日産 記事一覧

TEXT:TET 編集部
声援を電力にかえて応援できる! NISSAN CROSSINGで「NISSAN FORMULA E PARK」が開催

フォーミュラEに関するコンテンツが楽しめる ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、世界各地の市街地に特設されたサーキットやモータースポーツ専用常設サーキットで行われる電気自動車のレースシリーズ。2023-2024年のシーズン10には11チームが参戦する。 日産は日系メーカーとして初めて、シーズン5(2018-2019)から参戦。Gen3マシンが導入されたシーズン9(2022-2023)からシーズン12(2025- 2026)まで継続して参戦することを発表している。 日産はレースカーと市販車から得られる知識や技術を相互に活かし、より良いEVを提供することを目指しているという。 2024年3月30日に開催されるFormula E Tokyo E-prixに向けて、日産は東京都・銀座のブランド発信拠点NISSAN CROSSINGで「NISSAN FORMULA E PARK」を開催中。 2024年3月7日(木)より声援を電力にかえてチームに届けるメインコンテンツ、「VOICE CHARGE」を設置。集められた電力はオリバー ローランド選手やサッシャ フェネストラズ選手をはじめとしたNissan Formula E Teamへ届けられる。 「VOICE CHARGE」のやり方としてはまず、言語を日本語、英語、中国語の3つから選択し、ニックネームを入力。 次にマイクに向かって応援メッセージを発声する。 すると声の量に応じて左右のゲージが上下し、その後結果を表示。 最後にデジタル証明書が二次元コードで発行される。 「VOICE CHARGE」は2024年4月24日(水)まで、各日午前10時から午後8時まで実施。 2024年3月11日(月)からは、NISSAN CROSSINGエントランス正面に位置するシリンダー型ショーケースにて、Nissan Formula E Gen3を展示する「FASTEST CYLINDER」を設置。 2024年3月中旬には2階窓面のデジタルサイネージで、Formula E Tokyo E-prix用にデザインした映像を公開する。 また「NISSAN FORMULA E PARK」内で撮影した写真・動画にハッシュタグ(#NissanFormulaE #NISSANCROSSING #Playground)を付けてSNSで投稿すると、NISSAN CROSSING 2FのCROSSING CAFEで利用できる特典がゲットできる。 「NISSAN FORMULA E PARK」の開催は2024年4月24日(水)まで。ぜひフォーミュラEに関するさまざまなコンテンツに触れてみてほしい!

TAG: #フォーミュラE #レース
TEXT:TET 編集部
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現

EVレースの迫力を体感できる! 2024年3月30日(土)に日本で初開催となる、フォーミュラE世界選手権「Tokyo E-Prix」。日産自動車は大会を支援するとともに、国内自動車メーカーとして唯一レースに挑む。 そして、レースまで残り9日となる2024年3月21日(木)に、本大会をさらに盛り上げるべくスペシャルイベントを開催する。 東京都・六本木ヒルズアリーナに、全長110メートルのオーバル型特設サーキット「NISSAN FORMULA E ROPPONGI CIRCUIT」を設置。EVの加速感を表現した音楽、ダンスパフォーマンスとともに、フォーミュラEマシンが颯爽と駆け抜ける。 パフォーマーは11人組のダンスアーティスト「GANMI」と、4人組管楽器ガールズグループ「MOS」で、19:30~20:00の30分間は、サーキット内周の特別観覧エリアからスペシャルパフォーマンスを見ることができるという。なおパフォーマンスのようすはYouTubeでもライブ配信される。 また、特設ステージには小池百合子都知事と日産自動車 星野朝子副社長が登壇。タレントの白石麻衣さんも「NISSAN FORMULA E ROPPONGI CIRCUIT」のスペシャルゲストとして応援に駆けつける。 特設ステージでトークセッションを行うほか、小池都知事と白石麻衣さんが声の力で電力を起こして集まったエネルギーを日産フォーミュラEチームへ届ける「VOICE CHARGE」を体験するそうだ。 さらに、会場では日産のEVラインアップを展示するほか、フォトスポットも用意。 お近くの方はぜひ足を運び、一夜限りのスペシャルな空間を楽しんでほしい! ■開催概要 場所:六本木ヒルズアリーナ 期間:2024年3月21日(木) トークイベント:18:30〜19:30 体験イベント:19:30〜20:00 費用:無料 特設サイトURL(https://www2.nissan.co.jp/SP/FORMULA-E/2024) ライブ配信URL(https://www.youtube.com/watch?v=luCNndQBfr4)  

