両モデルの合算生産累計台数が10万台に達したのだから、「三菱ekクロスEV」と「日産サクラ」の人気は不動のものといえるだろう。 国内自動車メーカーのなかでも、早くからBEV/PHEVのプロダクト化を進めてきた三菱自動車と日産。その知見が結集された「三菱eKクロスEV」と「日産サクラ」は、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞をはじめ数々の自動車賞典を受賞し高い評価を受けている。 それに加えて、日本が脱炭素時代に向けて歩みを進めるうえで、両モデルは理想的なモビリティであるとの市場評価を受けていることが、人気の理由ではないかと三菱自動車は分析している。 三菱自動車は生産台数累計10万台を達成したことを受け、「日産とのパートナーシップの象徴的モデルである『三菱eKクロスEV』と『日産サクラ』のさらなる生産品質向上に取り組み、より多くのお客様にお届けしてまいります」とコメント。 現実的なライバル不在の軽乗用EVにあって、当面この2モデルの人気は衰えることがなさそうだ。

TAG: #eKクロス EV #サクラ #三菱自動車 #日産 #軽EV
TEXT:TET 編集部
欧州市場に日産のNISMOモデルが復活! まずは「アリア NISMO」の導入から

激戦区の欧州市場にアリア NISMO導入 ヨーロッパ諸国で日産ブランドの販売を担う欧州日産自動車が、2024年6月から日本市場で発売を開始した「アリア NISMO(ニスモ)」を、近日中に欧州市場での販売を開始すると明らかにした。 今年で40周年を迎える日産のスポーツブランド「NISMO」の電気自動車としては、アリア NISMOが欧州市場に導入される初めてのEVモデルになると同時に、しばし途絶えていた欧州市場でのNISMOロードカーの販売が復活することも意味している。 アリア NISMOはベースモデルのアリアe-4ORCEに、NISMO専用の加速チューニングを施し、圧倒的な動力性能をさらに引き上げた、EV NISMOのフラグシップモデルだ。NISMOの性能コンセプトである「より速く、気持ち良く、安心して走れる車」に基づき、空力性能の高さと高次元のハンドリング性能で、走りの上質感を磨き上げている。 エクステリアデザインでもNISMOのデザインアイコンが随所にちりばめられ、日本的なデザインアプローチと相まって、ベースモデルからさらなるハイパフォーマンス化がなされていることを主張している。 欧州日産のマーケティング&セールス部門 専務執行役員のマイラ・ゴンザレス氏は欧州市場への導入にあたり、以下のようにコメントしている。 「NISMOブランドが欧州市場に戻ってきました。このエキサイティングなブランドを新しいモデルとともに欧州市場に再び導入します。ラインアップの電動化を推進するなかで、お客さまやNISMOファンに上質で魅力的なモデルを提供し続けることが重要です」 「日産アリア NISMOは、NISMO専用チューニングが生み出す高次元のハンドリング性能と爽快な旋回性、そして伸びのある加速性能が非常に高くバランスされているだけでなく、日常使いでも非常に快適なモデルです。その印象的なデザインと風格のあるプレゼンスは街中でひと際目を引くことでしょう」 フォーミュラE世界選手権で活躍を続ける日産およびNISMO。モータースポーツシーンでの活躍がブランド形成に効果を発揮する欧州だけに、今シーズン飛躍的に競争力を高めた勢いをそのままに、アリア NISMOを高セールスにつなげ、欧州でNISMOブランド復活の狼煙を上げられるか注目だ。なお、販売はベースモデルのアリアが販売されているすべての欧州市場が対象になるという。

TAG: #NISMO #アリア #日産

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