コラム
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「EVはメンテにお金がかからない=ディーラーは儲からない」は事実……だけどそれだけじゃない! EVをラインアップする多大なるメリットとは


TEXT:渡辺陽一郎 PHOTO:THE EV TIMES
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EVが新しい需要を生み出している

EV(エンジンを搭載しない電気自動車)は、ハイブリッドなどと異なり、エンジンオイルやオイルフィルターの交換を必要としない。そのため、ユーザーから受け取るメンテナンス費用も下がる。

首都圏の日産ディーラーに尋ねると以下のように返答があった。

「メンテプロパックの価格は、初回車検までをサポートするコースの場合、エクストレイルは約25万円だ。それがEVのアリアになると18万円少々に下がる。アリアはエクストレイルと違って、6カ月ごとのエンジンオイル交換と、1年ごとのオイルフィルター交換を必要としないためだ。その代わりアリアでは、6カ月ごとのEV診断、1年ごとのタイヤローテーションを実施するが、それでもアリアのメンテプロパック価格は、エクストレイルに比べて約30%安くなる」。

日産アリア

それならEVは、販売会社にとってラインアップしたくない商品なのか。

「そのようなことはない。たとえばサクラは、いままでデイズなどの軽自動車を所有していないお客さまが、2台目のクルマとして購入されている。サクラがなければ、単数所有のままだったから、EVのサクラは新たな日産車の需要を開拓している」。

単純にメンテナンスの売り上げだけを考えれば、オイル交換などを必要としないEVは儲かりにくいカテゴリーだろう。しかし実際には、EVがセカンドカーの新しい需要を生み出している。ガソリン車を下取りに出してEVを買うのではなく、ガソリン車と併せて複数のクルマを使うようになっている。そうなれば日産車の保有台数も増えるから、EVを扱うメリットは大きい。

日産サクラ

日産のブランドイメージに与える影響も見逃せない。リーフやサクラがあるから、日産は「環境性能の優れた電動車のメーカー」と判断され、e-POWERを搭載するノートやセレナの売れ行きも高めている。日産に限らず、EVを扱うことには、さまざまなメリットや相乗効果があるのだ。

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