TAG: #イベント #フォーミュラE #レース
TEXT:TET 編集部
日産アリア NISMO 6月からのデリバリー開始をアナウンス ベースモデルも価格・装備を見直し3月下旬から発売へ

至るところにNISMO専用チューン 日産自動車は2024年3月8日、1月に開催された東京オートサロン2024で公開した「日産アリア NISMO」を発表するとともに、「日産アリア」のB6 e-4ORCE、B9 2WD、B9 e-4ORCE、B9 e-4ORCE プレミアを3月下旬より発売すると発表した。なお、「日産アリア NISMO」の発売は6月を予定している。 アリアNISMOはベースモデルのアリアe-4ORCEに、NISMO専用の加速チューニングを施し圧倒的な動力性能をさらに引き上げた、EV NISMOのフラグシップモデルだ。NISMOの性能コンセプトである「より速く、気持ち良く、安心して走れる車」に基づき、高い安定性と軽快さを実現し、走りの上質感を磨き上げたという。 幅広い温度域において安定した性能を維持するブレーキパッドや、素材から内部構造に至るまでこだわり抜いたアリアNISMO専用開発のタイヤ、軽量化とリム幅のワイド化を両立しながら空力性能にも貢献したデザインのホイールを採用している。あわせてシャシーにおいては、前後のサスペンションやスタビライザーに専用のチューニングを施し、スポーティでありながらも、EVらしい滑らかで上質な走りを実現している。 電動駆動4輪制御技術をNISMO専用にチューニングした「NISMO tuned e-4ORCE」は、さまざまなシチュエーションにおいて高いトラクション性能を誇り、電動車ならではの爽快な旋回加速を実現している。また、ワインディングなどにおいても、スポーツカーのような高いライントレース性や思い通りのコーナリングを可能とした。 エクステリアはベースモデルのアリアが持つ上質さと、空力性能を向上させるNISMOらしいダイナミックなパフォーマンスを体現したデザインが与えられている。NISMO専用のバンパー、リヤスポイラー、ドア・サイドモールを採用し、洗練されたスタイリングでありながらも、空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を高い次元で両立している。 インテリアは、黒を基調としたなかにスパイスの効いたレッドアクセントを配し、上質でスポーティな空間を作り上げた。スポーツ走行に合わせてホールド性とフィット感を高めた専用シートを採用し、車両との一体感を感じられる仕様となっている。また、オプション設定のNISMO専用BOSE プレミアムサウンドシステムを装着した場合、NISMOモードをオンにするとフォーミュラEマシンのようなEVサウンドの演出により、高揚感のある走りが楽しめるという。 ボディカラーは、NISMOステルスグレーに黒ルーフの2トーンをはじめ、全6色がラインアップされた。 ベースモデルのアリアはラインアップの見直しが図られた。力強い加速、滑らかな走り、EVならではの静粛性と、心地よい室内空間を兼ね備えたクロスオーバーEVというアリアの特徴はそのままに、顧客ニーズに合わせて2種類のバッテリーサイズと2種類の駆動方式がラインアップされた。注文受付を一時停止していたB6 2WDグレードの注文受付が再開されることに加え、B6 e-4ORCE、B9 2WD、B9 e-4ORCE、B9 e-4ORCE プレミアという4つのグレードが追加発売される。2021年の発売当初にもB9グレードは用意されていたが、車両供給体制の問題から納車が叶わず、今回仕切り直して発売される格好だ。 エントリーグレードのB6 2WDは通勤や買い物などの日常使いに加え、週末のドライブにも十分な航続距離を持つグレードではあるが、よりロングドライブを楽しみたいという場合には、バッテリー容量が66kWhから91kWhにアップしたB9 2WDがおすすめだ。さらにe-4ORCEを搭載したB6 e-4ORCE、B9 e-4ORCEも設定されている。 前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、あらゆるシーンや路面状況においてワクワクした走り、そして乗る人すべてに快適な乗り心地を提供するのがe-4ORCEだ。最上級グレードとなるB9 e-4ORCE プレミアには、ロングドライブをサポートする先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や、20インチ専用アルミホイール、本革シートをはじめとする特別な装備が標準設定されている。 なかなか安定して車両を供給することが難しかったアリアではあるが、NISMOモデルの追加と受注再開で、再び国産EVファンから注目を浴びることは間違いないだろう。

TAG: #SUV #アリア #新型車情報 #日産
TEXT:高橋 優
日産アリアが販売再開も100万円以上の大幅値上げ! 期待のNISMOは1000万円弱!!

発表から3年半経っても発売されなかったB9とe-4ORCE これまで長らく販売を停止していた日産アリアが、ついに正式に販売再開される方針が明らかになった一方で、なんと120万円という大幅値上げを行なって販売が再開されるという、驚きの動向も判明しました。 今回取り上げていきたいのが日産アリアです。このアリアについては、2020年の7月15日に初公開を迎えながら、2021年中旬に正式発売をスタートするとアナウンスされていたものの、2021年中旬に、初回生産限定グレードとしてLimitedの発表を行い、その発売が、2021年の冬にずれ込んでいました。 ところが、その2021年の冬の発売も後ろにずれ込んでしまい、結局Limitedの納車がスタートしたのが2022年の3月中旬のことでした。しかも、当初はエントリーグレードのB6しか納車されず、B9やe-4ORCEについては、さらに2022年の冬へと発売が追いやられてしまっていたわけで、結局、そのB9やe-4ORCEのLimitedの納車がスタートしたのが、2022年末のことでした。 さらにその上、一部のアリアユーザーに不満をもたらしていたのが、Limitedの納車が優先されるといいながら、じつはB6グレードのみ、通常グレードの発売を一時的に行なっていたという点です。その納車も、Limitedのすぐあとである2022年5月ごろから行われていたことで、Limited注文者からすれば、なぜLimitedよりも先に通常グレードの納車がスタートしているのかと、不満の声が多く聞かれていたわけです。 いずれにしても、通常グレードは数ヶ月間、B6のみが発売されていただけであり、B9やe-4ORCEグレードに至っては、3年半以上が経過してもなお、一度も発売すらされていないという状況だったわけです。 また、アリアのパフォーマンスグレードとしてNISMOを追加設定し、アリアの発売を再開する方針を表明してきたわけです。

TAG: #値上げ #国産車 #販売再開
TEXT:TET 編集部
日産リーフの再生バッテリーを利用したポータブル電源が「防災・減災×サステナブル大賞2024」の「減災サステナブルアワード」最優秀賞を受賞

現在も停電エリアで使用されている 日産自動車とJVCケンウッド、そしてフォーアールエナジーの3社が共同開発したポータブル電源が、「防災・減災×サステナブル大賞2024」の「減災サステナブルアワード」において最優秀賞を受賞した。 「防災・減災×サステナブル大賞」は、一般社団法人減災サステナブル技術協会が新たに確立した評価手法にて、防災・減災におけるレジリエンス向上ならびにSDGs関連の活動および成果等を評価し、褒賞を授与する。 今回、最優秀賞を受賞した商品は、使用された後でも高い残存性能と安全性を持っている日産リーフの使用済みバッテリーを再利用して開発した、車載も可能なポータブル電源。この商品を通じた取り組みや実績が評価され、受賞に至った。 なおこの商品は、日産が能登半島地震により被災された地域へ無償貸与。JVCケンウッド提供のソーラーパネルと共に停電エリアの支援に活用されている。

TAG: #ポータブル電源
TEXT:TET 編集部
EV3車種で国内最高峰の壁に挑む! 日産のTVCM・特別ムービー「THE WALL篇」を公開

日産の新たなCMを見逃すな! 日産自動車は、電気自動車「サクラ」、「リーフ」、「アリア」の3車種でレーシングドライバーの千代勝正選手、高星明誠選手、プロドライバーのシルビア氏が国内最高峰のバンク走行にチャレンジした新TVCM『THE WALL篇』を、2024年2月16日より全国でオンエアする。 日産が電気自動車に対して感じているイメージや魅力についての調査を実施すると、先進的・革新的なイメージを約7割の方が持つ一方で、加速感や走りについてはいまだ懐疑的だという声があがった。 この結果を受けて、日産の電気自動車がパワフルな加速力やドライバーをワクワクさせる走行性能を備えていることをより多くの方に伝えるべく、リーフとジェット機との加速力対決を行うTVCM『日産 電気自動車 vs JET篇』を公開した。 そして今回はリーフに加えて、軽自動車のサクラとクロスオーバーSUVのアリアの3車種で国内最高峰のバンク走行にチャレンジする新TVCM『THE WALL篇』を制作。 なお、今回のチャレンジに参加した3名のドライバーがチャレンジの様子を紹介する特別ムービーも、日産自動車公式YouTubeチャンネルにて公開されている。

TAG: #CM #NISSAN #アリア
TEXT:TET 編集部
もっとも効率良い充放電を勝手にマネージメントしてくれる「ニッサン シェアエナジー」の提供開始

車両と建物の電力使用状況に応じて受給電タイミングを最適化 日産自動車は2024年2月2日 、 電気自動車(EV)の魅力をさらに向上させる商品として、 EVのバッテリーを蓄電池として充放電制御を行う日産独自のエネルギーマネジメントを活用したサービス「ニッサン エナジーシェア」の提供を、同年3月1日より開始すると発表した。 日産はこれまで、福島県浪江町などにおいて、EVの充放電を自律的に行う独自の制御技術を用い、エネルギーの効率的な活用の検証を行ってきた。「ニッサン エナジーシェア」は、 これらの検証を通して培った技術や知見をもとに、ユーザーのニーズや状況に応じた最適なエネルギーマネジメントサービスを、企画から構築、保守運用までワンストップで提供する、主に法人や事業者、自治体に向けて行うサービスだ。 EVのバッテリーは、クルマの動力源としてだけでなく、移動可能な蓄電池として、建物や地域へ電力を供給することが可能だ。「ニッサン エナジーシェア」は日産独自のエネルギーマネジメント技術「インテリジェント・チャージング・マネージメントシステム」の採用により、充電器もしくは充放電器に接続した充放電制御システムが、クルマの使用予定やバッテリー残量、建物の電力使用状況をリアルタイムに把握しながら、最適な受給電タイミングを自律的にコントロールする。これによりクルマとしての利便性を損なうことなく、電力のピークシフトやピークカットを図っている。 また、太陽光パネルなどで作られた再生可能エネルギーと連携させることで、エネルギーの地産地消や脱炭素化にも貢献。クルマの使われ方を熟知した日産だからこそ可能な、EVの価値を最大限に引き出すエネルギーマネジメントの仕組みだ。 ニッサン エナジーシェアの主な特長とは? ・スマート充電による ピークシフト 建物の電力消費状況と、EVのバッテリー残量や使用状況を把握し、EVへの充電タイミングを賢く制御する。複数のEVを保有している場合でも、建物の電力使用に影響を与えることなく、安心してEVを使用することが可能。 ・放電マネジメントによるピークカット 建物の電力需要が高まる時間帯に、EVから建物へ電気を戻すことで施設電力のピークをカットし、電力使用量を抑えるとともに、電気料金の削減にも貢献。 ・ 再生可能エネルギーの有効活用 建物などに太陽光パネルが設置されている場合、太陽光発電との連携が可能。太陽光での発電量が多いときには積極的にEVへ充電し、その電力を夜間に建物へ給電するなど、太陽光の発電状況に応じた受給電を効果的に行う。これにより、企業が自らの事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブ「RE100」への貢献にもつながる。 主なサービスは以下の3点だ。 1.コンサルテーション 要件定義、現状調査、ソリューションの提案や導入効果の試算など 2.システム構築 推奨機器の選定や施工業者の手配、システム初期設定や進捗管理など 3.保守運用 定期点検、トラブル対応や、稼働モニタリングによる効果分析、改善提案など 利用ユーザーの導入目的に応じた最適なソリューションの提案から、機器や施工業者の選定、補助金の申請など、スムーズな導入をサポート。導入後の保守運用や状況変化に応じた改善提案まで、ユーザーごとに異なる価値の実現をワンストップサービスで提供してくれる。 日産はエナジーシェアについて「EVのリーディングカンパニーとして、EVの開発・販売にとどまらず、世界で初めてとなるV2H(Vehicle to Home)の市場投入や、バッテリーの二次利用を行う4Rエナジーの設立など、持続可能な社会の実現を目指し、クルマのライフサイクル全体で、日産ならではの価値を提供してきました。引き続き、移動と社会の可能性を広げる、さまざま な取り組みや実証実験を通して、カーボンニュートラルの実現と、未来のまちづくりに貢献してまいります」とコメントしている。 また、日産は2024年3月から広島大学とともに、2030年までにキャンパスで使うエネルギーのカーボンニュートラル実現を目指す産学官民プロジェクト「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」の一環として、広島大学東広島キャンパス構内において「ニッサン エナジーシェア」を導入すると発表している。 企業・自治体でEVを複数の利用者でシェアする場合、保有者自身が充電タイミングと蓄電池としてのEV利用のバランスを適切に判断することは難しいが、こうして車両と建物側の利用状況に応じた充放電管理の仕組みをワンストップで組んでくれるのであれば、余計な手間をかけずにEV導入のメリットを最大化しつつ効率的な電力使用量の抑制が図れるのではないだろうか。EV導入企業は一度検討されることをおすすめしたい。

TAG: #V2H #エナジーシェア #充電インフラ #日産
TEXT:TET 編集部
軽商用EVバンに新たな選択肢! 新型「日産クリッパーEV」が登場

快適・安全装備充実の軽商用EVバンが登場 日産自動車は2024年1月30日に軽商用EVバンの「日産クリッパーEV」を、同年2月12日から発売すると発表した。 本モデルは、商用向け車両においても電気自動車(EV)の需要が高まっていることを受け、ラインアップの拡充を図ることで、いままで以上にユーザーへEVの魅力を届け、カーボンニュートラル社会の実現に貢献できるよう、三菱自動車からOEM供給を受けた車両をベースに日産が販売するモデル。軽商用バンとして必要な荷室性能と積載量を確保しながらも、モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能となっている。また、走行時や起動・停車時の静粛性も高く、早朝や深夜をはじめ、住宅街で使用する際にも安心して使えるとしている。 クリッパーEVの主な特徴は下記のとおり。 床下中央にバッテリーを搭載して低重心化が図られることで、軽商用バン特有の揺すられ感や段差における跳ね感を低減し、乗り心地のよさと操縦安定性の向上を実現。搭載されるバッテリーは20kWhの容量を持ち、航続距離は最大180km(WLTCモード)を確保する。普通充電では約7.5時間で満充電となるが、メーカーオプションの急速充電機能を使用すれば、80%までの充電が約42分で可能となる。これにより、業務終了後などに家や職場で普通充電すると、翌日には満充電状態で業務を開始でき、ちょっとした作業の合間の急速充電でも存分に走ることができる。 走行中の衝突回避を支援するインテリジェント エマージェンシーブレーキを始め、車線逸脱警報(LDW)、ハイビームアシスト、踏み間違い防止アシスト(前進のみ)など、多彩な安全装備を搭載し、全車がサポカーSワイドの対象となっているのもポイント。いざというときの危険回避や傷害の軽減をサポートしてくれる。 荷室は最大積載重量350kgを確保し、ホイールハウスの出っ張りや後席を倒した際の段差をなくすことで、荷物の出し入れのしやすさなど、軽商用バンのニーズを満たす荷室となっている。 グレードは2シーター、4シーターの2バリエーションを用意。2シーターには、スライドドアガラスとリヤクォーターガラスが両サイドともにパネル仕様となっているルートバンも設定される。 エクステリアカラーは全グレードにホワイトソリッドが設定されているほか、4シーターではスターリングシルバーを選択することができる。インテリアでは、デジタル表示のスピードメーターを採用し、インジケーターのサイズを大きくすることで視認性を高め流とともに、センターコンソール部のスイッチ類が、ひと目でわかりやすいレイアウトとなったことで操作性も優れる。 また、Type AおよびType Cの充電用USBポートを2シーターに標準装備、4シーターでもメーカーオプションで設定。キーレスエントリーシステムについているプレ空調スターター機能を使用することで、急速充電中、もしくは普通充電中に、乗車前に車外から車内の空調をオンにすることができる機能を2シーターに標準装備、4シーターにオプション設定する。排出ガスを出さずに室内を暑い日に荷下ろしを行っても、すぐに快適な車内空間で走行することができるのはうれしい。 日産クリッパーEVの価格は税込み286万5500円(定員2名/ルートバン)からで、2月12日に全国の日産ディーラーにて発売開始。 快適性に加え、安全装備が充実した新しい商用EVバンの「日産クリッパーEV」を自家用車として使う場合はクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象となり、事業用として使う場合にも脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金の対象となる。補助金を利用すればかなり購入代金を抑えて乗り出すことができるだろう。

TAG: #商用EV #商用車 #日産 #軽EV
TEXT:TET 編集部
欧州でも好調な日産の「e-POWER」! 累計販売台数が10万台を突破

10万台突破の立役者は「キャッシュカイ」と「エクストレイル」 欧州日産は2024年1月29日に、欧州市場でのe-POWER搭載車の販売が10万台を突破したことを発表した。 e-POWERは発電専用の高効率エンジンで電気を発電し、その電気を使いモーターのみで走行するいわゆるシリーズハイブリッドシステム。日本ではすでに定着した感のある日産の代名詞的な技術だが、欧州には2022年9月から市場投入され、これまでに「キャッシュカイ e-POWER」が6万5367台、「エクストレイル e-POWER」が3万4663台販売されている。 なお、「キャッシュカイ」の初代モデルは日本名「デュアリス」として国内でも販売され、欧州仕込みのハンドリングの良さとパッケージングからスマッシュヒットしたモデルだ。3代目にあたる現行モデルは、2021年にガソリンモデルの販売が開始され、2022年9月にe-POWER搭載モデルが追加された。初代、2代目と同様にロンドン中心部にある日産デザイン・ヨーロッパでデザインされ、同じく英国にある日産テクニカルセンター・ヨーロッパ社で開発されたキャッシュカイは、生産も英国内のサンダーランド工場というまさに欧州日産を代表するモデルだ。 「エクストレイル」は説明するまでもなく、激戦のDセグメントSUVのなかにあって「タフギア」を標榜し、アクティビティ層から高い支持を得るベストセラーカーだ。4代目となる現行型ではe-POWERに加え、前後ふたつの高出力モーターとブレーキの統合制御により、駆動力を自在にコントロールする電動駆動4輪制御システム「e-4ORCE」の組み合わせで、走りに上質さが加わったモデルになっている。 e-POWERの特徴とは? e-POWERの特徴は、普段はエンジンが発電し、モーターに動力を供給しながらバッテリーを充電するが、最大出力が必要なときには、エンジンとバッテリーの両方からモーターに電力を供給することだ。そのほかシーンに合わせて最適な発電を行い、道路状況に応じてエンジンの発電を制御していることが特徴として挙げられる。静粛性の面でも路面の状態や車速をセンシングし、走行音が静かな時は極力エンジンを稼働せず、走行音が発生しているときのみエンジンが発電する制御を行うなど、じつにきめ細やかな制御が行われている。 今回の10万台突破にあたって日産AMIEO(アフリカ、中東、インド、欧州、オセアニア)の商品戦略およびプライシング担当VPである、アーノルド・シャルペンティエ氏は以下のようにコメントしている。 「私たちは、日産独自の技術であるe-POWERのすばらしさを、効率性と優れた運転体験の両方を通じて、『キャシュカイ』と『エクストレイル』をお選びいただいたお客さまに認識していただけたことを誇りに思います。2022年9月のe-POWER導入以来、このようなマイルストーンを達成できたことは、大胆かつ革新的な我々の商品企画やエンジニアリングの功績です」 また、欧州日産のリージョナルSVPで研究開発を担当するデイビッド・モス氏は、「e-POWERは当社の電動化戦略の重要な鍵を握っています。完全に電気自動車へとシフトするにはもう少し時間がかかると思いますが、電気自動車と同じ100%モーター駆動のクルマならではの、快適で優れた走行性能を楽しみたいお客さまにとってe-POWERは最適な選択肢です」とコメントしている。 日本ではノートに搭載されて発売されるや否や、空前のヒットとなった日産の電動化技術のシンボル「e-POWER」が、欧州でも同様に受け入れられているのだ。

TAG: #e-POWER #エクストレイル #キャッシュカイ #日産 #海外ニュース
TEXT:TET 編集部
日産が「アリア NISMO」を発表・発売に先駆け東京オートサロン2024で公開!

専用のタイヤ&20インチアルミホイールを装着! 2024年1月12日(金)、日産自動車はアリア NISMOの発表・発売に先駆けて、東京オートサロン2024で実車を公開。発表は今春を予定している。 日産アリアは力強い加速、滑らかな走り、EVならではの静粛性と心地よい室内空間を兼ね備えた、スタイリッシュで革新的なクロスオーバーEV。 アリア NISMOは、アリア e-4ORCEをベースに、風格と高い空力性能を併せ持つ新世代EV NISMOのデザインをまとい、NISMO専用チューニングが生み出す高次元のハンドリング性能と爽快な旋回性、そして伸びのある加速などを味わえる、EV NISMOのフラグシップモデルとなる。 ベースモデルに対し最高出力を約10%向上させ、NISMO専用の加速チューニングを施したことでアリアの持つ圧倒的な動力性能をさらに引き上げ、気持ちのよい加速を実現。加えて専用のNISMOドライビングモードでは、レスポンスを最大化しEVならではの加速力をフルに発揮するためのチューニングを施した。 また、アリア NISMO専用のタイヤと軽量かつ高剛性な20インチアルミホイールを装着するとともに、シャシーを構成する各部品にもNISMO専用のチューニングを施すことで車両の安定性と回頭性を高め、軽快でなめらかな走りを実現している。 さらに、電動駆動4輪制御技術にNISMO専用のチューニングを施した「NISMO tuned e-4ORCE」は、限界走行時においてもより高いライントレース性を実現し、思い通りのコーナリングを可能とする。 エクステリアでは、アリアの上質さと空力性能を向上させる、NISMOらしいダイナミズムを体現。空力性能を向上させるためにレースカーの知見を数多く取り入れ、EVとしてとくに重要な空気抵抗の低減とダウンフォースの向上を高い次元で両立している。 風格のあるプレゼンスとEV NISMOならではのパフォーマンスを、Formula E マシンの高揚感を彷彿とさせるEVサウンドとともに感じられるという。また、インテリアではNISMO専用シートや、高い質感と高揚感を誘うデザインを採用している。

TAG: #アリア #電気自動車
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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